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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道109

2008-09-04 22:47:51 | E,霧の狐道
 俺は、薄暗くなり始めた辺りを見回した。
この位置からは、川の両側の土手で視界は遮られ、外の景色は見えない。
川底は、人気の無い殺風景な河原が広がっているだけだ。
上には曇った空しかない。

“ ヤバイな・・・。”
 
俺は、このまま闇夜に吸い込まれて行くのだ。

“ もう、日が暮れる・・・・。
 日が暮れたら、絶対、何かがやって来るんだ。
 歌だ、歌だ、えっと・・・・。
 きっと、今は、仲間を呼びに行っているのだ。
 いや、今は、歌う歌を考えなきゃ・・・。
 そのうち、得体の知れないものが、ワンサカ、ワンサカ・・・・・・。”

俺の頭の中では、ゲゲゲの鬼太郎の妖怪がいっぱい現れる。
そして、手を繋いで輪を作り、俺の周りを笑いながらグルグル回る。

“ ううっ、ヤメろ、ヤメろ、このォ~!!
 ここで、俺の人生終わってしまうなんてヤダな・・。
 あ、“人生いろいろ”とか、どうかな・・・・。
 目玉いっぱいあるヤツとかも来るかな・・・?
 えっと、確か名前は“百目”とか言ったかな・・・。
 えっと、出だしは何だったかな・・・・?
 えっと、あ、思い出した!

ヽ( ・∀・)ノ
   チャラララ~、チャラララ~♪
   チャラララ~、チャラララ~♪
   チャラララ~、チャラララ~♪
   チャラララ~、チャラララ~♪ ヽ(´∀`)ノ

♪ 死んでしまおうな~んて・・・・・・♪ Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン!

 うっ、これ、ヤバイヤバイ、マジヤバイ。
 出だしからヤバイ。

 えいキックじゃ! ヽ(#゜Д゜)ノ┌┛Σ(ノ´Д`)ノゲシッ!

 俺は、まだ、死にたくないぞ。
 止めだ、止めだ。
 短い人生だったなんてとんでもない。”

河原の冷たい風が俺の頬を舐めて行く。

“ 百目の長い舌でペロッと舐められて、うまそうだとか言われたら、どうし
 よう。
 どうしよう、どうしよう・・・・。
 マズイぞ、とてもマズイぞ・・・・・。
 そうだ、俺はとても不味い、それに、便所で手を洗っていないし、バイキン
 だらけだって言わなきゃ・・・・。
 えっと、歌、歌・・・・。”

俺は、支離滅裂な状態で、歌う曲を考え続けていた。





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