日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

3冊目の本を作って

2017-11-30 10:00:00 | (瑛)のブログ


「大阪で歴史的勝訴 高校無償化裁判 たたかいの記録 vol2」は、私が2003年にイオ編集部に配属され、編集部のみんなと作った3冊目の本です。10月25日に販売され、1ヵ月。編集部に残る在庫は10冊となりました。販売に協力くださった各地の皆様、ありがとうございました。(現在各地で販売中です!)

第1弾の「高校無償化裁判 ~249人の朝鮮高校生 たたかいの記録」が出版されたのが2年前の2015年7月。今回の第2段は、価格を500円=ワンコイン(税込み540円)と財布に優しい値段にしました。

一冊の本を作るときは、読者対象や編集コンセプト、デザインなど、本を手に取る人を想像しながら編集を進めますが、この本を通じて、朝鮮学校がなぜ就学支援金制度から外されているか、という基本の部分を伝えたかったし、何より、日本各地の5ヵ所で、初めて勝訴の判決を勝ち取った「大阪の血と汗の結晶」を活字に歴史に残したい思いがありました。

現在、無償化裁判は、大阪、愛知、東京、広島、九州の5ヵ所で行われていますが、「1勝」の意味はとてつもなく大きなものです。

一方、広島、東京で国の差別を追認したヘイト判決が出たことで、裁判は厳しい闘いを強いられています。高裁、最高裁では必ず、勝訴を勝ち取りたい。

原稿を書くときは読者をイメージしながら、一字一句を絞り込んでいきますが、私自身は、実際に判決を書く裁判官や被告である文部科学省の職員もイメージしながら記事を書きました。

どういう切り口で文章を書けばいいのかについては、各地の弁護団の先生方から、たくさんヒントをいただきました。R弁護士の、「同胞の中でも、朝鮮学校がなぜ無償化から排除されているのかを知らない人が多い」との言葉はとくにヒントになりました。ネットの世界では、就学支援金制度が朝鮮学校の学費をタダにするものだ、と誤った理解をしている人も多いという話も参考にしました。

この問題をまったく知らない人がわかるように、丁寧な説明を心がけたつもりですが、どうでしょうか。しっかり、検証しなくてはなりません。

表紙は2人のデザイナーが素敵なデザインに仕上げてくれました。表は大阪の喜びを、裏面は生き生きと育つ朝高生の写真を入れています。とても気に入っています。

高校無償化から母校の朝鮮学校がはじかれ7年目。7年の間に卒業していった生徒たちの思いを胸に、この裁判を勝訴に導き、日本政府の差別に終止符に打ちたいものです。

第1弾には、1945年から続く朝鮮学校差別の歴史も言及されています。第1弾も残りわずかなので、どうぞ合わせてお読みください。(瑛)

※本の注文は以下から↓↓↓

●書籍情報:
『大阪で歴史的勝訴――高校無償化裁判 たたかいの記録vol.2』
月刊イオ編集部編○発行:樹花舎、発売:星雲社 500円+税、80ページ

●ご注文方法
◇注文方法は①ファクス(番号→03・5615・4095)かe-mail(order@io-web.net)の2つの方法があります。
◇ファクスの場合、①希望部数②ご住所③お名前④電話番号⑤e-mail6⑥請求書宛名―をお書きください。
◇e-mailの場合は、件名に「無償化本注文」と明記のうえ、前記6項目を記入ください。
◇ご請求料金は書籍代に送料180円(1~4冊の場合)がかかります。

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