ONE FINE DAY

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ジョット・ディ・ボンドーネはすごい。

2012-04-17 | 美術
ジョット・ディ・ボンドーネ(1267-1337)

16世紀後半の画家・伝記作家のジョルジョ・ヴァザーリはその著書で

「それまでの洗練されていなかったビザンティン美術を徹底的に打ち壊し、
現在見られるような現実味あふれる素晴らしい絵画をもたらした。
200年以上にわたって忘れ去られていた絵画技術を現代に蘇らせた画家である」
とジョットを絶賛している。

ビザンティン様式が支配的だった西洋絵画に
現実的、三次元的な空間表現や人物の自然な感情表現をもたらした。
その絵画描写は、人物は背後の建物や風景との比例を考慮した自然な大きさで表現されている。
こうした描写方法は、当時の描写法では革新的なもので、
こうした点からジョットは「西洋絵画の父」ともいわれている。

ウィキペディアより 


「下手くそで平面的で装飾的で保守的なビザンチン美術の影響下の真っ只中で、
突然これまで見たこともないような、イタリアはフィレンツェ出身の天才が現れた。
これほどまでみほとに形と色彩を扱える能力の持ち主は、
1000年前のギリシャ・ローマ時代以来、誰一人としていなかったのである。」

ジョン・ファーマン「これならわかるアートの歴史」より



ルネサンス美術の幕開けを、
フィレンツェ洗礼堂門扉の作者を決定するためにコンクールが行われた
1401年だとしたら、
ジョットは印象派にとってのターナーのような存在?

いや、そんな表現ではとても表せないほど、
西洋絵画にあけるジョットの存在はとてつもなく大きい。

今私たちが美術館で
ヤン・ファン・エイクとか、ホルバインとか、レンブラントとか、ベラスケスとか
きら星のような絵画を見ることができるのは
ジョット様のおかげと云っていい。
マリアと幼子イエスの前で祈るより、ジョットの絵のまで手を合わせたい。

つづく