日々の恐怖 7月13日 飲食店の紹介の仕事(2)
その部屋だけリニューアルしてなくて、クロスも古いまんまだった。
” なんでだろ?”
と思って聞くと、普段は使わない部屋になっているとのことだった。
理由は、そこで頻繁に出るかららしく、どうしてもという時以外は封印しているのだとか。
まあ実際、開けて中見た瞬間に嫌な雰囲気のする部屋ではあった。
空気がさらに重い。
店やってて開かずの個室なんかもったいないな、と思いながら撮影は終了した。
帰り際、
” 何も起こんなかったな~。”
と思いながら階段を降りようとした時、後ろからついてきてる助手くんが、
荷物をひっぱりながら何もない空間に頭下げて、
「 ちわっす!」
とか言ってる。
店を出た後に、
「 従業員の女の人に挨拶したけど無視されましたわ~。」
とか言ってる。
どんな人か聞いてみると、
「 白い和服の女の人ですね~。」
なんて言ってるから、女性従業員はみんなチャイナ着てるだろ、と突っ込むのはやめて、
「 今度また撮影があったら、気づいてもらえるようにもっと大きな声で挨拶しろよ!」
と言っておいた。
助手くんは一連の話は知らないので、
” ああいたんだなぁ~。”
と思った。
余談で、元店長から聞いた話。
店には結構広い地下室があり、そこを倉庫にしているんだが、地下室へ向かう階段の途中、
真ん中くらいの脇に何故かぽつりと窓が1つある。
もちろん開けても何もない。
何もないというか何かで塗り込めたような壁が出てくる。
ただ壁は薄く、向こうにどうやら部屋があるらしいが、もちろん入口はないし、図面にもない。
戦前は病院だったとか言う話で、それの名残かな?と店長は言っていた。
こういう店をあと2、3店知ってるが、不思議なのは割とガチでお化け出るのに何処も繁盛している。
繁盛しているところには霊も寄ってくるのかもしれない。
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