日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

【ご案内】企画展、クルージング

2012-09-29 09:00:00 | (淑)のブログ
 今日は二つお知らせをさせてください。

 まず、東京・早稲田のアクティブ・ミュージアム 女たちの戦争と平和資料館(wam)で開催中の特別展、「軍隊は女性を守らない」沖縄の日本軍慰安所と米軍の性暴力。
 これは今年6月に沖縄で開かれた展示と同様のもので、以前もブログで紹介しました。
 日刊イオ/沖縄と日本軍「慰安婦」~沖縄取材記�
 http://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/62f94045fbcfba47ef7d65f7464e827f/?cid=91f13599cd80e5f84120f7560f6b6a64&st=0

 wamでは、来年の6月まで同企画展示を常設しているので、期間中にぜひ足を運んでみてください。
 アクティブ・ミュージアム 女たちの戦争と平和資料館
 http://www.wam-peace.org/

 そしてこの企画展に関連したセミナーが今日、同所で行われます。
 テーマは、「ペ・ポンギさんとの交流をとおして」。
 朝鮮半島から沖縄の渡嘉敷島に連れてこられ、沖縄戦で日本軍「慰安婦」として9ヵ月を過ごした奉奇ハルモニ(1991年他界)。
 (彼女の証言は、「赤瓦の家―朝鮮からきた従軍慰安婦」(川田文子・筑摩書房)、「沖縄のハルモニ」(山中哲夫・晩聲社)などに記されています)
 さんは戦後も沖縄にとどまったのですが、沖縄でさんが亡くなるまで、さんに寄り添い支え続けた、金賢玉さんが遠路はるばる沖縄からいらっしゃり、さんと過ごした日々をお話してくれます。

************************************

wam第10回特別展セミナーシリーズ
Vol. 1 ペ・ポンギさんを語る

 「ペ・ポンギさんとの交流をとおして」
日時:9月 29日 (土) 14:00 ~ 16:00
場所:アクティブ・ミュージアム 女たちの戦争と平和資料館 wam オープンスペース
お話:金賢玉さん(キムヒョノク/元総聯沖縄県本部職員)
参加費:800円(入館料を含む。wam会員割引あり)

************************************

 そしてもう一つは、こちら。
 来る10月13日(土)、朝鮮大学校連合同窓会プレゼンツ、クルージング「第1回 船上のソクサギム~みなとみらい2012」が開催されます。


 ソクサギムとは、「囁き」の意で、全寮制の朝大ならではの校内デートのこと。
 とまぁ、このクルージング、「出会いの場」と銘打ってはいるものの、朝大卒業生38期から52期まで(ポスターには42~49期とありますが、誤りです)の全学部の、大同窓会のようなもので、気軽にご参加ください。ちなみに、朝大卒業生の紹介であれば、朝大卒業生でなくても参加ok。船上で東京の夜景を見ながら、懐かしい人たちと楽しいひと時を過しましょう♬
 参加登録はこちらから。【URL】https://ssl.form-mailer.jp/fms/0b766679208114 (淑)

新しいメガネ

2012-09-28 09:17:15 | (相)のブログ
 ここ数日、めっきり涼しくなってきましたね。
 またまたブログネタにこれといったものがないので、どうでもよいごく私的な話題を一つ。
 
 最近、ブルーライトをカットするパソコン用メガネを使い始めました。といっても昨日からなのですが。

 
 左がパソコン用メガネ。右のメガネは夏の紫外線防止用のサングラスです

 ブルーライトとは、波長が380~495ナノメートルの青色系光線のこと。目に見える光の中では最も波長が短いもので、目の疲れを引き起こす原因になると言われています。ブルーライトはパソコンやスマートフォン、タブレット型端末などに使われているLED液晶画面から多く発せられます。夏の強い紫外線が目を傷めることは以前から知られていますが、ブルーライトもこれと同じように網膜に変性を起こし、ピントのずれが生じやすく、結果としてまぶしいと感じたり、ちらつきを感じたりする原因になると言われています。またこのような機器を長時間使用すると、目の疲れのみならず、睡眠リズムの乱れなどを招く可能性があるという指摘もあります。
 それを防ぐためには、目に入る前にブルーライトをカットするメガネレンズを―。ということで、このブルーライトカットメガネがビジネスマンやプログラマーなどIT機器を多く利用する層を中心に人気を集めています。
 もちろん、目の疲れや身体の変調はこれらの機器を利用する時間や本人の姿勢など複合的な理由によるもので、ブルーライトをカットしたからといってすべて解決というふうにはならないと思いますが…。(そもそもブルーライト原因説に疑問を唱える人もいます)
 
 パソコンは仕事の必須アイテムで、締め切り前になると長時間モニターの前に座っていることは珍しくありません。普段の生活でPCやスマートフォンを頻繁に利用するのは世間一般の流れになっていると言っていいでしょう。適切な利用を心がけて、眼や体に悪い影響がないようにしたいものです。
 私は裸眼で視力が左右1.2あるので、生まれてこのかた、度が入ったメガネは使ったことはありません(もちろんコンタクトレンズも)。
 このメガネ、頂いたものなのですが、効果のほどはいかに。(相)

地元の友だち

2012-09-27 09:00:00 | (瑛)のブログ

 ある日曜日、娘がふくろうの置物がある「ふくろう公園」に行きたいとせがむので、夕方前に駆け込むように出かけると、息子が通う空手道場の小学生数人が遊んでいた。道場の友達を見つけた息子の表情がとたんにふわっと明るくなり、とたんに自転車競走が始まった。しばらくすると、公園の先にある生い茂った木々の中を駆け回ったり、また自転車でグルグル走り出し、とにかく楽しそうに遊んでいた。普段から同じ空間で汗を流し合っている、ということもあるのだろうか。練習の様子をあまり見ない親にとって、「近所に仲のいい友達がいるっていいなぁ」と思った光景だった。

 ウリハッキョ(朝鮮学校)は、どうしても広域から児童たちが集まってくるので、休みの日に近所同士遊ぶということが中々できない。もちろん、たまの休みに互いの家に遊びに行ったり、泊まりに行ったりするが、学校を終えて近所の公園で集まる、ということはできず、それを残念に思うこともあった。

 保育園や学校に行きだすと、友だちの家に行きたがる。また、自分の家に友だちが来るととても喜ぶ。うちの子の場合は、そのおうちのおもちゃが目当てなのだが、いつもと違う空間が楽しいのだろう。私自身もそうだったから。

  近所の友だちと言えば、私は同胞のオンマたちが集う子育てサークルと平行して、2ヵ月に一度の頻度で、お芝居や人形劇、演奏会を子どもと観覧する「親子劇場」というサークルを楽しんでいる。このサークルでは、公演を見る前にひざを交えて製作者の意図を学んだり、原作となった絵本を紹介してもらったり、観覧後は子どもの反応や自分の感想を交えて意見交換する。その合間に各々の暮らしが垣間見えるのも楽しいし、ひとつの踊りや劇を見ても、こういう見方があるんだ、と人それぞれの感性を感じることができる。なかにはその時々に子どもが発した言葉をきちんと記録に残している人もいて、感心させられる。

  そのサークル会は、事務局の方のおうちで行っているのだが、たまに保育士志望の青年が来て子守りをしてくれる。その場を通じて、保育園ですれ違っていただけのお母さんと話がすることで距離が縮まったり、初めて出会う友だちもいて、子育ての輪が広がっていく実感が積み重ねられていく。ジャガイモのおすそ分けをいただいたこともあるし、急に保育園のお迎えに行けないときはピンチヒッターで飛んでいってくれる友人がいたり、と近所に頼りになる友人が増えてきて心強い限りだ。11月にはハッキョのバザーがあるので、誘ってみよう。(瑛)


大阪朝鮮学園が補助金不支給で大阪府と市を提訴

2012-09-26 09:00:00 | (K)のブログ

 先週の20日、大阪朝鮮学園は大阪地方裁判所に、大阪府と大阪市を相手に提訴した。提訴の内容は、府と市が朝鮮学校に対する2011年度補助金を交付しないとした行政処分の取り消しと、交付の義務付けを求めたものだ。訴状提出後、学園関係者と弁護士らが大阪弁護士会館で記者会見を開いた。
 記者会見には多くのマスコミがつめかけ、テレビニュースや新聞で報道されていた。提訴に関しての朝鮮新報の記事はこちら。
http://chosonsinbo.com/jp/2012/09/0920rn/

  私も大阪地裁、記者会見場へと行き、取材をした。

  訴状には要旨次のように書いてある。
 「長年にわたり毎年交付してきた、府と市の補助金を、不交付にしたことの違法を問う訴訟である。
 その不交付の理由は、明らかに政治的背景を有するものであり、またそのさらに背景には、朝鮮学校に対する敵視、差別、またそのような政治なり政治家の姿勢があるものであって、かかる背景に起因する問題は本件の対象事項にとどまらない広がりをも有している。
 大阪府、大阪市が政治的理由により朝鮮学園に対して補助金を交付しなかった今回の行政処分は、子どもの学習権、ひいては、民族的マイノリティの教育への権利を明らかに侵害するものである。」

  朝鮮学校に対する大阪府の補助金は1974年から、大阪市の補助金は1990年から支給されてきた。事態が変わるのは、橋下徹氏が大阪府知事に就任してからである。10年3月に橋下知事(当時)が、朝鮮総連と一線を画すことなどきわめて不当な「4要件」を突きつけたことに始まる。学校側・保護者側の誠実な対応、交渉努力、そして譲歩を踏みにじりながら「要求」をエスカレートさせてきた。そしてついに、府は3月29日に、市は同30日に、不支給を決定したのであった。

 不支給を決める手続きも非常に許せない。府は上記の「4要件」などの内容が新たに加えられた要綱を、3月7日に駆け込み的に改訂し、これを前年4月1日に遡及して適用するとした。市の不交付の理由は「大阪府の補助金の対象でない」となっている。もともと市の補助金は府とは関係なく独自の判断で支給されていたものなのに、これまた3月27日に駆け込み的に、「府の補助金交付の対象となること」という内容を追加した要綱に改訂して前年4月1日に遡及して適用するとしたのであった。

  訴状では、民族的マイノリティの民族教育が憲法や国際人権法、国内法に照らしても保障されなければならないものであること、不支給の違法性などについて明らかにされている。

  朝鮮学園の代理人弁護士は、大阪府、市の補助金不支給は、「朝鮮学校を狙い撃ちした政治的な弾圧」だと指摘する。そして、「万策を尽くし、唯一残された道は司法に訴えることだけだったし、いま立ち上がらなければ、60年以上築き上げた朝鮮学校の歴史的意義と子どもたちが安心して自らの民族を誇りながら生きていく居場所を奪われてしまう」と語っていた。

  大阪の朝鮮学校を取り巻く厳しい状況の中、今年3月に朝鮮学校関係者、朝鮮学校を支援する市民団体、弁護士の三者共同団体である「朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪」が結成され様々な支援活動を行ってきた。毎週火曜日の府庁前での行動もそうだし、大阪朝鮮学園支援府民基金(愛称:ホンギルトン基金)の設立もそうだ。

 今回の裁判の争点は「行政の裁量権」となるとのことだが、それはあくまでも「裁判上」のことである。連絡会・大阪の人々が今回の取材の過程で語ってくれた言葉が、今回の裁判の本質を物語ってくれていた。

 「不支給は民族差別に基づくものであって、訴訟はこうした民族差別を許さないんだというメッセージを日本社会に発信していく意味もある。朝鮮学校に対するバッシングがいろんな形で出ているけれど、それが正当化される、そういう社会は変えていかなければいけない」(日本人学者)

 「裁判の過程において、民族教育の意義、その意義というのは在日同胞社会のみならず、日本社会においても、在日同胞の民族教育がどういう意義があるのか正面から問いかけていくことになる。これは単純な補助金を求める裁判ではなくて、これまで何十年間、何度も起こってきた法的な不平等を是正するとともに、朝鮮学校の価値を正面から問う、そういう意義のある裁判だと思っている」(同胞弁護士)

 「排他的なナショナリズムを基盤とする政治勢力の再編という方向に日本が向かおうとしている中、この裁判は、日本社会がどうあるべきかということを問う裁判でもある」(日本人弁護士)

 記者会見で見せた、学園関係者、保護者、日本人支援者らの表情は、新たな段階に入った闘いを、最後までやりとげ勝利を勝ち取るのだという使命感に満ち溢れていた。(k)

  裁判に関する記者会見が終了した後、その場で、ホンギルトン基金で集まった800万円が大阪朝鮮学園に渡されました。
 朝鮮学校を運営していくには、さらに幅広い人々の支援が必要です。「大阪朝鮮学園支援府民基金」(ホンギルトン基金)の振込先などを改めて、お伝えします。ぜひご協力ください。

 寄付=個人1口1000円、団体1口1万円(何口でも可)

振込先 ゆうちょ銀行 店名〇九九 当座 0164342 口座名義=大阪朝鮮学園支援府民基金
郵便振替口座記号 00980-6-164342 口座名義=大阪朝鮮学園支援府民基金
ミレ信用組合西成支店 普通口座 1088887 口座名義=大阪朝鮮学園支援府民基金
※お振り込みの後に、お名前とご住所を、E-mail でお送りくださるようお願いします。
E-mail =osakakikin@yahoo.co.jp

 


二度目の川越

2012-09-25 09:00:00 | (麗)のブログ
 9月に入って二度目の連休。いつも連休は家で過ごす私ですが、先週の土曜日は川越に行ってきました。川越は、一昨年の11月に(k)さんと(愛)さんと三人で「もうひとつの旅」という連載の撮影会で行った以来です。
 今回はプライベートで電車に揺られ、MAPも見ずにブラブラと散策を楽しみました。


 「川越」と聞いて思い出すのが、「喜多院」「時の鐘」「蔵づくり」などですが、私にとっての川越はある意味「地獄のような思い出」として記憶に刻まれています。
 その日、初めての川越ということもあり、かなり楽しみにしていた撮影会。しかし、ある一本の電話によってがらりと場の空気を変えてしまうのです。そう、私がやらかした“最大の失敗”によって…。
 この事は穴があったら入りたいくらいの失敗なので、詳しくは伏せておきますが…。
 
 その電話とともに判明したミスによって、私のテンションと顔色は急降下し、目の前の視界はすべて灰色に見えました。折角の小旅行気分を味わっていた矢先の出来事だったので(k)さんと(愛)さんにはかなりの迷惑をかけてしまいました(のちにイオのメンバーにも多大な迷惑をかけることになります)。
 
 そんな苦い思い出の川越。
 「ああ、確かこの店でちょと遅めのお昼を食べたな…なにも味がしなかったけど…」。
 そう頭の中でつぶやき、あの日の記憶と一つひとつ照らし合わせながら、一歩、また一歩と進んでいきました。

 途中、感傷的な気持ちになりましたが、川越は相変わらず観光客の多さ、活気あふれる街でとても楽しめました。歴史的な建造物や名物も多く、ついつい写真を撮りすぎてしまいます。


一昨年の(愛)さんのブログにも紹介されていた「幸運を呼ぶ犬」も健在でした!


帰りにかき氷を注文。寒かったです。

 2年前、目に溜まる涙も寒さによって枯れ、寒空を見上げるほどの余裕もなく、川越の景色の色さえも思い出せなかったあの日…。
 この事はイオでの飲み会や忘年会にも出てくる話題で、今となっては笑い話ですが、あの大失敗で得た教訓、学んだこともたくさんあります。
 【失敗は成功のもと】
 そんなことわざもありますが、過去の失敗が今の自分に活かされていることを願いながら、川越を後にしました。(麗)

学校チャリティーイベント「ヤフェスタ2012」に参加して

2012-09-24 09:00:00 | (愛)のブログ
今月9月16日に地元のハッキョである長野朝鮮初中級学校で、
朝青(在日本朝鮮青年同盟)主催の学校チャリティーイベント「ヤフェスタ2012」が催されました。
「ヤフェスタ」は2002年8月、2006年9月に長野ハッキョで開催され、今回が3回目の開催です。
私は連休中に他の用事もあったため、取材ではなく個人として「ヤフェスタ2012」に参加しました。

当日は見事な快晴!
まさに夏の日差しが照りつけるような、真夏のような暑さでしたが、
その暑さをはねのけるように長野の同胞青年はじめ、同胞や日本の来賓の方々など
参加者全員の熱さも半端じゃなく、会場は始終大盛り上がりでした。

学生たちの公演に、東京から駆け付けたトンポ歌手たちの歌、朝青員たちの歌や踊りに、
女盟オモニと青商会の方々の歌、空手演技に
世界的パフォーマーである金昌幸さんのパフォーマンス、長野ハッキョ伝統のチャンダンノリ、
そして謎のレンジャー「ヤフェスタン」の登場(子どもたちが夢中で見てました笑)等など…。
(写真はすべて長野朝青提供です)
そして最後には大抽選会!
数多くの演目で私たち参加者をおおいに楽しませてくれました。

飲み物も飛ぶように売れたそうです。暑い中で飲む生ビールは最高でしょうね~。
他にもおいしい焼肉を七輪で囲みながら、焼きそば、フライドポテト、キムチなど、朝青員、そして女盟のオモニたちの売店も大盛況でした。

最後は子どもも大人も全員で民謡に合わせてオッケチュムを踊り皆で輪をつくりました。
みんな最高の笑顔でチャンゴの音に合わせ踊っていました。

実行委員である長野の朝青委員長の言葉を要約して少し紹介します。
「…今回は動員目標500人、利得金でハッキョにバスを贈呈するという趣旨のもと行われました。
この期間、実行委員や関係者は毎日のように集まっては夜遅くまで打ち合わせや練習を重ね、また、同胞のお宅に動員活動や食券販売に出向いたりと、準備をしてきました。
…何よりこの期間、物心両面で支えてくれた多くの同胞商工人の方、青商会の先輩方、同胞以上にアツい気持ちでウリハッキョの為に動いてくれる伊藤晃二会長を筆頭とする日朝長野県民会議の皆さん、いつも目立たない裏方で心強いサポートをしてくれる女盟の方たち、大変迷惑をかけたオモニ会のオモニたち、…ほかここで紹介しきれませんが、今回関わってくれたすべての方たちに心から感謝したいと思います。
感動した、若い世代がよくやったと言われ、本当にやってよかったと思いました。
が、反対に、反省すべき点も数え切れないほどあります。
今回のヤフェスタをきっかけにしっかり総括をして、これからの朝青活動に生かしていかなければいけないと思っています。
長々と書きましたが、これからも朝青長野は頑張りますので変わらぬ指導と援助をよろしくお願いします!!」朝青長野県本部委員長 洪高志



ブログを書くにあたり、過去の「ヤフェスタ」の記事を改めて見直してみました。
開催回数は多くはないけれど、朝青主催で大きなイベントをしてきたのは素晴らしいことだなと思うのです。

現在朝鮮学校の現状はいまだに厳しい状況にあります。
そんな中でも何か学校のためにできることはないかと皆全国各地で模索していると思います。
今回の長野ハッキョの「ヤフェスタ2012」は、厳しい現状でも若い世代が踏ん張って、それをひとつのカタチとして見せてくれたものだと感じました。

過去の記事も見ながら、同級生の言葉を読みながら、
経験がないからこそ大変で、それでも若いからこそできることはたくさんあるんだなと、
今回のヤフェスタに参加して思ったことです。
自分もがんばる同級生たちや後輩を見ながらおおいにパワーをもらった「ヤフェスタ2012」でした。(愛)

特別授業とインドカレー

2012-09-22 09:00:00 | (淑)のブログ
 昨日、杉並区にある東京朝鮮第九初級学校で「阿佐ヶ谷朝鮮学校サランの会」(以下、サランの会)が、子どもたちのために特別授業を行い、給食を作ってくれました。
 サランの会による特別授業は、過去に数回、高学年のみを対象などにして行われてきましたが、すべてのクラスで授業をしたのは今回が初めての試みです。日本人の先生たちが授業をしてくれるということで、子どもたちもこの日を心待ちにしていたようです。

 1、2年生は、長谷川和男さんによる「むかしあそび」。


 授業テーマのとおり、コマとけん玉を使ってむかしながらの遊びを楽しみました。ちなみに使用したコマは、学校のすぐ傍にある杉並区立第一小学校から借りてきたものだそう。私が在学していた頃は子供どうしケンカばかりでしたが(苦笑)、現在は学校同士の交流も盛んだそうです。
 授業の最後には、長谷川さんがアコースティックギターで長渕剛の「とんぼ」を熱唱するひとコマも。「うぉ~うぉ~うぉうぉうぉうぉ」と歌いだした長谷川さんに、あっけにとられる子もいたり、顔中大笑いの子もいたりで、とにかく盛り上がりました。子どもたち、けん玉やコマよりも長渕の方が強烈だったんじゃないかな(笑)。

 4、5年生は浅川謙司さんによる「いろんなでんち」。アルミやティッシュなどを用いて、備長炭の電池をつくってみる、という授業です。


 6年生は内田孝人さんによる「宮沢賢治」の授業。


 授業のあとはお待ちかねの給食です。メニューはインドカレーとフルーツヨーグルト。全校児童が多目的広場に集まって、サランの会のメンバーらと一緒に昼食を楽しみました。チキンを一晩ヨーグルトにつけたという本格的なインドカレーは人気で、子どもたち、たくさんおかわりしていました。


 サランの会では今年度、第九学校への支援強化を掲げて、杉並区から支給される補助金の増額要請、同校の施設・設備の充実のための活動、学校行事への参加と協力などに取り組んでいます。私も年に数回は同校を訪れますが、ここ数年、行事などでサランの会のメンバーを見ることも珍しくなくなりました。
 サランの会では今後も、通常の授業に役立ち、かつ子どもたちが楽しめる授業を、年に1、2回のペースで行っていきたいとしています。
 ある若手の教員は、「入学式や運動会、行事の度にサポートしてくれる。本当にありがたい。その名のとおり、サランの会にはいつもたくさんのサランをもらっている」と話していました。
 サランの会のメンバーは、大阪府と市が朝鮮学校への補助金を停止している問題で今月20日、大阪朝鮮学園が府と市に補助金の交付を求め大阪地裁に提訴した件について「本当に情けなく恥ずかしい」と話しながら、「『無償化』問題や補助金不支給の問題に日本人として向き合うということは、日本社会に不正を訴えていくことでもあるけど、ここに通っている子どもたちのことを考えて行動するってことなのかなと思う」と話していました。話の最中に、3年生の女の子がやってきて、そのメンバーにお礼の手紙を渡していました。恥ずかしそうな女の子と、うれしそうなメンバーの顔がなんともほほえましかったです。
 1日を通して、サランの会のメンバーのひたむきな姿と、子どもたちの屈託ない笑顔を見ながら、朝鮮学校には、日本社会と朝鮮学校、ひいては在日同胞社会の新しい関係を拓いていける底力があると感じました。(淑)

身体の病と心の病

2012-09-21 09:00:00 | (相)のブログ
 9月下旬になっても残暑が続いていますが、朝晩はだいぶ涼しくなり、過ごしやすくなりました。「秋の訪れも近い!」―そう思う今日この頃です。

 突然ですが、先日、腰を痛めて医者に診てもらいました。
 思い出せば、平壌に滞在中だった7月中旬から腰(正確には、腰のもっと下のお尻の部分)に電気が走るような痛みを感じたのが始まり。当初は「寝違えたかな」、くらいにしか思わなかったのですが、時間が経っても痛みは完全に引かず。ただ、四六時中痛いというわけではなく、不定期に痛みが襲ってくるものだったので、あまり深刻に考えずにだましだましやり過ごしてきました。しかし先週末、腰を曲げられないほどの痛みが襲ってきたので「これはまずい」と思い、今週初めに病院へ。
 診断結果は、「坐骨神経痛」。周囲の人々から「たぶん坐骨神経痛だよ」と言われていたので大して驚きはしませんでしたが、腰痛に苦しむという経験は人生でほぼ初めて(若かりしころ一度「ぎっくり腰」になったことがあるくらい)なのでショックであることは確かです。腰痛の原因に思い当たる節はあるのですが、恥ずかしいのでここでは書きません。
 医者のアドバイスは、普段の生活で睡眠をしっかり取って、バランスの取れた食生活を心がけ、正しい姿勢を保つこと、ストレスをためないこと。ただ、わかっていてもなかなか実行することができないのがつらいところ。自分の意志の弱さをうらめしく思います。

 「イオ」編集部では私以外にも身体に痛みを訴える男性編集部員が続出し、「ポンコツ化」が進んでいます(冗談です、すみません)。
 歳を取るにつれて腰をはじめ身体のいろいろな部分が痛みはじめるのは、ある意味仕方ないことなのでしょう。
 しかし、運悪くカメラをかついで動き回るような仕事の日に痛みが襲ってきたら目も当てられません。先週末以来、激しい痛みがないのが幸い。腰痛は慢性化しがちなので、そうならないよう身体のケアはしっかりしたいと思います。

 そして、「イオ」来月号では「心の病」に関する問題を特集します。現代社会で大きな問題となっている心の病やトラブル。在日朝鮮人も例外ではありません。この問題を「イオ」ならではの視点で掘り下げます。乞うご期待。(相)

合同キャンプ

2012-09-20 09:00:00 | (瑛)のブログ
今朝、息子は近隣の朝鮮学校と合同で行われるキャンプに出かけていった。2学期に入ってからこの日を待ちに待っていたようで、送り出すこちら側もワクワクしながら準備した。

聞くと、両校の初級部低学年児童が一堂に集まり、動物園で一日を過ごしたあと、キャンプ場へ移動して一晩を過ごすという。そういえば1年の時も先方の学校へ行って一緒に遊んだこともあったし、夏にはキャンプも行われ、そのたびに新しい友だちの話で盛り上がっていた。クラスが男の子ばかりだから、女の子の存在が余計に嬉しかったと思う。

「イオ」の8月号では、東海・北信地方の朝鮮学校が一堂に集まった「ヘバラギ学園」の取り組みを紹介したが、今や日本各地、さまざまな場所で学校交流が進んでいる。これは子どもが少ないなか、新しい出会いや経験を授けたい、またその過程で競争心や刺激を感じとってほしい、と願うソンセンニムや地元同胞たちの思いが結実したものだ。

今年から本誌で始まった連載「コッソンイ」は、朝鮮学校の児童・生徒の朝鮮語作文コンクールの入賞作をマンガにしたものだが、コンクールに寄せられる作品には、クラスの友だちが少ないなか、苦悩し、葛藤する姿が描かれた文章が少なくない。中学進学を機にクラスの友だちが全員日本の学校に転校してしまった話もあったし、大好きなバスケットボールをしたくても、学校にバスケ部がなく、ついに3人の部員を集めて部活を立ち上げたある女生徒は、近隣の日本の学校と練習試合をしながら、朝鮮学校でバスケをする意味を自問自答していた。

最新の10月号の巻頭グラビアでは、北海道朝鮮高級学校サッカー部の部員が11人に満たないため、地元の日本の高校生とチームを組み、ボールを追う様子が描かれている。

(淑)さんが取材したこの記事を読みながら、現状の厳しさを感じつつ、少ない現状を「悲観しない」というメッセージを受け取った。東京に比べて地方の実情は厳しいものがあるが、ウリハッキョでしか学べないものをあらゆる方法を駆使して切り開いていく、という底力も感じる。

さて、キャンプで1年ぶりに再会する子どもたちは、さぞかし興奮しているのだろう。今から土産話が楽しみだ。(瑛)

200号を迎えた情報誌「ヨボセヨ」、右傾化する日本社会に月刊イオ10月号を

2012-09-19 09:00:00 | (K)のブログ



 昨日のブログ「日刊イオ」を読むと、月刊イオの10月号が無事に完成し納品されたようです。ようです、と書いたのは、ただいま出張中で、私自身はまだ手にとっていないからです。

 月刊イオ10月号は、通巻196号となります。
 もう少しで200号です。

 しかし、月刊イオよりも一足先に200号を迎えた雑誌(新聞?)がありました。大阪の生野南地域で発行されている「ヨボセヨ」(月刊)という情報誌です。NPO法人生野同胞生活相談綜合センターから発行されているもので、「ヨボセヨ」というのは朝鮮語で「こんにちは」という意味を持つあいさつの言葉です。地域の同胞たちに気軽に入っていき、気軽に読んでもらいたいという思いで名づけられたそうです。1996年1月に創刊、9月に通巻200号を迎えました。月刊イオの創刊が1996年7月ですから、イオよりちょっと先輩ですね。

 その200号を記念する式典が9月15日にあり参加してきました。地域の同胞たち116人が集まる心温まる式典でした。そして、同じ月刊誌を作るものとして、大変刺激を受けました。

 「ヨボセヨ」には、「あの路地この路地生野みなみ物語」「まるごとウリハッキョ」「あの店この店」「コラム」など、長く続く人気の読み物があります。この日参加した地域の同胞たちも、「他のトンポらのことや行事のことがわかってありがたい」「毎月、楽しみに読んでいる」「若い世代の活動を『ヨボセヨ』を通して上の世代の人たちに知ってもらうことができ応援してもらえる」などと感想をのべ、みなが「ヨボセヨ」を愛していました。毎月作られた「ヨボセヨ」は、生野南地域の同胞の家々に配達員たちにより配られていくそうです。

 「ヨボセヨ」を発刊するにあたり、いくつかの決め事があったそうですが、そのうちのひとつが「毎月必ず発刊する」というものでした。これは創刊から16年間守り続けられ、1度の休みもなく毎月出されてきました。月刊誌の編集をやっている者として言わせてもらえれば、これは簡単なことではありません。すごいことです。16年間ずっと編集に携わってきた2代目編集長が「編集会議のときに、何日までに記事を仕上げて何日に完成させると決めるが、その通りにいったためしがない」と振り返っていたのが印象的で、イオの編集と照らし合わせ大きくうなずいたのでした。
 現在、編集委員は7人いるそうですが、仕事の合間、夜に集まって編集会議を持ち内容を決めた後は取材・執筆と作業を進めていくそうです。それを16年間、毎月続けるのは大変なことです。日本全国に地域の同胞たちで出す情報誌はたくさんあるでしょうが、毎月欠かさず16年間も出しているのは「ヨボセヨ」だけでしょうし、これまでもなかったのではないでしょうか。

 200号を迎えるための様々な準備は、昨年10月から準備委員会を作り進められてきたそうです。最初、この話を聞いた時は、内々の関係者が集まる簡単な祝賀会だと思っていたのに、本当に大規模な式典でした。そして、200号の記念誌はこれまでの200号がすべて収められた約240ページにもなる豪華版です(写真)。式典後の懇親会も多くの人たちが集まり非常に楽しい空間でした。あっという間に時間が過ぎ、おかげで最終電車を逃してしまいましたが…。


 ちなみに、月刊イオの200号は来年2月に迎えますが、200号を祝うのかどうか、何か特別な編集をするのかなど、まだまったく何も決まっていません。というか、何も考えていませんでした。どうしましょう。


 最後に月刊イオ10月号の宣伝です。昨日の(麗)さんも紹介していましたが、もう少し。


 月刊イオ10月号の特集は、「歴史の事実を掘り起こす-朝鮮人強制連行真相調査の40年」。朝鮮人強制連行真相調査団が結成され今年で40年に当たります。在日朝鮮人と日本人の合同で作られた朝鮮人強制連行真相調査団は、1972年8月15日、沖縄での真相調査を皮切りに、北海道、九州、東北、広島・長崎と調査活動を繰り広げ、多くの被害者の朝鮮人、そして日本人の証言を収集しました。そこで明らかになった、強制連行、強制労働の事実は、歴史の事実を否定しようとする者たちに大きな打撃を与えました。
 特集では、強制連行・強制労働とはどういうものだったのか、という基本的な問題から、今日も続けられている各地での調査活動、初期の真相調査の様子や40年間の調査団の活動と成果、その意義などを紹介しています。

 日本軍「慰安婦」の軍の関与を否定する、河野談話の見直し云々を口にする政治家たちが調子に乗り、どんどん右旋回しているのが今の日本社会です。昨日の新聞は、朝・日平壌宣言10周年に関連しいっせいに拉致問題を取り上げ、「時間ない、早期救出を」と、家族の高齢化の中一刻も早く「拉致問題の解決」をと報道していました。植民地支配することで朝鮮の国そのものを無くし、そこに住む3000万もの人々の生活を破壊し膨大な生命を奪った日本が、敗戦後もそういった国家犯罪を何も反省せず補償もしてこずに70年近く在日朝鮮人を弾圧し続けてきた日本が、よく拉致問題だけを取り上げてそんなことが言えるものです。
 一人でも多くの人に月刊イオ10月号の特集を読んでいただきたいと思っています。

 特集以外にも、女子U-20W杯に出場した朝鮮選手団の活躍や、中央オモニ大会の様子、ハンマウム・コンテストの受賞作品の紹介など、今月号も盛りだくさんな内容となっています。ご期待ください。(k)



10月号完成!

2012-09-18 09:00:00 | (麗)のブログ
月刊イオ10月号が完成しました。
今回の特集は「歴史の事実を掘り起こす-朝鮮人強制連行真相調査の40年-」。調査団の40年間の活動を振り返り、今後の課題などを紹介する企画です。
特集では、日本で朝鮮人強制連行・強制労働が行われた地域の地図とデータ、Q&A「朝鮮人強制連行とは何か?」、(淑)さんによる北海道で行われた朝鮮人強制労働犠牲者の遺骨発掘調査のルポ、九州・山口の真相調査団の取り組み、強制連行され強制労働を強いられた1世の証言など、盛りだくさんな内容となっています。10月号も是非ご愛読ください。

さて、みなさん、3連休はいかがお過ごしでしたか?
私は土曜日に、半年ぶりに大学の先輩たちと会ってきました。互いの近況報告や、周囲の変化など、この半年で起こった出来事などを何から何まで喋って笑って、楽しい時間を過ごすことができました。後輩が到着する間、1時間くらい時間があったので、久しぶりに中野ブロードウェイに行き、フィギュアなどを見てきました。さすがに買いはしませんでしたが、かなりの目の保養になりました…^^

連休も終わって、あっという間に9月中旬に入りました。月刊イオも11月号と12月号を残すのみ…!
そろそろ涼しくなりつつあるので、自転車通勤もいよいよ再開です!(麗)

身近なところで具体的な努力をすること

2012-09-15 09:00:00 | (淑)のブログ
 先週の日曜日、東京都町田市にある西東京朝鮮初級学校の新校舎竣工式が行われました。
 (相)さんも昨日のブログで書いていましたが、「高校無償化」からの朝鮮学校排除に象徴される、学校を取り巻く厳しい状況の中、こういった明るいニュースは、暗い雨雲を吹き飛ばしてくれるようです。

西東京第2初級で新校舎竣工式 「この地で民族教育守る」/朝鮮新報
http://chosonsinbo.com/jp/2012/09/0910th/

《사람을 키우는 마당》, 새 교사 준공된 니시도꾜제2초급/조선신보
http://chosonsinbo.com/2012/09/0912th/

 私も知人から、一緒に行かないかと誘われましたが、あいにく他の行事が入っていて行くことができませんでした。知人によれば竣工式には多くの人が訪れたそうです。
 知人は、「本当に素晴らしい学校が建った」と、卒業生でも関係者でもないのになぜか誇らしげでした(笑)。「新校舎はとにかく開放感があり、気持ちがいいほど広い廊下が印象的だった」そうです。
 朝鮮新報の記事(朝鮮語版)を読めばわかりますが、これは中級部再開を視野に入れ、教室3つ分の空間を確保して設計・建設されたものだそうです。中級部再開については、現在検討中だといいます。
 新校舎には、明確な同校のビジョンが、決意として表れているんだと思いました。教職員や関係者、地域同胞たちの希望がぎゅっと詰まった新しい校舎で学ぶ子どもたちの、明るい笑顔が見えてくるようです。

 私の自宅近所にも、小さな朝鮮学校があります。私の母校です。
 学校が近くにあるため、駅近辺などで登校・下校中の朝鮮学校児童たちと出くわすことが多々あります。可愛くてついつい声をかけてしまうのですが、子どもたちは、見知らぬ人に「アンニョンハセヨ」と声をかけられ驚きはするものの、決まって「アンニョンハシムニカ」と丁寧にあいさつを返しくれます。子どもたちと並んで歩きながら他愛もない会話を交わす時間が、私は好きです。
 
 竣工式に参加したある方は、「この時代に新しいハッキョを建てる意味と意義をたくさんの人が感じて、感じたことを自分の身近なところで実践していけば、道は開けるのではないか」と言っていました。

 この言葉を聞いて、足元を見られた、というかはっとさせられました。まず自分のすぐそばにあるもののために、小さくても具体的な努力をすること。なおざりになっていたのでは、と自身を省みました。
 近々母校であるイベントが行われるので、久しぶりに足を運ぼうと思っています。そのようすはまたブログで報告します。(淑)

いつまで長引かせる? 「高校無償化」審査

2012-09-14 09:31:10 | (相)のブログ
 「高校無償化」制度(2010年4月施行)から朝鮮高校が排除されて2年半近くが過ぎようとしている。昨年8月30日、当時の菅直人首相が一昨年11月の延坪島砲撃事件でストップしていた審査の再開を指示したが、1年以上が経った野田政権下の今でも結論は出ていない。
 先日、関東地方在住の朝鮮学校生徒保護者の代表らが11日、文部科学省を訪れ、朝鮮学校への「高校無償化」制度即時適用を求める、野田佳彦首相と平野博文文科相宛の要請書を、同省職員に手渡した。
 http://chosonsinbo.com/jp/2012/09/0911ry/

 この報道によると、保護者の代表らは、審査手続き再開から1年以上が経つにもかかわらずいまだ何ら動きが見えないことについて文科省側に説明を求めた。これに対する担当者の答えは、「今はまだ審査を続けている段階であり、必要に応じて朝鮮学校側に書類の確認などを求めている状況だ」というもの。どのような問題に対して審査を続けているのかという質問に対しては、「(朝鮮学校に対する)『報道等による指摘』に対する事実確認を行っている」と説明した。
 要は、朝鮮学校関連の報道がメディアで伝えられるたびに、その内容に関する事実確認を行っているということなのだが、これほど人をばかにした話もないだろう。その場にいてこの発言を聞いた保護者代表たちの怒りは想像に難くない。
 これでは永遠に審査の結論を先延ばしすることも可能ではないか。文科省はこの間、一体何を調査してきたのか。何がそんなに時間がかかるのか。揚げ足取りのような報道にまでいちいち反応しているのだとしたら、審査など一生終わらない。それとも、引き延ばしの口実として使っているのか。どっちにしろ悪質には違いない。
 審査再開後1年経った現在の説明としてはあまりにもひどい答えだ。今まで審査にかけた時間を考えると、文科省は「無能」のらく印を押されても仕方がないだろう。

 朝鮮高校への「無償化」適用に一貫して反対している産経新聞は、「(日本)政府の判断が朝鮮学校や朝鮮総連の収入を左右する。拉致問題など対日外交を転換させるには、国は無償化を適用せず、自治体も補助金支出を停止すべきだ」という政府高官の発言を引用しながら、審査の結論が出ないと地方自治体による朝鮮学校への補助金支出を絶てない弊害もあるので、政府は判断を先送りせず朝鮮高校に「無償化」を適用しないという決定を早く下せと主張している。(MSN産経ニュース、8月30日 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120830/plc12083022530015-n1.htm)
 
 衆議院解散、総選挙、政権交代が現実味を帯びてきているが、朝鮮高校に対する適用には断固反対の立場を示してきた自民党が執権したら、朝鮮高校には適用されないまま「高校無償化」制度がつぶれてしまう(あるいは骨抜きにされてしまう)おそれもある。
 日本政府は今からでも制度の原点に戻るべきだろう。外国人学校に対する文科省の「適用基準」は、教育課程などが日本の高校課程に準ずるか否かを判断する内容で、教育内容は問わないとしている。制度の趣旨や審査基準からすれば、朝鮮高校には当然「無償化」が適用されなければいけない。いつまで長引かせるつもりなのか。(相)

オモニ大会で栄養補給!

2012-09-13 09:00:00 | (瑛)のブログ
「子どもは親の鏡」

けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる
とげとげしい家庭で育つと、子どもは乱暴になる
不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる
「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる
子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる
親が他人を羨んでいると、子どもも人を羨むようになる
𠮟りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう
励ましてあげれば、子どもは自信をもつようになる
広い心で接すれば、キレる子にはならない
誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
認めてあげれば、子どもは自分が好きになる
見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる
分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ
親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る
子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ
やさしく、思いやりをもって育てれば、子どもは、やさしい子に育つ
守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ
和気あいあいとした家庭に育てば、
子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる
               「子どもが育つ魔法の言葉」ドロシー・ロー・ノルトより


日本各地から集まった850人のオモニたち


金鍾成・元サッカー朝鮮代表と朝高出身で初めて弁護士資格を取得した金舜植さんが民族教育への思いを語ってくれました


 東京・十条で開かれた第9回中央オモニ大会に行ってきましたが、記者としても、子を育てる一人の親としても、色んな感慨が押しよせた一日でした。

 最初に紹介した文章は、兵庫の朝鮮学校の保健室で子どもたちを見守る徐千夏先生の講演で配られたものです。午後に7つの分科会が行われたので、残念ながら徐先生のお話は聞けなかったのですが、このレジュメを読んで、しばし、立ち止まって自分の子育てを振り返りました。
 
 子育てには、立ち止まる時間が、息をつく時間が、必要だと感じます。

 このたびの大会では、テレビにたびたび登場する山崎雅保さんが「子どもの自立と親の役割」と題して講演をしてくれました。会場は満席! 地元の友人に感想を聞いたところ、「子育てがんばってみようかな、と思えましたよ。潤滑油を得た感じでした」と。。。普段から色々と助けてもらっている彼女の生活に栄養が補給されたと思うとうれしく、私自身も、「そう!潤滑油を求めにこの場に来たんだ!」と思いました。


講演とディスカッション「子どもの自立と親の役割」

 日々子どもに接していると、ときに壁にぶつかることがあり、一人思いつめることもあります。
 けれど、話を聞いてもらったり、先輩のオンマに声をかけてもらう、子どもを預かってもらう、というほんのちょっとしたことで、どれほど気持ちが楽になることか。。。あと、中々言いづらいことでも、勇気を出して口にしてみると、相手が同じ目線で自分の経験を語ってくれたり(それ自体がとても嬉しいこと)、その言葉にまた違う自分が映し出されるようで、凝り固まった考え方をぶち壊してくれることもあります。

 今、子育てを取りまいては、雑多な情報が氾濫しています。さらに、乳児、幼児を経て、学校に行きだすと、集団生活になじめなかったり、友だちと関係を築くのに時間がかかったりもします。また、学校は勉強をするところですが、勉強につまづくと、「なんで学校に行って勉強しなきゃならんのか」という動機付けも必要になってきます。こういう具合に、押して引いて、を繰り返しながら、子どもは大人への階段を登っていくわけですが、傍で見守る大人がどう接するかで、子どもは大きく変わっていきます。私自身も進路に悩んだとき、何かを失敗したときにかけてもらった、大人の「言葉」は今でも忘れていません。

 オモニ大会のいち分科会では、東京朝鮮高級学校に通う長男を筆頭に3人の男の子を育てる同級生のアッパから、「同じ目線で3人と時々デートをしながら腹を割って話している」と聞き、そのマメさに感心しつつ、「なんでこんな大切なことを忘れて怒鳴り散らしてるんだか。。。」と反省したしだい。子どもには「上から目線」は通じません。



康勝恩さんは、子育てにおけるアッパの役割について熱弁!


 いい言葉に出会うと、子どもに優しくなれる気がします。(気だけではダメなのですが…)

 オモニ大会では、大阪タルオルムのマダン劇「4・24の風」京都の日本の大学生が作ったウリハッキョの映像、性感染症のDVDなども放映されました。いつの日か地域のオンマたちとも一緒に見たいと思いました。

タルオルムのマダン劇

 そして、会場には若いアッパの姿もちらほら見えました。イオでイクメン特集をした時、「イクメン」を増やすためのユニークな活動をしているファザーリング・ジャパンの代表に登場いただいたことがありますが、ファザリングジャパンは、今、「イクジイ」を増やすプロジェクトにやいじめ問題の解決に向け、積極的に発信しています。


若いオンマたちでにぎわったベビーマッサージ


 いつか同胞社会でも、子育てをテーマに男女、世代の境界をとっぱらって集まれないでしょうか。オモニ会のミニシンポジウムでは、オモニ会を卒業した女性から、いつか朝鮮学校保護者のOB、OG会を作りたいという提案もありました。


東京中高生たちの芸術公演も好評でした

 
 ビックニュースは来年の国連・社会権規約委員会にオモニの代表を送ることになったのこと!
 オモニパワーを結集し、朝鮮高校排除が続く無償化問題の解決も導いていくしかありませんね!(瑛)
  

「国家」に翻弄される在日同胞たち―「百年~風の仲間たち」を観て

2012-09-12 09:00:00 | (K)のブログ


 少し前の話になるが、東京・吉祥寺シアターで新宿梁山泊第47回公演「百年~風の仲間たち」を観てきた。
 「浪速の歌う巨人・パギやん」こと趙博さんの歌「百年節」を音楽劇に仕立てたものだ。久しぶりに趙博さんの顔を見たかったのと、月刊イオに紹介するため足を運んだのであった。

 物語の舞台は、大阪・猪飼野のコリアンタウンにある居酒屋「風まかせ人まかせ」。開店20周年を祝う日に、縁のある同胞たちが集まってくる。チェサ(祭祀)で親族一同が集まれば政治談議になり立場の違いから喧嘩が始まるというのが在日同胞の定番だが、ここでも同じ。
 朝鮮学校に通った者、通わなかった者、韓国へ留学中、「北のスパイ」として捕らえられ拷問を受けた者、南北朝鮮に対する考え方も歩んできた道も様々な在日同胞同士が絡み合い自分の物語を語る中で、在日同胞の100年が描かれていく。

 日本による植民地支配、解放と分断、4.3事件、朝鮮戦争、民族教育、帰国事業、南の民主化闘争、帰化…。100年の歴史の中で在日同胞たちにとって欠かすことのできない出来事が物語の中に盛り込まれていく。避けて通れない出来事であり、在日同胞に多大な影響を与えたものだから、当然のごとく触れられるのだが、物語がステレオタイプ化された印象になったのは否めない。
 作り手は、それを承知で、現在の日本の社会状況の中、何度でも繰り返し語られるべき物語だと、日本人が知るべき歴史だと訴えているのだとも思えた。

 フィナーレに向かい、登場人物たちは、歌って踊り、南北と日本の狭間で翻弄されてきた在日同胞の「恨」を生きるエネルギーに昇華させ爆発させていく。そしてこう宣言する。「在日関西人として生きるんや」。
 しかし、登場人物たちは、これまでと同じようにこれからも、朝鮮半島情勢や日本社会に影響され、左右され、生きていくのである。飲んで歌って踊って、いろんな憂さを晴らすことは重要だけど、それは一時のことに過ぎない。「百年節」の最後、「百年経っても変わらぬものは 不逞・謀反に不服従」と歌うが、エネルギーを社会変革のために使わないと、社会は少しも良くならない。朝鮮学校も守れない。
 作り手は、そんなことも承知で、登場人物たちに歌って踊らせているとも思えた。


 いろいろ書いたが、全体としてとても楽しい舞台で十分に満足できた。主人公・スジャを演じた三浦伸子さんをはじめ、日本人俳優たちが在日同胞役を熱演している。(k)