満開の桜もそろそろ見納めだが、蜜柑をイメージしたオレンジとグリーンに塗り分けたツートーン・カラーの電車も、間もなく見納め。銀色の車体にオレンジとグリーンの帯が描かれた新型車両と交代する。電車が新しくなるのは嬉しいが、永年お世話になったツートーン・カラーが見られなくなるのは少し寂しい気がする。
絞り模様の八重咲きつばき。花が年々小さくなっていくようなので心配していたが、今年は久しぶりに大輪がいっぱい咲いたので一安心。つばきは花びらが一枚ずつ散るのではなく、花全体が首からポロリと落ちるので、縁起が悪いと昔から武家では嫌われていたようだ。しかし、美しい花はやはり美しい。
今朝、湘南地方はかなり強い風が吹いていたが、昼前の東京地方はほとんど風がない花曇りの天気だった。千鳥ヶ淵の桜は満開で最高、そして人出も最高だった。カメラを持った手を頭上高く伸ばして、ファインダーやモニタを見ないでシャッターを押した。昼頃から少し風が出てきたので、満開の花が心配だ。
江ノ島の北側を回って頂上近くに出る裏参道は、飲食店やお土産屋が全くないので通る人も少なくて静かだ。鋪装された道の両側には木や草が生い茂っており、自然が残っている。昨年の台風で傷んだのだろうか、太さ50センチほどの松が切り倒してあった。誰の仕業か、その切り口に人の顔が描いてある。街なかの落書きは見苦しいが、こういうのは微笑ましい。思わず吹き出してしまった。しかし、薄暗くなってから突然目にすると、ギョッとするかも知れない。
富士山頂に太陽が沈むのをダイヤの指輪に見立てて、ダイヤモンド富士という。もちろん、富士山頂から太陽が昇るのもダイヤモンド富士というが、関東地方では見られない。湘南海岸では4月上旬と9月上旬に見られる。今日は朝から快晴だったので、富士山は見えなかったがカメラを持って江ノ島に出かけた。5時を過ぎる頃からうっすらと富士山が見えだして、次第にシルエットがくっきりと浮き出してきた。銀塩の写真ができるのはまだ先になるので、とりあえずデジカメの画像(4月5日、午後5時50分ごろ撮影)をお見せする。これからダイヤモンド富士を狙おうとする方は、三浦半島を南下すればゴールデンウイークの頃まで、どこかで出会えるチャンスがある。
昨日の写真を加工して、絵手紙を作った。背景を全部削除したので、俗世界を離れて修行に熱中している僧侶の姿が、いっそう鮮明になった。作者である私の本心は、一つのネタで2回分の回数が稼げたと喜んでいる。どっぷりと俗世界に浸っている証拠だ。
今日の天気予報は、日中は曇りで夜は雨だった。今、雨が降り出したが、日中はよく晴れていた。その青空の下、橋上駅に通じる跨線橋に、托鉢僧がお経も唱えずに無言のまま立っていた。昔、深編傘をかぶった虚無僧が尺八を吹きながら托鉢をしていた姿は見たが、最近では托鉢僧は珍しい。駅の利用客は、全く無視して通り過ぎて行く。喜捨の額などは問題にならないほど僅かなものなので、このような無視に耐える修行のためなのだろうか。
沈丁花の花は、とても香りが良い。沈香と丁字の香りを併せ持つということで、日本でつけられた和名だ。私の家には、斑入りの沈丁花がある。斑入りは比較的少なくて珍しいので、自慢にしている。この沈丁花は、子供の頃から私のそばにある。といっても同じ木ではない。何回か引っ越しをしたし、突然枯れたりもしたので、挿し木で増やしたものだ。現在も挿し木で1本スペアを作ってある。私には、斑入りでないと沈丁花のような気がしない。今年の花は、そろそろ終わりだ。