極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

最新金融工学と量子ドット工学

2016年02月18日 | マネー行動学

 

 

 

    中央銀行の歴史の中で、おそらく最も強力な枠組みだ。   黒田東彦日銀総裁

 

 

【現代金融工学からリスク尺度を考える】

この『金融工学入門』(第二版)は、世界標準の名テキスト待望の増補改訂と表される日本でも圧倒的支
持を集めた金融工学の定番教科書の最新版であり、日本でも圧倒的支持を集めた金融工学の定番
教科書の最新版。金融商品の価格付けやリスク計量、信用リスク、データ分析など、リーマン・ショック後
のトピックまで網羅されたもの。著者のルーエンバーガー,デービッドは、スタンフォード大学名誉
教授で、制御理論の分野で数々
のすぐれた業績をあげ、30代半ばの若さでスタンフォード大学
の正教授となる。研究領域は最適化理論一般、ミクロ経済学と幅広く、90年代に入って投資科
学(金融工学)の分野でも積極的に研究・教育活動を行っている。第2版の特徴は、リスクマネ
イジメント問題――現存する理論構成に試練を与え、大銀行の破綻や株式市場の高ボラティリテ
ィと損失が実証したように――重要である。現存理論と適用法は必要であるが十分ではなく、ま
た包括的に不十分である。これを第10章の「リスク評価」あるいは第17章の「信用リスク」
を補強し、射影価値付け(projection pricing)であり、さらに推定誤差の影響と負の影響などを
最小化、"ボラティリティスマイル"など総合的に検討され、最終章ではCAPM(資本資産価値:
Capital Asset Pricing Model)とブラックーショールズ方程式の双方を拡張、派生証券とは異なる
連続時間で取引させる資産を価値付けなどが加えられている。

● リスク尺度とは

一般に損失のリスクと利益の可能性間の適切なトレード・オフに基づきポートフォリオを設計す
る。これは定量的なリスク尺度を用いることにより明示に行うことができ、ポートーフォーリオ
のシャープ・レシオ(=無リスク金利を上回る平均超過収益÷ポートフォーリオ収益率の標準偏
差)はその一つの尺度ツールである。現実的には銀行のすべての顧客が評価できないので代わっ
て、米国では連邦預金保険公社(Federal Deposit Insurance Corporation:FDIC)が担う。リスクは次
カテゴリーに分類する。

1.市場リスク:株式や証券のように市場で自由に取引される資産に関係したリ予測可能リスク。
2.非市場リスク:保有しても短期的に市場で直接価格が付けられない資産に適用で1つはロー
 ンのような非取引形態。もう1つは、未公開株式企業への投資。
3.信用リスク:デフォルトに至るような窮状、もしくは意図的な破棄により、相手方が金融商
 品の条項を履行しないリスク。

● 例えば、バリュー・アット・リスクとは 

バリュー・アット・リスク(Value at risk:VaR)という指標は、損失に対する関心を元にし、損失
許容範囲(loss tolerance)を表す0と1の間の値hと、それに対する信頼水準(confidelence level
1-hを規定する。たとえば、h=0.05、すなわち5%の損失の評価範囲、1-h=0.95、
すなわち95%の信頼水準を選んだとし、あるポジションXとある損失許容範囲hに対し、損失
がVの最小値としてVaRは定義される。これを次の数式で表す。

            VaRh(X)=min{V:[P-X>V]≦h}
                    h 

同様に、VaRhは損失Vがより大きくならない確率が1-hより大きくなるVの最小値である。

            VaRh(X)=min{V:[P-X≦V]>1-h}
                    h

こんな風に展開されているが、このように数式の規定と計算が確率論と統計論として展開してい
くのだが、統計学は心得がありスムーズに理解できた?としてぺらぺらと読み飛ばしていく。
ところで、リカルド・レポネト著『なぜ金融リスク管理はうまくいかないのか』を松岡正剛は「
千夜千冊」(2010.01.19)でこのように結んでいる。


 誰もがリスクを防御したいと思い、誰もがリスクの集中と分散のメンバーになっていたとい
 うことについては、すべからくマネー金融工学のゲームプレイヤーであったという共通性に
 巻きこまれざるをえない。こうして金融市場は、友人夫婦の「家をもちたい」というささや
 かな希望とはまったくべつの化け物となっていったのである。ここには、どんな“実体”も
 ない。リスクが集められ、再構成され、ひたすら金融市場で交換されるテクニックが駆使さ
 れ、そのかわり市場にとっての最も重要な「流動性」が保証されていたというだけなのだ。
 けれども、いったんこの信頼すべき流動性の流れのどこかに異常事態がおこれば、ここから
 は世界の実体経済こそがその事態の波をかぶることになる。リスクは巨大な経済変動となっ
 て返ってくる。金融リスク管理のミスとは、こういう恐ろしいゲームになっていくものなの
 だ。 かくしてサブプライム・ローンは、周知の通りのとんでもない焦土と化したのである


いずれにしろ、世界の金融資本規模は実体経済の3~4倍規模であり、一旦信用恐慌の連鎖反応
が起これば
、大規模な信用恐慌の連鎖が懸念される。その回避のための「リスク尺度の規定」見
直し(フィードバック)が環境変化に合わせ複雑化・緻密化することもまた確かなのだろうと久
しぶりに今夜は経済を考えてみることになった。ところで、このタイミングでマイナス金利政策
導入とは驚く。ここでも「リスク尺度」の研究開発が問われている。



【最新ナノ電子工学 2016: 高変換効率ソーラー技術】 

● 接触面積を広くし量子ドットソーラーの変換効率向上

球形である量子ドットは、柱状体との間で点接触状態のため抵抗が大きくなり、キャリアの集電
性が低下し光電変換効率が向上しない。そこで下図のように基板1と、量子ドット集積膜3と、
電極層5から構成され積層され構造――一方端が基体膜3bに接続、厚み方向に延伸する柱状体
3aと、基体膜3b上に置かれた量子ドット3cと備え、柱状体3aは、その側面3aaが基体
膜3b――表面付近で曲面状に保ち、接触面積を広げることで量子ドットと柱状体との接触抵抗
を低くしキャリアの伝導性および光電変換効率を高める
構造提供である。

 

● 設計通りのケイ酸濃度分布を得る酸化ケイ素膜の製法

設計通りのケイ素濃度分布をつくるためには、シリコンウェハに適切なマスク酸素イオン注入が
必要であるが、この方法では(1)5ナノメートル以下量子ドット作製に必要な空間分解能(サ
イズ)をもったマスクをつくることができない。(2)イオン注入したイオンはマスクサイズが
十分に小さくても、注入イオンは大きく広がるため量子ドット作製に必要なイオン分布が得られ
ないという問題があった。このため、
半導体単結晶表面に、(1)半導体単結晶と格子定数の異
なる結晶膜を作製――半導体結晶の格子と結晶膜の格子が一致する格子整合点が規則的に配列さ
れた構造を形成する工程と、(2)結晶膜を介して半導体単結晶に、半導体単結晶中で絶縁体を
形成するイオンを注入する工程とで―――実行する。イオンの注入は、半導体単結晶と結晶膜に
おいて直線上に原子核が存在しないチャンネルに沿った方位から行うことが好ましくまた、半導
体単結晶はSi単結晶であり、結晶膜はZnTe結晶膜であることが好ましい製造方法提供であ
る(下図)。


● タンデム型量子ドットソーラーの製造方法

量子ドット型太陽電池の光電変換効率をさらに向上させる新たな構造が種々提案されているが、
この中で、複数の量子ドット層を重ねた構造において、量子ドット層間で
量子ドットのサイズが
異なるように配置して、様々な波長の光を利用できるようにする「
タンデム方式」の太陽電池が
注目されているものの、、積層した光電変換層である量子ドット層間の電気的な接合についての
検討が十分に進んでいない。このため、バンドギャップの異なる複数の光電変換層10、20と、
該複数の光電変換層の間に配置した集電層3とを備え、複数の光電変換層は、いずれもp型光電
変換層10a、20aと、n型光電変換層10b、20bとが積層した構造で、集電層3は、バ
ンドギャップがいずれも3eV以上のp型半導体層3aとn型半導体層3bとが積層された構造
であり、p型光電変換層、n型光電変換層、p型半導体層3aおよびn型半導体層3bが積層方
向にp型とn型とが交互に配置し、積層した光電変換層間の電気的な接合を良好なものにし、キ
ャリアの伝導性および光電変換効率を高めることのできる光電変換装置を提供している(下図)。

● 多接合型ソーラーのエピタキシャル材料のエッチング方法

塩酸・ヨウ素酸混合水溶液で多接合太陽電池メサ構造壁をシングルステップウェットエッチング
で、ウェットエッチング化学が異なるヘテロエピタキシャル層の間のエッチング速度の大きな違
いなしに非選択的に半導体材料を除去し、半導体基板上に単離し、製造プロセスの簡素化と製造
時間の短縮を実現する製造法の提供である(下図)。

日々新たである。加齢は単なる疎外された時間に過ぎないと再認識しつつも。時間に追われ、
我を忘れ気ぜわしく自分を見失うまいと心する今夜であった。

                                     

 

 

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