ONE FINE DAY

「昨日のことは忘れてほしい」
「もう遅い。日記に書いた」

彼らの目は神を見ていた

2006-02-07 | 映画
WOWOWで放送された「彼らの目は神を見ていた」を見る。
先日のGG賞、この作品でハリー・ベリーがTV部門の主演女優賞にノミネートされていた。
グッドタイミング!

社会派ラブロマンスと書いてあったが、黒人社会の中だけの話なので、社会派という要素はあまりなく、ジェイニー(ハリー・ベリー)という女性の生き方(というより男性との関わり方)をみつめた作品。ハリー・ベリーは野良犬のような野生を秘めたジェイニーという女性の18歳から38歳までを熱演している。
ジェイニーは18歳の時に無理矢理年上の男に嫁がされたが、野心家の青年に出会い家出。青年はのちにアメリカではじめての黒人だけの町の町長になる。そこで20年満たされないものを抱えたまま暮らすが、夫が死に未亡人となったジェイニーの前に若い男が現れる。
この若者との恋愛が主な物語。周囲の「どうせ長続きするはずがない」「金をむしりとられて捨てられるのがおち」という声にも耳を貸さず二人は町を出る。
ここからの展開が予想に反して面白かった。
12歳も年下の男とうまくいくはずがないと誰もが思うのだが、
この二人は若者が病気で死んでしまうまで愛を全うする。
ティーケーキという若者(写真)がいい。
みずみずしい若さに溢れていてなおかつ人生に対する落ち着きも併せ持つ。
短い間のことだから可能だったのかどうかそれは分からない。
けれどボロボロになって町に帰ってきたジェイニーの気持ちの穏やかさ。

女性があたりまえのように自己主張できなかった時代に、
男性との関わり方のなかで自分をみつめていった女性のお話といったところか。
だから何かいまひとつ物足りないのだけど、
いい相手にめぐり会えてほんとに良かったねとホッとした。
タイトルの意味が分からない。誰か教えて。