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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道111

2008-09-08 22:31:13 | E,霧の狐道
 俺は、上を向いて叫んだ。

「 おォ~~い!
 ここだァ~~!
 かわァ~、かわァ~!
 川だァ~~~~~!!」

自動車のドアの開閉する音が聞こえた。

“ ギッ、バタン!”

どうやら、聞こえたらしい。
誰かが自動車から降りて来る気配がする。

“ おっ、助かった!!”

 俺は河原から上を向いて橋の欄干を見詰めた。
でも、声を掛けて来るでも、川を覗き込んで来るでもない。

“ ありゃ・・・、誰も覗いて来ないぞ。
 どうしたのかな?”

俺が上をしばらく見上げていると、橋の欄干からゆっくりと二つの頭の先が見え始めた。

“ ・・・・・・・・?”

乱れた白髪の頭と、その横には両側が白髪のハゲ頭だ。

“ 爺婆のようだが・・・?”

 二つの頭はせり上がり、欄干から徐々に額が見えて来る。
俺は眼を凝らしてそれを見た。
ゆっくりと、額の次は両目が現れた。
そして、そこで頭の動きは止まった。
二組の目玉は、欄干の上で並んで、こちらの様子を窺っている。

“ な、何だ、あれは・・・・?”

目玉にじ~っと見られているのは、かなり不気味だ。



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