極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

ドグ・ホリデイの忘れ物

2013年07月24日 | ネオコンバーテック

 

 

 


『ワイアット・アープ』(原題: Wyatt Earp)-ローレンス・カスダン監督、製作、脚本
による1994年のアメリカ合衆国の映画。西部開拓時代の保安官であるワイアット・アープ
を主人公とした伝記、西部劇映画で、製作も兼任したケビン・コスナーがアープを演じる
-でデニス・クエイド扮するドグ・ホリデイが生死の分かれ目は偶然に過ぎず意味のない
ことだから気がつけばあの世たらに行っているかもしれないと語り「朝、目を覚ますと死
神が顔を覗いている」と吐露し、アープの妻の自殺未遂のごとごとゴタゴタに疲れ果てて
いる彼を慰めるかのようにシニカルな死生観を披露するシーンが印象として残った。映画
そのものは、西部開拓史に登場する数多くの人物と、それぞれの人物が出来きるだけ史実
に忠実に描かれていて、現代米国の深刻な銃社会の精神構造の根深さを再確認できる作品
だ。



話はドグ・ホリデイの台詞のところに戻るが、朝、目を覚ましたら死神が覗き込んでいた
のではなく、「ネオコンバーテック」ブログテーマに掲げているにも関わらずスッポリと
説明というか概念考察や研究が抜けていたことに気付きこれは直ぐさま行動しなければと
思い至る。なぜ、そう考えたか?これも単なる偶然なのだが。そこで「NEOCONVERTEC
H 創業論」というファイルホルダを新設し考察と掲載を開始する(下図はその二つのアイ
コンと概念アニメ)。



なお、コンバーテックは、フィルム・シート(原反、機能性付与タイプ、多層化タイプな
ど)、金属箔、紙・板紙、機能紙、不職布、合成紙、繊維、鋼板、炭素繊維複合シート、
薄膜ガラス、セラミックシート、発泡シートなどのウェブ・シートをベースとする多彩な
要素技術を組み合わせた「集積技術」である表面加工技術(コンバーティング・テクノロ
ジー)のこと。主な産業領域は、「コーティング」「ラミネーティング」「プリンティン
グ」「切る・抜く・巻く」などを駆使したモノ作りであり、コーティング、ラミネーティ
ング、プリンティング(特殊印刷、微細パターン印刷が対象)、スリッティングとして包
装、接着、印刷、ラベル、プラスチック、紙、不織布、繊維、ディスプレイ、医療、バイ
オ、半導体、電子、化学、自動車、建築、機械など広範にまたがる。
これに対し、ネオコ
ンバーテック(ネオコンバーティングテクノロジー)は、1973年に月刊「紙とプラスチッ
ク」を創刊した加工技術研究会が定義した「コンバーテック」を踏まえ、その後、誕生し
たデジタル情報産業革命を担う半導体製造技術と、バイオミミックリを合い言葉に象徴さ
れる21世紀の物理学を担うバイオテクノロジーあるいはナノ・テクノロジーとを融合した
新しい表面加工技術産業のコア産業技術を「ネオコンバテック」と定義した環境工学研究
所 WEEF(ウィーフ)が2008年にはじめて、新事業技術領域として提唱した。

 

その作業も大事なのだが、 大阪大学産業科学研究所の田川精一教授らの研究グループは最先
端の半導体デバイス製造のスループット(1時間あたりの半導体ウエハーの処理枚数)を
10倍以上向上させる技術を開発というニュースと、オーストラリア・ロイヤルメルボルン
工科大学(RMIT)の橘泰宏上級准教授らは太陽電池に適した低コストで毒性が少ない
半導体ナノ結晶の合成に成功というニュースが舞い込みその確認に手を取られるととなる。

 

後者のニュースは、量子ドット型太陽電池の高性能化・廉価化に関連し、溶液中における
化学反応を利用して合成されるコロイド状半導体ナノ結晶は、塗布型印刷プロセスを用い
た安価
な次世代太陽電池の材料として注目を浴びているが、現在利用されている化学(溶
液)プロセスで
合成されたコロイドナノ結晶の主な種類は、カドミウムや鉛など毒性の高
い元素を含む半導体に限られていました。欧州連合(EU)内では、カドミウムや鉛など
の有害な化学物質を含む家電製品類の製造、販売が禁止されおり、低価格かつ低毒性の半

導体ナノ結晶の開発が望まれていた。今回、安価で低毒性の元素として銅・アンチモンを
選択し、
硫黄を組み合わせた3つの元素から成る半導体ナノ結晶の作り分けに成功。さら
に、得られたナノ結晶を用いて、塗布法により薄膜を簡単に作製可能であることが分かり、
薄膜から安定的に光電流が生じることを確認したという。
この発見で、安価で低毒性元素を
利用した、溶液塗布プロセスで作製される太陽電池に適した新材料を開拓。現在、塗布型太陽電
池の作製に取り組んでおり、数年以内の実証実験を経て、実用化を目指し、このコロイドナノ結晶
合成法は、ほかの金属元素にも応用可能であるため、将来的には今回のものと異なる有用な元
素を用いて、太陽電池以外にも使用可能な半導体ナノ結晶の開発にも広く貢献することが期待さ
れるという。

 

特開2008-287900 光電変換素子及びその製造方法、並びにその素子を用いた太陽電池

 

さて、前者のニュースは次世代の最先端の半導体デバイスの製造のためのリソグラフィ技
術の本命として開発が進められている1台百億円と言われる極端紫外線(Extreme Ultra
 Violet
:EUV)リソグラフィの露光装置では、露光光源のパワーが低いため、スループ
ットが目標の10分の1程度と低いことが最大の課題だった。現在、世界中のレジストメー
カーが開発の指針としている標準的な反応理論に基づいたレジストの高感度化は、ほぼ限
界に近づいており、10分の1程度と低い露光パワーでは目標のスループットに到達できな
い。露光プロセスと感光性樹脂(レジスト)の両方を同時に根本的に変革し、従来の反応
理論に縛られない、10分の1程度の低いパワーのEUV露光でもレジストの反応性を高め
て目標のスループットに到達できる新しい技術体系だという。従来のEUV露光プロセスでは、1回
のEUV露光によってレジスト中に酸が発生することにより反応が進む。本技術では、(1)微細パ
ターンを形成するEUV露光と(2)高感度化のための光全面露光の2回の露光を行うこと
により微細パターンを高感度で形成する。

つまりは、最初のEUV露光で酸と同時に光増感剤をレジスト中に発生させ、2回目の光
全面露光では1回目のEUV露光で生成した光増感剤のみが光を吸収する波長の光全面露
光を行うことにより、1回目のEUV露光を行った部分のみに再び酸と増感剤を発生させ
る。このEUV露光部の選択的増感反応により10倍以上の酸増殖ができ、少ないEUV露
光量でも反応に必要な十分の量の酸を発生させることができる
。この酸増殖反応は室温で
起こるので、酸増殖時に酸の拡散がないので解像度を維持したままレジストの大幅な高感
度化が可能
になる。

 

特開2013-127975 極端紫外光源装置 ギガフォトン株式会社

さて、これら2つの研究成果は、いずれも「ネオコンバーテック創業論」の事業対象その
もとなる。付加価値の高い、骨太の事業開発・プロジェクトを欲するひとには、ドグ・ホ
リデイが教えてくれた「忘れ物」は世界をやがて席捲する
 ニュー・ビジネス、ニュー・プロジ
ェクトに大化けする。

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