ONE FINE DAY

「昨日のことは忘れてほしい」
「もう遅い。日記に書いた」

炎の人ゴッホ

2006-02-14 | 映画
カーク・ダグラス版「炎の人ゴッホ」を見る。
1957年公開のヴィンセント・ミネリ監督作品。
この映画の公開によって、ゴッホ人気はさらに拍車がかかったときいたが....。
ゴッホが亡くなったのが1890年だから、67年後の映画化ということになる。
カーク・ダグラスは見た目もゴッホによく似ているし、
彼の魂に近づこうとしているかのような熱演を見せる。
先日も迷宮美術館で取り上げていたゴッホの弟テオの妻ヨハンナが、
兄弟の死後ゴッホの作品を守り正統な評価を受けられるよう地道な努力を重ね、
彼らの書簡集を出版してからそう経っていないのではないか?
そう考えるととても興味深い映画といえる。
ゴッホへの距離が近いゴッホの映画。
この映画では大きく採り上げられていないが、
私がゴッホを思うときにまず思いつくのが、兄弟の絆の強さ。
ゴッホが亡くなったあと、弟テオは精神のバランスを崩し、あとを追うように亡くなっている。
その兄弟の絆の強さに圧倒される。
テオはゴッホの影にかくれて印象が薄いが、
画商としても大変立派な人で、当時まだ売れていなかった印象派の画家を
ずいぶん助けてもいるらしい。
モネは彼を大変信頼していたようだ。
伝記映画というのは難しいなあとつくづく思う。
その人の生涯を誠実に忠実に描こうとすればそれだけで映画は終わってしまうし、
それがこれだけ有名な画家ならなおさらである。
でもそれは現代の私たちが見るからで、この映画が公開された当時は、
もっとずっと鮮烈な印象を観客に与えたに違いない。

ゴッホ検索をしていて素敵なサイトをみつけたので、
興味のある方は一読あれ。