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日々の恐怖 7月30日 牛丼屋(3)

2019-07-30 11:47:27 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 7月30日 牛丼屋(3)




 後ろ姿だけだったが服装も同じだし、靴も履いてない、傘も持ってないから、すぐにさっきの婆さんだとわかった。
店の外で雨を凌ぐように、ボーっと店とは反対方向の道路を見て立っている。
 俺は、このままではまた店に入ってくる可能性もあるし、ボケていて住所も言えない老人を大雨の中に置いていった警察の態度にも腹が立ち、すぐに警察へ電話した。

「 さっき電話したS家~店の者ですけど、さっきの婆さんがまた店に戻って来てるんですけど・・・・・。」
「 わかりました。
10分くらいで警官の者が行くと思うので、少々お待ちください。」

“ ガチャ。”(電話を切る)

5分後、店の電話が鳴った。
 電話に出ると警官Bからだった。

「 さっきお伺いした者ですが、先ほどの婆さんなら、まだ住所がわからないので、今もパトカーに乗ってますよ? 」

” ふへぇえ?!”(急に怖くなって裏声になった)

「 そんなはずありません、ちょっと確認してくるので待っててください。」

俺はゾッとしながらカウンターへ行き、店の外を見るも誰もいない。
 信じられないので店外に出ても、大雨で歩いている人すらいない。
もう半泣き状態で、電話に戻って返事する。

「 いません、勘違いだったみたいです。」(震声)
「 気味悪い人だから、精神的に怖くなって幻を見ちゃったのかもね。
じゃあ、バイト頑張ってね。」

“ ガチャ。“(電話を切る)

もう怖くなって、一生懸命店内掃除して時間をやり過ごした。
 ちなみに深夜1時~警官との電話終わった深夜4:00くらいの3時間、誰も客来なかった。
さすがに台風でも、3時間来ないなんてことはないから、さっきの体験と重なって余計気味悪かった。







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