ONE FINE DAY

「昨日のことは忘れてほしい」
「もう遅い。日記に書いた」

舞台の向こう側

2006-02-08 | 雑記
朝、ロンドンの娘とSKYPEで話す。
ダンスカンパニーのコスチュームをデザイン&メイキングするという授業で、そのリハーサルを見に行ったと、喜びと興奮を交えて話す娘の声を聞きながら、とうとう向こう側に一歩足を踏み入れたねと感慨深かった。コスチューム科の生徒13人と先生とで、13人のダンサーたちのコスチュームを作る。それを着て彼らは舞台で踊る。実際に公演される舞台に参加できる喜び!!

娘はトロントで「美女と野獣」を始めて見た。まだ11歳だったかな?
ホテルに戻ってから、一心に絵を描き始めた。舞台を見た感動を描かずにはいられないというように描き続けた。その時ミュージカルに恋をして以来、まっすぐに一直線に迷うことなく舞台を目指している。スタートは声楽、次に舞台美術、そして今やっとコスチュームという変遷はあったものの目指す先にあるのはいつも舞台だった。
私も娘と同様、物心ついたころから映画が大好きだった。スクリーンの向こう側に行くことを夢見た。いつかきっとあのスクリーンを飛び越えて、私も作る側にいくんだ!と願っていた。しかし人生思うようにはいかず、結局予告編を編集するにとどまった。結婚して子供を産んでTVの編集の仕事を細々と続けたがそこからも今は遠のいた。娘や、映画を目指す娘の友人達の話を聞くたびに古傷が疼くような気がするときがある。それは懐かしいような羨ましいような嬉しいような恥ずかしいようなたくさんの色を持った小さな疼きなんだ。そんなものが自分の中にまだあったことに驚く。遠い昔の自分の姿を娘に重ねるからなおさらなのか、夢に向かって進んでいる娘を見守っていくしあわせは格別だ。