極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

登山の必要水分量

2016年08月22日 | 時事書評

 

   



               たいていの場合、60代は真っ盛りです。
で、70代が終わって、
               この続きでいくだろう、と思ってると、ちがっちゃうんです。
               急に、年寄りになるんですよ。

            いまの年寄りは、体のほうだけ成長というか、
               老いていって、寿命は延びていって、精神のほうは成長しないです。

 

                                                                 
                                             Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012 

 



● 登山の必要水分量

台風9号は暴風域を伴い関東北部から東北を北上し、あす23日朝までには北海道に上陸する見込
みだが、台風9号周辺の発達した雨雲により、関東では24時間雨量が8月の1か月分に相当する
大雨となっている。22日午後2時50分ごろ、東京都渋谷区のJR山手線原宿駅で、首都圏に上
陸した台風の強風のため線路脇の樹木が倒れて外回りの架線に当たり、外回りの運転を見合わせた。
その後、内回りも運転を見合わせ、全線でストップ、同6時半、内回りのみ運転を再開したという。
JR東日本によると、全面復旧は午後7時半ごろの見通し。また、午前11時20分ごろ、東京都
東村山市廻田町3の西武多摩湖線の武蔵大和駅付近で土砂崩れがあり、電車が脱線。警視庁などに
よると、乗客6人が乗車していたが、けが人はいないという。同線は全線で運転を見合わせている。
台風9号による雨や風の影響とみられ、西武鉄道が復旧作業をしている。

 

ところで、甲武信岳の日程を午前中に計画するが、8月今週の木・金曜日は晴天なのだが、都合が
悪く、いまのところ9月中旬の焦点を合わせ天候次第ということで宿泊所を調べ、電話し予約状況
やキャンセル料金など問い合わすが、空いているので当日の予約でかまわないとの返事をもらい、
家庭都合の調整に入る。こちらの方が難航?
 で 今夜のところ未定。



今日は「越後駒ヶ岳」のテレビ録画を見ながらのルーム・ウォーキング。登山家でインストラクタ
(番組のナビゲータ:男性)が頂上につくと、山頂で二人連れの年配の女性の登山者がこの越後駒
ヶ岳で百名山を踏破ですと言ってナビゲータ(を交え三人で缶ビールで乾杯していたが、この日を
迎えるまで45年かかたと語っていたが、一年平均2・2座のペースで踏破していることになる。
そう、この「45年」というのが、わたしには、何とも素晴らしい響きをもって耳に届く。また、
越後駒ヶ岳の麓は、1000戸ほどが立ち並ぶ銀山の街があったことも初めて知る。また、熱中症
予防に必要な水分量の計算方法(必要水分量=体重×移動時間×5グラム)も教えてくれためにな
った(カッコつけ程度に、英会話の録画も流す)。

   

【帝國のロングマーチ 27】    

           

● 折々の読書  『China 2049』45         

                                     秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」    

ニクソン政権からオバマ政権にいたるまで、米国の対中政策の中心的な立場にいた著者マイケル・
ピルズベリーが自分も今まで中国の巧みな情報戦略に騙されつづけてきたと認めたうえで、中国の
知られざる秘密戦略「1000年マラソン( The Hundred-Year Marathon )」の全貌を描いたもの。
日本に関する言及も随所にあり、これからの数十年先の世界情勢、日中関係そして、ビジネスや日
常生活を見通すうえで、職種や年齢を問わず興味をそそる内容となっている。
  

【目次】    

  序 章 希望的観測
 第1章 中国の夢
 第2章 争う国々
 第3章 アプローチしたのは中国
 第4章 ミスター・ホワイトとミズ・グリーン
 第5章 アメリカという巨大な悪魔
 第6章 中国のメッセージポリス
 第7章 殺手鍋(シャショウジィエン)
 第8章 資本主義者の欺瞞
 第9章 2049年の中国の世界秩序
 第10章 威嚇射撃
 第11章 戦国としてのアメリカ
 謝 辞
 解 説 ピルズベリー博士の警告を日本はどう受け止めるべきか 森本敏(拓殖大学特任教授・
     元防衛大臣)   
   

   

 

    第10章 威嚇射撃

                        百聞不如一見――百聞は一見にしかず

                                                 『漢書』趙充国伝


※ 百聞不如一見、兵難遙度、臣願馳至金城、図上方略(百聞は一見に如かず。軍事情勢は離れた
  ところから推測しがたいので、わたしは金城に駆けつけ、上策を図りたい)
 

 A program to improve analytic methods related to strategic forces

  米中間で、力のバランスの解釈が異なるのも無理はない。何といっても両国は、異なる戦略
 環境で作戦を練り、異なる脅威に直面しているのだから。国力を評価する際に重視する要素も、
 当然ながら異なる(注15),1982年に、アメリカ国防総省総合評価局の局長、アンドリュ
 ー・マーシャルは、ソビエトとアメリカで戦略的バランスの評価が異なることについて、次の
 ように述べている。

   戦略的バランスを評価する土台となる要素は、ソビエト流の評価に最も近 いものである
  べきだ。もっとも、土台となる要素を変えても、アメリカ流に評価したのでは意 味がない
  (中略)むしろ、可能な限り、ソビエトが最も可能性が高いと考えるシナリオに沿って、ソ
  ピエト式の基準や方法で結果を評価し、ソピエトが構築するように構築した評価であるべき
  だ(中略)。一方、ソビエトが行う予測は、シナリオも目的もアメリカのそれらとは異なり、
  アメリカと異なる変数に注目し(中略)異なる計算をし、異なる測定手段を用い、ことによ
  ると評価の過程や方法も異なるだろう。その結果、ソビエトの評価は、アメリカの評価とは
  大きく異なるものになる(注16)。

  さらに、勢力バランスにおける各国の相対的位置づけは、主観的解釈によるところが大きい
 という以上に、後の時代に振り返ってようやく見えてくるものだ。かの偉大なる英国の政治家
 ボリングブルック卿は、次のように述べた。

   力の大きさが変わる時点は、普通に見ていてはわからない。力を増しつつある者は、己の
  力を実感しておらず、それを確信することもない。そうした確信は、後に成功体験からもた
  らされるものだ。この力のバランスの変化に強い関心を寄せる者は、同じ先入観から、同じ
  ように 判断を誤ることが多い。もはや脅威ではなくなった力を恐れつづけるか、日ごとに
  侮れなくなっていく力を恐れないかのどちらかだ(注17)。



  勢力バランスの評価が本質的に主観的でることから、アメリカの学者の中にはバランスが中
 国に傾いた、あるいは将来傾きそうだ、という考えを否定する人もいる。タフツ大学のマイケ
 ル・ベックリーは2011年に「アメリカは衰退してはおらず、それどころか、1991年に
 比べて、中国より裕福で、より革新的で、軍事的に強力になっている(注18)」と述べ、「中
 国は力をつけてきてはいるが、追いついてはいない」と断言した(注18
)。言うまでもなく、
 アンドリュー・マーシャルとボリングブルック卿の考察はどちらも、中国とアメリカによる自
 国と相手国の力の評価について言えることだ(注20)。

  さらに言えば、国が違えば、勢力バランスの評価は違ってくるので、中国政府は、アメリカ
 が認めるよりずっと早い時期に、自国がリードしていると考えはじめるかもしれない。マラソ
 ンの最後の数十年間に、このずれは相互への誤解を生じさせ、それが戦争につながる恐れが
 (注21)。

  マラソンでの勝利が見えてきたので、現在の中国は、より大きな野望を抑えつつ、いっそう
 好戦的になる余地があるかどうかを検討している。差し迫った優先事項は自国の近辺にある。
 周辺の海では、南はベトナム、フィリピン諸島、マレーシア、ブルネイ、東は日本との問で緊
 張が高まっている。
  2010年以降、中国は数百年前の地図をひっぱり出してきて、束シナ海と南シナ海の島々
 との歴史的つながりを主張し、領海の拡大を正当化しようとしている。2010年5月にアメ
 リカとの酋脳会談で、南シナ海に浮かぶスプラトリー諸島の権利を主張し、豊富なエネルギー
 源と漁業資源を有する何万平方マイルにもわたる海を自らの排他的経済水城に加え、領海をベ
 トナムやフィリピンの海岸近くまで広げようとした(注22)。



  ヒラリー・クリントン国務長官が、中国とその南の国々との諍いを仲裁しようとするアメリ
 カの意向を伝えると、中国は怒り、数カ月にわたってベトナムとフィリピンの船舶に嫌がらせ
 をした(注23)。フィリピンの大統領ベニグノ・S・アキノ三世はこの状況を1938年にチ
 ェコスロバキアが直面した状況にたとえ、「人はどの時点で『もう十分』と言うのか? 世界
 はそれを言わなければならない。第二次世界大戦を回避するためにヒトラーに引き渡されたズ
 デーデン地方(チェコスロバキア北西部にあり、ドイツ人が多くいたため、ヒトラーが割譲を
 求めた)のことを思い出していただきたい」と述べた(注24)。中国はアキノ大統領の発言を
 「きわめて侮辱的だ」と評した(注25)。

  Bloomberg News June 10, 2011

  しかし、最も緊張が高まっているのは、日本との関係だ。中国の著述家の中には、日本人は
 「雑鮪」で、日本はアジアにおけるアメリカの代理国だと考える人もいる。その上、第二次世
 界大戦中に中国を占領した日本軍の残酷な行為に対する怒りも、根強く残っている。束シナ海
 では、日本列島から西へ延びる一連の島々で衝突が頻発しており、全面的な海戦へと発展しか
 ねない。

  2010年9月7日、中国では釣魚島、日本では尖閣諸島と呼ばれる諸島の近くで、中国漁
 船と日本の巡視船が衝突した。中国政府が強く反対したにもかかわらず、日本の海上保安庁は、
 中国漁船の船長と船員を拘束し、連行した(注26)。これに対して中国は、日本へのレアアー
  ス輸出を大幅に削減するとともに、軍が管理する立ち入り禁止区域に侵入したとして4入の日
 本人を逮捕した(注27)。

  NOV. 2, 2012


  驚いたことに、2年後、6隻の中国の海洋監視船が2グループに分かれて尖閣諸島地域に侵
 入し、うち4隻が日本の巡視船の警告を無視して航行を続けた(注28)。中国は、領海をそれ
 らの島々の周囲にまで拡大するという声明を出し、その海域での巡回を始めた(注29)。この
 事件を皮切りに、中国は諸島の周囲を継続的に巡回するようになり、数週間にわたって巡回す
 ることもあった。諸島から14マイル以内への侵入もたびたび起きた(注30)。尖閣諸島に含
 まれる個人所有の島々を日本政府が購入すると、中国全土で反日の抗議行動が勃発した(注31),
 北京の日本体使館を数千人が取り囲み、他の多くの都市でも抗議行動が起きた(注32)。中国
  政府は「日本は中国の権利を侵害したのだから、中国の市民が意見を表明するのは極めて当然
  のことである」との声明を出し、抗議を後押しした(注33)。



  2013年11月23
日に中国の国防部が東シナ海に防空識別圏(ADIZ)を設定すると
 発表するにいたって、ついにアメリカは何らかの手を打たなければならなくなった。過去にお
 いて、日本やアメリカを含む他の国も、それぞれADIZを公表してきたが、中国の場合は非
 常に厳しい要求を掲げ、その圏内を飛ぶ航空機に、身分を明かし、飛行計画を提供することだ
 けでなく、飛行中に中国のADIZ管理機構と無線連絡を取り続けることまで要求した(注34)。
 中国政府の発表の直後、喜ばしいことに、アメリカの国防長官チャック・ヘーゲルは、2機の
 
52超大型戦略爆撃機が中国のADIZ上空を飛ぶことを許可し、中国政府の要求をアメリ
 カが認めないことを明らかにした。中国は抵抗しないはずだとヘーゲルに言うしたのはわたし
 だった。

 SEPT. 16, 2012

  日本の抗議に対して、中国の外交部は「日本には、無責任な意見や悪意のこもった言いがか
 りを中国にぷつける権利はない」「中国の領土統治権を傷つける行為をすべてやめるよう日本
 に要求する]と述べた(注35)。日本の安倍音三総理大臣は、2014年1月にスイスのダボ
 スで聞かれた世界経済フォーラム年次総会で、東シナ海諸島を巡って緊張が高まる日中の関係
 を、第一次世界大戦前のイギリスとドイツの緊張にたとえて、論争を引き起こした,イギリス
 とドイツが、現在の日本と中国のように経済的に強く結びついていたにもかかわらず、191
 4年に戦争に突入したのは誰もが知るところだ(注36)。

  中国のマラソン戦略が実行可能かどうかを測る試金石となるのは、日本が西の領海でますま
 す攻撃的になる中国にどう対処するかということだろう,少なくともこれまでの20年間、中
 国政府は、ライバル国(この場合は日本)のタカ派を卑劣な手段で攻撃するという戦国時代の
 戦略を推し進めてきた。日本を悪者にする作戦をアジア全域で開始し、日本国内の聴衆にもそ
 のメッセージを浴びせた。その内容は今も変わっていない。「日本のタカ派は密かに1930
 年代の軍国主義を復活させようとしている。それを看破し、タカ派を政治的に無力にしなけれ
 ばならない」というものだ。

この当時、このブログで(「CRAKの尾っぽ」2012.09.15)、次のように書いている。

  日本政府が尖閣諸島の国有化を決めて初めての週末となるが、中国全土のおよそ40カ所で
 反日デ モが行われている。デモ隊は一部で暴徒化し、警察当局を攻撃するなど、当局の制御
 が利かない事態
 も起き始めているという(中略)尖閣列島事件はどうだろうか。今回の事変で邦人の
 生命が失われたとした誰に引責があるのだろ? そんなことを考えていたら“CRAK”(ク
 ラック)という言葉が浮かんだ。勿論、Cとは
中国、Rとはロシア、Aとは米国、Kとは韓国あるい
 は北朝鮮だ。日本を含めたこの周辺関係国の特徴の1つは、まず、米ソ冷戦構造の後遺症が色
 濃く残ることだ、つぎに太平洋戦争での敵対国であり、濃淡の差はあるが抗日ナショナリズム
 の後遺症、続いて、それ以前の欧米列
強の植民主義あるいは帝国主義の後遺症で、これらの残滓
 が堆積し宗教的色合いを残していると言いたいのだが、こんなことも考えた。これも吉本隆明
 だったが「猫の額ほどの植民地を巡っての帝国主義戦争は終焉した」というのだが、残念なが
 
気がつけば宇宙と海洋(海底)においてはその余地が残ってたというわけで、新しい形態の
 それが リバイバルするかのように、わたしたちの前に立ちはだかったというわけだ。斯くし
 て、司馬遼太郎の
『坂の上の雲』はいま中国と韓国にあるというわけなのだろう。少なくとも
 そのよう に考えると見えないものが見えてくるようだ。

軍事力を持って領土を奪い合う帝国主義的な外交破壊の「素地」が残っていたのだと、初めて書い
ている。勿論、本著書は念頭になかった上である。従って、本書の表題の「中国のマラソン」は、
ここでは「帝國のロングマーチ」と書き換えられることになる。先を急ごう。

                                                      この項つづく 

 

 

 

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