〔音楽療法〕モーツァルトのピアノソナタ17番

2010-05-13 14:08:42 | ゴルフウイークリー
今やモーツァルトのピアノ・ソナタ奏者として有名になった菊池陽子の
演奏会を昨年3度ほど聴きに行きました。
これは菊池氏が雑誌で述べていたことですが「モーツァルトの曲は、
テクニック的にすごく難しいんです。譜面をなぞっているだけならば
簡単ですが、1つのパッセージを語りかけるように弾きたい時に、
どういう風に弾いたらいいのか。それにはすごくテクニックが必要なんです。
だからモーツァルトを弾くのは怖いですね。」と。

つまり、モーツァルトの表現しようとすることを解釈し咀嚼し、それを
音でどう表現、または再現することは技術的にかなり難しいということ
なのでしょうか? それに、自分の想像力や人間性を投影させて
演奏した場合、自分の中が、つまり精神もピアノ演奏技術もさらけ出されて
しまうので、怖ろしいし不安もあるということなのでしょうか!?
技術面はプロにお任せするとして、例えば、菊池氏が演奏した
ピアノ・ソナタ17番は変ロ長調ですが、第2楽章などは、哀愁がすごく
漂います。彼女は、ここをすごく丁寧に弾くので好感度バツグンです。

淡々と弾いているように感じますが、実は、情感を込めているので、指のタッチ
ひとつひとつが心に響いてくるのです。
ピアノ協奏曲27番『戴冠式』もそうでしたが、気品があって、それでいて心に響く
音だから、背すじがすっと伸びます。でも、戴冠式とは違い、このソナタは、
演奏者によって随分、雰囲気や曲の表現が違ってきそうです。深いですね。
でも、これが音楽を聴いて感動できる原点だと思います。
まだまだ私には、モーツァルトが表現しようとする根源的なものはつかめません。
モーツァルトが生きた年齢によっても、それは変化しているのでしょう。

もっともっと聴き込んでみます。