極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

李とイーグルアイ

2009年03月14日 | びわこ環境


きみ想い ゆっくりと回る大風車 ちいさき李 花綻びて


プラムの花


わが園の 李の花か 庭に散る はだれのいまだ 残りたるか    大伴家持


琵琶湖博物館は天気は良かったが、やはり風が強い。仁王立
ちの一基の風力発電機のプロペラがゆっくりと旋回する。彼
女といっしょにきたかったが。シンポジウム『
びわ湖の森の
生き物
』に参加。会場は満席(約三百名)。嘉田由紀子知事
は公務でビデオ・メッセージ参加。



スモモ(酢桃、李、学名:Prunus salicinaはバラ科サクラ属の
落葉小高木。中国原産。スモモの果実はモモに比べて酸味が
強いことが、和名の由来となっている。漢字では「李」とも
書かれる。英語では「
prune(プルーン)」、「plum(プラム)
」などと呼ばれる(ただしウメも「プラム」と呼ばれること
がある。)。古くから日本に伝わっており、和歌などにも詠
まれる。農園で栽培される他、自生しているものもある。
古く中国より伝来の「スモモ」。花言葉は「忠実」「貞節」。


98yamazaki.jpg 山崎亨                               イヌワシ

イヌワシは、勇壮で力強く、孤高かつその美しい姿のために、
古くはローマ時代から権力の象徴として王家の紋章や部族の
シンボルとして広まる。日本各地に伝わる天狗伝説は山里に
生きる人々が自然界への畏怖心から創り出された。1950
年代まで日本アルプスなど極く限られた場所にだけ生息する
と考えられていたが、日本各地に生息していることがわかっ
きたという。現在、日本で生息が確認されているイヌワシは
約300羽。イヌワシの食物となる動物であるノウサギやヤ
マドリが減少し、密猟や環境汚染物質の影響などで絶滅が危
ぶまれている。イヌワシは森林生態系の食物連鎖の頂点に位
置する種で、イヌワシの適正生態環境は人間にとっても重要
な環境であるといわれる。
                       
                                                        
イムワシ分布




クマタカは山地に住むワシのひとつで、翼を広げると約2m
にもなる大型の鳥。世界的に分布域が狭く、個体数が少ない
希少な野生動物。生態系の頂点に位置するため、生息数はも
ともと少ないうえ、最近の森林の荒廃、動物が多く生息する
ことができる広葉樹林の減少と、それによる食物となる小動
物の減少、 PCBなどの化学物質による生息環境の汚染など
で、近年急激に生息状況が悪化。そのため、絶滅のおそれの
ある野生動植物のひとつとして、「絶滅のおそれのある野生
動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法)により、国
内希少野生動植物種に政令指定され、環境省のレッドリスト
では絶滅危惧ΙB類(EN)に指定され保護対策が行われている。


98fujioka.jpg 藤岡康弘                               

ビワマス(琵琶鱒 - 学名:Oncorhynchus masou rhodurus、英:
Biwa trout
) は、サケ目サケ科に属する淡水魚。日本の琵琶湖
にのみ生息する固有種
である。産卵期には大の日に群れを
なして河川を遡上することから、アメノウオ(雨の魚)とも
呼ばれ、
成魚の全長は40-50cm ほどで、大きくて全長70cmを
超える。
サクラマスと同じくヤマメの亜種であり、DNAの特
徴も外観もサクラマスに近いが、サクラマスよりも眼が大き
いので見分けがつき、近年の琵琶湖には
放流されたニジマス
アマゴ等他のサケ科魚類も多数生息しているため、本種に
限らず琵琶湖で捕獲されるサケ科魚類を総称してビワマスと
呼ぶこともあるという。

淡探 潜水ロボット「淡探(たんたん)」 

琵琶湖固有種であるアナンデールヨコエビ(Jesogammarus an-
nandalei
)について琵琶湖北湖の水平分布は、湖底水温が周年
を通して10~15℃以下の地点に偏り、水温が本種の水平、鉛
直分布を決定する重要な環境要因とされる。ヨコエビの減少
は琵琶湖の生態系にも影響する。ヨコエビはイサザの餌とな
っており、ヨコエビが減ると、イサザが代わりに動物プラン
クトンをたくさん食べるようになる。その結果、同じプラン
クトンを食べるアユとの競合を招き、イサザもアユも減少す
るという「負の連鎖」を引き起こす。




98teramoto.jpg 寺本憲之

ブナ(山毛欅、橅、椈、学名:Fagus crenata、シノニム F. sie-
boldii、F. ferruginea
)とは、ブナ科ブナ属の木
。落葉広葉樹で、
温帯性落葉広葉樹林の主要構成種。中国語で「山毛欅」とは、
本種ではなく中国ブナの一種を指す。「橅」は近年作られた
日本文字で、一般に(日本)ブナの意味に使われている。温
帯域に生育する
落葉樹である。高木。大きいものは高さ30m
にも達するものがある。樹皮は灰白色できめが細かく、よく
地衣類などが着いて、独特の模様のように見える。葉は楕円
形で、薄くてやや固め、縁は波打っていて、鋸歯と言うより
葉脈
のところで少しくぼんでいる感じになる。冬芽は褐色
の鱗片に包まれ、茎が伸びた後もそれがぶら下がっている。


 オオトビスジエダシャク



‘母なる湖、父なる森’をキャッチ・コピーに今回のテーマ
は地球温暖化と荒廃する山間部。①マルサスの『人口論』を
破綻させる‘天狗伝説’のイヌワシ生態。生態の頂点を極め
る条件は、「少産効率生殖」(イヌワシの雛の兄弟殺し;The
Cain and Abel battle
/クマタカの一人っ子戦略)。「狗鷲と熊
鷹は『びわ湖』の守り神=生存の危機⇒「びわ湖の森」の危
機⇒びわ湖や生活環境の危機(山崎亨)。②今年をもって県
下の養蚕農家が消滅。5500種もの蛾蝶(鱗翅)の幼虫の
568種以上がブナ科落葉広葉樹(ドングリの木)だけに生
息、食性進化から鱗翅は太古から利用、放置すれば優占種林
に、過度伐採は自然破壊につながる。そのバランスが難しい
のがブナ類で人口管理する里山(寺本憲之)。③なぜ、ビワ
マスはアナンデールヨコエビしか食餌しないのか。480本
の河川の水温上昇、河川のダム等の遡上分断等による消滅危
機(藤岡康弘)。④霊仙山、綿向山の氈鹿(カモシカ)を調
査、ニホンジカの繁殖と反比例し激減(名和明)。

 カモシカ

パネルディスカッションはこの危機的状況をいかに運動とし
て克服していくのか議論されたが字数制限からこの辺でまと
めておき、機会があればブログで考えてみたい。県民ひとり
当たり八百円の税金を投入(≠目的税)。「森林づくり条例
」「山の子運動」等の山村活性プロジェクト推進(余呉町の
小原籠
)を行っている。また、河畔林(⇒小渓流に繁茂する
森林は渓畔林として区別の重要性を再確認する場となった。
もう少し言うと①産業革命以降の環境破壊の幾何級数的な進
行と②高度資本主義社会のひずみ(富の偏在+過度の外需依
存と国内産業の疲弊+都市部への集中と過疎化+少子高齢化)
といった地政的或いは歴史的な構造に問題があるということ、
その解決には思慮をもって事にあたるということなるだろう。
              
                         
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