大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

日々の恐怖 12月13日 跳ね返り(4)

2016-12-13 17:22:57 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 12月13日 跳ね返り(4)




 しかし、その子は根は真面目だったので、A君が、

「 あれ~?
数学の教科書とノートがないな~?」

と言っているのを見て、すぐに白状して泣いて謝った。
 A君はどちらも買うか写させてもらえば済むし、気持ちも分かるからと許した。
しかし、その日、教科書とノートを燃やした子の家が火事で全焼した。
原因はストーブの消し忘れだった。
幸いにも死人は出なかったが、A君は自分の影響力をそのとき認識したそうだ。
 これはA君の意思とは関係なく発動するもので、相手がA君の好きな人や家族でも同じことが起こるらしい。
神社にお参りにも行ったが、効果はないし、原因自体分からないとも言った。
 だからA君は勉強も頑張り、自分なりに気を遣い、人に嫌われないように、不快感を与えないように努めてきたが、Bさんのようにどうしても合わないような人と出会うことがある。
 このことはまだ親にも言ったことがなく、話したのは俺が初めてなのだそうだ。

“ マジか~!”

と思いつつも、Bさんのことは俺が何とかすると約束し、

「 特殊能力なんて、漫画みたいでカッコいいじゃん!
すげえ!飲め!」

とべそをかくA君を無理矢理盛り上げて、なんとか笑顔で帰すことが出来た。
 不思議だなと思いつつも、人知を超えた力のようなものもあるかも知れないとも思った。
当面、A君もすごく気にしているし、Bさんもこのままではよろしくない。
 俺は、

“ 取り敢えず、どうにか引き離さないと・・・・。”

と考えながら、次の日出勤した。









童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日々の恐怖 12月12日 ... | トップ | 日々の恐怖 12月22日 ... »
最新の画像もっと見る

B,日々の恐怖」カテゴリの最新記事