現在行われているサッカーw杯と、ゴルフにつきものの
審判のジャッジや、競技の裁定について
書きたいと思います。
たった今、ゴルフツアー選手権で、竹谷(たけや)プロが
初優勝を飾りましたが、優勝争いを最後まで
繰り広げた韓国のイ・サンイ選手には最終日11番ホールの
パッティンググリーン上で思わぬ裁定が下り、
2打罰が課せられ、プレーオフを逃しました。
その11番、ボギーパットをする際、いつものように
ボールをマークし、ライン上のルースインペディメント
(落ち葉や自然物など)を取り除きました。
ここまでは問題なかったのですが、
取り除いた後、右手の指の背で
3回くらいグリーン面を押しつける行為が
問題となったのです。
ルールでは、「パッティングライン上で
グリーン面を押さえつけてはならない」と
なっています。
グリーン面の芝の状態をテストしたり、
芝の目やライの改善を疑われる行為だと
見なされ、公正なプレーを逸脱している
と裁定されるためです。
残念ながら、「押さえつけていない」という
イ選手の抗議は認められず、2打罰が
課せられたわけですが、何とも後味の
悪い結末となりました。
ゴルフでは、空振りした時に
素振りか本振りかで
本人の意思が裁定の対象と
なることがあります。要は、
本人が本当にボールを打つ
つもりでスウィングしたか、
それとも、素振りのつもりで
思い切り振ったところ、それが
本振りの空振りに見えたケース。
ここでも本人の意思が尊重される
ことになっていますが、明らかに
本振りだと客観的に分かる
場合は、空振りで1打という裁定が
下ります。
また、サッカーでは、”ハンド”の
ジャッジが問題になることが
あります。素早い動きを審判という
人間の肉眼で見極めるわけですから、
難しいところがあります。本人は、
故意に手を使ったわけではないと
主張しても、審判のジャッジは
なかなかくつがえらないのが現実です。
これも、ゴルフ同様、難しいところです。
だから、”李下に冠を正さず”。
疑わしい行為はしないのが一番と
いうことで、最近はサッカーの
DF(ディフェンダー)陣は、相手が
ペナルティエリア内や、その近くから
シュートしようとすると、両腕を背後に
隠して”ハンド”をとられないように
することが主流になっています。
故意か故意じゃないか?
その判定は人間の目だけだと難しい
側面があります。見た目では
判断がつきにくいことが多いからです。
心の中の問題だからです。
今回のW杯から導入された
ゴールか否かを判定するハイテク機器などは、
肉眼で確認できれば、公正に
裁定を下すことができますが、故意うんうんに
なると、判定に困難をきわめることも
少なくないはず。
そこで、問われるのはスポーツマンシップです。
ゴルフでは、人が見ていなくても、
自分がここで空振りした!ここで、アドレス後、
ボールが動いた!などと自己申告する
真摯で紳士なプレーヤーもいます。
自分にペナルティが課せられるのは、
自分の行為の責任の代償として
負わなければならないという
尊いスポーツマンシップの精神の
持ち主ならでは。
勝ち負けにこだわる気持ちも分かりますが、
スポーツ競技者として守る軸も
持っていたいと思わせる
今日のゴルフトーナメントでの
出来事でした。