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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 1月25日 小屋(6)

2020-01-25 08:00:00 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 1月25日 小屋(6)




 言ってすぐ、迷わず友人は木に捕まってぶら下がりながら、崖をゆっくり降り始めました。
それで結局わたしもそれに従って崖を降りたところ、真下にコンクリートで舗装された通常の道に出ることが出来て、いつの間にか電波も戻っていて、無事目的の村に着くことが出来ました。
 この時はこれで何事もなく、20代後半にして全身泥まみれになって家に帰って両親に叱られて終わりました。

 それから半年ほど経ったいま、またあの山に行きたくて仕方がないのです。
友人にこの話をすると、同じように感じていました。
 行くとヤバイってのもひしひしとわかってるのですが、どうしても行きたいのです。
というより、感情だけで言うと、

“ 怖いから行きたくない。”

の気持ちが強いのですが、なぜか行かなきゃいけないって気持ちが抑えられないのです。
二人とも、行きたくない気持ちの方が強いはずなのに、着々と行く予定が整ってきています。
 今月中にでも、わたしはまたあの山に登るでしょう。
これは、多分非日常のスリルを心の無意識下のどこかで望んでいて、その気持ちが怖いより強くなってるんだと思います。
 ただ、ひとつだけ、今、どうしても気になることがあるんです。
あのプチ遭難から半年ほどたって、何故かその時は全くその違和感に気付かなかったのですが、突然あることに気づいたんです。
電気もない深い山の真ん中にあった小屋に置かれていたテレビ。
あの時わたし達が見たテレビには、ずっと砂嵐が映っていました。








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