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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道250

2009-08-18 18:20:36 | E,霧の狐道
 俺は山本爺の声の調子を聞いて思った。

“ あ、山本爺、結構、大丈夫なんだ・・・。
 と言うことは、龍平も大丈夫ってことだな・・・。”

しばらくして、ピッと言う音がして、看護婦さんが山本爺に言った。

「 あ、ちょっと熱があるね。
 先生に言っとくわ。」

看護婦さんはそう言い放つと、呆気無く病室から出て行った。
 俺は、山本爺の方を見た。
山本爺は、充血した目だけを布団から出してこちらを見ていた。
俺と山本爺は視線が合う。

“ うっ!?”

お互い何の言葉も無い。

“ ちょっと怖いな・・・。”

俺は山本爺から眼を逸らせた。
 そこに、龍平がスタスタと病室に入って来た。

「 よっ、貴志!」
「 お、龍平!」

俺は龍平の元気そうな顔に安心した。

「 貴志、ちょっと車椅子に乗れよ。」
「 どうした?」
「 散歩に行くんや。
 外は気持ちがええで!」
「 えっ?
 ん??
 ・・・・???」

龍平は山本爺の方をチラッと見た。

“ そうか、山本爺がいる所では話が出来ないんだ。”




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