日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

少なくても、一人二役で

2015-11-30 09:00:00 | (S)のブログ


秋、冬は学芸会の季節です。
母校、東京朝鮮第2初級学校でも昨日学芸会が行われました。全校生の数は私が通っていた頃の半分以下にまで減りましたが、それを感じさせないくらい明るくて元気な学芸会でした。

歌って踊って楽器を叩いて、演劇が終わったらまた歌って…
相変わらず1人の出演率が高くてみんな忙しそうでしたが、一つひとつが「全力」!! その姿がなんとも健気で、また、子どもの吸収力の凄さを感じずにはいられませんでした。

毎年注目の的となるのは、ウリマルを習いたての初級部1年生と、6年間の成長が垣間見える初級部6年生のそれぞれの演劇です。今年の1年生は5人、6年生は3人。初級部時代を平均18人のクラスで過ごした私にとっても、一体どんな演劇なのか特に関心が行く演目です。

人数が少ないと、やはり1人が覚える台詞も膨大で、1年生はそれぞれソロでうたを歌うシーンもあります。それらをこなす様子は、「よく覚えたな~」と本当に感心してしまいます。
6年生はというと、3人のうち2人は、一人二役を演じていました。3人の孤児が主人公なのですが、そのうち2人はお化け役としても登場。背景のスクリーンや音声を上手く使いながら、とても工夫されていました。

以前、ある朝鮮学校の先生がこんなお話をされていました。「生徒数が減少しているということだけに頭を悩ませるのではなく、今いる子どもたちを輝かせることに全力を注がなければいけない」。

ウリハッキョの良さは、どんな言葉よりも、ウリハッキョに通う児童・生徒たちの姿が語ってくれていると、学芸会を見ながら改めて感じました。たとえ人数が少なくても一人ひとりが一生懸命学んでいることを忘れず、そのことをもっとたくさんの人に知ってもらえるよう自分自身もたくさんアピールしていきたいです。(S)








同胞社会とSNS

2015-11-27 09:00:00 | (瑛)のブログ
今、イオ編集部は2016年の新年号作成に文字通り、奔走しております。

新年1月号では、半分ほどの連載が入れ替わり、新しい筆者もお目見えします。
ページの雰囲気、文体、写真、読後感…。6人の編集部員たちが、それぞれのイメージを駆使しながら、取材と作成を重ねています。新連載も少しずつ出そろってきて、生みの苦しみの最中と言ったところでしょうか。

1月号の特集は「同胞社会とSNS」。

ソーシャル・ネットワーク・サービスを使って、情報発信したり、離れた人を何かのテーマでつなげたり、あるいは何かのプロジェクトを達成した人たちを紹介します。

12月号のイオが出版されて1週間ほどたちましたが、最近は、フェイスブック上でイオの記事を話題にしてくれる人が少しずつ増えてきました。イオのターゲット世代の方は、紙媒体にまったく接しない方が増えているので、SNSの活用はイオ編集部としても課題です。今、イオ編集部はホームページhttp://www.io-web.net/、ブログhttp://blog.goo.ne.jp/gekkan-io、フェイスブックと3つSNSを活用していますが、もっと駆使したい、という所が本音です。

一方、SNSは便利な反面、最近は青少年の間で犯罪のツールに悪用されるなど、落とし穴もひそんでいます。

ラインいじめなども中高生の間で問題になっていますね。

特集では、学校におけるスマホ対策、生徒参加型のルール作りの現場も取材し、青少年たちがSNSと上手に付き合っていくためのアドバイスや提案もまとめます。

イオブログの読者の皆さんも、同胞社会でSNSを積極的に活用されている方がいれば、ぜひご紹介ください。(瑛)

大阪・補助金裁判第16回口頭弁論

2015-11-26 09:00:00 | (相)のブログ
 大阪府と大阪市が府、市内の朝鮮学校に対する補助金を不支給とした処分の取消と交付の義務づけを求めた裁判(以下、大阪補助金裁判)の第16回口頭弁論が11月17日、大阪地方裁判所で行われた。
 当日はあいにくの雨模様だったが、140人を超す傍聴希望者が地裁に詰めかけた。
 このたび裁判所の構成が変わり、裁判長が異動となったため、今回、原告大阪朝鮮学園側の弁護団は「弁論更新における意見陳述」を行った。
 はじめに意見陳述を行った丹羽雅雄弁護団長は、朝鮮学校が歩んできた歴史をたどりながら、国際人権諸条約を批准しているにもかかわらず国や地方自治体がヘイトスピーチなどの差別的事象を率先して助長していると批判。2010年、「高校無償化法」の適用対象から朝鮮高級学校のみを除外する流れを受けて当時の橋下大阪府知事が朝鮮学校に通う子どもたちとは何ら無関係な政治的問題をあげつらい、予断と偏見に基づいた新たな「補助金交付要件」を持ち出した事実を指摘した。さらに、朝鮮学園側がその要件を満たしたにもかかわらず、さらなる政治問題を持ち出して補助金を不交付にしたことは、「内なる国際化と多文化共生」という理念によって続いてきた補助金交付の精神を覆し、朝鮮学校で学ぶ子どもたちの教育権を脅かし、学校の存在自体を危機的状況に陥らせていると指摘した。そのうえで丹羽弁護団長は、「容易な行政裁量論に陥ることなく、公正かつ適正に審理され、判断」するよう裁判官に求めた。
 続いて、普門大輔弁護士が朝鮮学校への補助金交付の経緯などの事実関係について述べた。普門弁護士は大阪が「在日外国人教育については、異なる文化、習慣、価値観等を持った児童・生徒が、互いに違いを認めあい、本人のアイデンティティを保ちながら自己実現を図ることができるよう、ともに生きることのできる教育を進める」ことを指針として示しているにもかかわらず補助金不交付に至った経緯を説明した。
 本訴訟の法律上の論点について陳述を行った木下弁護士は、地方自治法や憲法、私立学校法などに照らし合わせながら、朝鮮学校に対する補助金が単なる「私法上の贈与契約によって交付される」ものではなく、対象者に「権限」が与えられ、地方自治体側に「義務」が生じるものだと指摘。交付の根拠となる「法令」があることから「公法上の法律関係」であり、不交付は「政治的理由による狙い撃ち」とのべた。また、不交付が国際人権法にも違反していると主張した。
 今回の口頭弁論では、裁判長から朝鮮学校の実情を撮影した映像を法廷で上映することが確認された。
 この日、法廷の傍聴席には社会見学の一貫として裁判所を訪れた生野朝鮮初級学校の6年生児童たちの姿もあった。子どもたちは裁判終了後の報告会にも参加。原告側弁護団に感謝の言葉をのべた後、寄せ書きの色紙を手渡した。
 裁判はいよいよ最終局面を迎える。来年の年明けからは人証も行われる見込みだ。
 次回期日は来年2016年1月21日、11時30分開廷となっている。(相)

時が経つのと子どもの成長は早い

2015-11-25 09:00:00 | (麗)のブログ
先日、武蔵美と朝鮮大の合同展「突然、目の前がひらけて」を見に行った時のこと。
作品や訪れた人たちを撮っていると声をかけられた。振り向くと、大学の時にバイトをしていた焼肉屋の店長夫婦がいらっしゃった。

オープニングスタッフとして働いていた当時、本当に色々と良くしていただいた。
息子さん二人は元気にしてますかと聞いたら、もう高校2年生と中学3年生らしい。

学校帰りに両親の働いている姿を見に、厨房へ入ってはキャッキャと遊んでいた二人が高校生と中学生…!
あんなに小さかったのに…と、子どもの成長の早さにただただびっくりした。

時が経つのは本当に早いと、幼かった頃の二人を思い出し、しみじみ…。
子どもとの接し方がいまいちわからない(というか子どもにも人見知りをする)ので実は二人とはそんなに話していなかったが、自分の事を少しでも覚えていてくれたら嬉しい。(麗)

忘れていた朝鮮語

2015-11-24 09:00:00 | (理)のブログ
 先日、大学時に学んだ先生から朝鮮語の詩集が届いた。同封された手紙には「《イオ》の記事で忙しくても、朝鮮語で文を書く機会を自ら設けるように。奮闘!」と(もちろん朝鮮語で)書かれていて、そういえば最近ずっとウリマルから離れた生活をしていたなと気づかされた。

 その先生は詩人でもあるから、ウリマルの詩で返事を送ったら喜ぶぞ!と筆をとったが、なかなか上手く言葉にできない。そうこうしている内に2週間以上も経ってしまった。

 朝鮮語は読み書きの方が好きだ。高2で「빼앗긴 들에도 봄은 오는가(奪われた土地にも春は来るのか)」を初めて習った時、はじめは抽象的でよくわからなかった内容が、語彙や表現の意味を一つひとつ解くうちに少しずつ理解できるようになるのが面白かった。すべての意味を習いおわってまた最初から読むと、詩に描かれている情景がどんどん目の前に広がっていくような感動をおぼえた。

 大学の時は冒頭に書いた先生のお陰で、朝鮮歌舞団に朝鮮語の歌詞を提供することになった。曲は歌舞団の方がつけてくれて、チャリティCDのうちの1曲として収められた。卒業後もたまにその歌を生で聴く機会があって嬉しくなったものだ。

 先生からの手紙を開いて、久しぶりに朝鮮語に親しむ楽しさが思い出された。まずは早く、いきなり詩は無理でもお返事の手紙を書いて、朝鮮語の文章感覚を呼び起こしたいと思っている。(理)

婚約式で贈られた鶏たち

2015-11-19 09:00:00 | (愛)のブログ
先日、写真の整理をしていたら懐かしい写真がでてきました。
それは、自分の婚約式の時に贈られた料理の写真。

婚約式本番は料理を撮るなどの余裕はまったくなく、実家に帰って改めてまじまじと眺めては、記念にとっておこう!と思って
撮った写真です。


緑色のパセリが敷き詰められ、その上には鯛と錦糸卵。そして周りにはレモン。

そして一番びっくりしたのが、2羽のまるごとの鶏ちゃん。
そして、それぞれの口にはナツメと唐辛子。
これは男の子、女の子の子宝にめぐまれますように、と祈りをこめていると聞いたことがあります。
そして、なぜかその周りにはまたレモン。


普段、こういった料理に触れることがめったにないので、驚きでした。
そして、皆で後ほど食しましたが、とってもおいしかったです!

なぜこういう料理が贈られるのか、そしてなぜレモンが置かれているのか、今度調べてみようと思います。(愛)

補助金停止から6年目、東京都庁へ要請に

2015-11-19 09:00:00 | (瑛)のブログ



 18日、東京都庁に朝鮮学校への補助金支給再開の要請に行ってきました。
 東京都は2010年度から「私立外国人学校教育運営費補助」の対象から朝鮮学校をはずしています。当時1年生だった子どもたちも6年生。中学入学を目前にしています。2010年度から止められている補助金を合わせると1億を越える額です。

 当時の都知事は石原慎太郎氏。日本政府が朝鮮高校を高校無償化からはずしたことを受け、地方自治体も右へ倣えとばかりに、補助金をストップさせましたが、その先頭に立ったのが、東京と大阪の知事たちでした。

…「そこで行われている授業の内容というのは、先ほども担当の局長に聞きましたら、行くと全然違う教科書を見せる。それから、そのときに限って適当な授業を見せる。それなら、その真偽をただすために、都の職員がやっぱり張りついて、一週間でも十日間でも一月でも、その実態を調査したらよろしいと思うし、それが嫌なら学校を閉鎖したらよろしいので、そういうことを強要できない相手に、私たち国民の税金を使って補助する必要は毛頭ないと私は思います」(東京都のHPから)

 これは、2012年12月8日に石原知事が都議会で行った発言です。東京朝鮮学園が13日に反論の談話を発表しましたが、朝鮮学校を一度も訪れぬまま、それも事実をでっち上げてまで子どもの学ぶ権利を奪おうとする脅しの言葉。。。これが日本に暮らす外国人の2割=41万8000人の外国人を擁する首都東京のトップが口にできたものかと、わが耳を疑ったことを昨日のことのように覚えています。

 その後、東京都の知事は変わり、猪瀬直樹知事時代には、朝鮮学校への補助金停止を正当化するための調査報告書を発表(2013年11月)。朝鮮学校への偏見をあおりつづけています。
 この調査報告書に、外国人の子どもにも日本の子と等しく学ぶ権利がある、という視点は皆無です。その人を形づくる言葉や文化が、その人の成長にとってなぜ必要なのか、という視点もまったくありません。

 東京都は、その後、施設・財産管理の面で、朝鮮学園が改善措置を講じたあとも、この調査報告書をHPにさらしつづけています。

東京朝鮮学園の6人の代表たちは、11月6日、補助金の支給再開と、2年以上もの間、東京都のホームページに載っている「朝鮮学校調査報告書」の修正、取り下げを求める要望書を東京都生活文化局私学部調整担当課長宛てに提出しました。昨日も、繰り返し、補助金の再開と調査報告書の取り下げを要望しましたが、取り下げるとの返事はありませんでした。

 都は報告書で、朝鮮学校の教育内容について問題視しています。しかし、私立学校、とりわけ、各種学校である朝鮮学校について、教育内容がおかしい、修正しろなどという「介入する権限」「監督する権限」は法令上、都に認められていません。この点は都も認めています。しかし、報告書を撤回することはしない、矛盾した態度が続いています。

 席上、在日本朝鮮人人権協会の代表は、「都は、アメリカンスクールで広島・長崎への原爆投下をどう教えているのか、調べたのですか? 朝鮮学校だけのあら探しをする、差別的な対応ではないですか?」と訴えました。また、東京オモニ会連絡会の厳広子さんは、「都の調査報告書を削除してほしい。朝鮮学校への偏見を煽り、差別される要因になっています」と一般市民の差別感情を地方自治体が率先して流布していることに、怒りをぶつけていました。



 東京都の代表として全国大会への出場が決まった東京朝高ラグビー部保護者の朴明淑さんも席をともにしました。

 朴さんは、「朝鮮学校の生徒たちは、自分たちが差別されていることを知っています。だからこそ、かれらは、公式戦で反則をおかさないよう、フェアプレーに務めてきました。子どもたちには、差別を受けている、という思いより、誇りをもって全国大会でも活躍してほしい。東京都にも応援してほしい。子どもたちが何の心配もなく打ち込めるよう、環境を整えてほしい」と切々と訴えていました。

 2014年2月に東京の都知事に就任した舛添要一知事は、同年9月2日の定例記者会見の席で、記者の質問に対して以下のように答えています。

 記者:東京都では、2010年度から補助金の支出、朝鮮学校に対して凍結してまして、昨年、支給しないことを…発表されているのですが、知事はこの政策、どのようにしていくべきだと思いますか?

 知事:こういうのはやはり万機公論に決すべきでですね。要するに国益に沿わないことはやはり良くないということは片一方でありますけれども、しかし、どこの国の言葉でも、どこの国の子供でも教育を受ける権利はあるわけですから、そういうものを侵害してはいけない。そのバランスをどうとるのかなということが問題だと思います。

 舛添知事も、朝鮮学校を取り巻く「政治」と子どもの教育保障の狭間でゆれているのでしょうか。

 私もこの日、地域の代表として怒りをぶつけてきましたが、都の不支給により、年間100万円の穴があいています。日本の公立小学校に通うと、一人あたり年間約100万円の予算がつきますが、朝鮮学校の場合、たった一校でもこの額です。


2019年にはラグビーワールドカップ、2020年にはオリンピックが行われるという東京都。

外国人学校の振興を目的とした補助金をただひとつ・朝鮮学校だけに支給しないことが、首都東京で続けられていることは、国連でも勧告が出され、まさに国際問題になっています。

東京都には一日も早く補助金を再開して、子どもたちの学ぶ権利を保障してほしい!(瑛)



 

イオ12月号完成!

2015-11-18 09:00:00 | (S)のブログ

イオ12月号が完成しました!

今年最後の表紙を飾ってくれたのは、今年、帝京大学を卒業しラグビー・トップリーグの強豪パナソニックワイルドナイツに加入した権裕人選手です。
大阪朝高ラグビー部時代には、2、3年時に全国大会でベスト4、3年時の全国選抜大会で準優勝に貢献し、日本全国の同胞たちを沸かせてくれました。ケガとの戦いを乗り越え再出発した権選手。今後の活躍に注目です。

特集は「アートをひらく人々」。
祖国解放後の在日朝鮮人美術史をひもときつつ、さまざまな分野で活動し自らの表現を追求する同胞美術家を20~40代を中心に取り上げ、作品とともに紹介しています。現代アート、陶芸、朝鮮民画などジャンルも幅広く、素材や技法も多様です。
また、今年44回目を迎える在日朝鮮学生美術展も取り上げました。朝鮮学校の美術教育と児童・生徒たちの作品は時代とともに変容しつつあります。そんな中、学美はさまざまな人々をつなげ、新たな実践を生み出す場として発展を遂げています。

特別企画「PyongYang Beauty Navi(平壌ビューティーナビ)」では、国産化粧品の種類も増え、基礎化粧品の品質も上がっているという平壌での、女性たちの美意識、美容事情に迫ります。
平壌の化粧品を使って実践もしてみました。その使い心地とは…?!

その他に、創部40年目で全国大会出場を手にした東京朝高ラグビー部の快挙、マイナンバー制度について、北南離散家族・親せき面会事業、群馬初中55周年記念「ムジゲフェスタ」など内容盛りだくさんです!

今月も是非ご愛読ください!(S)

「突然、目の前がひらけて」を見て

2015-11-17 09:00:00 | (相)のブログ
 

 今月13日から、東京・小平の朝鮮大学校と武蔵野美術大学で「武蔵美×朝鮮大 突然、目の前がひらけて」が開催されている。
 「突然、目の前がひらけて」展は、武蔵美のFALと朝大の美術棟1階展示室を隔てている壁に橋を架けて、双方のギャラリースペースで展示会を行うという試み。会場では、両校の学生・卒業生からなる制作委員会のメンバーが企画立ち上げ時から重ねてきた対話や準備過程をアーカイブとして辿れるようになっており、作家たちの作品も展示されるというユニークなイベントだ。
 開催2日目となる先週土曜日、自分の母校でもある朝大に足を運び、展示会を見てきた。あいにくの雨天だったが、準備段階からSNSなどで話題になってきたとあって会場は盛況だった。
 両校に架かる橋そのものがわかりやすくクローズアップされているが、むしろ準備過程における両大の学生たちの対話こそが今回のプロジェクトの白眉ではないかと思えてきた。両者の間で交わされたやりとりの一端は、会場に展示されている付箋のメモ書きで構成されたタイムラインや本展のパンフレット、各種メディアに載った記事やインタビュー(たとえば、https://www.70seeds.jp/musabi-108/)などで見ることができる。

 

 

 朝大側メンバーである李晶玉さん(朝大研究院総合研究科美術専攻)は前述のインタビュー記事の中で次のように語っている。
 決して、綺麗な交流ではなかった、というのが一番面白い部分だと思っています。「橋を架ける」ことをゴールにして、対話を一年間ずっと続けてきたんですけど、そのなかで執拗に全員が分析し続けるんです。自分の考えだとか相手との差異だとか、相手が何を言っていて、それで相対化された自分の形だとか、本当にしつこく分析していました。 
 会場に展示されているタイムラインやパンフに掲載された対話記録は非常に興味深く、示唆に富んでいる。「橋」や「架ける」といった言葉から連想されるポジティブなイメージとは違い、それは「格闘」と言ってもいいかもしれない。
 両校に架かる橋や展示された作品を見て何を感じるか、「壁」や「橋」をどのように解釈するのか、両校の学生たちの対話から何をくみとるのか―。彼女たちが格闘してきたテーマは私たちの前にも開かれている。
 展示会は今週の土曜日(21日)まで。「百聞は一見にしかず」、私の拙い説明よりも実際に会場を訪れたほうが100倍多くのことを感じ取れるはずだ。(相)

紛失したスマートフォンを遠隔操作

2015-11-16 09:00:00 | (麗)のブログ
先日、うっかりタクシーにスマートフォンを忘れてしまった。
気付いた時にはタクシーはすでに目の前を走り去った後だった。

しばらく経ってから自分の電話番号にかけてみたが、「電波が届かないところか電源が入っていない」と言われた。
残念ながらレシートを貰っていなかったので、どのタクシーなのかもさっぱり。
とりあえず駅近くにあるタクシー会社に電話し、携帯電話の届け出は出ていないか聞いてみたがどこもないという。

どうしよう…心もとないままあれこれ検索していたら、スマートフォンのGPS機能で現在地を探し当てるという文章が目に入った。

これだ…!
急いでiCloudを開き、現在地を割り当てると、私のスマートフォンは高速道路を走っていた。

横の画面には「サウンド再生」「紛失モード」「iPhoneを消去」と表示されている。
とりあえず紛失モードをクリックしてみると、電話番号の入力画面の次にメッセージ入力の画面が出てきた。
どうやら、携帯電話を拾った人が見つけた時に、連絡をして欲しい電話番号とメッセージが画面に表示されるらしい。

じゃあサウンド再生って何だろう?とクリックすると、数秒後に、事務所の電話が鳴った。見てみると、自分の携帯電話番号からだった。

取ってみると、女性の声。
「もしもし!?」「あ、もしもし…」「もしもーし!」「はい、もしもし…」

まさかのもしもしの応酬。すぐにその携帯の持ち主ですと言おうとすると、電話は運転手へと変わった。
女性はタクシーに乗っていたお客さんだったようだ。

「もしもし!?お客さん、今朝乗った人でしょ! 携帯、後ろの席の下に落ちてたんですよ!」

運転手は、いま横浜にいるので5時以降に営業所に来てくれと言って電話を切った。
何とか連絡が取れて一安心。

あとで検索してみると、「サウンド再生」をクリックすると、マナーモードやロック中でも警告音が再生されるそう。
お客さんとタクシー運転手は突然の事でびっくりしただろうなと、申し訳なく感じた。

今のスマートフォンにしてから、その最新の技術を初めて駆使した。
こんな事出来るのかという単純な感動とともに、その便利さ故の危険性も同時に感じた。(麗)

安心っていいね

2015-11-13 09:00:00 | (理)のブログ
 先日、従姉妹の子どものトルチャンチ(1歳のお祝い)にお呼ばれしてきた。お祝いが始まるまでに少し時間があったので、従姉妹夫婦の自宅で待たせてもらうことに。本棚が目に入り何か読もうとしたところ、『ひよこクラブ』を見つけた。

 「♩たまごクラブひよこクラブこっこクラブ」というかわいいメロディのCMは、私が小さい頃よくテレビで流れていた。メロディとともに雑誌の名前もしっかり覚えていたから、実際に身近な人がこれを読んでいるということに小さな感動を覚える。

 パラパラと開いてみると、子どもの成長の目安や離乳食の作り方、授乳期の母親のファッション、子どもの肌トラブルなど、実用的な内容が詰まっている。従姉妹に、「これ内容すごく実用的だね」と言うと、「いやほんと参考になるよ!」とにっこり。その顔を見て、(あ、これは安心なのかもしれない)と感じた。

 私が小さい頃、不安なことがあった時に一番聞きたかったのは「オンマもそうだったよ」という一言だった。ケガをした時、気持ちが不安定な時、身の回りで何か起こった時、オモニも似たようなことを経験したんだと知れると一気に心が楽になったものだ。抱えている悩みや疑問が自分だけのものじゃないことを知れると、とても安心できる。従姉妹の笑顔を見ながら何となくそのことを思い出して、安心っていいものだと改めて思った。

 イオだからこそ届けられる、イオでしか届けられない安心ってなんだろう。共感だったり、暮らしや自分を守る知識だったり、他人の体験談だったり、その要素はいろいろだと思う。今週から本格的に2016年度の工程に取り掛かった。安心というキーワードについても大切に考えていきたい。(理)

イオ2015年12月号工程終了!

2015-11-12 09:00:00 | (愛)のブログ
イオ2015年度12月号工程がようやく無事に終わった。
いつにも増して、殺伐な雰囲気の〆切工程だった。
私も〆切直前には、分身の術を使って体が二つ欲しいと思った位、久々に過酷な〆切だった。

今年度で終わる企画には、文章の最後に(おわり)とつけている。
今年度の企画もどうにか無事におわったと思うと、感慨もひとしおで、1年過ぎるのは本当にあっという間だ。

12月号の特集は「アートをひらく人々」。勢いのある在日同胞美術家たちを作品とともに紹介している。そして学生美術展の入賞作品もたくさん紹介されているので、ぜひみていただきたい。
そして特別企画は「平壌ビューティーナビ」。
平壌の女性たちの美容事情や、平壌の化粧品などを紹介している。
色んな方たちの力を結集して、普段のイオではない誌面を作れたのでは?と思っているので、これもぜひ読んで頂きたい。

12月号工程と並行して行われた怒濤の会議ラッシュで、来年度の新連載も確定した。
自分自身、レイアウトを組むのが楽しみな企画もあり、ワクワクしている。
来年度からは、年間を通して外部のプロの方たちの協力も仰ぎ、
イオ創刊20周年度を盛り上げるため、よりレベルアップした誌面を届けられたらと思っている。

デザイナーにとって1年で一番忙しいこの時期。
PCの前に座っていてもいいアイデアは沸きにくいので、街中にでて、色んないいデザインに触れたいと思っている。
良いデザインを生み出せるか、が勝負だ。 
1月号工程は、きっと12月号工程のさらに上に行く位、タイトなスケジュールになると思う。
1年で一番忙しいであろう1月号工程を無事に乗り切るため、 どうにか効率よく仕事できないものかと、それもひとつの悩みどころ。(愛)




つながり

2015-11-11 09:00:00 | (S)のブログ
先月の出張で、山口朝鮮初中級学校を訪れる機会がありました。今から50年近く前、私のハラボジがこの学校(当時「下関初中」)に勤めていて、私のオモニも通っていたので、いろいろな意味で感慨深かいものがありました。当時の学校の記録にハラボジの筆跡や若い頃の写真が残っていました。今年90歳のハラボジは現在千葉に住んでいますが、とても寡黙で昔の話はあまりしません。私が生まれる前の遥か昔の痕跡を発見したようで不思議な気分でした。記録だけでなく、当時のハラボジを知る方たちに会えたことも嬉しかったです。帰国した私の伯父の担任だった方にもお会いできました。
 
取材の後、是非行ってみたいところがありました。学校の近くにある「商会」というチョゴリ店です。当時ハルモニがそこで働いていたと聞いたからです。さすがにハルモニを知る人はいないだろうと思いましたが、勇気を出して行ってみました。すると、驚くことにハルモニをよく知る方がそこにいらっしゃいました…! ハルモニの話をするととても懐かしそうに当時のいろいろな話をしてくれました。思い切って足を運んでよかったなと思いました。1日ずれていたら休館日だったそうです。運もつくづくいいなと思いました。

下関にはもちろん初めて行きましたが、こういう方々に会えて、同胞社会ならではの繋がりを改めて実感しました。ハラボジハルモニに出張で下関に行くと言うととても喜んでいたので、早く報告しに行きたいと思います。(S)

 (商会の方にいただきました)

映画「みんなの学校」

2015-11-10 09:00:00 | (瑛)のブログ


 先日、職場近くの東京朝鮮第1初中級学校で、映画「みんなの学校」を見てきました。

 映画の舞台となった大阪の大空小学校には、かつては学校に行けなかったり、支援が必要な子どもたちが通っています。

 …両親がともに早朝から働くカズキはよく遅刻する。カズキが学校に来ていないことを知るや、自転車を飛ばして迎えに行く作業員の山本さん。カズキたちの住む地区から付き添って学校へ来る久保田さんは、子どもに異変が何かあったときの相談相手だ。

 同じ大阪市内の別の特別支援教室に通っていたセイシロウは、校内に2時間いるのが限界で、大空小に転校してきたあとも、教室に入れない日が多かった。木村泰子校長の部屋で寝転んだり、時ににくまれ口を叩きながら、教室を遠ざけるセイ(愛称)に、木村校長は、ダメなことはダメと諭し、何かをできた時には、どびきりの言葉でほめる。セイを振り向かせようとクラスメイトたちも必死。セイの周りには誰かがいる。居ないときも誰かがかれのことを考えている。大人たちの輪が子どもたちの輪を生み、セイはついに学校に居場所を見つけるようになった。

 「鉛筆の芯が減る。上履きがよごれる―。このことが嬉しい」と話すセイのママ…。

 この日、朝から子どもを叱ってきた私は、木村校長のナイスな声がけに感心することしきりでした。その時々の子どもの心に寄り添う言葉ではなく、頭ごなしに叱ることしかできない自分の子育てを思うと情けなく…

 魔法の言葉を生み出す木村校長、すごいです。
 
 子どもにとって、学校とは行かなくてはいけないもの。これは大人が決めたルールです。けれど、わが子が学校に居場所をなくしたとき、大人はどうすればいいのだろう? 子どもは、親は、誰に助けを求めればいい?

 この問いにぶち当たる親ごさんや先生は、多いのではないでしょうか。

 木村校長率いる大空小の教職員は、困難を抱える子どもにしっかり向き合っていました。担任だけではない、チームの力。「チーム大空」を支える人たちは、学校の外にもいる。とても心強いと感じました。

映画を自主上映したのは、東京第1初中で特別支援教育の充実に取り組む教員と保護者たちでした。映画上映後、同校のО先生が、「特別という言葉は要らないと思う」と話され、同校の特別支援教室「パンシルパンシル教室」に通う子どもが書いた習字の作品を見せてくれました。

 朝鮮学校への制度的な差別が改善されないなか、さらに弱い立場に置かれた子どもたちを守ろうと、先生、保護者たちは必死です。この日の上映会も「パンシルパンシル教室」への理解を広げるために企画されました。

 募金を集めるため、オンマたちが作った黄色いランドセルキーホルダーもたくさん並んでいました。細かい作業、おつかれさまでした。



 声にならない子どもの声を聞くことの難しさを思いつつ、小さな上映会に小さな希望をみつけて帰ってきました。
写真は映画「みんなの学校」公式サイトhttp://minna-movie.com/から(瑛)

東京朝高ラグビー部、悲願の花園初出場!

2015-11-09 09:00:00 | (相)のブログ
 第95回全国高校ラグビー大会東京都予選・第2地区決勝戦が昨日、東京の秩父宮ラグビー場で行われ、東京朝鮮中高級学校が29-10で明大中野を破り、創部史上初の全国大会出場を決めた。
 あいにく雨天の中の試合となったが、東京朝高は試合序盤から主導権を握り、1度も相手にリードを許さない快勝。創部40周年となる今年、悲願だった花園行きの切符を手にした。
 私は昨日一日、締切の原稿執筆に追われたが、この試合の間だけはテレビをつけ、実況中継の画面を尻目にノートパソコンのキーボードを叩いていた。
 朝鮮学校に高体連主催の各種競技の全国大会予選出場の門戸が開かれたのは94年のこと。東京朝高ラグビー部はこれまで2000年、06年、09年、そして13年の計4回、都予選決勝に進出したが、いずれも突破はならず。今回、5回目の挑戦にしてついに夢を叶えた。
 選手、監督、学校関係者はもちろんだが、保護者や後援会、OB、東京の同胞ラグビー関係者の喜びもひとしおだと思う。
 おめでとう、東京朝高ラグビー部!! 花園でも東京朝高旋風を巻き起こしてもらいたい。(相)