極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

超高齢社会論

2015年07月10日 | 時事書評

 

 

 ギリシャの頭に銃を突きつけ、自ら引き金を引けと要求している。

                                                        トマ・ピケティ
 

 




【再エネ百パーセント時代: フェイスブックが新データセンタ全電力風力発電】

米国フェイスブック(Facebook)は、米国テキサス州に同社5つ目のデータセンターを建設するす
るが。同データセンターは使用電力の百パーセント風力発電で賄うとのこと。フェイスブックでは
、2014年に稼働したアイオワ州の「Altoona Data Center」で初めて、地域内の風力発電所からデー
タセンターで使用する電力の全てを調達し、再生可能エネルギーを百パーセント利用したデータセ
ンタを建設している(関連記事)。今回新たに建設するフォートワースのデータセンタも、Citig-
roup Energy、Alterra Power、Starwood Energy Groupなどが運営する2百メガワットの風力発電所
から電力を調達する計画。同風力発電から供給を受ける電力網は2016年に稼働開始予定だ。


 



●  高出力・軽量の「HIT」(パナソニック社製)メガソーラーが採用!

パナソニックは北海道厚真町で7日稼働したメガソーラーに太陽光パネル「HIT」を納入した。
同社は高性能
だが単価の高いHITについて住宅中心に事業展開を進め、低コストなパネルが主流
のメガソーラー向けは
積極的に取り組んでいなかった。だがメガソーラーを建設する立地の狭小化
などで、発電能力の高い太陽
光発電パネルの需要が生まれつつある。HITにも出番が回ってきた。
今回、HITを納入したのは三井物産
プラントシステムが運営する「北道海厚真ソーラー2」。6
240枚のパネルを設置し、出力は1810キロワッ
ト。年187万キロワット時の発電量を見込
む。HIT太陽電池モジュールは、単結晶シリコン基板に薄膜アモルファスシリコンを積層した同社
独自のハイブリッド構造により、高い発電量を実現。同じ発電量を得るにあたり、少ない枚数での
設置が可能。また、温度特性に優れ、夏場の高温時にも出力が低下しにくい。

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■製品名 : 産業用太陽電池モジュール「HIT」 大型タイプ290A(品番: VBHN290SJ27)
■モジュール変換効率(※2): 18.8%
■公称最大出力(※3) : 290W
■納入パネル枚数 : 6,240枚

  1. ※1:2015年7月10日現在
  2. ※2:太陽電池モジュールの変換効率(%)は、の計算式を用いて
    算出している。

    変換効率とは、太陽光エネルギーから電気エネルギーに変換したときの割合を表す。
  3. ※3:公称最大出力の数値は、JIS C8918で規定するAM1.5、放射照度1,000W/m²、モジュール
    温度25℃での値。

 2013.07.23

  

【超高齢社会論 Ⅰ: 下流老人とはなにか】


秋葉原通り魔事件が、"ワーキングプアー" に象徴される、過剰競争と自己責任の原理がもたらす格差拡
大社会の歪みとして発生したように、まもなく、日本の高齢者の9割が下流化する。本書でいう下流老人
とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者、およびその恐れがある高齢者」である。そして今、日
本に「下流老人」が大量に生まれている。この存在
が、日本に与えるインパクトは計り知れないと
指摘したように、神奈川県小田原市を走行中の東海道新幹線で、
焼身自殺した事件――71歳の林
崎春生容疑者による「下流老人の反デフレテロ」ではないかとブログ掲載(極東極楽 2015.07.02)。

『下流老人』の著者である藤田孝典は、「東京都杉並区の生活保護基準は、144,430円(生
活扶助費74,630円+住宅扶助費69,800円【特別基準における家賃上限】)である。
資産
の状況やその他の要素も検討しなければならないが、報道が事実だとすれば、年金支給額だけでは
暮らしが成り立たないことが明白だといえる。
要するに、生活保護を福祉課で申請すれば、支給決
定がされて、足りない生活保護費と各種減免が受けられた可能性がある。月額2万円程度、生活費
が足りない(家賃や医療費などの支出の内訳にもよる)。生活に不安を抱えどうしたらいいか途方
に暮れる男性の姿が思い浮かぶ。」と語っている(YAHOO!ニュース「新幹線火災事件と高齢者の貧
困問題ー再発防止策は「貧困対策」ではないか!?」
 2015.07.02)を受け、近々、『下流老人』を
読み、その感想を掲載するつもりでいたが、今夜から連載していく。まずは、巻頭の「はじめに」
から入る。

 目次

 はじめに
 第1章 下流老人とは何か
 第2章 下流老人の現実
 第3章 誰もがなり得る下流老人―「普通」から「下流」への典型パターン
 第4章 「努力論」「自己責任論」があなたを殺す日
 第5章  制度疲労と無策が生む下流老人―個人に依存する政府
 第6章 自分でできる自己防衛策―どうすれば安らかな老後を迎えられるのか
 
第7章 一億総老後崩壊を防ぐために
 おわりに
 

  本書を手にとっていただいた皆さんに知ってほしいことがある。
 日本に「下流老人]が大量に生まれているということだ。この下流老人の存在が日本社会に与
 えるインパクトは、計り知れない。
  下流老人とは文字通り、普通に暮らすことができない"下流"の生活を強いられている老人を
 意味する造語だ。
  なぜこの言葉をつくったのかといえば、現在の高齢者だけでなく、近く老後を迎える人々の
 生活にも貧困の足音が忍び寄っており、「一億総老後崩壊」ともいえる状況を生み出す危険性
 が今の日本にあるためだ。
  なお、下流老人という言葉に高齢者をバカにしたり、見下したりする意図はなく、日本社会
 の実状を伝える言葉として、創造したものだとご理解いただきたい。この下流老人という言葉
 を用いることで、高齢者の逼迫した生活とその裏側に潜む問題をあらわにしていくことが目的
 である。

  2014.09.26

  本書に先駆けて、2014年にNHKスペシャルで「老後破産」というタイトルの番組が放
 送された。番組では、生活に困窮する高齢者の実態の一部が明らかにされ反響も大きかったよ
 うだが、そこに至るまでの社会背景や雇用、福祉の問題などについてまでは踏み込まれなかっ
 た。
  視聴者は問題の所在の一部は理解できたが、全体像を把握することはできなかっただろう。
  それに続くかたちで、高齢者の貧困の実態について、新聞や週刊誌も相次いで報道している。
 しかし残念ながら、全体を網羅したわかりやすい文献はいまだない。現象の一部だけを切り取
 った報道も多く、だからこそ余計に老後に対する不安ばかりが広がっているのが現状だ。

  各社が報じている以上に、日本の高齢者の格差と貧困は極めて深刻であり、今後も一層広が
 っていくことが容易に予想できる。これは安易な脅しや警告というレベルのものではない。実
 際にすでにはじまっており、そしてこれから誰にでも起こり得る身近な出来事、それが「高齢
 者の貧困=下流化」だ。

  平均的な給与所得があるサラリーマンや、いわゆるホワイトカラー労働者ももはや例外では
 ない。詳しくは本文にゆずるが、現役時の平均年収が400万円前後つまりごく一般的な収
 入を得ていても、高齢期に相当な下流リスクが生じることをお伝えしておきたい
  普通に暮らしてきた人々が、老後を迎えて、普通の生活が送れなくなってしまうような事態、
 すなわち下流に転落してしまうことがはっきりと想定されている。
  多くの人々は老後もこれまでと同様に安心して暮らしたいと考えているだろう。しかし、そ
 うならない可能性が極めて高いのだ。

  では、下流老人とは具体的に誰のことで、どのような状態を指すのか。
  詳細は後述するが、本書では下流老人を「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れ
 がある高齢者」と定義する。細かな内容や類型については、この定義を基礎におきながら読ん
 でいただきたい。
  下流老人は、いまや至るところに存在する。日に一度しか食事をとれず、スーパーで見切り
 品の惣菜だけを持ってレジに並ぶ老人。生活の苦しさから万引きを犯し、店員や警察官に叱責
 される老人。医療費が払えないため、病気を治療できずに自宅で市販薬を飲んで痛みをごまか
 す老人。そして、誰にも看取られることなく、独り静かに死を迎える老人………

  これらの高齢者の姿は、下流老人のほんの一端である。そして、その実態や背景は、驚くほ
 ど多くの人々に知られていない。あるいは恐ろしすぎて無意識のうちに目を背けているのかも
 しれない。
  わたしは埼玉県を中心に、12年間、下流老人を含めた生活困窮者支援を行うNPO法人の活
 動に携わってきた。そしてその過程で、多くの生活困窮者の惨状を目の当たりにしてきた。こ
 れらの実体験を踏まえ、今回は多くの方たちが不安に思っている「老後の貧困」の深層に迫っ
 ていく。実態を理解し、対策の一部でも知れば、自らの老後に対する備えもできるはずである。
  そこで本書では、現在推定600万~700万人はいるであろう下流各人の実状と、その社
 会的な背景、未来予想図とともに、貧困に対する。
  自己防衛策なども提示していく。自分の老後やこれからの生活における対策としてもぜひ活
 用し、下流に陥ったらどうするか、またそうなる前にできることは何か、と想像しながら、現
 実から目をそらさずに読んでいただきたい。

  本書の構成は、まず第1章で下流老人とは何か、懸念される問題は何かについて、さまざま
 な統計データや資料、相談者の事例などから、問題提起を行う。

  第2章では、下流老人の日常生活がどのようなものか、4人の実例を示すとともに、下流老
 人に至るまでの生活や背景に迫りたい。とくに、現役時代に一般レベルの暮らしをしていた人
 が、なぜ下流に転落するのか、実際の声に耳を傾ける。

  第3章では、多くの相談事例をもとにして、下流老人に至る代表的なバターンを示す。下流
 に至る人々には、多くの共通点がある。それらのリスク要因をパターン化して分析することで、
 防止策や解決策を考える下がかりを探したい。

  弟4章では、下流老人を生み出し、さらに放置してしまっているわたしたちの意識や感情、
 内面に焦点を当てていきたい。下流老人の問題を軽視するのも重視するのもわたしたちの意識
 次第だ。なぜこれまでこの問題がわたしたちの意識や世論に、主要な解決すべき課題として上
 がりにくかったのか、その原因を検討していく。

  第5章では、下流老人を生み出す社会システムや社会福祉制度の機能不全を中心に考察する。
 下流老人を放置する制度上の問題点がどこにあり、何を変えればよいのか、第7章の解決策の
 提示につながるような内容としたい,

  第6章では、下流老人にならないために、わたしたちが個人レベルでできることや考えてお
 くこと、備えておくことを考えたい。多くの人が下流老人に陥る高リスク社会において、わた
 したちはどのように貧困に対抗すべきか、具体的な方法を提示していく。

  最後の第7章では、これまでに受けた相談や、支援を通じて得た経験から、制度や政策に対
 する個人的な提言を行う。あくまで本章は個人的な見解として提示するものだが、これをたた
 き台にして、引き続き読者による議論の発展を期待したい。
  本書を通じて、下流老人の全体像や高齢者の貧困問題をより明らかにし、いずれは高齢者に
 なるすべての人々、多くの読者とともに、解決策を模索していきたい。どうか最後までお付き
 合いいただければ幸いである。


※ ジニ係数(=収入不平等指数)にみる格差は、世界141ヵ国中、日本はジニ係数37.9%
  で73位(因みに、1位はレントの63.2%、最下位はスェーデンの23%)GDP世界3
  位の日本が、格差では68位と色あせてしまう。  

 

 さて、次回は第1章に入る。

※ 高齢化社会論批判」 田中史郎

                                    この項つづく



※ アルミ電解コンデンサ(右)と同等の性能をもちなが
  ら体積が1/1000のカーボンナノチューブ(
CNT)集積化
   マイクロキャパシタ(左)



● カーボンナノチューブ集積化マイクロキャパシタ登場

-アルミ電解コンデンサーと同等の性能で体積を1/1000に-

産総研は、七夕の日、スーパーグロース法による単層カー分なのチューブ(CNT)をキャパシターの
電極に用いることで、従来の材料をしのぐ高エネルギー密度・高パワー密度を実現したと発表。

の優れたキャパシター特性を示すスーパーグロース単層CNTを電極材料とし、リソグラフィーにより
CNT膜をキャパシター電極に微細加工する技術を開発することで、小型で軽量かつ高性能な、今回の
CNT集積化マイクロキャパシターの開発に至ったという。

高電圧・安定動作を実証やスーパーグロース法、CNT高密度化法と、半導体のリソグラフィー技術を
融合させ、カーボンナノチューブ(CNT)デバイスの集積化の研究開発に取り組んできた結果、3次
元で複数のCNTが高密度に配向したカーボンナノチューブ(CNT)カンチレバーや3次元のCNT配線な
どカーボンナノチューブ(CNT)デバイスの集積化を可能にするカーボンナノチューブ(CNT)微細
加工技術が開発されてきた。今後は、電子機器関連の産業界、特にコンデンサー、キャパシター、
電池、半導体メーカーに対してニーズ調査を行うとともに、この技術に興味を持った企業と連携し
た開発を行う。さらに、CNTマイクロキャパシターは集積度・電極デザインの設計により作動電圧、
容量、出力、充放電速度を幅広く制御できることを明らかにしていくとともに、半導体バックエン
ドなどでの量産化技術の開発に取り組み、用途の開拓を進めるとしている。

これは、実に面白い。

 

 

 

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