ONE FINE DAY

「昨日のことは忘れてほしい」
「もう遅い。日記に書いた」

GB映画4本も・・

2005-05-31 | Gerard Butler
↑は「サラマンダー」のGerry

WOWOWで放送された「サラマンダー」を見た。このところWOWOWではGB(ジェラルド・バトラー)の出演作を4本も放送している。「トゥームレーダー2」「タイムライン」「ドラキュリア」そして「サラマンダー」全てWOWOWで見ることができた。来日報道もしてくれない地上波各局より、よほどGBファンの要望に応えてくれている。この勢いで「ワンモアキス」「アッティラ」も放送してくれないかな。お願いします!

つくづく思うのだけど、ジェラルド・バトラー氏にとって「オペラ座の怪人」という映画は彼の役者人生を大きく変えた画期的な作品だったのですね。それ以前とそれ以後では、役者としての認知度も扱われ方も、もちろんギャラも全く違うのではないでしょうか?「サラマンダー」を観てなお一層その感を強くしました。「オペラ座の怪人」がなければ、彼を知ることもなかった。彼がこれまで出演した映画で私が見たことのある作品は「クィーン・ヴィクトリア・至上の恋」たった一本だけ。映画は面白かったのですが彼のことは全く印象に残っていませんでした。「オペラ座」以後に見た3作にしても、「ドラキュリア」は作品はともかくとしてGBはその美しさと時々かいまみせる愛嬌(?)で印象に残りましたが、あとの2作は「オペラ座」を見ていなければ風のように消えていった作品でした。たぶん「オペラ座」がなければ見ることもなかったと思います。



「サラマンダー」はちょっと違います。面白い映画でした。”火を噴く竜”(サラマンダー)が地球に現れて地球は壊滅状態。わずかに生き残った人々が竜と対決するお話しです。時代は2020年。荒唐無稽なゴジラ映画みたいなもんです。現代にエイリアンじゃなくていかにも中世風な”竜”が現れるという発想がユニーク。主役のクリスチャン・ベールもいいし、マシュー・マコノヒーはちょっと異様で怖かったけど、サバイバーたちが住んでいる洞窟とか廃墟と化したロンドンとかダークな雰囲気が漂って独特の雰囲気を醸し出していました。映画のテンポもよく、飽きずに最後まで楽しむことができました。できれば映画館で見たかったなと思ったくらいです。問題のGBといえば、タイトルロールには4番目に名前が出ているわりには、あまりにもお粗末な扱われ方でした。C・ベールの友人役で、映画冒頭ではまあまあ出番もありますが、M・マコノヒーが登場してからは、一体彼はどこに行っちゃったの状態。小さい画面を食い入るようにみつめてしまいました。そうかと思ったら突然現れてあっけなく死んじゃうし、いくら脇役だからってこんな扱いはひどいと腹がたちました。でもそこでやめることなく最後まで見たのだからやっぱり面白かったんだと思います。今回のように脇役に注目して映画を見ると、主役とのテンションの違いがよくわかります。GBは肩の力がぬけていたもの。パニック映画だから変といえば変なんですが、飄々としていて素敵でした。特に、火を噴く竜と同じくらい暑苦しい芝居をしていたマコノヒーと一緒のシーンでは「あなたたち同じ映画に出ているの?」と訊きたくなったくらいです。ま、冗談はさておき、WOWOWさんありがとう!しかし「太陽の帝国」の少年も立派な青年に成長したもんだ。

クローサー

2005-05-30 | 映画
マイク・ニコルズの演出見たさにノコノコ映画館に出かけていった。

恋愛映画は好き。特にラブコメ(最近はロマコメか?)。これ無しには生きていけない。「恋愛小説家」「ユー・ガット・メール」「ノッティングヒルの恋人」「眺めのいい部屋」「あなたが寝てる間に」「ラストチャンスをあなたに」「グリーンカード」・・思いつくままお気に入りの恋愛映画を並べてみてもシリアスなものはひとつもない。わたしは恋愛+喜劇(もしくは喜劇風味)の映画が好きなんだ。「クローサー」に喜劇風味が全くないこともないんだけど、”人間の内面に迫る”という謳い文句が示すとおり、4人の男女の恋愛をめぐる深層心理のようなものを徹底して描いている。しかも始まりと終わりにおける心理。みごとに”間”がぬけている。せめてスクリーンの中では、しあわせな心温まる物語を見たいわ・・なんて思ってると、ふんとばかりに否定されるのがこの映画。のほほん派の私にはそこがどーもいただけなかった。だって浮気の告白映画なんですよ。それを見目麗しいトレンディな男女が演じているっていうそれだけです。共感もなければカタルシスもない。この年になれば参考にもならないし・・・・とほほ。

ただし!J・ロウってすごい!!すごい役者だ!ただ者ではない!彼の芝居には目を見張らされた。露出計をも狂わせるほどの輝く美貌の下にあれほどの演技力が潜んでいるとは、神様も粋なことをするもんだ。それとクライブ・オーウェンもいい!もうけ役だけどね。イギリスの役者の底力を見せつけられた。話の内容が薄っぺらなぶん、二人の演技合戦は熱かった。さすがマイク・ニコルズ。

キングダム・オブ・ヘブン

2005-05-27 | 映画
"リドリー・スコット"&"歴史スペクタクル"これが見ないでいられようか!

「グラディエイター」以来、このての映画はできる限り劇場で見ることにしている。「トロイ」も「アレキサンダー」も劇場で見た。「お母さんは鎧をつけている男の人に弱いね」と娘にからかわれても「おっしゃるとおり」とうなづくしかない。でもね、それだけがお目当てというわけではない。要はドラマ。そこにどんなドラマが描かれているか、それが一番の楽しみなんです、いやほんと。「グラディエイター」の面白さは、マキシマス(R・クロウ)とコモデウス(H・フェニックス)の対立と葛藤にあったし、「トロイ」では、陽と陰のヒーロー、ヘクトル(E・バナ)とアキレス(B・ピット)の対比。人間の愛憎と葛藤から生まれるドラマこそが私にはスリリング。もちろん、スペクタクルな戦闘シーンにも魅せられます。「グラディエイター」の冒頭の戦闘シーンでは、隣で観ていた娘に危ぶまれるほど号泣してしまったし・・・。そうそう、あの雪。殺戮の大地に粉雪がハラハラと舞うんです。スコット監督は雪がすきですね。「キングダム・オブ・ヘブン」でもやはり雪が舞っていました。”戦いの後に雪が舞う”です。

さて「キングダム・オブ・ヘブン」ですが、特に印象に残ったのは、エルサレムの王とイスラムの指導者サラディン。1100年代のこの地域(聖地、現代のイスラエル)の歴史については全く知識が無く、キリスト教徒とイスラム教徒が共存しようとした時代があったことにまず驚いた。エルサレムの王にエドワード・ノートン。ライ病のため仮面をかぶったままなので予備知識がなければ彼だとはわからなかっただろう。表情をまったく見せずに、その立ち居振る舞いと台詞だけでこの悲劇の王に魂を吹き込んだノートンはさすがだ。騎士バリアン(オーランド・ブルーム)の表情の乏しさが前半気になっていた私には、仮面をかぶっているはずのノートンの方がよほど表情豊かに見えた。この王の静謐さと気高さ。死に逝く日々のなかで真に民のことを想い、無駄な争いを回避しようと努力する姿には心打たれた。どこかの国の大統領に爪のあかでも煎じて飲ませてやりたい。一方のイスラムの指導者サラディン。シリアの映画スターであるハッサン・マスートという役者さんが演じているのだが、そのカリスマ性たるやかっこいいなんてもんじゃない。こんな指導者のもとでなら、たとえ戦いで命を落としても本望ではないかと危険なことを云いたくなる。この二人に共通しているのは「指導者」であって、「権力者」ではないということ。権力の美酒に酔うことなく毅然として信念を貫く。

ただ、映画前半のバリアン紹介と歴史背景描写が、おおまかなあらすじだけを追っているようで、物足りなかった。鍛冶屋だったバリアンが十字軍に参加し騎士へと成長していく様をもう少し丁寧に描いてくれるとありがたかった。オーランド・ブルームといえば、私には「トロイ」の世界一情けない王子パリスの印象が濃く(あれはあれである意味凄いのかもと思いつつも)どうも役者としての小粒感がぬぐえなかったのも一因か?しかし後半、この主人公が輝き出す。無表情が寡黙さと一途さを感じさせるようになってくる。彼の選択には異論もあるが、それでも彼なりの信念に基づき知恵を振り絞って戦いにのぞんでいく姿には心打たれるものがあった。エバ・グリーンという女優さんはほんとうに美しい目で魅力的ですが、何故二人が惹かれ合うのかがよく分からず、いくらお約束といってもこれは要らなかったかな?と思いました。こういう映画に女性が絡んでくるのはほんとうに難しいですね。

Burns

2005-05-27 | Gerard Butler
「Dear フランキー」「The Game of Their Lives」「Beowulf & Grendel」「Burns」
これから公開されるGB(ジェラルド・バトラー)主演(出演)映画のラインアップです。
「Dear フランキー」はアチラではすでに公開され、日本でも6月28日に公開が決まりました。それにしても演じるキャラクターのなんと多種多様なこと!船乗り(!)サッカー選手(!!)怪物退治の英雄(!!!)そして、そして、詩人!!!!ですよ。GB関連のニュースをいろいろ読んでいまして、「Burns」でスコットランドの偉大な詩人エドワード・バーンズを演じると知ったときには小躍りしてしまいました。「蛍の光」の詞を書いた人な~んてことも知らなかったんですけど、この”詩人”という響きに弱いんですね、私は。しかも、農民詩人と自分を呼び、大酒飲みで、華やかな女性遍歴をもつ・・・知れば知るほどこの詩人への興味がむくむくとわいてきて困ってしまう今日この頃なんです。頭の中で勝手にGB=バーンズが動き出して、どうやら詩らしきものを耳元で囁いてくれたりするわけです。あの声で・・・。中世風の装いで・・・。あ~困った。
-はたしてこの映画、日本で公開してくれるのだろうか?
-一体何百日待てばいいんだ?
-その前に3本も待機してるんだし、
 あなた!ラッセル・クロウの「シンデレラマン」だってあるでしょ!
・・・・そんな会話を頭の中で繰り返しては空しさに襲われています。


Burns
Year: 2006
Gerard's Role: Robert Burns
Additional Cast: Robert Cavanah, Julia Stiles, Kelsey Grammer, Kathleen McDermott, Brian Cox, John Hannah, David Hayman and David O'Hara
Director: Vadim Jean
Writer: Alan Sharp
Genre: Drama
U.S. Release Date: 01/25/06

Plot Summary
In this sexy romantic epic, 'Dangerous Liaisons' meets 'Amadeus' in the form of Scotland's greatest poet, Robert Burns. Bringing together a superlative ensemble cast, BURNS is at once a celebration of love and its passions, and a powerful, emotional look at a man's journey in search of his true self. With his book in almost every house in West Scotland, the 'ploughman poet' moves to Edinburgh where his fame is immediate and spectacular, quickly elevating his status in the city's high society - whereupon he recklessly challenges and seduces at every turn. Burns becomes the focus of countless female admirers, which Burns, already with a reputation for the ladies, is powerless to resist. But Burns soon tires of these easily won trophies and searches out an altogether headier brew in the form of Nancy McLehose - an elegant and mysterious woman of high status. For once Burns has met his match and the two of them joust along delicious and increasingly sexual lines. Eventually Burns realises that he must choose between the hedonistic world that has enveloped him and the truer, simpler more complete life offered by his first love Jean… Such was the power of his work and the epic sweep of his passionate life, the world still sings his infamous 'Auld Lang Syne' every New Year's Eve, and celebrates his birthday on 25th January in Burns' Night Suppers all over the world from Tokyo to Cape Town.


評決(原題The Verdict )

2005-05-26 | 映画
TVにて久しぶりにシドニー・ルメット監督作を見る。1982年につくられた、ポール・ニューマン主演の「評決」。ずいぶん前に見た記憶がある。信じていた恋人のうらぎりを友人に知らされるシーンをロングの俯瞰で撮っていたこと、それが強烈な印象だったことは覚えていた。けれどその恋人を誰が演じたのか、彼女との結末はどうだったのかはすっかり忘れていた。恋人はシャーロット・ランプリングだった。
ストーリーは社会派のルメットらしく、アメリカの裁判制度の中にかすかな正義を見いだそうとするものだが、今回はその中に描かれる男と女の物語に注目した。S・ランプリングがいい。ライバルの弁護士事務所からP・ニューマン扮する落ちぶれた弁護士に近づき情報を提供するようスパイのような仕事を依頼されるが、この男に惹かれ自分の行為に苦悩する女を静かに演じていた。クールビューティなランプリングだが、繊細な情念を感じさせてキラリと光っていた。しかしどんなに惹かれ合っても決して許されないことがある。裁判に勝ち法廷をあとにするニューマンを遠くから見ているランプリング。ラストシーンは、彼女からの電話のベルを聞きながら決して受話器をとろうとしないニューマン。渋い大人の映画である。

ルメット作品では「12人の怒れる男」「セルピコ」「狼たちの午後」などが有名だが、私がなんといっても好きなのは「旅立ちのとき」。これは好きというよりも愛すべき映画の一本。年に一度は見たくなる映画なのでいずれ書かせてもらうことにしようっと。