極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

FCISを極める

2011年08月21日 | 環境工学システム論





【カドミフリーな化合物系太陽電池】




“化合物系”の「カドミウム(Cd)・テルル(Te)」の薄膜太陽電池では
カドミウム、テルルは毒性物質。CdTeという化合物の毒性は、其々の単体
金属の毒性より低くなるとの研究報告があるが、設置の段階から廃棄に至
るまで管理する必要がある。カドミウムもテルルも希少金属で、今後、大
量に普及には材料調達の課題が残るが、銅・インジウム・セレン化合物半
導体系太陽電池はその心配がなく、発電効率もシリコン半導体系と遜色な
いレベルまでに進化してきている(『17.8%CIGSの衝撃』)。



しかも、年間を通しての発電効率では、シリコン系比より8%高いという
ソーラーフロンティア社の報告もある。これは、光照射効果の寄与で、特
にCIS太陽電池の特徴。太陽光にあてておくと変換効率が増加する現象で、
工場出荷時より5~10%ほど出力が増加するまるで光を当てて成長し出力が
上がると言うするという魔法のような現象だ。さらに、結晶シリコン系の
太陽電池の場合、数cmから10数cm角のシリコン結晶のモジュールが直列に
接続されるため、1つでも木の影に隠されたり、汚れて発電しなくなれば、
直列回路が途絶、パネル全体の発電が止まるが、CIS太陽電池は、畳大の大
きさのパネルに幅数mmの細長い短冊状のモジュールが並び、影がかかった
り、一部が汚れたりしても、モジュール全体が機能停止しないので有利だ。

温度が上がれば上がるほど、シリコン系は発電の能力が下がるが、化合物
系は結晶シリコンと比べ、温度係数が低い。太陽光が当たり、温度が上が
っても、シリコン結晶系太陽電池に比べて、CIS太陽電池の発電出力はそれ
ほど落ちない特徴を持つ。尚、欧米ではカドミウムの使用に関して下記(
図をクリック)のごとくそれほど問題にはしておらず日本との歴史的差異
がみられる。






 
【フレキシブルな化合物系太陽電池】









【課題】高い光電変換効率を有するCIS系薄膜太陽電池を提供する。
【解決手段】本発明のCIS系薄膜太陽電池は、高歪点ガラス基板(1)
アルカリ制御層(2)裏面電極層(3)p型CIS系光吸収層(4)n型
透明導電膜(6)の順に積層されたCIS系薄膜太陽電池のアルカリ制御
層(2)を、膜厚が2.00~10.00nm、屈折率が1.450~1.500の範囲のシリカ
膜で形成する。

100は12~15重量%のNa2Oを含む青板ガラス基板、101は、シリカ(SiO
等のアルカリ制御層。このアルカリ制御層101は約30nm程度の膜厚を有し、
膜の品質、例えば屈折率については考慮されていない。102はMo等を材料と
する裏面電極層、103はCIS系半導体で形成されたp型光吸収層、104はバッ
ファ層、105窓層(透明導電膜)である。裏面電極102上にp型光吸収層103
を形成する場合の熱処理により、青板ガラス基板に含まれるNaO
型光吸収層
中に拡散する。アルカリ制御層101はNa元素のp型光吸収層103Na拡散量を制
御するためで、約30nm厚のシリカにより形成し再考データをえる。ところ
で、エネルギー変換の高効率をめざすには不明な点、多々多く問題解決の
障害であった。近年、p型光吸収層としてCu、In、Ga、Se、Sを含むカルコ
パイライト構造のI-Ⅲ-Ⅵ族化合物半導体を用いた、CIS系薄膜太陽電池
が注目されている。このタイプの太陽電池は、製造コストが比較的低くし
かも可視から近赤外の波長範囲に大きな吸収係数を持つので高い光電変換
効率の達成が期待され、次世代型太陽電池の有力候補とみなされていた。
代表的な材料として、Cu(In、Ga)Se2、Cu(In、Ga)(Se、S)2、CuInS2
等がある。CIS系薄膜太陽電池は、ガラス基板上に金属の裏面電極層を形成
し、その上にⅠ-Ⅲ-Ⅵ2族化合物半導体からなるp型の光吸収層を形成し、n
型バッファ層、n型透明導電膜窓層を形成して構成される。



このようなCIS系薄膜太陽電池のガラス基板として青板ガラスを使用すると
高い光電変換効率を達成できる。これは、青板ガラス中に含まれるIa族元
素のNaが、p型光吸収層の成膜過程でこの層の中に熱拡散して行き、キャリ
ア濃度に影響を与える。p型光吸収層に導入されるNa量が多すぎると、電
極層との間で剥離を生じやすい。CIS系薄膜太陽電池を製造する場合、p型
光吸収層へ最適量のNa導入で、光電変換効率を向上することは重要である。

青板ガラス基板のIa族元素Naをp型光吸収層の成膜で最適量導入の青板ガ
ラス基板と裏面電極層間にシリカ等を材料のアルカリ制御層を設け、Naの
p型光吸収層中の拡散量の制御で、アルカリ制御層を30nmとすることで、光
電変換効率が14.3%のCIS
系薄膜太陽電池が製造できる。一方で、CIS
系薄
膜太陽電池の光電変換効率を向上のp型光吸収層を形成する場合の成膜温
は硫化、セレン化の高温処理が必要である。青板ガラスはその歪点が比較
的低く、光電変換効率を上げるには、高い成膜温度、550℃以上でp型光
吸収層を形成すると、ガラス基板が変形するため、成膜温度を高くするこ
とができない。高温での成膜処理を行うためには、ガラス基板として低ア
ルカリガラスである高歪点ガラスまたは無アルカリガラスを使用する必要
があるが、これらのガラスは含有アルカリ濃度が低く、あるいはアルカリ
成分を含まないため、p型光吸収層に充分なアルカリ成分を供給すること
ができない。

なお、CIS系薄膜太陽電池の基板に高歪点ガラスを用いた先行技術は、ガ
ラス板とCIS系半導体層との間の熱膨張係数差の歪の発生を抑え、安価な
CIS薄膜太陽電池の製造を可能とすることである。従って、ガラス基板か
らのNaの最適拡散による光電変換効率の向上には着目しておらず、アルカ
リ制御層も設られていないため、高光電変換効率なCISをつくる
基板とし
歪点の低い青板ガラスに変わる高歪点ガラスでも、p型光吸収層にNa等の
Ia族
元素を最適量導入が可能な構造のCIS太陽電池をえるのが目的だ。



高歪点ガラス基板、アルカリ制御層、裏面電極層、p型CIS系光吸収層、n
型透明導電膜の順に積層されたCIS系薄膜太陽電池でアルカリ制御層を膜
厚が2.00~10.00nmで屈折率が1.450~1.500の範囲のシリカ膜とし、アル
カリ制御層の膜厚を2.00~7.00nmの範囲、アルカリ制御層の屈折率が、
1.470~1.490の範囲。高歪点ガラス基板の歪点が560℃以上、徐冷点を610
℃以上、熱膨張係数を8×10-6/℃~9×10-6/℃の範囲とし、密度を2.7~
2.9g/cm-3の範囲で、CIS系薄膜太陽電池の高歪点ガラスは1~7重量%の
NaO2を含み、特に、Na2Oの含有量を3~5重量%で、1~15重量%の範囲、
特に5~10重量%の範囲のK2Oを含み
、1~15重量%、特に4~10重量%の
範囲のCaO
を含む。また、p型CIS系光吸収層をCu、In、Ga、Se、Sを主成分
とする5元系化合物を材料として形成、Cu、In、Gaを含む積層構造または
混晶の金属プリカーサ膜を、セレン化および硫化する



屈折率が14.450~1.500の範囲のシリカ膜を2.00~10.00nmの膜厚アルカリ
制御層を、高歪点ガラス基板と裏面電極間に設けている。この構造のアル
カリ制御層は、高歪点ガラスに含まれる低濃度のアルカリ元素を効率よく
p型光吸収層に拡散する。p
型光吸収層の成膜温度を、600℃以上の高温とす
ることで
、高い光電変換効率なCIS系薄膜太陽電池を実現する。

  


これに対し、ポリマーフィルム上にCIGS太陽電池を作製した後、上図に示
すようにガラス基板からフィルムを簡単に剥がすことができ、ポリマーフ
ィルムを基板として作製したフレキシブルCIGS太陽電池ではハンドリング
性を向上し、アルカリ添加効果による開放電圧や曲線因子の大幅な向上。
この例では、CIGS光吸収層は400℃で製膜。ポリマー基板を用いると、パ
ネル型太陽電池モジュールと共通の製造ラインプロセスを利用でき、ロー
ル・ツー・ロール方式のようなフレキシブル太陽電池専用の製造装置を新
たに導入しなくてもすむというメリットが期待される。






上図のように集光力が 1.5倍の「太陽光電池×円筒形状」を冠したソリン
ダル社の化合物半導体系太陽電池も浸透してきているが、一般家庭用とし
ても、このようなチューブ型ソーラーをつなぎ合わせ一本だけで平面展開
させることで施工(一筆書き施工)すれば施工や保全が簡単なものになる。
さらに、フレキシブルなフィルム状太陽電池を建造物表面に貼り合わせれ
ばエネルギー問題は解決できる。手前味噌だが、色素増感型太陽電池の開
発で得たネオコンバーテックなインクジェットやマイクロエアゾロ法など
の印刷技術や配線技術を駆使すれば大量に廉価なCIS系太陽光パネルをつく
ることが可能だ。こうして、ブログを打ち込みながらも、不思議とこれで
エネルギー問題から人類は解放されたのだという思いが涌いてくる。

                             




 

 

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