日々の恐怖 12月18日 高校球児の朝は早い(7)
学校から帰宅。
老婆はいない。
母に今朝のことを話すと、母はインターホンの音が聞こえなかったらしい。
まぁ、寝てたんだから、あたりまえだろう。
一応、翌朝は一緒に起きてくれることになった。
翌朝。
朝御飯を食べているとインターホンが鳴った。
それで、急いで玄関を開けたが誰もいない。
母がびっくりして、
「 どうしたの・・・?」
と聞いてくる。
母にはインターホンの音が聞こえなかったらしい。
俺は、
「 いやいや、絶対鳴った。」
と主張した。
でも、母は、
「 鳴ってない。」
と言う。
“ どういう事だろう?
まさか、老婆の幽霊が・・・?”
その日はずっとそのことが頭から離れなかった。
学校から帰ってきてからも、ずっとなんだか嫌な感じがして夜寝付けずにいると、声が聞こえてきた。
“ あの老婆の声だ!?”
あのセリフが聞こえる。
はじめは小さかったが、だんだんはっきりと聞こえてきた。
“ どうしよう・・・・・。”
体は動くけど、動いたら何かが起こりそうで動けない。
とにかく、じっとして朝を待った。
麻が来て、声はいつの間にか聞こえなくなっていた。
“ 母に話そうか・・・・。”
いや、頭がおかしくなったと思われる。
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