日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

広島無償化裁判/結審の日程決まる

2016-04-28 09:00:00 | (S)のブログ


 広島朝鮮初中高級学校の在校生・卒業生110人が原告となっている広島無償化裁判の第11回口頭弁論が4月20日、広島地裁で開かれた。

 前回の口頭弁論で原告側は、①裁判官に学校を直接訪れ事実を確認してほしいとの検証申出、②校長、生徒、保護者、支援者、一橋大学の田中宏名誉教授の尋問申請を行っていた。今回の法廷でその必要性についての意見書を提出し、口頭でも強調した。
 しかし、裁判長がいずれも却下したため、原告弁護団と傍聴席が一時騒然となった。
 続いて、最終弁論と結審の日程が決まった。

 今回の公判から裁判官の1人が交代したことにともない、弁論更新として、パワポスライド資料配布による訴状補足説明、原告側からの意見陳述が行われた。
 意見陳述をしたのは、広島初中高在学時に無償化制度から除外され、卒業後の裁判で原告となった、同校の教員。学生時代に街頭活動に出たことや、後輩たちに同じ悔しい思いをさせてはいけないとの気持ちで原告に名を連ねたことなどを語った。
 「教員として母校に戻ってきても未だにこの問題と関わっていかなければいけない事がとても悔しくてたまりません。あと何回、幼い妹たちがチョゴリを着て街頭に立ち、ビラを配り、署名を集めればいいのでしょうか。あと何年、朝鮮学校の学生たちが原告となり、裁判を闘えばいいのでしょうか」
 そして、この問題が日本社会の問題でもあると裁判所に強く訴えた。


 

 当日、被告(国)からは準備書面8が提出されたが、「先に述べたとおり」の連続で、具体的な反論などは見られなかった。

 原告からは準備書面11と、108件に及ぶ陳述書が提出された。
 前回、被告は、同校を含む朝鮮高校について、規程13条(適正な学校運営)の基準に適合すると認めるに至らないという判断は不合理ではないと主張し、その証拠として、大阪市立大学の伊地知紀子教授の鑑定意見書を強引に引用した。
 この意見書は、大阪府内にある朝鮮学校全10校(初・中・高)の保護者に実施したアンケートを元に作成され、大阪補助金裁判で原告側が提出したもの。保護者らの生の声を通して、朝鮮学校における民族教育の意義を主張している。
 ところが被告は、保護者らの多様な意見から自分たちに都合のいい記述だけを大量に引用し、「かえって文部科学大臣の判断は不合理ではないことを裏付けるものとなっている」などと言い張った。

 今回の原告の準備書面では、これに対し、強く批判した。
 「アンケートを自己に有利な部分だけをつまみぐいして準備書面への引用および証拠提出(一体となっている意見書を出さずアンケート部分だけ提出)するという法律家としてあるまじき行為をおこない、裁判官の誤解を招かんとしている」
 原告はあらためて、伊地知紀子教授鑑定意見書とその基礎資料を提出した。保護者らが朝鮮学校を選択する理由が、「民族性や母国語の習得」といった朝鮮学校でしか得られないものがあるからだということや、無償化制度からの除外により経済的負担に拍車がかかっていることなどを明らかにした。

 公判終了後の報告会では、申出がすべて却下され結審の日程が決まったことに対するさまざまな意見、今後の予想などが語られた。

 次回の最終弁論は7月13日(13:30~)。原告から最終準備書面、学校紹介DVDが提出される予定。
 結審は9月14日(13:30~)に行われる。(S)

※写真=広島初中高提供

日本初の反人種差別法~成立に向け国会審議は山場

2016-04-27 09:00:00 | (瑛)のブログ
 イオ5月号で特集を組んだ「人種差別禁止法」。

この法律制定に向け、国会が今、大きく動きだしている。昨26日には参議院法務委員会の質疑を傍聴してきた。

 日本は1995年に国連・人種差別撤廃条約を批准したものの、この20年間、人種差別を禁じる法律がなかった。当時から国内法の制定は急がれてきたが、ここにきてやっと法律を作る動きが出だしたのは、昨年5月に野党議員が人種差別撤廃施策推進法案を提出したからだ。

今年3月には、川崎市ふれあい館の崔江以子さんと京都朝鮮学校襲撃事件の被害者の金尚均・龍谷大学教授が参議院法務委員会に参考人として招致され、「法律が必要だ」と訴えた。31日には法務委員会の議員たちがヘイトスピーチの被害に遭った川崎市コリアタウンへ視察に訪れ、地域社会が負った大きな傷に触れたという。

与党は、ヘイトスピーチが日本社会に与える影響の深刻さから、4月8日に「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」を参議院に提出。与党案は、「差別に反対する理念法」という点で野党案と共通しているが、その対象を外国出身者、ヘイトスピーチ対策に限定している点が大きな違いだ。中でも「適法に居住するもの」に保護の限定を与えていることが、「非正規滞在者への差別的言動にお墨付きを与えている」と不安が広がっている。

他にも与党案については、◇ヘイトスピーチを国連の人種差別撤廃条約に照らして「違法」としていない、◇差別的行動の禁止条項がない、◇差別的行動の定義があいまいーな点について、修正を求める声があがっている。

しかしながら、与党案は、ヘイトスピーチの解決が「喫緊の課題」だとし、与野党の全会一致で実現させようという点は野党と共通している。

 昨日の質疑で、河野国家公安委員長は、「違法でなければ、デモを禁止できない」と答弁したが、野党議員からは、差別行動についてより具体的に定義し、また、地方自治体の責務を努力義務に留めず、国と同様の責任を課すなど、実効性のあるものにすべきとの質問が続いた。

 成立に向けて国会では、市民集会が続いている。4月19日、衆議院第1議員会館で行われた院内集会で発表されたアピールでは、与党法案が是正されるべき点について、詳細な指摘があったので、以下に記す。

 ①法目的に「人種差別撤廃条約の理念」との文言を入れる

 ②差別的言動の禁止条項を入れる

 ③「差別的言動」の定義については、

◇対象を、条約の文言通り「人種、皮膚の色、世系または民族的もしくは種族的出身」にする。
 ◇「著しく侮蔑する」場合も含める。
 ◇「地域社会」からの排除に限定せず、「社会」からの排除にする

 ④地方公共団体の責務を、努力義務ではなく、国と同じ責務とする。

 ⑤定期的な差別の実態調査を行う。

 ⑥被害者の意見を聴く条項を入れる。

 ⑦インターネット対策を入れる。

 ⑧人種差別撤廃教育の対象として、公務員、特に警察を明記する。

 ⑨差別撤廃の取り組みを検証し推進する審議会を設置する。

今、日本では、ヘイトデモが許可され、警察に守られながらヘイトデモが白昼堂々と繰り返されている。川崎では12回もヘイトデモが行われてしまった。

デモに苦しめられてきた崔江以子さんの言葉だ。

 「自治体に対して、何とか禁止してほしいと訴えたが、根拠規定がないとずっと言われている。法律を作って暮らしを守ってほしい。教育・啓発・啓蒙では私たちは守ってもらえない。デモを止められません。今、議論されている法案で、私たちは本当に守られるんですか。地方公共団体が具体的な対策を講じられる、そんな法律なのですか?」

 崔さんの中学生の息子のNさんは、川崎が襲撃された後、母がソファで泣きながら寝ている姿を目にしている。在特会が来る前、Nさんは「大人なんだし、説明したらわかってくれると思い、道に立った。しかし、『朝鮮人の首を絞める』と言った人を警察が守っていた―」

 「〇〇人を殺す」という「殺人教唆」がまかり通る日本。特定の個人を指すものではないからと、罰せられない日本。これが「表現の自由」との兼ね合いから罰せられないという理屈は、足を踏みにじられた側からは、到底理解できない。

 今、この瞬間にも、ヘイトスピーチの動画はネット上にあふれている。

改めてヘイトスピーチについて、師岡康子弁護士の言葉で説明したい。

…ヘイトスピーチとは、直訳すると「憎悪表現」だが、人を憎む差別一般と誤解を生じるので、私は「差別扇動表現」という訳を提案している。古くからある「差別表現」の問題であり、人種、民族、性別、障がいの有無などの属性におけるマイノリティに対する表現による攻撃であり、差別の一形態だ。ヘイトスピーチは就職差別、入居差別、入店差別などの日常的な差別的取り扱いと一体となり、マイノリティの人間の尊厳を傷つけ、恐怖、絶望感、さらにはPTSDなど、心身に甚大な被害をもたらす。のみならず、マイノリティに対する差別と暴力を拡大し、戦争やジェノサイドへの引き金となることは、ナチスによるジェノサイドの経験を経た国際社会の共通認識となっていた…。
                                (月刊イオ2016年5月号から)

25日には、徳島県教組襲撃事件の控訴審が完勝した。京都朝鮮学校襲撃裁判に続く勝訴。朝鮮学校を支援した日本市民を「朝鮮の犬」などと罵倒した言動が、司法の場で「人種差別」と認定され、これが罪とされたことも追い風になるだろう。

 法案審議は山場を迎え、5月中にも成立する見込みだ。

 よりよい法律を目指して!(瑛)

大阪補助金裁判 原告側証人尋問

2016-04-26 09:00:00 | (相)のブログ
 大阪朝鮮学園が原告となり、大阪府・市の補助金不交付処分の取り消しを求めた訴訟の原告側証人尋問が19日、大阪地方裁判所で行われた。
 法廷に立ったのは、原告側の鑑定意見書を執筆した大学教授、朝鮮学校児童・生徒の保護者、卒業生、現職の朝鮮学校教員。大阪朝鮮学園理事長の5人。
 朝鮮学校保護者を対象としたアンケート調査を実施した大阪市立大学の伊地知紀子教授は、アンケートの結果をもとに執筆した鑑定意見書の特徴的な内容について説明。国による高校無償化からの除外と府・市による補助金不支給は、学校や保護者の経済的な負担を増やしているのみならず、日本社会が公に在日朝鮮人を差別してもいいのだという認識を人々に与えている、このたびの補助金支給をめぐる府と市の場当たり的な対応は、国際人権規約や人種差別撤廃条約、子どもの権利条約などで禁止されている、特定の民族やルーツを持つ人々を差別することにつながり、在日朝鮮人の生存権侵害にあたる、などと述べ、裁判所がこの件について公明正大な判断を下すことを求めた。
 東大阪中級学校オモニ会副会長の植田希世子さんは、朝鮮人と日本人の親の間に生まれた子どもたちに、日朝両方の文化や歴史を理解し、視野の広い人間に育ってほしいとの願いから、子どもたちを朝鮮学校に通わせていると述べた。そして、補助金の不支給は差別であり、怒りを感じると胸のうちを吐露した。
 昨年3月に大阪朝鮮高級学校を卒業し、現在は朝鮮大学校で学ぶ柳愛純さんは、勉強だけではなく、友人たちや先生方との出会いを通じて朝鮮学校が自分の居場所だと思えるようになったと、自身が送った学校生活を振り返りながら答えた。
 生野朝鮮初級学校教員の文貞淑さんは、子どもたちに母国語をしっかりと学ばせ、日本学校以上の学力を身につけさせ、自分のルーツしっかり知ったうえで卒業後に広く社会に貢献できるような人間に育てることを心がけていること、経済状況が悪い中でも朝鮮学校に通わせる保護者たちの思いや、子どもたちが逆風の中でもはつらつと学び、卒業後はさまざまな分野で活躍していることなどについて述べた。そして、民族教育は日本で朝鮮人が生きていくかぎり必要であり、絶対に守っていかなくてはいけないと話した。
 最後に証言台に立った大阪朝鮮学園の玄英昭理事長は、大阪府下の朝鮮学校について、教育理念にはじまり、カリキュラムやクラブ活動、生徒たちの進路、学校理事会や人事、財政、補助金の使い道、不支給の経緯、そして不支給の理由とされた平壌での「迎春公演」参加にいたるまで丹羽雅雄弁護団長の尋問に答えた。玄理事長は、朝鮮学校は生徒たちを民族的アイデンティティと国際感覚を兼ね備えた人間に育てる場所であることに加え、同胞コミュニティの拠点であり異文化交流の場でもあると、その存在意義を強調。補助金不交付によって民族教育が否定され、学校側や保護者の経済的負担や不安が増しているとしながら、子どもたちの学ぶ権利は万国共通のものであり、平等に保障されるべきだと述べた。
 一方、25日には被告側の証人尋問が行われ、朝鮮学校の補助金不支給問題に直接携わった府と市の担当者3人が出廷した。

 「いま、当たり前であるべきことが当たり前ではなくなっている、なぜ朝鮮学校が仲間はずれにされなければいけないのか。目をそらさず、私たちの姿をしっかり見てほしい―」。大阪朝高卒業生の柳さんの言葉が印象に残った。
 このブログを書いている25日、在日特権を許さない市民の会(在特会)のメンバーらによる暴言などで業務を妨害されたとして徳島県教職員組合と元職員の女性が在特会とメンバーら10人に約2000万円の損害賠償を求めた裁判の控訴審判決が言い渡された。判決は在特会による行為を「人種差別的思想の表れで違法性が強い」と認定、1審判決が命じた賠償額のほぼ倍となる約436万円の支払いを命じた。事件が起こったのは2010年の4月。この「当たり前」の判決が下されるまで6年かかった。京都朝鮮第1初級学校襲撃事件では5年だ。
 一連の高校無償化、補助金裁判で「当たり前」の判断が下されるのはいつになるのか。(相)

職場に復帰しました

2016-04-25 09:00:00 | (K)のブログ


 日刊イオの読者の皆さん、お久しぶりです。確認すると、前回、私が担当した日刊イオは、昨年の7月30日になっています。約9ヶ月ぶりの日刊イオとなります。

 昨年8月7日、私はクモ膜下出血のために会社で倒れてしまいました。同僚たちが介抱しすぐに救急車を呼んでくれました。クモ膜下出血の手術、そして水頭症も併発して、計3回も手術することとなりました。本当に意識が戻って思考できるようになったのは、倒れてから2ヶ月以上たってからでした。意識を失っていた間は、ずっと、夢の世界をさまよっていました。そのことについては、またの機会にでも書きたいと思います。
 11月初旬から本格的にリハビリを開始。意識が戻った時に、自分の足で立つことができなかったときはショックでした。車椅子生活を送りながら病院でリハビリに励みました。
 入院生活は今年の2月27日までで、その後も自宅で静養しながらリハビリに通っていました。会社に出勤できるようになったのは、4月18日。しかし、まだまだ編集の仕事に復帰できたとはいえません。第3者に読んでもらうことを前提に文章を書くのも、このブログが倒れてから初めてで、ものすごく緊張しています。

 意識を失っていたのでわからなかったのですが、後からいろいろと話を聞いてみると、命を取り留めたこと、大きな障害が残らなかったこと(特に脳に。これからどうなるかわかりませんが)、仕事に復帰することができたこと…など、非常にラッキーだったと思わざるを得ません。
 私が倒れていた間、月刊イオは何の問題もなく発行されてきました。私のいない間、懸命に編集作業を進めてくれた編集部員のみんなに、改めて感謝しご苦労様でしたと伝えたい。

 意識が戻ってから、断片的にニュースにも接し、世の中の動きもそれなりに把握しようとしてきましたが、取り残された感じは否めません。そして、9ヶ月の間、在日朝鮮人を取り巻く状況は、倒れる前よりも悪化しているのではないかと感じています。
 全部は書きませんが、高校無償化から朝鮮学校だけを排除する露骨な差別は続き、文科省は都道府県知事宛に、朝鮮学校への補助金廃止を促す通知を出しました。日本政府は朝鮮に対する独自の「制裁措置」を強化し、ヒト、モノ、カネの流れを全面的に遮断しています。最大規模の朝鮮の体制崩壊を目的とした米韓軍事演習が続けられています。日本のマスコミの朝鮮報道は相変わらずです。一番腹が立ったのは、年末の日本軍「慰安婦」問題における、韓日の合意です。
 国際情勢を見ても、この間、パリやブリュッセルでテロ事件が起きるなど、世界的に緊張が高まっています。根本的には、「先進国」と呼ばれる国の、そのまたごく一部の人間が世界を支配し続けようとすること自体が間違っているのであり、世界秩序の根本を変えない限り、矛盾は広がっていくことでしょう。強国が世界を分割・植民地支配した昔と、根本的に世界は変わっていないという思いを強くします。

 いつか日刊イオに、「私はストレスを感じない」というようなことを書きましたが、脳の血管が破れたのも、やはりストレスが原因だと思います。在日朝鮮人の生活が日々苦しくなっている。そういうことがストレスとなって倒れたのではないか。
 ということは、これからもストレスは溜まる一方で、また倒れるかもわからない。気をつけたいと思います。
 本格的に編集の作業に復帰するのはもう少し先になりますが、1日も早く完全復帰し、ばんばん出張にも出たいと思っています。(k)

マーフィーの法則

2016-04-22 09:00:00 | (麗)のブログ
「マーフィーの法則」というものをご存知でしょうか。

「失敗する余地があるなら、失敗する」「落としたトーストがバターを塗った面を下にして着地する確率は、カーペットの値段に比例する」をはじめとする、
先達の経験から生じた数々のユーモラスでしかも哀愁に富む経験則をまとめたものである(それが事実かどうかは別)。
多くはユーモアの類で笑えるものであるが、認知バイアスのサンプルとして捉えることが可能なものもあり、中には重要な教訓を含むものもある。(Wikipediaより)


これ、生活している上でほとんどが経験した事があるのではないでしょうか…?
急いでいる時に限って赤信号が続く、電車が来ない、人身事故などで遅れる、タクシーがつかまらない、等など…

例をあげればもうキリがないのですが、私は必ずこういった事が起こってしまい、
「あぁ…これがマーフィーの法則か…」とその的中率の高さにツイてない…とガクッと項垂れるのです。
特に、電車などの交通機関で法則に出くわす事がしばしばありますが他には、
・雨が降り出して慌ててコンビニで傘を買った瞬間に雨が止む
・会議が始まる直前に急いで出力したらプリンターが詰まる
・人物撮影の日に限って天気が抜群に悪い
・どうしても欲しいものは手に入らない……

「やはりこういう星の下に生まれてきたのか…」と、自分の運のなさに嘆いてしまいたくなります。

それでも良いことが起こると自分へのご褒美にちょっと高めのビールでも買ってプチ祝いをするのですが、
良いことが起こると、必ず悪いことが起こるという私の運のなさは、いつでも背後にふよふよと存在しているのです…。(麗)

愛知で無償化第17回口頭弁論

2016-04-21 09:00:00 | (理)のブログ
 今週の月曜日、名古屋地裁で無償化裁判の第17回口頭弁論が行われました。当日はあいにくの雨。にもかかわらず、同胞と支援者、愛知朝高3年生をはじめとした学校関係者など、200人以上が傍聴券を求めて列をなしました。

 今回、原告側弁護団は準備書面19とそれに関連する証拠のほか、準備書面20、21を提出。法廷では、矢崎暁子弁護士が準備書面19の要旨を陳述しました。その後、今後の裁判の日程調整に。裁判官が原告側にこれからの立証計画を早めに知らせるよう伝えたのですが、なんとなく急かしているような印象を受けました。



 支援者たちのための報告集会では、矢崎弁護士が改めて準備書面19の要旨について解説。

 書面ではまず、2016年3月29日、被告である文科省が28都道府県の知事に対して朝鮮学校への補助金支出について見直しを求める通知を発したことに触れながら、「この通知が出るまでの事実経過は、朝鮮民主主義人民共和国に対する『制裁』として発表されたことを示しており、本訴訟で問題となっている高校無償化制度から朝鮮学校を排除した被告の一連の行為もこれと同質性を有する」と主張しています。

 その根拠として、自民党の拉致問題対策本部が2015年6月25日に発表した「対北朝鮮措置に対する要請」(以下、13項目制裁提言)を挙げました。この13項目制裁提言のうち、第7項には「朝鮮学校へ補助金を支出している地方公共団体に対し、公益性の有無を厳しく指摘し、全面停止を強く指導・助言すること。併せて、住民への説明を十分に行うよう指導・助言すること」とあり、「対北朝鮮制裁」のために朝鮮学校への圧力を加えるということがはっきりすぎるほど明らかに書かれています。

 13項目制裁提言はしばらく保留されていたものの、今年1月6日に朝鮮が核実験をしたことを受け、再浮上しました。そして2月17日、自民党の拉致問題対策本部の会合に文科省の担当者が出席し、「文科省としては、地方公共団体に対して通知を出すべく検討している」と回答。実際に通知が出される流れにつながってしまいました。

 書面では、自民党の議員によるブログ記事なども引用しつつ、補助金停止までの一連の事実経過をより詳細に展開しています。また、こうした国による差別行為が、地方にそのまま波及しているという事実を強く批判しました。国の差別政策を真正面から突いた、本質的な内容だといえます。

 報告集会では他にも、支援者たちのアピールや質疑応答が行われ、連帯の気持ちや問題意識を共有しました。

 最後に、中谷雄二弁護士が発言。「この日本は、『空気を読む社会』。周りが変わっていったらそれに合わせ、一人ひとりが自分の意見を言わない。非常に危険だと思います。また、マスコミが政府によって操作され、マスコミ自身もそれに迎合して委縮しはじめている。正確な情報は日本に住んでいる人たちには伝えられない。この国、この社会はどこに行くんだろうと自分が知らなければ、私たちは間違った方向に流される。そのことをよく知ってほしい」と呼びかけました。

 また、冒頭にも書いた裁判官の焦ったような様子についても言及しました。「裁判長はおそらく、自分が担当している間に、原告と被告がだらだらと裁判を続けている状況を変えたいと思っているのではないか。このままいくと、裁判所主導で非常に短い審理期間で、不十分な主張・立証途中で、私たちは判決を押し付けられる可能性がある」。会場の支援者たちも真剣に耳を傾けていました。

 中谷弁護士は続けて、「だから私たちが主導的に主張・立証計画を立てる必要がある。無償化からの朝鮮学校除外を主導した被告側の人物を尋問に呼ぶ、実際に朝鮮学校へ足を運んでもらうなど、私たちの側から提起して、進めていかなければならない」とのべた後、「朝鮮学校の生徒さんや保護者の方々にも証人台に立ってもらうことになるかもしれない。その時期が近づいてきた。私たちの側でこの裁判をリードしていく必要がある。みなさん一緒に頑張りましょう」と、改めて気を引き締めるよう強く訴えてあいさつを終わりました。

 愛知無償化裁判も、また大きく進んでいくことでしょう。今後もしっかりと追っていきたいです。(理)



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表紙制作裏話

2016-04-20 09:00:00 | (愛)のブログ
イオ5月号が完成しました!
ネット上にも昨日表紙をアップしたので、ご覧になられた方も多いかと思います。

今年度からは表紙制作をグラフィックデザイナーである許相浩さんにお願いしております。
1月号から様々な、毎号違ったテイストのデザインで作って頂いています。

許相浩さんは元朝鮮新報社のOBで、自分の姉の上司だったこともあり、私が学生時代新報社のビルに遊びに行くといつも優しく迎えてくださいました。
姉もデザイナーとしてとてもお世話になったということで、こうして私が今度は一緒にお仕事できることに不思議な縁を感じています。

5月号の特集は「STOP! ヘイトスピーチ~共に生きる社会を目指して」という難しいテーマでお願いしたので、
今月号は編集部員たちと表紙を作成してくださっている許相浩さんとで、直接打ち合わせをするかたちでイメージの摺合せを行いました。

2時間程、特集の全体像、表紙としてはこういったメッセージを打ち出したいなど、お互い細かく意見を出し合って、その中から様々な案が生み出されました。
打ち合わせの際生み出されたその案たちを許相浩さんが見事にグラフィックデザインとして起こしてくださり、
ブラッシュアップしながら、いままでにない表紙を作って頂きました!

許相浩さんのこちらの要望を見事に汲んでいただく見事なデザイン力に毎回感動しています。
その点、自分はまだまだひよっこだなと反省しながらも勉強し、様々な才能を持った方々と仕事をできる喜びを感じています。(愛)


5月号が完成しました!

2016-04-19 09:00:00 | (S)のブログ


月刊イオ5月号が完成しました!

特集は「STOP! ヘイトスピーチ~共に生きる社会を目指して」。
ヘイトスピーチが世に台頭してから、在日朝鮮人をはじめとする多くの人々が心に傷を負ってきました。これを日本社会全体の問題とする市民たちの行動によって、国もようやく法律の制定に向け動き出しています。差別をなくし、すべての人が共に生きる社会をつくるため、ヘイトスピーチのある今の社会をもう一度見つめなおします。
23歳のフォトグラファー・矢部真太さんをはじめ、師岡康子さん、文公輝さん、中村一成さんに原稿を寄せていただきました。また、ヘイトスピーチ解決のために闘う有田芳生参議院議員、金尚均さん、崔江以子さんらが登場します。

特別企画は「この春おすすめ! 映画&本&音楽」。
映画監督、教員、大学院生、アスリート、役者、音楽家など、さまざまな分野の方々に、この春おすすめの映画・本・音楽を挙げてもらいました。あらゆる観点から選び出された作品は、定番のものからマニアックなものまで幅広く、どれもこだわりがあふれています。
この春、本企画をきっかけに是非、新たな世界に触れてみてください。

その他に、東日本大震災復興支援チャリティ公演 in福島「手と手をつなごう」、美貴展、前北陸朝鮮初中級学校教務主任から寄せていただいたエッセイ、政府が地方自治体に出した朝鮮学校の補助金停止を促す通知などについて掲載しています。
手話通訳士・桑原絵美さんの短期連載「私が見た、韓国ろうと朝鮮ろう」は最終回です。

今月号もご愛読ください!(S)

災害と流言飛語

2016-04-18 09:00:00 | (相)のブログ
 14日夜から熊本・大分を中心に続いている地震による被害が拡大している。最大震度7を記録した一連の地震による死者は現在まで42人、避難者の数は20万人以上となっている。建物や道路・鉄道などインフラの被害も大きく、現地では物資が足りないと伝えられている。また、依然として行方不明者もおり、犠牲者数はさらに増える可能性があるとのことだ。
 天災は恐ろしい。テレビ画面に映る被災地のようすに言葉を失った。
 一方で、地震発生直後からネット上には「朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ」などという流言飛語が飛び交った。1923年9月の関東大震災時の流言飛語をなぞるような悪質なデマに怒りがこみ上げるとともに恐怖も感じた。
 自然災害時に便乗したデマは毎度のことで、ネット上では「ネタ」「冗談にすぎない」と擁護(あるいはスルー)する声もあるが、これが冗談で済まされていいわけはない。書き込む当人たちやその発言をただ消費するだけの人々にとってはたわいもない「ネタ」でも、実際にデマを流しているのがごく一部の人であっても、名指しされている集団にとっては暴力なのだ。関東大震災では、上のような根拠のない噂が引き金となって在日朝鮮人や中国人など数千人が虐殺されたという歴史を忘れてはいけない。93年前の出来事だ。(相)

文科省通知撤回を~日本外国人特派員協会で記者会見

2016-04-14 09:00:00 | (瑛)のブログ



 日本外国特派員協会(東京・有楽町)で4月12日、慎吉雄・東京朝鮮中高級学校校長や同校生徒、保護者たちが記者会見し、文部科学大臣が都道府県知事宛に補助金廃止を促した通知(3月29日)の撤回を求めた。

 慎校長は、日本政府が朝鮮民主主義人民共和国と総聯との関係を問題視し、朝鮮学校生に限って地方自治体の判断に委ねられている補助金について、「留意」を促す異例の通知を出したことは、「就学支援金制度からの除外に続くもので、前代未聞の差別。激しい憤りを感じる」と通知の撤回を求めた。 



 在日本朝鮮人人権協会の金優綺さんは、地方自治体が朝鮮学校に支給している補助金の歴史を説明。1965年に文部省(当時)が各地の都道府県が朝鮮学校を認可すべきでない、と弾圧を強めるなかでも、各自治体が民族教育の公益性を認め、独自に支給してきたと語った。しかし、日本政府が朝鮮高校を無償化から除外しはじめた2010年以降に状況が急変。東京や大阪で、知事自ら補助金停止をリードしたことに象徴されるように、「日本政府の差別が自治体の朝鮮学校差別を招来した」とし、国連の人権条約審査機関から、何度も是正勧告が出されているが、日本政府は無視を決めこみ、国連勧告に背いていると非難した。

 記者会見では現役の高校生たちも発言した。

 ヒョン・スヒャンさんは、顔や名前を明かして、メディアに向けて発言することについて聞かれると「正直、とても怖い。それでも朝鮮人に生まれてきたのだから、普通に生きていきたい。日本の方が日本の歴史や言葉を学ぶように、私たちが朝鮮の歴史や言葉を習いたいと思うのは当然のこと。自分の子どもには、窮屈な社会で暮らして欲しくない。だから、リスクはあるけどここに来ました」と堂々と語った。また、リ・ヨンギさんは、「自分たちにも当然学ぶ権利がある。今までの歴史が差別によって汚されていることが許せない」と目を伏せながら言葉を搾り出した。

 保護者代表のハン・ヨンスクさんは、「大人が白昼堂々と『朝鮮人死ね』という言葉を発する信じがたい状況になっている。日本と朝鮮半島の関係がぎくしゃくする中で、日本政府がこの動きに便乗して、在日コリアンの子どもの学ぶ権利を主導して差別していることにビックリしている」と怒りを抑えながら語っていた。
 
 この日の記者会見を、Le Monde, France RTL, United Daily News, Singapore Press Holdings, The Japan Times, The Huffington Post、弁護士ドットコム、聯合ニュース、朝日、毎日、読売、共同通信、福岡放送、神奈川新聞、TBS、フリーランスの記者が取材、様々なメディアで紹介された。

 通知が出た後、お上の顔色を伺い、来年度から支給しないと表明する自治体も出てきている。一方で、政治問題と朝鮮学校の子どもは関係ないと支給を続ける自治体も少なくない。

 補助金交付は、納税の義務を果たす地域住民の「学ぶ権利」を保障しようと、続けられてきたものだ。

 記者会見で若い高校生たちが勇気をふりしぼって発言する姿に、「なぜ私たちは、ここまで弾圧されなくてはならないのか」という思いが悔しさとともによみがえってきた。日本の公私立学校に比べて微々たる補助金、それも外国人学校の中で朝鮮学校だけが外されるというこの不条理。

 慎校長は、無償化除外から6年、何度、記者会見の場に立ってきただろうか。

 日本政府は兵糧攻めでウリハッキョの息の根を止めようとしている。その姿は、なんとも醜い。(瑛)

街のフレッシュマンたち

2016-04-13 09:00:00 | (麗)のブログ
昨日、イオ5月号の締切を終えました。
これで無事に春を乗り切れそうです。

春といえば桜ですがもうすっかり緑が多くなってきました。あれだけ綺麗な桜色が緑に変わる頃は切ない気持ちになります。
街には新しい制服を着た新入生や新社会人が溢れています。最寄駅でもフレッシュマンが朝からキャッキャと待ち合わせしているのを見て、心の中で頑張れよ!と言う日々。

先日、タクシーに乗った時も運転手が新人だったため、道を教えながら行くと惜しくもワンメーター上がってしまいました。
「あぁ!やられた!」と一瞬思ってしまいましたが、まぁこの人初めてだって言ってたしな…いいや!と気持ちを切り替えるしかありませんでした。

毎年この時期は、フレッシュマンたちを見て、初心に戻る今日この頃です。(麗)

思い出は桜とともに

2016-04-12 09:00:00 | (理)のブログ
 数年前までは、満開の桜を見て情緒的になるなんてことはなかった。せいぜい、実家の庭に1本だけある桜の木の下で焼肉を食べながら花見をした思い出がほんのり甦るだけである。気温の低い北海道では、毎年5月以降に桜が満開になる。

 先日、肩こりがひどいので身体でも動かそうとお昼休みに散歩へ出かけたら、桜の花びらが雪のように降っていた。その中を歩いていると少しずつ涙がにじんできたから、やっぱり思い出が桜に重なっていたんだなーと思った。

 一昨年の冬、ウェハラボジ(母方の祖父)が亡くなった。私はその1ヵ月ほど前にハラボジに会っていて、実際にひどくやつれた姿を見てもいた。心配して聞いてみると、ウェハルモニ(母方の祖母)が代わりに「最近お腹を壊してあんまりご飯を食べていないんだよ」と教えてくれた。「心配しなくていいからね」と少し笑って寝室に上がっていくハラボジの後ろ姿に、私は「お大事にね…」としか言うことができなかった。
 「ウェハラボジが亡くなったよ」と電話を受けたのは取材先での休憩中だった。肺ガンということだった。心配をかけたくなかったのか、病気のことは秘密にしていたとその時に初めて聞いた。知らなかったとはいえ、もっと気遣ってあげられなかったことがとても悲しく、やるせなかった。

 ウェハラボジの家には現在、ウェハルモニとウェサムチョン(母の兄)が暮らしている。今でもだいたい月に1度のペースで遊びに行くと、ハラボジの遺影の周りにはいつもささやかなお供え物と色々な写真が置かれている。その中でも結構大きな写真が、私とハラボジ、ハルモニの3人で散歩に行った時のものだ。確か私が大学を卒業した年だったから、もう4年前になる。
 いつもはハルモニと2人で散歩にでかけるのだが、その日はたまたまハラボジも一緒に行こうということになった。ちょうど桜が満開の時期で、石神井公園をゆっくりと一周した。私がデジカメを持っていたので、途中、道行く人にお願いして桜の下で写真を撮ってもらった。「せっかく3人で来たんだし、桜も綺麗だし、思い出に撮ってもらおう」と。

 なにか忘れ物をしそうな時、「あとで〇〇忘れないでって言って」と家族や友人に頼んでおいたり、どこかにメモをしたりすると、実はそれだけで頭にはきちんと残っているものである。ハラボジとの思い出を忘れるということではないが、少なくとも「思い出に残す」という行動をしたことで、その日のことが心の中に残っていたのだと思う。
 ハラボジ亡きあと、桜の日の思い出はそのままハラボジとの思い出になった。

 私がとつぜん他人に声をかけて写真を撮ってもらおうとしたので、ハルモニは「いいよいいよ! 迷惑になるから!」と少し焦っていた。その横でハラボジはただニコニコと笑っていた。ハラボジはいつも本当にほがらかに笑う人だった。そんなハラボジの思い出が桜と重なったのはとても良いことだと、花吹雪の中を通り過ぎながら思った。(理)

イオ5月号の校了日

2016-04-11 09:00:00 | (愛)のブログ
今日はイオ5月号の完全入稿日!

朝から慌しく作業しています。
校了日ぎりぎりに細かいグラフ作成のデータが入ってきたので、久々にソフトの参考書と睨み合いっこ。
あーだこーだ試行錯誤しながら2時間かけてやっと作成!
何年デザイン作業をやっていても、グラフ作成などはなかなか慣れないものです(^_^;)

イオ5月号の特集は特集「STOP! ヘイトスピーチ~共に生きる社会を目指して」。
特別企画は「この春おすすめ!映画&本&音楽」です。

私の今月のデザイン担当は特別企画です。春におすすめの映画&本&音楽を様々な職種の方に紹介してもらっています!
面白そうな作品たちがずらっと並んでいますので、GWなどに家でまったり紹介された映画&本&音楽を楽しむのも良さそうです!

今回表紙も、編集部員たちと表紙を作成してくださっている許相浩さんとで、細かく意見を出し合ってイメージをすり合わせて、いままでにない表紙を作って頂きました!
まだお見せできませんが、また違った印象のイオになると思いますので、いましばらくお待ちください!
イオ5月号は4月18日完成予定です。(愛)

4月22日(東京)、6月18日(大阪)は、「ウルボ」上映会へ!

2016-04-08 09:00:00 | (S)のブログ


 東京朝鮮中高級学校のボクシング部を追ったドキュメンタリー映画「울보권투부(ウルボ~泣き虫ボクシング部~)」(監督: イ・イルハ)の特別上映会が、東京・大阪で行われます。
ウェブサイト→http://ulbo.exposedfilm.net/
Facebook→https://www.facebook.com/ulbo76/

【東京上映会】
日時:4/22(金)開場18:30/上映19:00
場所:練馬文化センター 大ホール(西武「練馬」駅北口から徒歩1分)
チケット:前売1000円、当日1200円
チケット予約・問合せ:東京上映会事務局(Email: wook@wafactory.com)

【大阪上映会】
日時:6/18(土)開場18:00/上映18:45
場所:東成区民センター 大ホール(地下鉄「今里」駅2番出口から徒歩3分)
チケット:前売1000円、当日1200円
チケット予約・問合せ:大阪上映会事務局(Email: ulboosaka@gmail.com)


 勝って泣き、負けて泣き、仲間がたたかう姿にも涙する…。そんな「ウルボ(泣き虫)」部員たちの青春物語です。高校無償化制度からの除外やヘイトスピーチなど、彼らを取り巻く日本社会の厳しい現実も描かれています。

 韓国では、「第6回DMZ国際ドキュメンタリー映画祭(2014年)」の開幕作品として注目を集め、映画館上映もされました。さらに、「青少年のための優良映画(2015)」にも選ばれた話題作です。今後はカナダ、ドイツでの上映も控えています。

 朝鮮学校に対する政治的・社会的差別が公然と行われている今、当事者たちの姿を伝える一つひとつの機会がとても大切だと思います。1人でも多くの方に足を運んでもらい、今後の各地での上映に繋がればと思います。(S)

文科省通知の撤回を~8日に国会で集会が開かれます

2016-04-07 09:00:00 | (瑛)のブログ
 4月、桜満開のなかで入学式を迎えた子どもたち、オモニ、アボジたち、おめでとうございます。

 新しい環境のなかで気分一新と行きたいところですが、ウリハッキョをめぐっては、年度末の3月29日、文部科学省から自治体の補助金支給再考を求める通知が出され、保護者たちの怒り、そして、不安が渦巻いています。

 兵庫県、北海道などのように、引き続き支給を表明する自治体がある一方で、来年度からは難しいと、国の顔色を伺っている自治体も出てきています。

 通知が出された翌日の30日、朝鮮学校の代表たちが、記者会見を開き、通知の撤回を求めました。http://chosonsinbo.com/jp/2016/03/sk331-7/

4月8日には14時から参議院議員会館で、オモニたちの緊急集会が開かれます。

 集会には、市長が補助金停止を明かした後、市長への要請を続けている名古屋市からも代表が参加します。

 声をあげなければ、外国人学校の中で朝鮮学校だけが差別されていること、さらに、文科省が高校無償化からの排除を6年以上も続けていることが、「ないもの」にされてしまいます。

 ともに声をあげましょう!(瑛)