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日々の恐怖 6月23日 誘引のお話 (3)

2020-06-23 17:57:50 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 6月23日 誘引のお話 (3)




 でも、もう友人はこっちの話を聞こうともしない。

「 止まった!!今、扉の前にいる!!!」

俺が、

「 じゃぁ、開けて見てこようか?」

っていうと、激しく止めてきた。

「 止めてくれ!開けないでくれ!!
いるんだ、そこにいるんだ!!」
「 大丈夫だろ!何も無いじゃないか!」

こっちも語気を荒くしてなだめようとする。
 すると、急におとなしくなったかと思うと、友人はこう言った。

「 ・・・ダメだ、ずっとこっちを見てる。
もう、逃げられないよ。」
「 おい、何言ってるんだ!?
何も無いだろう!?
大丈夫だろ!?」

友人の一言が、異常なほど恐怖心を駆り立てた。
 友人は、

「 ああ・・・、叩いてる!
扉を叩いてるよ!!」

って言ったかと思うと、

「 うわあああああああ・・・・・・・!」

と叫びながら、扉に向かって走っていった。
あまりの突然のことに、俺は体が動かなかった。
 友人は叫びながら、扉を開けて外へ出て行った。
俺も慌てて追いかけたが、間に合わなかった。
 友人は踊り場から身を投げた。
訳が解らなかった、何が起きたのか。
 記憶に残ってるのは、その後の警察の取り調べからだった。
何が起きたのか、どういう状況だったのか、自分の覚えてることを全て話した。
 意外なことに、警察はあっさりしていた。
もっと疑われると思った。








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