ONE FINE DAY

「昨日のことは忘れてほしい」
「もう遅い。日記に書いた」

Basquiat

2007-08-30 | 映画
バスキア」です。
バスキアの絵は見ていてちっとも飽きない。
見れば見るほど、これは何だろう、あれは何だろうと興味が尽きない。
数年前うちのトイレに(失敬!)バスキアのカレンダーがありました。12枚のバスキアを毎日毎日見ていたわけですが、本当に面白かった。
この映画はレンタルビデオが出たときに真っ先に借りて見ました。へぇ~、バスキアってこういう人だったんだぁと、当時のNYアートシーンへの興味と相まって印象的な映画でした。それ以来時々無性に見たくなる映画です。
久しぶりに見て思ったこと。バスキアとウォーホール(D・ボウイ)が二人で街を歩いているシーン。のんびりとおしゃべりしながら。その会話が普通のようでいてどこかトンでいる。それがおかしくて、やっぱり天才といわれる人たちは凡人とは違う感性をもって生まれてきたんだとしみじみ思いました。そういう何気ないシーンにアートを感じました。ボウイの演じたウォーホールがすごく良くて、愛さずにはいられないおっさんを嬉しそうに演じていた。バスキアを演じたジェフリ・ライトも今は渋い役者です。最近では「シリアナ」に出演していますね。
それと、今回初めて知ったのですが、監督のジュリアン・シュナベールは映画の中でゲイリー・オールドマンが演じている画家自身だそうです。バスキアとも交流のあったアーティストなんですね。映画に出てくるバスキアの絵は彼が全て描いたそうです。すごい!NYの美術館にはシュナーベルの作品が展示されているそうです。このへんもNYっぽいですね。バスキアの本物の絵、見たいなぁ。
こちらはバスキア本人↓


The Thomas Crown Affair

2007-08-30 | 映画
はい。
「華麗なる賭け」のリメイク「トーマス・クラウン・アフェアー」です。
何故今頃この映画?
絵画泥棒のはなしっていうことで、
ずっと気にはなっていたんです。
今日久しぶりに「バスキア」をみて、
そうしたらなんだか突然この映画見たくなって、
ツタヤまで自転車走らせました。

NYはメトロポリタン美術館が舞台です。
そこからモネの絵が盗まれるんです。
印象派の記念碑的作品というからには、
「印象・日の出」なのでしょうが、そうは見えなかったなぁ。
あれ何の絵なんでしょう?
いずれにしろ本物であるわけもないし。
盗んだクラウン氏(P・ブロスナン)の邸宅にも、
たくさんの美術品があって、美術好きにはけっこう楽しめる映画です。
少なくとも「ダビンチ・コード」よりは面白いかも(笑)

でも困ったのは、これが「華麗なる賭け」のリメイクだということ。
どうしたってオリジナルと較べてしまいます。
マクイーンとF・ダナウェイに。
決してブロスナンは嫌いではないんです。
ですが、違いすぎるーーーーー(笑)
レネ・ルッソにいたっては言葉もありません。
偉大すぎる映画のリメイクって、役者も命がけですね。

「華麗なる賭け」は思い出深い映画です。
うーーーーんと若い頃この映画を見て、
わたしは「セクシー」という言葉の意味を理解しました(笑)
同時にはるか彼方で私を待ち受けているであろう、
「大人の恋愛の真髄」のようなものも。
クールでどこか崇高でしかも人間くさい・・・
云ってることがめちゃくちゃですが、
乙女の胸をどきどきさせてくれたことは確かです。
そのくらい主役の二人が魅力的だったということ。
もしかしたらそれ以後数え切れないくらい映画を見たけど、
このカップルほど胸をときめかせてくれたふたりはいないかも。
ごめんね、ピアース

こちらが最高にクールな大人のふたり。


Being Julia

2007-08-29 | 映画
アネット・ベニングはまり役でした。
女優としての強烈な個性はないけれど、
そこが彼女の魅力。
いやみがないというか、クセがないというか、
物足りないというひともいるでしょうが、
私はこういう女優さん、好きだなぁ。
見ていて気持ちいい。

映画ですが、
45歳更年期になった大女優の心の揺れ、惑い・・・
もう疲れちゃった!
な~んにもしたくない!
その気持ち、女優じゃなくてもよく解ります。はい。

そこに登場するのが年下の若い男。
たとえ自分の息子と同年代でも、
たいして魅力的でなくても、
「僕の憧れでした!」なんて言われて、
ころっとまいっちゃうところが愚かというかかわいいというか、
目もキラキラしちゃってまるで漫画の世界。

しかしそんなものが長く続くわけもなく、
若さだけがとりえの女優に、愛人も、
はたまた同志関係でけっこううまくいっていた夫まで盗られ、
身も心もぼろぼろです。

しかし!転んでもただでは起きないのが大女優。
結末やいかに!?
あるていど年のいった女には、
この結末かなり胸がすかっとするのでは。
少なくとも私は大笑いでした。

アネット・ベニングの付き人で、
私のだーーーいすきな映画「Truly Madly Deeply」(ミンゲラ監督)の
ジュリエット・スティーヴンソンが出ていたのが嬉しかった。

子供たちのめざすもの

2007-08-28 | 美術
約束通り、庭園美術館行ってきました。
ロシアの衣装デザインを堪能してきました。
出来れば娘といっしょに見たかった。
では、印象に残った作品を紹介します。

◆アレクサンドル・ブノワ
 「バレリーナの衣装デザイン」

◆そのコスチューム

この2枚が新聞で紹介されていた。
実物も本当に可愛らしかった。
スカートの下のパンツ、おしゃれでしょ?
◆レオン・バクスト
 男性の衣装(バレエ「シェエラザード」より)

娘の尊敬するバクストです。
バクストのデザイン画たくさんありました。
カタログの絵がバクスト作品です。
流れるような線、ディテールの細かさ、美しい。
デザイン画が絵画になっている。
でもコスチュームになった作品を見て、
何がびっくりしたって、上着の模様(柄)は全て手書きだったこと!
デザイン画と同じ布なんてそうそうないわけで、
じゃあどうするのかといったら布にそのまま描いちゃうんですね。
これは洗えないよねぇ?びっくりでした。
今でもイメージ通りの布がなければ描いちゃうの?

◆エリザヴェート・ヤクーニナ
 ソフィの衣装(オペラ「薔薇の騎士」)

さわやかな青。
上着のデザインが変わっていて、
二重に見える肩の方は真ん中が空いています。
つまり着ると素肌が見える。
針金入りのふんわりスカートのたての部分には、
やすっぽいレースがひらひらついていて、
なんでもありだな・・・と思った(笑)

◆レオン・バクスト
 「フェリチタ」の衣装デザイン

胸、丸見えだし。
なにもオペラでこんなかっこうしなくても。
でも実際の衣装見たかった。

展示されていたのはほとんどデザイン画。
数点のコスチューム。
数点の舞台デザイン画。
ダンサーの陶磁器。
活躍した人々の肖像画などなど。
娘がいたらわおっと喜びそうな展覧会でした。

ところで、
この庭園美術館はかつて皇室関係のかたの邸宅だったのですね。
今日はアール・デコ風装飾やお部屋の間取りやインテリアにも目がいきました。
特に2階のベランダは素敵でした。

ベランダといっても長細いわたり廊下のような空間。
大きなガラス窓から素晴らしい庭園が一望できます。
こんなところでお裁縫をしたり本を読んだり音楽を聴いたりしたいなあと、
夢見つつゆったりと休憩しました。

なおたん、ニジンスキーのDVDゲットしましたよ。
でも彼の実際の映像は残されていないので、
ニジンスキーの真髄に迫る証言や、「牧神の午後」における彼の姿を
ボリショイバレエの二人の大舞踊家に移しかえた記録
などのドキュメンタリー」です。

この写真見たらジョー君思い出しちゃった。

庭園美術館を後にして向かったのは新宿。
親友の息子のり君のピアノを聴きに。
とあるオーディションの合格者披露コンサートです。
のり君はシューマンの幻想曲を弾きました。
わたしはとても感動しました。
涙があふれてとまらなかった。
彼の音楽と向き合う姿勢に。その才能に。
親友の息子だからというのではなく、ほんとうに。

のり君と我が娘なおは同い年です。
同じ幼稚園に通っていました。
そこで20年のつき合いになる親友と出会ったのです。
期せずして今日は、わたしたちふたりの子供たちのめざすものに
想いを馳せる日となりました。

がんばれ、なお。
がんばれ、のり君。