極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

ジャック・アタリの未来予測

2020年04月27日 | 時事書評



                  

                                                           
13 子 路  し ろ
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「その身を正す能わざれば、人を正すをいかんせん」(13)
「近き者説べば、遠き者来たらん」(16)
「速やかならんと欲すれば、達せず。小利を見れば、大事成らず」
(17)
「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」(23)
「剛毅木訥(ごうきぼくとつ)、仁に近し」(27)
------------------------------------------------------------
自分の行ないが正しければ、命令するまでもなく実行される。だが、
自分の行ないがまちがっていれば、いくら命令しても実行されない。
(孔子)

子曰、其身正、不令而行、其身不正、雖令不從。

Confucius said, "If you are righteous, people act without your
order. If you are not righteous, people do not obey your order."



ジャック・アタリの未来予測はいまや常識!
「起きるわけがない」と決めつけても、どんなことだって起
こりうる。そうした最悪の事態を予測することこそが、最悪
を回避する最善の手段なのだ。1943年アルジェリア生まれ。
フランス国立行政学院(ENA)卒業、81年フランソワ・ミッテ
ラン仏大統領特別補佐官、91年欧州復興開発銀行の初代総裁
など要職を歴任。政治・経済・文化に精通し、ソ連の崩壊、
金融危機、テロの脅威、ドナルド・トランプ米大統領の誕生
などを的中させた。著書は、『21世紀の歴史』『金融危機後
の世界』『国家債務危機―ソブリン・クライシスに、いかに
対処すべきか?』『危機とサバイバル―21世紀を生き抜くた
めの〈7つの原則〉(いずれも作品社)』『アタリ文明論講
義:未来は予測できるか(筑摩書房)』など多数ある。
本書『2030年ジャック・アタリの未来予測』では、“欧州の
知性”とも称されるフランスの思想家・経済学者であるジャ
ック・アタリ氏が2016年時点の世界状況を分析し、その結果
をもとに2030年の世界を大胆に予測している。その未来は科
学技術の進歩など明るい面もあるが、おおむね暗たんたるも
のだ。私たちが未来の世代のことを考えずに利己的な態度を
とり続ければ、とてつもない危機を招き入れるのは間違いな
いと、アタリ氏は警鐘を鳴らしている。

📌目次

第1章 憤懣が世界を覆い尽くす(順調にみえる世界;世界
では多くの重要なことが、悲惨な状態になりつつある
第2章 解説(現在までのところ、政治と経済の自由に基づ

く社会組織は、世界で最も優れた制度だったことが明らかに
なった;しかしながら今日、このシステムは機能不全であり、
世界は奈落の底へ突き落とされる寸前である;今日、市場は
グローバル化され、法の支配のない状態にある;国内に閉じ
こもる民主主義はますます空虚になり、民主主義が現実に対
しておよぼす影響力は減る一方である;袋小路に陥り、怒り
が爆発する;自由を断念することなく「大惨事」を回避する
ための二つの解決策)
第3章 99%が激怒する(世界をよりよい方向に向かわせ
る;このままでは、世界は大混乱へと向かう;激怒の社会構
造;世界中で怒りが爆発)
第4章 明るい未来(自分自身に働きかける;世界のために
行動を起こす)

アタリ氏は、今の世界が「憤まん(怒りのやり場がない思い
)の社会構造」になっているとする。その原因は「市場」と
「民主主義」の関係にある。グローバリゼーションの影響で
両者の関係が不安定になったというのだ。その不安定さが人
々の心を不安にし、やがて怒りに発展、さらに憤まんへとエ
スカレートしていった。資本主義経済の下、市場が発展する
につれ中産階級が育っていった。中産階級は自由と平等を好
むが故に民主主義が普及する。すると、それぞれの国や地域
で、民主主義の原則に従い市場のルールや仕組みが整備され
るようになる。このように市場と民主主義は互いに影響を与
えながら強化されていった。だが、グローバリゼーションが
進展すると、市場が暴走し始める。グローバルな市場を縛る
明示的な法律や仕組みが存在しないことが原因だ。その結果、
市場での成功者に富が集中、格差が広がった----と、ここま
では、わたし(たち)の考え方と同じだが----また、市場で
自由が追求されると、「自分さえ良ければいい」という利己
主義的風潮がまん延してくる。これに関してもグローバルな
市場ではコントロールするすべがない。こうした状況の中、
リーマン・ショックのような地球規模の危機が起こった。す
るとそれをきっかけに憤まんが「激怒」に変わる可能性が生
じた。激怒が支配する社会では、過激な宗教原理主義が跋扈
し、テロリズムを誘発する。民主主義は見捨てられ、全体主
義が息を吹き返す危険性も出てくる。そして行き着く先は「
戦争」。次に地球規模の戦争が勃発すれば、人類文明は終焉
を迎えるかもしれない(出典:2030年ジャック・アタリの未
来予測』‐不確実な世の中をサバイブせよ!|ひらめきブッ
クレビュー ~気軽に味わう、 必読書のエッセンス~|日本
経済新聞電子版特集)と結んでいる。そして、日本では----
毎度まいどの「ウイキペディア」(日本版)からの引用----
日本ではその紹介のされ方から、経済、芸術、史学に通じた
碩学、時間空間を跨ぐ大きな枠組みからの未来予言者として
受け止められ、近未来を示唆するものとして、フランスでベ
ストセラーとなった「21世紀の歴史(Une brève histoire de
l'avenir
)」や「2030年ジャック・アタリの未来予測(Viveme-
nt après-demain
)」は日本でもベストセラーとなっている。

🖰 その彼が、米国が凋落し、中国も覇権を奪えないという
極めて不安定な世界を予見し。第3次世界大戦の可能性につ
いて、真っ先にカギを握る国として北朝鮮の名を上げている
(北朝鮮は第3次世界大戦のトリガーになり得る トランプ×
金会談は恥ずべき行為だ、 PRESIDENT Online、プレジデン
トオンライン、2020.01.02)。「2020年の最大の問題は北朝
鮮」とし「トランプ大統領が金正恩朝鮮労働党委員長と会っ
たのは、チェンバレン首相とダラディエ首相がヒトラー総統
と会ったように恥ずべきことだったと断言し、米国はグロー
バル戦争勃発のリスクをさらし混迷を深めたが、中国は、豊
かになる前に高齢化したくないので戦争などできないとの見
解を述べ、米国には「外に敵をつくる要因」があるが、欧州
には「外に友人をつくることを学んだ」として、移民の津波
はないと予言している。(出典:同上)
🖱 わたし(たち)はこの新コロナ・パンデミック一番の弱
点は朝鮮半島のメルト・ダウンにあることをこのブログで指
摘している。これだけでない「中国はいずれ分裂する」(ジ
ャック・アタリ「東京オリンピック開会式で日本は終わる」
日本の未来を明るくする「処方箋」 (4/7)、プレジデントオン
ライン)との発言も同様に、ブログ掲載しているし、「(国
家)が他者を顧みない利己の追求が破滅を呼ぶことは明らか」
では、『墨子論』で掲載し、新コロナウイルス・パンデミッ
ク」は、「浮かれている場合ではない」(「引き寄せられる
混沌」)で掲載している。このように彼の予言は、わたし(
たち)の予言でもあったが、「10年後、世界の指導役は国
家からGAFAに変わる」(出典:同上)との予言は、わた
し(たち)にはない(つまり、そんなに早く宗教的国家側面
)は解けるもんじゃない)。とは言え、「日本の未来を明る
くする処方箋」で指摘する、日本が本腰を入れるべきことは、
外国人受け入れ拡大以上に、①子どもを産み、次世代への備
えを進めるための意識改革➲出産後に女性と配偶者に長期
休暇=夫婦合わせて、生後、合計6カ月の休暇が必要、②「
合理的な利他主義」と「未知なものに心を開く」の指摘は正
鵠を射ている。
                                            この項了

   

【ポストエネルギー革命序論171】

  黒の革命
快挙!窒素ドープ型ナノチューブ分子の化学合成


東京大学らの研究グループは、窒素原子が埋め込まれたナノチ
ューブ分子(窒素ドープ型ナノチューブ分子)の化学合成に初
めて成功したことを公表。同グループは、2019年に独自のナノ
チューブ分子化学合成法を開発。これまでは化学合成法にベン
ゼンを用いてきたが、今回はピリジンを活用することで、窒素
原子の位置や数を制御しながら埋め込むことに成功。これまで
の物理的な製造方法では組成や位置、構造などを制御しながら
窒素ドープを行うことはできなかった。
【要点】
①窒素原子が埋め込まれたナノチューブを分子性物質として化
学合成。
②これまで制御不可能であった「窒素ドープ」を、組成・位置・
構造などを完全に制御した上で実現。
③謎に包まれていた、ナノチューブの電子的性質・化学的性質
に対する「窒素ドープ」の効果を明確にした。窒素はナノチュ
ーブに電子を受け取りやすくさせる効果があり、ナノチューブ
をn型半導体になりやすくさせる。




【要約】
窒素ドープカーボンナノチューブはさまざまな分野で注目を
集めているが、個別の分子構造を持つ同族体の欠如により、
詳細な化学的理解に基づく開発が妨げられている。この研究
では、8個の2,4,6-三置換ピリジンユニットと32個の1,3,5-
三置換ベンゼンユニットを組み合わせて、複数の窒素原子で
定期的にドープされたナノチューブ分子を合成。測地線フェ
ニンフレームワークを含む合成戦略は、合成迂回を必要とせ
ずにピリジンユニットを許容するのに十分な用途がある。非
球面多極原子モデルを採用した結晶学的解析により、軸方向
に回転した構造の存在がマイナー無秩序構造として明らかに
なり、詳細な分子および電子構造も得られる。ナノチューブ
上の窒素原子は、負に帯電した表面で覆われた化学的に異な
るサイトとして機能し、電子受容体として機能する空軌道の
エネルギーレベルを下げることにより、電子注入の可能性を
高める。


最適化された2光子重合ダイレクトレーザー書き込み(TPP-
DLW)印刷戦略とナノメートルサイズの表面穿孔で、歪みの
ない、事実上クローズドセルのプレートナノ格子が容易とに
なる。最も低い相対密度(ρ)で発生する変形は、構造の表
面に局所化する。

❏ 
カーボンナノ構造はダイヤモンドよりも強し
カリフォルニア大学アーバイン校らの研究グループは強度と
密度の比として、ダイヤモンドよりも強いナノメータースケ
ールのカーボン構造のプレートナノ格子を設計したと公表。
それによると新しい構造は、過去数十年の他のナノ構造で一
般的な円筒形のトラスの代わりに、密接に接続されたクロー
ズドセルプレートで構成されている。以前のビームベースの
設計では、機械的特性の点で効率的ではなかったが、今回作
製したプレートナノ格子は、最高のビームナノ格子よりも劇
的に強く、剛性があることを発見---同グループの設計では、
円柱状の梁ベース構造の平均性能は、強度が639%、剛性が
522%向上することを示す。走査型電子顕微鏡およびアーバ
イン材料研究所が提供する他の技術を使用し検証する。研究
グループは、プレートベースの設計に配置されたナノ格子が
信じられないほど強力になるだろうと予測しているが、この
方法で構造を製造することの困難さは、それが成功するまで
原理実証出来ずにいたとCameron Crook氏と話す。研究の画
期的な進歩は、2光子リソグラフィ直接レーザー書き込みと
呼ばれる複雑な3次元レーザー印刷プロセスに依存。紫外線
硬化樹脂の層が追加されると、材料は2つの光子が交わる点
で固体ポリマーになる。装置原理は1980年代日本で発明(出
典:環境工学研究所 WEEF「閲覧室」)。この技術は 160ナノ
メートル(nm)の薄さの面を持つプレートを積層繰り返し作
製する。研究での革新の1つは、完成した材料から余分な樹
脂を取り除くために使する小さな穴をプレート内に埋め込む
ことにある(レンタリング;rendering)。最後のステップ
として、格子は熱分解を経て、真空中で1時間、900℃に加熱
処理する。仕上がりは、ガラス状炭素立方体状の格子であり、
このような多孔性材料でこれまで可能であると考えられてい
たものの中で最も高い強度をもつ。



材料を取り出してサイズを100ナノメートルまで劇的に小さ
くすると、細孔や亀裂のない理論上の結晶に近づく。これら
の欠陥を減らすと、システム全体の強度が向上しまする。こ
れまでにこれらの構造をスケールから独立させた例はない。
前例のない機械的強度の建築材料を実証しながら、それらが
予測どおりに機能することを世界で初めて実証した。ナノ格
子は、特に航空宇宙において、高強度と低質量密度の組み合
わせにより航空機と宇宙船の性能を大幅に向上できる構造工
学に期待を寄せる。



図6:熱分解炭素(PC)立方+オクテットプレート-ナノ格子
は、それぞれの密度に対して最も強く、最も硬い既存の材料。

圧縮強度(a)および剛性(b)Ashbyマップ。 理論的制限が
強く、弱い場合は、任意の理想的なトポロジーを想定し、2
つの異なる構成材料、つまり、あらゆる規模で最も強力な既
知の材料であるグラフェンと、マクロスケールで最も強力な
既知のバルク材料であるダイヤモンドを使用します。
最も効
率的なビームナノ格子と比較して最大639および522%の平均
強度と剛性の改善により、立方+オクテットプレートナノ格
子は、バルクの理論強度限界を超え、最高の剛性に匹敵する
特定の剛性に到達する唯一の建築材料である。
ソースデータ
は、ソースデータファイルとして提供される。




【ウイルス共生描論18:変異とワクチンⅨ】
❏ 新型コロナウイルスのワクチン開発時間は
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン開発には、
少なくとも12~18カ月かかると米国立アレルギー感染症研究
所やWHOが示す。ワクチン開発にはなぜ年単位の時間がか
かるのか、開発中のワクチンの現状や課題、そして開発のタ
イムラインについて研究者がレポートを発表している
。その
内容を読むと「18カ月では不十分だ」というのが実感できる
すさまじい内容となっている。(出典:新型コロナウイルス
のワクチン開発にはなぜ年単位の時間が必要なのか? - GIG
AZINE)



新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は哺乳類や鳥類に病気を引
き起こすコロナウイルスグループの1つ。コロナウイルスには
複数の種類が確認されているが、人間に病気をもたらすのは
「HCoV-229E」「HCoV-NL63」というアルファコロナウイルス
と、「HCoV-OC43」「HCoV-HKU1」というベータコロナウイル
スである。SARSと呼ばれる「SARS-CoV-1」や、中東呼吸器症
候群コロナウイルスと呼ばれる「MERS-CoV」は、SARS-CoV-2
と同様にベータコロナウイルスに属す。

SARS-CoV-2は糖タンパク質であるスパイクタンパク質(Sタン
パク質)に覆われているが、これがヒト細胞上のアンジオテン
シン変換酵素II(ACE2)と結合することで、ヒトの細胞内に侵
入し、感染すると考えられている。2020年4月時点でアメリ
カや中国においてレムデシビルなどSARS-CoV-2の治療薬の臨
床試験が行われています。レムデシビルはエボラウイルスの
流行を治療するために推進されたもので、既に安全性は証明
されているため、臨床試験のプロセスを加速させるものとみ
られている。またHIV阻害薬であるロピナビルとリトナビルの
組みあわせについても臨床試験がスタートされている。この
ほか、ウイルスを中和し肺の損傷を防ぐべくヒトのACE2を組
み換える薬や、インフルエンザ薬Arbidol、血清療法、牛か
ら得られた免疫グロブリンGを利用する方法など、さまざま
な臨床試験の結果が、今後数週間から数カ月のうちに発表さ
れる。

⛨ ワクチン開発についてわかっていること
科学研究のおかげでワクチン技術は過去10年において飛躍的
に向上した。このためSARS-CoV-2はすぐに特定され、中国の
研究者によって公開されたゲノム配列が世界中の研究者に共
有された。またSARS-CoV-1やMERS-CoVのワクチンがSタンパク
質をターゲットにしていたこと、SARS-CoV-1とSARS-CoV-2
が同じACE2と作用することなどから、研究者はワクチンのタ
ーゲットを迅速に理解することができた。
これまでに開発さ
れたSARS-CoV-1ワクチンのいくつかは動物実験が行われ、そ
の多くはSARS-CoV-1から動物を守ることができたが、一方で
免疫的な殺菌機能は認められなかった。またマウス実験では
肺の損傷や好酸球による炎症が起こったり、フェレットを対
象とした実験では肝臓の損傷が引き起こされたとのこと。し
かし、全体的にみると、ワクチンを接種した動物はワクチン
を接種していない動物に比べて生存率が上昇し、ウイルスの
力価を下げることができた。このように動物実験において効
果が現れたワクチンは、人間にとって安全であるかを確認す
る必要があり、SARS-CoV-2も同様である。☈
ただし、免疫が
いつまで持続するのかという懸念点は存在する。「回復後の
COVID-19患者を検査をしたところ再度陽性に転じていた」と
いうニュースについては偽陰性であった可能性が高いものの、
免疫獲得後、数カ月から数年経つと再び感染するという可能
性がある。効果的なSARS-CoV-2ワクチンはこの問題を克服し、
ウイルスが季節性の流行を繰り返す風土病になった時でも人
を守るべきものである必要がある。また、50
歳以上の人は
SARS-CoV-2が重症化する傾向にあるため、高齢者を保護する
必要もあるが、高齢者は老化により、ワクチン接種にあまり
反応しない。このため、若い人がワクチンを接種しウイルス
の流行を止め、高齢者への感染を防ぐことが方法として考え
られている。

⛨ ワクチン開発の課題とは
安全がまだ広く確認されておらず、大量生産のためのスケー
ルアップが行われていない技術が使用される場合、人が摂取
するワクチンの開発には何年もかかる可能性がある。コロナ
ウイルスに対するワクチンは市場に存在せず、大規模な製造
能力もない。多くの企業や機関は、規制当局の認可を可能に
する後期ステージの臨床試験を行うための確立されたパイプ
ラインを持っておらず、臨床試験を行うために必要な量の薬
を作ることができない。
SARS-CoV-2のワクチンには複数の種
類があるが、いずれも以下のようにメリット・デメリットの
両方を抱えている。


Overview of Vaccine Production Platforms
and Technologies for SARS-CoV-2


⛨ NECは、2020年4月23日、新型コロナウイルス(SARS-CoV
-2)の予防用ワクチン向の開発に向け、独自の人工知能(AI)
を活用し、ワクチンに適したエピトープを複数選別する技術
を開発。NECOncoImmunity社(2019年7月にNECが買収)とNEC
欧州研究所の研究チームによるもので、研究成果は、プレプ
リントのbioRχiv誌に公開された。研究チームは、NECとNEC
OncoImmunity社のAIによる予測技術を活用し、予防用ワクチ
ンの設計を行った。具体的には、公開されている新型コロナ
ウイルスの数千種類のゲノムデータを参照。新型コロナウイ
ルスの蛋白質(遺伝子)のアミノ酸配列の中から、ヒト主要
組織適合性遺伝子複合体(MHCクラスIとMHCクラスII)との結
合能、エピトープが細胞表面に提示されるかどうか、キラー
T細胞の活性を高めやすいかどうかなどを指標とし、AIで免
疫活性能の高いと思われるエピトープ(アミノ酸配列)のホ
ットスポットを同定した(ホットスポット解析)。
 その上
で、変異が生じやすいにある領域にあるエピトープや、正常
細胞に類似の配列があるエピトープを除外。さらに、残った
エピトープの中から、頻度の高い100種のHLA型(A、B、DR)
をカバーできるエピトープの組み合わせを、AIで計算した(
ポピュレーション解析)。
その結果、スパイク蛋白質など、数個の蛋白質(遺伝子)に
ある、4つ、5つ程度の領域がエピトープとして有用なのでは
ないかとの結果を得ているとじょこと。(出典;NEC、新型
コロナのワクチン開発へエピトープ選別技術を開発:日経バ
イオテクONLINE)


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1 コメント

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디비 (디비)
2021-05-03 10:00:50
子曰、其身正、不令而行、其身不正、雖令不從。

Confucius said, "If you are righteous, people act without your
order. If you are not righteous, people do not obey your order." 디비
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