極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

エラオモな日々

2013年10月23日 | 農工サ融合

 

 


【現代詩の足跡 飯島耕一】 

 

       鳥たちが帰って来た。

       血の黒い割れ目をついばんだ。

       見慣れない屋根の上を

       上ったり下ったりした。

       それは途方に暮れているように見えた。

 

       空は石を食ったように頭をかかえている。

       物思いにふけっている。

       もう流れ出すこともなかったので、

       血は空に

       他人のようにめぐっている。

            
                                                   『他人の空』

      

   おれはさきほどアメリカ政府を責める

   火の一篇を書こうと思った。

   今おれのことばは じつに小さな秤皿にのる

   わずかなこと、

   ベトナムの人々を殺すな!

 

   という揺れ動くそれだけのことだ

   だがおれはその詩を書かなかった。

   おれがおれの自己意識をかけた血の一篇の詩を書いても

   パリサイの人々にはとどくまい

   と思ったからだ。


                                 『ウイリアム・ブレイクを憶い出す詩』

 

       一人の男が死ぬということは

   その男の内部の光が死ぬ

   というとだ。

   生きるということは きみの内部に

   きみのスペインが

   刻々とその姿を変えながら 生きる

   ということだ。

   オレンジとオリーヴの群落のある

   岩原が ひろがり出す。

   きみの内部のスペインが消え

   きみが自分だけになったとき、

   きみは球体に閉じ込められたようになり、

   病みおとろえてしまったのに。

               

                                     『ゴヤのファースト・ネームは』

 

       五月の雨の日
       西荻窪の駅のホームのベンチに坐っていると
       隣に一人の若い女が坐り
          大学の紀要のようなものを
          読みはじめる
          アメリカ問題の論文で
      筆者は女性の名だ
      この若い女の名
      かもしれない

      雨のせいか
      そのみしらぬ女の
      実にあまい体臭が
      こちらに ただよってくる
      苦しいほどの 女の 肉体の
      におい
      衿にこまかい水玉のネッカチーフをまいている
      レインコートを着ている
      人間の女のにおい

      ようやく下りの電車が入ってきた
      顔はとうとう見ることができず
      別の車輛に乗った
      もう二度と会うこともないか

      これが東京だ
      人生のにおい
      論文なんか 読むのはやめたら
      という 一語
      をささやいてやるべきだった。


                                                     『におい』



※  飯島耕一という人は、吉本隆明による現代詩の見取り図で言うと「第三期の詩人」という分
   類に入る詩人で、谷川俊太郎や大岡信などと同世代という分類をされる。フランス詩にも詳
   しくシュルレアリスムに関する評論もある。初期においては「他人の空」という詩が代表作と
   されている。だが、前述の学生が発表の中でふれた詩で印象に残っているのは「におい」と
   いう短い詩であった。彼の解説によると、実は飯島耕一はこうした短詩に優れたものがあり、
   意外と見逃されやすい点であるということだった。いま思い返してみると慧眼だと思う。

                                    「詩のペデストリアン 01」より

                                                       合掌

 

【エラオモな日々 その1】 

農研機構は、高アミロース米(水稲品種モミロマン等)を製粉せずに粒のまま水を加えて炊
飯・糊
化させ、温度制御と高速撹拌等の操作でゲル状の新規食品素材を製造する技術を開
発。本技術により製造されるゲル状の食品素材は、水分量等を調整することで、やわらか
いゼリーから、高弾性のゴム状のものまで、幅広く物性の制御が可能であるため、プリン、
ムース、クリーム、パイ等の多様な食品の製造ができ、シュークリームのシューとクリー
ムの原料の小麦粉をすべて米に置き換えることも可能です。また、様々に物性を制御でき、
卵、油脂等の使用量を減らした洋菓子類が製造でき、低カロリー食品の開発が可能で、小
麦・卵を使わない食品への利用が期待され、もちもち感のある米麺、餅様食品を作ること
ができる。
高アミロース米は粘りが少なく炊飯米には不向きとされてきたが、この技術の
適用で用途拡大できると期待されている。

わが国で一般に栽培されてきた米(もち米以外)のアミロース含量は15~20%であり、
中間米と
呼ばれる。その中で「コシヒカリ」は最もアミロース含量が低い部類に属する。
これに対し、アミロ
ース含量が一般的に25%以上の米は高アミロース米と呼ばれる。
アミロース米
は、さらさらとした食感からピラフ、リゾット、おかゆ、ドライカレーなど
に利用されている。高アミロース米には多収性の品種が多く、生産コスト削減ができるた
め、飼料として使われることが多い。しかし高アミロース米は冷えると硬くなるため、一
般の飯米には適さない。そのため食品への利用は、中間米、低アミロース米と比較すると
ごく限られていたが、以下の製法の特徴を備えることで実現する。

1.高アミロース米に1.5倍量を超える水を添加して加熱処理、得られる糊化物を機械
 的撹拌処理する。

2.加熱処理後に冷却処理を行う。
3.複素弾性率(G*)が700Pa以上である。
4.粘性/弾性の比率(tanδ)が0.3以下である。
5.機械的撹拌処理後に再加熱処理して得られる。

 
特開2013-070663 米加工素材およびその製造法

【エラオモな日々 その2】 

      

“未来のルームランナー”(『百名山踏破記』)で提案したことが、すでに動き出してい
るではないか。上の写真(クリック!
)は、スウェーデンのジェイ・ドーム社(ストック
ホルム)が、ペダルをこぎながら、ドーム型スクリーンに映し
出された映像の中を自由に
進むことができるリハビリ装置を開発。「ジェイ・ドーム・バ
イクアラウンド(jDome
BikeAround)で、視界のほとんどが映像に覆われ臨場感たっぷり。認知症の高齢者の利
用を想定し、認知機能や運動機能の向上に役立つという。映像は米グーグルが無償公開し
ている「グーグル・ストリートビュー」を活用しドームの後ろ側からプロジェクターで投
影。世界中から好みの場所を選んだ後、ペダルを踏むとその回転に従って映像が前に進む。
ハンドル部分に付けたタブレット端末の傾き検知機能を生かし、ハンドルを切った方向に
映像が変わるようにしてあるというから驚きだ(いや、がっかりだ?!)。わたし(たち)
が考えている“未来のルームランナー”はそれより、(1)有機ELディスプレイ表示の
明室タイプ、(2)操作、測定は非接触インターフェースで、顔の表情や装着センサでの
相互運用型の2つの点、一歩進んでいる。後は、開発スポンサーが決まればOKというわ
けだ。^^;


【エラオモな日々 その3】 

 

積水化学工業が2013年10月21日に、エネルギーの自給自足を目指した住宅商品「スマート・
パワーステーション」シリーズを発表。このシリーズの特徴は、(1)大容量の太陽光発
電システム、(2)HEMS「スマートハイム・ナビ」(3)定置型蓄電池「e-Pocket(イー
ポケット)」を進化させている。このうち太陽光発電システムの特徴は(1)標準住宅で
10kW以上を搭載(2)PV一体型屋根-屋根の雨漏りの心配がない(3)ロング庇(鉄
骨系住宅)(4)3.5寸片流れ屋根(木質系住宅)を新開発。これにより30坪台の住宅規
模でも、10kWk以上のシステムが搭載可能(※従来の鉄骨系住宅「ハイムシリーズ」で
は、40坪程度の住宅で6.8kWが最大というから、約2倍発電効率向上)(5)CIS型
パネルを採用(鉄骨系住宅では、フラット屋根への設置に向いたCIS太陽電池パネルを採
用。
工場生産化率のアップ・現地施工の最小化により、コストダウンを実現したという。

 自立循環型住宅とは

これっだけではない、この積水化学工業は、面白いことを提案している。従来の定置用蓄
電池の
特徴は、全セルが溶接などにより固定している。他方、大型二次電池を有効活用す
る方法に、電池をカートリッジ化が挙げられる(電池交換可能、または交換が容易な部品
とする)。例えば住宅用蓄電池のカートリッジ化で、走行状態
によって航続距離が大きく変
わる電気自動車の航続距離延長電源(エクステンダー)できたり、自転車に利用すれば電
池充電時間が省略でき利便性が向上する。しかし問題も多い。住宅用途では、電池パック

は溶接で固定式で、これらをカートリッジ化し取り外し可能が絶対条件となる。蓄電シス
テムとカートリッジが確実に、安全に接続できることが重要で、複数のカートリッジのう
ち1つのカートリッジが接続されない状況でも、蓄電システムとして電力の供給あるいは
カートリッジへの充電を行うことが必須となる。また、劣化状態・使用履歴が異なる電池
が蓄電
システムに入っても、全体の中で平準化する必要があり、付加価値として、太陽電
池および系統
からの電力の有効活用化を推進するため、蓄電システムをLANに接続させ
天気予報を入手し
生活パターンも考慮したエネルギートータルマネジメントシステムの構
築が望まれる。

特開2013-215045 蓄電システム、カートリッジ 積水化学工業株式会社

この課題の解決には(1)電気的に接続した複数個のセルのカートリッジが、複数個直列
に接続(2)かつカートリッジ1個につき一つのバイパス回路を設置、蓄電システムの電
圧が商用電圧に変換可能な電圧を維持する。(3)また、セルが複数個接続したカートリ
ッジが複数個直列・並列接続され、商用電圧に変換可能な電圧を維持できる(5)さらに
カートリッジの各々にバイパス回路を設置していることが特徴である。したがって、この
構成では、カートリッジ搭載個数がn個(n:正数(例えばn<30))で、a個(a:
n-1以下の正数)のカートリッジを搭載している場合でも、蓄電システムとして稼働する
ことが可能で、過充電を防止でき、例えば満充電になったカートリッジが、電気的接続を
切断することも出来。特定のカートリッジに負荷がかからず、寿命の劣化を防止すること
が出来る(直列のカートリッジの群が、並列接続されている回路でもよい)。

 



さらに、カートリッジの搭載個数がn個(n:正数(例えばn<30))で、a個(a:


n-1以下の正数)のカートリッジを搭載しているでも、a個のカートリッジで稼動する。
a個のカートリッジは直列接続で、カートリッジn個の各々にバイパス回路を設置。この
構成は、複数のカートリッジのうち1つのカートリッジが搭載されなくても、蓄電システムの電力の
供給あるいはカートリッジへの充電が行える(直列のカートリッジの群が、並列接続されている回
路でもよい)。また、カートリッジが蓄電システムから、人力で取り外すことが出来る蓄電
システムで、メンテナンスがし易く、定置用だけでなく、他の機器にも共有して用いる際
の移動がスムースにすでき、蓄電システムにて充電された電力を他のシステムにも供給す
ることができる。



上述の蓄電システムは、残容量の異なるカートリッジが搭載された際、残容量の大きいカ
ートリッジのみを使用し、少ないカートリッジは使用せず、全電圧が同一電圧になった際
に、全カートリッジから電力を出力することを特徴とし、充電容量が異なる電池が蓄電シ
ステムに入ったとしても、これを全体の中で平準化できる。また、残容量の大きいカート
リッジから少ないカートリッジへ電力輸送を可能する回路が、各カートリッジ間に配され
ることで、充電容量が異なる電池が蓄電システムに入っても全体の中で平準化できる。ま
た、蓄電システムおよびカートリッジ側にカバーが設けられ、カートリッジを蓄電システ
ムにはめ込むと接続面が露出して電気的接続を形成する。



また、上述の蓄電システムは、ワイヤレス電力輸送装置が設けられ、物理的に接続しなく
とも電力の授受が可能である。用途として一般住宅、店舗、ビル、工場、バックアップ電
源、メガソーラー電力貯蔵、風力電力貯蔵、地熱発電電力貯蔵、電気自動車、プラグイン
ハイブリッド車、ハイブリッド車に転用可能な蓄電システムである。定置用だけでなく、
他の機器にも共有して用いることができるので、蓄電システムにて充電された電力を他の
システムにも供給することが可能となり、自然エネルギーによってカートリッジに充電さ
れた電力を有効活用することができる。さらに、蓄電システムがLANに接続され、天気
予報を基に未来の太陽電池の発電量を算出し、太陽電池の発電量が定格出力の半分以上で
ある期間が予め決められた時間未満なら天気予報から太陽電池の出力量を予測し、天気予
報を基に未来の太陽電池の発電量を算出し、太陽電池の発電量が、定格出力の半分以上で
ある期間が予め決められた時間以上なら、系統からの蓄電をしないように自動制御できる
ことを特徴とするという提案だ。



このように大いなる夢が実現する兆しが見える地点に立ったことを確認し、これぞ、宜な
りと腑に落とす。この3つ(正確には4つ)を考察するだけで“エラオモな日々”を堪

したわけだが、ここでは“エラオモ”とはどえらく面白い!との意だが、もう1つの
“エ
ラオモ”は、この情報のトレース作業が、この間の残り疲れで、えらくしんどかったとの
二重の意味で使ってみたのだ。^^;

 

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