極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

バイオと量子ドットの癌検査

2013年11月25日 | 農工サ融合

 

 

 

【最新高性能ガン細胞検査 バイオと量子ドットの世界】
 

高等生物は細胞内に、ミトコンドリアや葉緑体など様々な細胞小器官(オルガネラ)を持ち、他の
細胞内の
空間とは独立した場を提供するが、一部の微生物は、シアノバクテリアのカルボキシソー
ムや、ガス小胞な
どのオルガネラをもつ。このように、微生物が合成するオルガネラを使い、合成
機構の解明・バイオマテリアルの応用研究行われている。バイオマテリアルの創
製では、遺伝子融
合適用技術で非天然型のタンパク質設計を行うことができる。『微生物を利
用したタンパク質-ナ
ノ磁性粒子複合体の創製』(吉野知子・本多亨、「バイ才サイエンスと
インダストリー」vol.71 No.
6(2013)では、磁性細菌を用いて、菌体内で常温、常圧の生理
的条件下で均一なナノサイズの磁性
粒子を合成し、遺伝子工学適用技術で、複数機能をもつタ
ンパク質-ナノ磁性粒子複合体の開発を
行いその成果を報告している
。ここではその研究概要とこれらの技術の応用展開でどのようなこと
が出来るのか考えてみる。

マグネタイト(ナノ磁性粒子)を生合成することが知られている Magnetospillirum magneticum AMB-1
は、
チェーン状に連なった平均直径75nmのナノ磁性粒子を生合成する(下図A)。このナノ磁性粒
は、それぞれがホスファチジルエタノールアミンを中心とした脂質二重膜により覆われ、脂質二重膜で覆
われたナノ磁性粒子は、水溶池中での分散性に優れ、回収も容易なため計測や分離用の担体に応用
されている。
ナノ磁性粒子の合成機構の解明向け、AMB-1株の全ゲノム解析ヘプロテオーム解析を
行い
、ゲノム上に存在するナノ磁性粒子の合成の遺伝子群の同定、ナノ磁性粒子を覆う脂質二重膜
上に特異的に存在する膜タンパク質の存在を解明する

 

ザックりと技術の概説すると(図B)、アンカー遺伝子の下流にターゲット遺伝子を導入→融合遺
伝子を含むプラスミドを磁性細菌に導入→磁性細菌の形質転換体→培養・細胞破砕→細胞破砕液を
含む容器に磁石を設置→細胞破砕液からナノ磁性粒子を分離・回収という操作を行った上、様々な
タンパク質を同一手法で磁性粒子上ヘディスプレイできる。このディスプレイ(表示)技術はター
ゲットタンパク質とアンカータンパク質を融合タンパク質とし発現、化学架橋剤を用いた手法と異
なり、配向性を維持した状態での磁性粒子上への固定ができ、ナノ磁性粒子上へのタンパク質ディ
スプレイ量の増大、細胞生育阻害を引き起こすタンパク質発現させ、高発現プロモーターの探索、
アンカー分子の検討、発現誘導ベクターの構築を行う。

                            多機能性ナノ磁性粒子の創製

ところで、磁性粒子は、その用途の拡大に伴い様々な機能や特性が要求される。このタンパク質ー
ナノ磁性粒子複合体の作製技術は、アンカーとターゲットの融合遺伝子により制御され、遺伝子の
改変・導入によりナノ磁性粒子上にディスプレイされる融合タンパク質の自由設計できる特徴を持
つ。さらに、この研究では、
磁性粒子に機能付加に、他の機能性マテリアル(量子ドット、金ナノ
粒子など)との複合体
形成には、特異的かつ強固な結合であるビオチンーアビジンの結合を応用し
ビオチンリガー
ゼにより、部位選択的にビオチン化されるビオチン酵素の遺伝子をターゲット遺伝
子に導入→部
位特異的にビオチン標識されたナノ磁性粒子の構築。この磁性細菌AMB-1のゲノム
列から同定したビオチン酵素(ビオチンカルボキ
シル基キャリアープロテイン:BCCP)をアンカー
子とProtein Gの問に導入した融合遺伝子を設計し、Protein G-BCCP-ナノ磁性粒子を構築。この磁
粒子に蛍光の異なる2種類のストレプトアビジン標識量子ドットを反応させ、赤、オレンジ、黄
色、緑といったカラーラベルされたProtein G -量子ドットーナノ磁性粒子複合体を構築する(下図
)。 Protein Gは、抗体のFe部位と結合できるため、抗体の種類に合わせてカラーラベルした複合体
を創製できる。このように、複数のタンパク質から構成される融合タンパク質を設計しナノ磁性粒
子にディスプレイすることで、多機能な新規ナノ磁性粒子の構築ができるという。

 

このように、分子生物学的手法を用いて磁性細菌が生合成するナノ磁性粒子上への効率的なタンパ
ク質ディスプレイ技術では、ディスプレイするタンパク質の遺伝子改変・導入により、自由分子設計
が可能であり、さらに、翻訳後修飾を組み合わせたナノ磁性粒子上へのビオチン化や自由設計した
ポリペプチドのディスプレイすることで、分子設計と磁性細菌自身のタンパク質合成・修飾機構を組
み合わせ新規のナノ磁性粒子構築が期待されている。

 

 

 

 

【日本経済は世界の希望(4)】 



                          目下の状況は学者を必要としている

 安倍政権下で黒田日銀総裁が「異次元の金融緩和」に踏み切ることができたのは、浜田宏
 氏(イェール大学名誉教授)という「外の目」の存在が少なくない役割を果たした、という

 意見もあるようだ。ちなみに浜田氏はアメリカのなかでも、非常に著名な経済学者である。
  一般論としていえば、アメリカでみられるような学者と金融当局者の密接なつながりは、
 日本において存在しない。アメリカではFRBにいるエコノミストと大学にいるエコノミス
 トが同じ人物ということが珍しくない。彼らはつねに政府と大学を行ったり来たりしなが
 ら、そのなかで緊密な関係をつくりあげていく。
  おそらく日銀総裁が大学から直接やってくるなど、日本人には想像できないだろう。しか
 しアメリカではそれがふつうに起こるし、奇妙なことだとも思われない。
  中央銀行の人たちは実践的な知識をたくさんもっている。平時に市場がどのように作用す
 るのかを知悉しているのだ。そうした動きの何たるかを、大学教授はあまり理解していない。
  一方で、非常時では実践的な知識が役に立たないことも多い。そのときに有用になるのは
 理論上の理屈、あるいは歴史上の深遠な知識である。過去五年に何か起こったかは、そこで
 はそれほど大切ではない。
  ならば現在は平時か、それとも非常時か。目下の状況は学者を必要としている、と私は考
 えている。
  たとえば二〇一一年、FRBはQE2(Quantitative Easing 2 =量的金融緩和第二弾。
 二〇一〇年十一月から二〇一一年六月までの八ヵ月間にわたって長期金利の押し下げを目的
 として、一ヵ月当たり約七五〇億ドル、計六〇〇〇億ドル分の米国債を購入した政策)を終
 わらせようとしていたが、そのとき金利がどう変化するかについて、私は金融当局者や実務
 家と意見を戦わせたことがある。
  そこで米証券会社であるモルガン・スタンレーのエコノミストたちは、金利の急上昇を予
 測した。著名な債券投資家であるPIMCO(パシフィック・インベストメントマネジメン
 ト・カンパニ士共同最高投資責任者のビルーグロスも同じような意見だった。一方で、私は
 「何も起こらない」と主張した。
  平時の債券市場を判断するとき、専門家よりも私のほうが優れた判断をする確率はそれほ
 ど高くない。そこで来週の債券市場に何か起こるかを知りたければ、ビル・グロスのほうが
 豊富な経験をもっているし、優れた直感や判断を働かせるだろう。
  しかし、ときは非常時である。そうした時代には一九三〇年代に何が起こったかを、理論
 的に研究した学者のほうが正しい判断を下せる可能性が高い。だからこそ、浜田氏のような
 人物が日本政府にアドバイスを行なうのは望ましいのだ。


 

                      金本位制の廃止がもたらした劇的な変化

  できるだけ規模の大きな金融緩和と実際に牽引力のある財政刺激策を組み合わせること
 国民に「インフレ率が上がる」と実感してもらうこと、そして、そのインフレ率を維持する

 意図を当局が公表することが、その具体策になる。
  そこでありきたりの発表を行なうだけでは、経済をインフレに転換させることは難しい。
  その政策をどのように国民に信じてもらうのか。そのために、どうやってその意図に注目
 さ
せるのか。政策的に大転換を図りつつ、それをわかりやすい言葉で伝えることが必要不可
 欠
だ。
  一九三〇年代の世界恐慌で、イギリスは金本位制を廃止した。それは驚くほどの変化だっ
 た。それ以前の世界では誰もが、通貨価値は金によって担保されなければならない、と考え
 ていた。そうした前提のもとで、人びとがイメージする将来像にはおのずと制約がかかっ
 た。そこでいきなり金本位制が廃止されれば、その将来イメージにも劇的な変化が生まれた
 
だろうことは、想像に難くない。
  もちろん、これは極端な例である。しかしあえていうなら、私がいいたいのはそういうこ
 とだ。
  日本では一九三二年から日銀による国債引き受けが始まったが、これは明らかに中央銀行
 による政治への従属だった。いま同じようなことを行なえば、何か起こるだろうか。日銀は
 嫌がるかもしれないが、その独立性を公式に剥奪してしまえば、そこまでいかずとも現職の
 日銀総裁が、それ以前の総裁とかなり違った意見をもつならば、それだけで人びとの期待は
  大きく変わるだろう。


                   バーナンキ議長の道のりは成功物語ではない

  日本以外にも目を向けよう。FRBが打ち出したQEI、QE2、QE3(量的金融緩和
 第一弾、第二弾、第三弾)は、アメリカの人びとの期待を変えたのだろうか。
  QE2の概要はすでに述べたとおりだが、QEIはその前年、リーマン・ショックによっ
 
て引き起こされた金融危機を乗り越えるため、二〇〇九年三月~二〇一〇年三月まで不動産
 米国債担保証券、政府機関債を総額一・七五兆ドル購入した政策である。QE3は二〇一二
 年九月から毎月約四〇〇億ドルの住宅ローン担保証券を買い入れることで、住宅ローンなど
 の金利を引き下げ、景気刺激を狙った政策のことを指す。
  二〇一二年に刊行した『さっさと不況を終わらせろ』(早川書房)のなかで、かつてある
 有力なプリンストン大学の経済学者が、日銀は「自縄自縛」の状態に陥っていて、もっと強
 力な行動を起こさなければならない、という論文を二〇〇〇年に書いたことを紹介した。彼
 はたとえ短期金利が「ゼロ下限」にあっても、金融当局がとれる方策はほかにもある、と論
 じた。

 ・新しく刷ったお金を使い「非伝統的」な資産、たとえば長期債や民間債券を買う
 ・新しく刷ったお金を使って一時的な減税を埋め合わせる
 ・長期金利の目標を設定jl-たとえば、十年物国債の利率を四~五年にわたり二・五パー
  セ
ント以下にすると宣言し、そのために必要ならFRBにそうした国債を買わせる
 
・外国為替市場に介入して通貨の価値を低く抑え、輸出部門を強化する
 ・今後五年から十年にわたり、高めのインフレ目標、たとえば三~四パーセントを設定する

  その教授の名前は誰あろう、現FRB議長のバーナンキだ。しかしいま、そのバーナンキ
 が打ち出した金融緩和のスケールは、かつて彼がプリンストン大学教授のときに提唱した量
 的緩和策よりもひどく小さい。その論文にはインフレ目標についてもしっかり論及がある。
  インフレ目標を上げる、というのは彼自身が提案したことなのだ。
  当時のバーナンキは、ディテールはあまり重要ではない、必要なことはRoosevelt Resol-
  ve(ルーズベルト大統領の決断)だ、というフレーズを好んで使った。国を再び動かすため

 には何でもやるという意欲、つまり中央銀行は目的を達成するまで、デフレから脱却するま
 で緩和政
策を続けると明確にすべき、と論じたのである。
  QE2は決まった規模をもったプログラムで、それがうまくいく、いかないにかかわらず、
 時期がくれば緩和を終える、というものだった。QE3についてはある目的が達成されるま
 で継続する、といわれたが、蓋を開けてみれば、その政策がそれほど真剣に実行されている
 気配はない。当初の目的が達成されていないにもかかわらず、高官たちは徐々に緩和政策を
 終わらせることに熱心である。バーナンキ議長は、プリンストン大学時代のバーナンキ教授
 が批判していたような議長になってしまった。
  FRBがインフレ指標として注視する米PCE(個人消費支出)コアデフレータは二〇一
 三年三月に前年比一・一三パーセントをつけ、過去最低記録である一九六三年の一・〇六パ
 ーセントに追った。失業率の改善もまだまだ鈍い。バーナンキのFRB議長就任から現在ま
 での道のりは、けっして成功物語とはいえない。
  それでもバーナンキが行なったことは、それ以外の人が打ち出したであろう政策よりも俊
 分、マシかもしれない。その政策はアメリカ経済を上向かせるためにそれほど大きな効力を
 発揮した
わけではないが、日本型のデフレ期待が台頭するのではないか、という危険を未然
 
に防いだ。
  とくに金融危機の初期における介入は、金融市場のメルトダウンを防ぐために大いに役立
 っ
たといえるのではないか。

  ECBの政策はどうだったのだろうか。二〇一二年の初旬には、ギリシャがユーロ圏から
 脱退させられ、イタリアとスペインの銀行に人が殺到し、ユーロ圏が分裂し、ユーロ債の価
 値が誰にもわからない状態になる、というシナリオさえも考えられた。
  つまり、一九二九年に始まった世界恐慌の再来である。金融市場は荒れ狂い、運が悪けれ
 ばすべてのブレーキが利かなくなり、世界中の銀行が凍結する……そうした悲観的な未来が、
 現実としてすぐ目の前にあったのだ。

  
                     市場を崩壊の淵から救ったマリオ・ドラギ

  そうした危機のなかでタカ派といわれるジャン=クロード・トリシエ総裁のあとを継ぎ、
 二〇一一年十一月からECB総裁を務めるのがマリオ・ドラギである。就任当初の十一月か
 ら十二月にかけて彼は連続利下げを行ない、政策金利を一・〇八パーセントに戻した。そし
 て
非伝統的な手段として、流動性を供給するために期間三十六ヵ月のLTROを新設した。
  さらには二〇一二年七月、ユーロ存続のためにはいかなる措置をもとる用意があると表明、
 二〇一二年九月のECB理事会では、市場から国債を買い取る新しい対策を打ち出した。
  ドラギが打ち出した量的緩和策は、市場を崩壊の淵から救ううえで大きな効果があった
 ソブリン債券市場を安定化させることで、イタリア、スペイン市場においてかなりの回復を
 引き起こしたのである。
  しかし一方で、インフレ目標についての動きはなかった。その結果、いまだにインフレ期
 待は低いままに抑制されている。ECBによる国債の大量買い取りによってインフレリスク
 を懸念する声もあったが、いまのヨーロッパはそうしたリスクに直而していない。それどこ
 ろか次の五年間でインフレ率が三パーセントを切ったまま、どうやって目下の状況を改善し
 ていこうとするのだろうか。

                                  アメリカはアベノミクスを支持している

  日本に視点を戻そう。はたして「アベノミクス」は人びとの「期待」を動かせるのか。留
 保すべきは、アウトサイダーが財政政策を診断するのは難しい、ということである。それほ
  必要な矢が、すでに欠けているかもしれないというわけだ。
  だが「第三の矢」といわれる構造改革がそれを決めるとは、私は思わない。というのも、
 ほとんどすべての人がそうみなしているほど、それは重要な矢ではないからだ。為政者は誰
 もが構造改革を約束するが、そうした態度自体を私は疑っている。
  ほんとうに国民に大きなショックを与えたければ、フランスのように出産を奨励し、移民
 を開放するような手段が必要になる。そうすれば、国民の期待は大きく動く。しかしそうし
 た施策を日本はとりそうもない。私かいまもっとも関心を抱くのは、その政策を信用あるも
 のにするためには何か重要なのか、ということだ。アベノミクスは「日本がはまった罠」か
 ら脱却するためには必要だが、十分なものかどうかはまだわからない。OECD(経済協力
 開発機構)は日本経済の見通しについて、二〇一三年度の実質経済成長率を〇・七パーセン
 トから一・六パーセントヘと大幅に上方修正したが、これを「アベノミクス効果」と呼べる
 のか。
  アベノミクスがもたらしたもっともわかりやすい変化は円安である。投資の分野でもある
 程度の変化がみられた。しかし、これは対照実験ではない。いまの段階で何かを語るのは時
 期尚早だろう。
  ニパーセントというインフレ目標の数値についてはどうか。以前から私は四パーセントの
 インフレ目標が適切だ、と主張してきた。日本だけではなく、OECD諸国全体にとっても
 そうである。
  しかし、いますぐ四パーセントのインフレ目標を提示することが政治的に不可能であるな
 ら、まずはニパーセントという数字は妥当だ。しばらく様子をみたうえで、さらに大きな数
 字を主張する、というかたちでもよいだろう。
  他国のインフレ目標も、公式、あるいは非公式にニパーセントを目標としている。現在イ
 ンフレ目標を採用している二〇カ国の中位値もニパーセントだ。ニパーセントの根拠は何か
 と聞か
れることも少なくないが、端的にいうなら、歴史の偶然といってよい。
  ニパーセントのインフレ目標は、理論上も「流動性の罠」に陥らない「ちょうどよい数

 」である。しかしいま、明らかになっているのはニパーセントではもはや十分ではない、

 いうことだ。もちろん、より高いインフレ目標をもつことは不健全、とみなす人もいる

 が、ワーレンス・ボール(ジョンズ・ホプキンス大学教授)はもっと高い目標こそ必要だ、
 と
主張している。オリビエ・ブランチャード(IMFチーフエコノミスト)も高いインフレ
 目標
は合理的、と慎重に提案している。
  元財務長官のローレンス・サマーズも、彼の書いたものから判断するにアベノミクスを支
 
持している。先に述べたマイケル・ウッドフォードも、アベノミクスのような政策こそが求
 
められている、と示唆している。
  どんな問題についても、アメリカには反対の立場をとる経済学者がみつかるだろう。おそ
 らくFRBは金利を上げるべき、と考えている人たちは、アベノミクスを好ましく思っては
 いない。しかし、いま述べたアベノミクスに対する考え方は、けっして異端ではない。それ
 を支持する人びとは、相当数存在している。


                        
 世界各国のロールモデルになれるか

  二〇一三年五月二十四日、私は『ニューヨーク・タイムズ』紙に「モデルとしての日本」
 というコラムを書いた。かいつまんで紹介しよう。

  ある意味では、安倍政権によって採用された金融・財政刺激政策への急転換である『アベ

 ノミクス』についてほんとうに重要な点は、他の先進国が同様なもの(注一コーディネート
 された金融・財政政策)をまったく試していないということだ。じつのところ、西洋世界は
 経済的な敗北主義に圧倒されてしまっているように思われる。
  日本の政策当局者が、北大西洋周辺で聞かれるような無策と同じ言い訳をするのは容易な
 はずだ。急速に高齢化する人目に縛られてしまっているとか、経済は構造的な問題によって
 負債が大きすぎるとか(経済規模でみて、ギリシャよりも大きい)、そして過去においては
 日本の当局者は実際に、そうした言い訳をするのが大好きだった。
  しかし、安倍政権がどうやら理解したらしい真実は、こうした問題のすべては経済の停滞
 によって悪化してしまっている、というものだ。短期的な成長の押し上げは日本の病のすべ
 てを癒したりはしないが、それが実現できれば、はるかに明るい未来へ向けての最初の一歩
 になりうる。
  経済を立て直そうとする日本の努力についての全体的な評価は、これまでのところ良好だ。
 そしてこの評価がこのまま維持され、時とともに高まっていくことを望もうではない
 か。もしアベノミクスがうまくいくなら、それは日本にとって不可欠な成長の押し上げをも
 たらし、その他の世界には政策の無気力さに対して必要な解毒剤を与えるという、二つの目
 的を果たしてくれるのだから」
  そう、この政策実験がうまくいけば、まさに日本は世界各国のロールモデルになることが
 できる。アベノミクスによってほんとうにデフレから脱却できるなら、それは将来同じ状況
 
に陥った国に対しても、大きな示唆になるからだ。
  私はかつて、日本がスーパーマンだった時代を覚えている。日本がやることなすことに
 なうはずがない、と痛感した世代なのだ。その後、日本経済が窮地に陥ったとき、その混乱

 は甚だしいものだった。アメリカやヨーロッパの経済学者の一部には、もはや日本から見習
 うものは何もない、と考えている人たちもいる。
  しかし一方で、その日本がいま、世界各国から注目を浴びている。日本の成功は自国のみ
 ならず、世界経済にとっても、大きな貢献になりうるからだ。


以上、今日もクルーグマンの主張に意義申し立てすべき箇所はなかったので、掲載のみとなった。

  

昨夜の “ジュブリルルタ”での話の続き。パンの代金を支払うとき、金銭登録機がタブレッ
トに変わって
いることに気付く。気付いたのはこれは初めてではないが、女性の係員が糸も簡
単に、タッチパネルを
操作していることに改めて感心する。時代の移ろいはめざましい。コン
パクトで多機能で使いやすそうだ
(金銭登録作業の苦労話の有無に拘わらず)。マルチタスク
で、マルチメデイアで、ビジュアルなインタフェースを三十年前だれがイメージしていただろ
うか?!そんなことを考えていると、中国の防空識別圏をめぐるニュースを耳目すると、”古
いねぇ、中国は!?”と感じて眩暈がしそうだ。しかたがない、あちらは国民あげての“坂の
上の
雲”時代だ。早々と“通過儀礼”
を済ませて欲しいと願うばかりだ。もっとも、これは、
国内の保守反動諸派にも言えることだが、暴力沙汰は両国の勤労国民のためならず“細心要注
意!

 

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