日々の恐怖 8月1日 海の家(1)
昭和50年代後半、俺が小学2年になったばかりの頃だった。
うちの親父が友人の借金の保証人になって、友人が飛んだから、我が家は家も土地も全て奪われ、一家全員宿無しになってしまった。
父は高速道路建設で7月から8月の2ヶ月間、出稼ぎのような状態だ。
母と姉(当時小6)と俺(当時小2)の3人は、7月から8月いっぱい、親戚から紹介された町営の海の家の住み込み従業員生活となった。
海の家といっても、浜は小さく、建物も昔は漁師小屋(番屋)だった。
朝は8時に開けて、夕方5時に閉店する。
更衣室と水道水シャワーと簡単な飲食を提供する。
掃除をしたら、店の残り物の焼きそばやおでんで食事した。
雨の日以外は夏の間は無休だった。
姉と俺は、元の小学校から遠く離れて友達も誰もいない土地で、海水浴客相手の接客を頑張っていた。
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