日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

イオ2019年1月号が完成しました

2018-12-17 10:00:00 | (相)のブログ
 

 イオ2019年1月号が完成しました。
 特集は、「ソウルに平壌が来た!」です。すでに本ブログでも報じたとおり、南のインターネットメディア・民プラス、朝鮮民主主義人民共和国の朝鮮6.15 編集社、日本の朝鮮新報社による共同写真展「평양이 온다(平壌が来る)」(主催=同写真展推進委員会、6・15共同宣言実践南側委員会)が12月3日から5日までソウル市内で開催されました。南・北・海外の同胞メディアが共催する写真展は朝鮮半島分断以来、初めてのことです。イオ編集部からも編集部員2人が訪韓し、同写真展を取材しました。写真展以外にも現地でさまざまな個人、団体をたずねて取材したのですが、本特集ではその取材成果をまとめました。写真展で展示された写真の一部も紹介します。
 韓国現地取材の内容は2月号にも掲載予定です。

 特集のほかにも、全国高等学校ラグビーフットボール大会に4年ぶり10度目の出場を決めた大阪朝高ラグビー部、全国高校サッカー選手権大会東京都予選の準決勝で惜しくも敗れた東京朝鮮高級学校サッカー部のたたかいを追った記事、愛知朝鮮中高級学校創立70周年記念祝典、各国オリンピック委員会連合(ANOC)総会に参加するため11月下旬に日本を訪れた朝鮮民主主義人民共和国の金日国体育相へのインタビュー、2017~18年にかけて連載した「日本の中の外国人学校」を締めくくる担当記者座談会など盛りだくさんの内容となっています。
 そして、1月号から「グラビア KOREA」「よってって!トンポトンネ」「2世と作る朝鮮料理」「となりのトンポたち」「お助け とんぽライフ」「最高の失敗」「ジャーナリストの視点」「名文で読むウリマル」「私のアボジ」など新しい連載もスタートしました。こちらのほうもぜひご注目ください。(相)
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大阪朝高ラグビー部、初戦は28日、日川高校と

2018-12-14 09:55:46 | (K)のブログ


 12日のブログで(麗)さんが「今年はアツい年末年始!」と、大阪朝鮮高級学校ラグビー部の全国大会出場のことを書いている。大阪朝高が、大阪府予選第2地区の決勝戦で同志社香里高校を破り第98回全国高等学校ラグビーフットボール大会(花園)への出場を決めたことは、日刊イオでも報告した。
 全国大会の組み合わせが決まったので、大阪朝高の試合についてお知らせしたい。

 残念ながら大阪朝高はシード校には選ばれず、1回戦からの出場となった。大会は27日(木曜日)から始まるが、大阪朝高の初戦は28日の10時から(第3グラウンド)。対戦相手は山梨県代表の日川高校に決まった。日川高校はとても強豪で、花園には13年連続48回目の出場となる。初戦から激闘が予想される。
 初戦に勝った場合、次の対戦相手はBシードの報徳学園(兵庫県)。シード校だから強いのは当然で、花園には3年連続45回目の出場となる。昨年は準々決勝で、優勝した東海大大阪仰星に敗れたチーム。
 こうして見ると、大阪朝高は非常に厳しい戦いになると思われる。権監督は大会の目標をベスト8以上だとインタビューで語っていた。ベスト8になるには1月1日の試合に勝たなければならない。その前に報徳学園に勝たなければ、(麗)さんの言う「アツい年末」にはなっても「アツい年始」にはならない。なんとか勝ちぬいてほしいと願っている。

 1月18日の府予選決勝から大会まで40日。高校生は40日間でどんどん強くなれる。1ランクも2ランクもチーム力を高めて全国大会に臨んでほしい。私も花園に足を運び大阪朝高の試合を久しぶりに見たいと思っている。(k)

 朝鮮新報では大阪朝高ラグビー部の選手をHPで紹介している。
http://chosonsinbo.com/jp/2018/12/osaka-player2018/
 また、応援実行委員会では大阪朝高ラグビー部への「応援協力金」を募集し支援を呼びかけている。その詳細も朝鮮新報のHPで。
http://chosonsinbo.com/jp/2018/12/se_osaka-lugby2018/
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愛知無償化裁判、控訴審始まる

2018-12-13 10:12:15 | (全)のブログ
 高校無償化制度から不当に排除されたことにより、生徒たちの学習権、平等権、人格権が侵害されたとして、愛知朝鮮中高級学校の高級部生徒・卒業生らが2013年1月24日に起こした国家賠償請求裁判(愛知無償化裁判)。
 今年4月27日、名古屋地方裁判所で原告全面敗訴の判決が下された同裁判の控訴審第1回口頭弁論が12月12日、名古屋高等裁判所1号法廷で行われた。
 裁判所には愛知朝鮮中高級学校の高級部3年生の生徒、同胞、支援者ら133人が85の傍聴席を求めて列をなした。
 
 法廷では、原告側を代表し卒業生が意見陳述を行った。

 原告の卒業生は、地裁判決で裁判所が、民族教育を受ける権利や学ぶ権利を侵害していないと述べたことについて、生徒たちが勉強や部活を通じて学力や人間力を育むべき学校生活の時間を削り、差別是正を求める街頭宣伝を行っている現状を裁判所は直視しておらず、地裁判決は裁判所を信じて頑張る後輩たちの姿を否定したものだとのべた。

 また、朝鮮総聯からの「不当な支配」があると認定し、このことを理由に朝鮮高校からの無償化排除を正当化した同判決には、朝鮮は「危険な軍事国家」であり朝鮮を祖国とする朝鮮総聯も日本を脅かすような反社会的な団体だという価値観が根底にあるのではないかと指摘した。
 最後に原告は、裁判所が愛知朝鮮高校と生徒たちと真摯に向き合い、正義と良心に従った判決を下すことを求めた。

 続いて、原告側の裵明玉弁護士が要旨陳述(控訴理由書、準備書面1、準備書面2)を行った。裵弁護士は朝鮮学校を不指定とした国側の処分理由の3点(①省令ハの削除、②愛知朝鮮高校の2012年度の教員数が規程6条の必要教員数に満たないこと、③愛知中高が規程13条に適合すると認めるに至らなかった)を挙げながら、②、③は省令ハに基づく指定の基準を定めた下位法令であり、省令ハの削除とともにその存立の基礎を失うので、省令ハの削除と規程6条および、同13条に関する処分理由は、論理的に両立しえないと指摘。省令ハの削除は高校無償化法による委任の範囲を逸脱する違法な措置だと同地裁判決の不当性鋭く指摘した。
 
 控訴人側は、本件省令ハの削除は朝鮮高校に対する差別感情を助長させる効果を有するものであるため、認めることはできないとして、「省令ハによる人格権侵害」を否定した原判決に対して、高校無償化除外と関連して日本各地で行われ、拡散された大量の在日朝鮮人・朝鮮学校に関するインターネット上のヘイトスピーチを一覧にして控訴理由書の別紙として添付した。
 裵弁護士はネット上のヘイトスピーチの一部を例に挙げながら、これらが控訴人らに対する差別感情を助長させることは明らかであり、省令ハの削除は、社会差別を助長させ、朝鮮人である原告らの人格的利益を侵害する効果を有するものだと指摘した。

 また、裵弁護士は名古屋大学・石井拓児准教授(教育法学・行政学研究者)の意見書を引用しながら、愛知朝高が教育基本法16条1項の禁ずる「不当な支配」を総聯から受けているなどの疑念があるとして、裁判所が教育内容にまで言及した原判決の判断は、16条1項の解釈を誤り、客観的な事実に反するものだとのべた。

 今回、原告側は高校無償化法及び省令ハの趣旨や目的を担当者として熟知していた前川喜平・元文部科学事務次官の証人採用を求めた証拠申出書を裁判所に提出した。

 口頭弁論の後、18時から名古屋朝鮮初級学校で報告集会が行われ、生徒、同胞、支援者らをはじめとする100人を超える人々が参加した。

 報告集会では内河惠一弁護団長があいさつをのべた後、裵弁護士が控訴審について説明を行い、質疑応答の時間も設けられた。





 愛知朝高の高級部3年生の全生徒らはこの日、報告集会にも参加。集会では高3生徒による合唱も披露され、多くの参加者を勇気付けていた。



 第2回口頭弁論は2019年1月28日(月)15時から行われる。(全)
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今年はアツい年末年始!

2018-12-12 10:00:00 | (麗)のブログ
先日、イオ新年号の締切を終えました。
大きなミスもなく、無事に刷り上がってくれる事を願います。

いよいよ2018年もあと少し。
忘年会や年末年始の話がちらほら聞こえてくる季節です。

今のところいくつか予定が入っていますが、今年はなんといっても年末にある全国高校ラグビー大会!
大阪朝高が4年ぶり10度目の「花園」出場とあって、とてもワクワクしています。

大阪府予選決勝には私の両親が観戦していたらしく、母は試合経過をLINEで逐一報告してくれました。
大阪朝高が5年連続で全国大会に出場した時は、いつも家族で応援に行っていました。
父は手作りのトーナメント・対戦表を作って出場校の勝敗をチェック。そういった風景もちょっとした風物詩でした。

大阪朝高の第一回戦は12月28日10時キックオフ!
今年はどんな活躍を見せてくれるのか…。楽しみでなりません!

イオ新年号では、大阪府予選決勝で4年ぶりの花園出場を果たした同校の記事も扱っていますので、是非ご一読を…!(麗)
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「平和と統一をうたおう!」

2018-12-11 10:00:00 | (理)のブログ

 前回に引き続き、ソウルで見聞きしたことを紹介したい。
 12月2日、ソウルに着いてお昼ご飯を食べたあと、さっそく車に乗り込んでソウル特別市の北東に位置する蘆原区へ向かった。区民会館で「平和統一のど自慢」が開催されているという。


 
 会場に入ると、ちょうど一人の若い女性が舞台に上がったところだった。



 「南と北の人たちが一日も早く会える日が来ることを願ってうたいます」。自身の思いを交えて自己紹介を終えるとイントロが始まる。

 「…우리의 이별은 너무 길다/이제 만나야만 한다/서운한 마음은 모두 잊자/우리는 하나니까(私たちの離別はあまりにも長い/もう出会わなければ/寂しい気持ちはすべて忘れよう/私たちは一つだから)…」

 聞きながらハッとした。南側の有名アーティストたちが参与して2005年に制作された「그날이 오면(その日が来れば)」。私は高校生の時に、朝鮮学校の先生からこの歌を習っていたのだ。10年以上前に教室で聞いた曲。その時は(いい歌だな~)程度に思っていたが、それ以上の感慨は持たなかった。統一について感じる力、考えるための知識や経験が圧倒的に少なかったのだろう。
 今回、南側の同胞が心を込めてうたっているのを見ると、なんだか自分もその場につながっているような気がしてジーンとした。





 その他にも、総勢20組が自慢の歌声を披露! 参加したのは一般区民たちだが、みな驚くほど上手ですっかり聞き入ってしまった。



 会場には老若男女が集まり、手には統一旗を持ちながら思い思いに声援を送っていた。

 同行事を主催したのは、ソウル南北首脳会談と金正恩委員長のソウル訪問を歓迎する「蘆原市民歓迎団」。第4回目の首脳会談への期待が高まる中、18年11月上旬から呼びかけを始めた「ソウル市民歓迎団」に呼応して、市内25の自治区の中で最初に発足(11月21日)した区民単位の歓迎団だ。区内の市民社会団体が主体となり、賛同者を集めた。



 発足後さっそく企画されたのが「ノウォン平和統一のど自慢」。“平和と統一をうたおう!”というコンセプトを掲げることで、歌うのが好きな区民たちの心をつかみ、行事には35のチームと個人がエントリーした。当初、想像していたよりも多くの応募があったため、本番前日にはオーディションまで行い20組まで厳選したという。審査基準には、「平和と統一への思いがどれだけあるか」という項目もあるそう。





 会場では他にも、首脳会談の開催を歓迎するメッセージを書くコーナーや、北南両首脳のパネルと一緒に記念撮影できるブースも用意されていた。一般の人たちが生活の中で統一について考え表現する場が身近にあるのは素敵だなと感じた。



 会場の外に出ると、歓迎ムードを盛り上げるための宣伝カーも停まっていた。
 南では思っていたよりも大々的に、多くの人を取り込んで歓迎ムードが広がっていることに驚き、興奮した。(理)
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〝平壌市民が歓迎してくれたように” ーソウル、釜山で首脳会談歓迎委員会が続々

2018-12-10 10:10:00 | (瑛)のブログ
 今、朝鮮半島の南では「9月平壌共同宣言」に記された金正恩委員長のソウル訪問を一日も早く実現させようと、市民たちがさまざまな歓迎プロジェクトを立ち上げている。

 その中心にいるのがウリキョレハナトェギ運動本部(우리겨레하나되기운동본부、略称:キョレハナ、2004年創立)。

 ユニークなイベント企画やグッズ作成でその輪を広げている。今回、イオ編集部はソウルと釜山の現場で、市民たちを取材。地方都市では釜山が盛りあがっていると聞き12月3日、現地へ向かった。釜山は文在寅大統領の出身地だ。




 
 ソウル駅からKTXに乗り2時間強。向かった先は釜山の一番南側に位置する影島区。釜山駅から影島大橋を渡り、南北首脳会談成就・歓迎影島区準備委員会の発足式が開かれているという区庁舎の会議室へ。入口には「9月平壌共同宣言」の記念切手や朝鮮半島を描いたバッジが飾ってある。




 同準備委員会は、保守・進歩といった立場を越えて北南首脳会談開催を支持し、その成功を願う政党、市民社会、宗教団体をつなげるために約1ヵ月の準備期間を経て発足。「ヨンドから統一を、首脳会談を願う心を表現したい。平壌市民たちが歓迎してくれたように、金委員長を迎えたい」と語るのは準備委員会執行委員長で釜山キョレハナのリ・ボヨンさん(43)。「12万人のすべての区民にこのプロジェクトを伝えることを目指している」との言葉からその意気込みが感じられた。

 この日に向けて釜山市や市内の自治体、各政党、女性組合、教組、保護者団体などに協力を要請し、結果16の団体がこの事業に参加することに。会議には区長や区議会議員ら約30人が参加。その姿に目的が広く共有されたことが伝わってくる。



 会議ではソウル首脳会談の「その日」に向けたプロジェクトが次々と発表された。

 南北首脳会談歓迎1000人宣言を発表しよう/会談の日には、影島大橋からヨンソン消防署までの区間を統一旗で飾り、沿道に300人を集めよう/首脳会談歓迎団を募集し、前夜祭や歓迎イベントを開こう/ソウルにも代表を送ろう…次々と発表されるプログラム。参加者からは、「企業からもバスを出してもらえるよう広報しましょう」と積極的な提案がなされていた。



  区議会議員のキム・ギタクさん(35)は、「ここは老人たちが多く住む保守的な地域だが、板門店と平壌での首脳会談後には統一を反対する人が本当に減った。ソウルでの首脳会談に市民たちも参加できるような雰囲気を作り、盛り上げていけば首脳会談の持つ意味を伝えられる。とにかく全国民の祝祭になるでしょう」。

 「金委員長がソウルに実際に来られたら、南における반북의식(反北意識)は100%変わるでしょう」とリさん。1976年生まれのリさんは、自身も育つ過程で反共教育を受けてきた一人だという。「北の人々も私と同じ言葉を話すけれど、私たちとは『違う』と感じてきた。北の子どもたちが笑うことすら想像できなかった。板門店宣言が発表され、かの地に同じ同胞が暮らしていると思えるようになった。だからこそ、金委員長には必ず来ていただきたい」と目を輝かせる。翌4日からは区庁舎の2階で北南首脳会談の写真が展示されるという。

官民あげて知恵を絞り、行動する市民たち。一人ひとりの確かな歩みがあってこそ、「統一=平和」を勝ちとれるのだと胸が熱くなった。(瑛)
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『スパイネーション 自白』と『조국이 버린 사람들』

2018-12-07 10:00:00 | (相)のブログ
 

 公開中の韓国映画『共犯者たち』(2017年)と『スパイネーション 自白』(2016年)が話題だ。
 ともにジャーナリスト・崔承浩さんが監督したドキュメンタリー。『共犯者たち』は2008年からの李明博、朴槿恵両政権の約9年間にわたる言論弾圧の実態を告発した作品で、『スパイネーション 自白』は韓国・国家情報院による「北朝鮮スパイ」捏造事件の真相を暴いた作品。両作品とも2012年に公営放送局MBCを不当解雇された崔監督(現在はMBC社長)と、同じく放送局を解雇された記者らと立ち上げた非営利独立メディア「ニュース打破」取材班による調査報道が基になっている。
 今年6月になかのZEROで行われた上映会で『共犯者たち』を鑑賞済みだったので、今回は未見の『スパイネーション 自白』を観た。本作品も『共犯者たち』と同様、良質なドキュメンタリーで、一見の価値ありと勧められる。
 作品の白眉は、1960~80年代(とくに70年代)にかけて起こった「在日韓国人留学生スパイ事件」を取り上げた箇所だろう。これまでの取材でお会いしたことのある被害者の方々も何人か登場している。
 本作品を鑑賞するためには、事件に対する理解が不可欠だが、代表的な参考書籍として『조국이 버린 사람들 재일동포유학생간첩사건의 기록』(김효순 지음, 서해문집, 2015)がある。著者の金孝淳は「ハンギョレ新聞」の初代東京特派員。事件の全貌と歴史的背景に迫ったルポルタージュ、反共軍事独裁政権下で犯されたおぞましい人権弾圧の証言集となっている。
 本書を出版当時に読んだが、映画の公開を前に再読してみた。11月に日本語版、『祖国が棄てた人びと─在日韓国人留学生スパイ事件の記録』(金孝淳著、石坂浩一監訳)が明石書店から出版されている。(相)



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ふたたび、映画「沈黙-立ち上がる慰安婦」の上映に応援を

2018-12-06 09:56:33 | (K)のブログ
 10月17日の日刊イオで、(相)さんが「映画『沈黙-立ち上がる慰安婦』の上映に応援を」という文章を書いている。https://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/6849b1f9d699119c53f7795a3949e596
 在日朝鮮人2世の朴壽南監督によるドキュメンタリー映画「沈黙-立ち上がる慰安婦」(2017年公開)の紹介と、この作品をヘイト集団が攻撃し上映を中止させようとしていることを報告した。
 そのブログから3週間ほどが経ったが、作品への攻撃は今も繰り返されている。そのことを神奈川新聞が11月29日にネットで伝えているので、ぜひ読んでほしい。「脅迫や右翼街宣で妨害行為 横浜で元慰安婦の映画上映」http://www.kanaloco.jp/article/374593?fbclid=IwAR2fn6iTMdlQy3qEubEmuLoc4ntFAWQU0m3UNyG63825yhHJGfrPRsa93SE

 記事の最後にも書かれているが、明後日の8日(土曜日)、横須賀市内で上映会が予定されていて、妨害行為に対抗すべく関係者らが行動し訴えを起こしている。
 朴監督の関係者らはSNSで「上映会への抗議、妨害が過熱してます」としながら、右翼団体の構成員が8日の上映会にも押しかけることを予告していること、それに対抗するために会場に来れる人を募っていると訴えている。
 またピースムーブ・ヨコスカという団体も、フェイスブックで次のように訴えている。
 「「NO!ヘイトスピーチ」アクションを呼びかけます。新聞報道にもあるように、茅ヶ崎、横浜での上映会について、右翼団体からの継続的な攻撃、脅迫があり、現在、緊迫した状況があります。これまで、各地の上映会実行委員や有志の方数人が、地域を超えて支えあいながら、上映会を実施してきました。12月8日(土)には、横須賀で上映会があります。私たちは、戦時中に日本が朝鮮半島の女性にした加害行為を繰り返さないためにも、正しく知る事が大切だという趣旨で、この映画を支持します。呼びかけ内容:右翼による上映会妨害に対して「私たちは傍観しない」と、会場の外でプラカード等を持つスタンディングで意思表示をします。ぜひ、一緒に行動をお願いします。」https://www.facebook.com/1693514237587637/posts/2275014412770947/

 日本軍性奴隷制度被害者たちが、日本政府に対し謝罪と国家補償を求めて闘うハルモニたちの姿を記録したこの作品。だからこそ攻撃対象となっている。攻撃に屈することは絶対にあってはならない。

 韓国の聯合ニュースは昨日、次のようなニュースを伝えた。
 「旧日本軍の慰安婦被害者が共同生活を送る韓国の施設「ナヌムの家」(京畿道広州市)は5日、被害者のキム・スンオクさんが体調悪化により同日午前に死去したと発表した。97歳だった。……キムさんが死去したことで、韓国政府が認定した慰安婦被害者240人のうち生存者は26人に減った」https://jp.yna.co.kr/view/AJP20181205001400882?section=japan-relationship%2Findex&fbclid=IwAR18p5UhJH64F7QLhBKAW1D22go-GzZdDq90Mhe87bf8-PjOuJcv8TDOfNE


 残されている時間はあまりない。(k)

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【ソウル発】南・北・海外共同写真展「평양이 온다」が開幕!

2018-12-05 09:30:00 | (理)のブログ

 北・南・海外共同写真展「평양이 온다(平壌が来る)」が、12月3日から今日にかけてソウル特別市鍾路区にある天道敎中央大敎堂で開催されている。



 主管は韓国のネットメディア・民プラス、朝鮮民主主義人民共和国の朝鮮6.15編集社、そして日本の朝鮮新報社だ。写真展への参加と取材のため、朝鮮新報社から6人の社員がソウルに来ている。
 このような写真展は祖国分断以来、初めて。今年4月に板門店、9月には平壌で実現した北南首脳会談によって社会の雰囲気が変化する中、「板門店宣言」「9月平壌共同宣言」の履行を促し、統一の機運をより高めようと企画された。



 初日には開幕式が行われた。民プラスと朝鮮新報社の関係者ほか、写真展を後援した各団体、議員、ソウル市民など多くの人が参加した。
 開幕式では民プラスのチョ・ホンジョン理事長があいさつに立った。



 また、朝鮮新報社の崔寛益主筆が発言した。
 崔主筆は「朝鮮新報は、日本や大国のメディアが故意的に作りあげた北側に対する曇った印象や認識を解消するため、解放直後の創刊時から今日まで一貫して朝鮮半島の情勢と朝鮮民主主義人民共和国のありのままの姿を伝えてきた」としながら、「統一時代の要求に応じて、この展示会をきっかけに北と南をつなぐ架け橋としてさらに尽力していきたい」と話した。



 民族和解協力汎国民協議会(統一問題に関する韓国内の合意を導き、民族和解と協力、平和を目指して1998年に発足された連絡組織)のキム・ホンゴル代表常任議長は、「写真を通して南北と海外の同胞たちがいち早く和解と統一を実現したようで、胸がいっぱいだ。1年前には想像もできなかった大きな変化が朝鮮半島で起こっている。この平和と統一への歩みはもう止まることがないだろう」とのべた。



 開幕式が終わると、朝鮮新報社の盧琴順記者による写真の解説が始まった。今回、出展された写真は108点。そのうち80枚は盧記者が撮影したものだ。現地でのエピソードを交えた解説に、人々は興味津々だった。



 その後も、会場を訪れた市民たちが思い思いに写真に触れた。顔を近づけてじっくりと見つめる人、スマホやデジカメで写真を撮る人、興奮して感想を交わす人たち。特に子どもをはじめとする平壌市民の豊かな表情を見て、顔をほころばせたり笑い声を上げる人が多かった。











 昨日は女子高生たち10数人が先生と一緒に見にきたそうだ。
 「韓国国民の生活と北の人々の生活はあまりにもよく似ているんですね」「分断の痛みを治癒できる日が来ることを願います♡」「民族の新しい世界、明るい未来、万歳!」「平壌が来る! 私も行きたい。自主統一のその日を早く迎えよう」…。感想ノートには老若男女の素朴な言葉が綴られていた。



 小さい子どもがいる家族の姿も。会場を周ったあと、写真の前で記念撮影をしていた。



 夫婦でふらりと立ち寄ったというある男性市民(53歳)は、「韓国では北に対するイメージがものすごく両極端。とても肯定的に話す人がいる一方で、それとは正反対の否定的な人もいる。一般市民はその間で混乱しがちだ。この写真展は比較的フラットなものだと思う。市民たちの目で客観的に見ることができる機会がもっとあればいいと感じた」と話していた。



 ソウルの中心地にやってきた平壌。色とりどりで笑顔溢れる写真群はソウル市民たちに、北側に暮らす同胞の身近さと息づかい、親しみを感じさせた。同時に、あまりにも長い間、互いについてよく知らない時期が続いていたという今さらながらの実感も与えたように思う。

***



 朝鮮新報社一行は4日間の取材を終えて本日、日本に戻る。イオ編集部では写真展のほか、ソウルと釜山で統一運動や在日同胞との交流を促進する各団体を取材した。この期間、「統一」という言葉を何度聞いたかしれない。

 イオでは何度も統一に関する特集を組み、自分自身もそこに関与してきたが、今回のたくさんの出会いによって実感がまだ全然足りなかったことに気づかされた。というよりも、出会い自体がまだまだ足りなかったのだと思う。
 驚くような光景をたくさん目にし、市民たちの切実な願い、これまでの実践と経験に何度も言葉を失った。まだまだ書きたいことはたくさんある。イオ2019年の新年号でじっくり特集し、このブログでも引き続き紹介したい。(理)
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楽しい料理撮影

2018-12-04 10:00:00 | (麗)のブログ
(理)さんが先週書いていた通り、新連載の料理企画の撮影をしてきた。

教わりながら記者が料理を作るという企画は、私がイオに来て初めてだったので色々と大変ではあったが、
二人とも楽しそうにしていたので、撮っているこちらとしてもとても楽しく撮影ができた。

そして段々と包丁さばきが上手くなっていく(理)さん。エプロン姿も様になっている。
その姿を見て、記念に撮っておかないと…!と、かのじょの手元のみならず、料理をしている姿を撮っていた。
勝手に親心みたいなものが芽生え始めてしまった。


「次(料理をするの)は(麗)さんね!」と、料理を教えていただいた高さん。
そうなる事があれば頑張ります…!

いただいたキムチはとても美味しく、ごはんが進む、進む!
やはり朝鮮料理は美味しい。そう感じた一日だった。

「食べたい!」と思わせるような美味しそうな写真を撮れるよう、頑張っていきたい。(麗)
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金明輝監督率いるサガン鳥栖、J1残留決定!

2018-12-03 10:11:29 | (全)のブログ
 朝鮮学校卒業生として初めてのJ1クラブの監督に就任した、金明輝監督(伊丹初級、尼崎初中卒業)。金監督については朝鮮新報の連載、「〈蹴球七日~同胞サッカー選手の足跡 18〉」でも紹介されているので是非、読んでいただきたい。
http://chosonsinbo.com/jp/2018/11/syuukyuunanoka-sagantosu/

 金監督就任後、鳥栖はアウェーでベガルタ仙台に勝利を挙げるなど、3勝1分の成績。急浮上で降格圏から抜け出した。。J1では、鳥栖を含む5チームが勝ち点41で並び、残留争いは最後まで熾烈を極めていた。迎えた、12月1日の最終節。引き分け以上で残留が決定する鳥栖は、鹿島アントラーズと対戦。0-0で引き分け、J1残留を決め、得失点差でジュビロ磐田がJ2とのプレーオフに回ることになった。

 サガン鳥栖のホーム、佐賀県では号外が出され、JR佐賀駅などで貼り出されたという。地元サポーターは残留が決まり、一安心に違いない。

 サガン鳥栖といえば、元スペイン代表FWのフェルナンド・トーレスが所属している。昨今、J1には元ドイツ代表のルーカス・ポドルスキ、元バルセロナ所属のアンドレス・イニエスタなど海外リーグで活躍した選手らが集うリーグとなっている。また、スペイン代表最多得点者のダビド・ビジャのヴィッセル神戸への加入が決まり、巷を騒がせている。

 盛り上がりをみせるJリーグ。11月3日には金鍾成監督率いるFC琉球のJ2昇格が決まっている。Jリーグでは選手のみならず、コーチ・監督として在日同胞が活躍する場が広がっている。今後もJリーグの在日同胞選手、監督から目が離せない。(全)
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批判高まる入管法改正案~技能実習制度の廃止を

2018-11-30 10:00:00 | (瑛)のブログ


 11月27日に衆議院を通過した外国人労働者の受け入れ拡大に向けた出入国管理法(入管法)改正案。28日から参議院本会議で審議入りしたが、外国人の新たな人権侵害につながる「欠陥法案だ」だと批判が高まっている。

 そもそもこの法案は「人手不足を解消したい」という経済界の要望を受けて成立が目指されているが、外国人の慢性的な低賃金状態をより拡大する「第2の技能実習制度」だと危惧されているのだ。

11月21日に参議院議員会館で行われた院内集会「今こそ、包括的な移民政策を!-政府が進める『新たな外国人材の受入れ』を問う」(主催:移住者と連帯する全国ネットワーク、以下、移住連)には、衆参の両院議員、専門家や外国人労働者が多数参加し、制度の問題点が指摘された。

 日本政府が「外国人材」を受け入れるために法案を制定した経緯はこうだ。

政府は、2018年6月15日、経済財政諮問会議の答申を経て、「経済財政運営と改革の基本方針2018」(以下、「骨太の方針2018」)を閣議決定し、この中で就労を目的とする新たな在留資格を創設し、外国人労働者の受け入れ拡大を表明した。これを受け、同年11月2日、新たな在留資格として、「特定技能1号」と「特定技能2号」を創設し、入国管理局に代えて「出入国管理庁」を創設することを内容とする入管法改定案が閣議決定され、第197回国会に提出された。

 政府は19年4月からこの2つの在留資格に基づく外国人の受け入れを始め、2025年までに34万人の外国人労働者を受け入れるとしている。受け入れ分野については、当初は農業、建設、宿泊、介護、造船の5分野だったが、その後は外食や飲食料品製造が加わり、14分野に及ぶ可能性が示されている。

 これまで日本政府は、専門的・技術的分野以外の、非熟練労働(いわゆる「単純労働」)としての外国人労働者は受け入れないという方針を維持してきた。しかし、実際には技能実習生や留学生といった、本来は就労を目的としない在留資格を持つ人たちが非熟練労働の分野に就労し、日本経済を支えてきた経緯がある。

新たに創設される 「特定技能1号」とは、「相当程度の知識または経験を要する技能を要する業務に従事する活動」、

「特定技能2号」とは、「熟練した技能を要する業務に従事する活動」とされており、「1号」には家族帯同も認められていない。

 5年もの間、家族と離れて暮らすということ自体、人道的に問題があるとして移住連などは廃止を求めていた。

 さらに、今国会で法案が審議されるなかで法務省が提出した資料「失踪技能実習生の現状」の中に多くの誤りがあることが判明し、批判の声が高まっている。

 この資料は、17年度中に退去強制手続きを受けた外国人中、「実習実施者等から失踪した技能実習生」に対して行われた聴取の結果に基づいたものだ。

 資料では、「失踪の原因」について、「①技能実習を出稼ぎ労働の機会と捉え、より高い賃金を求めて失踪するものが多数」「②技能実習生に対する人権侵害行為等、受け入れ側の不適正な取り扱いによるものが少数存在」等と報告していた。

 しかし、その後、報告の基礎資料となった聴取票には、「より高い賃金を求め」たという項目が存在せず、他にも多くの数値が誤っていたことが判明した。低賃金を理由に失踪する労働者は最低賃金を下回る賃金しか支払われず、休日のない連続勤務を強いられたため離職するケースも多い。この実態を隠そうという意図があったという批判は免れないだろう。

 この日の集会で同法案の問題点をまとめたアピールが発表されたので、ぜひ読んでいただきたい。
 http://migrants.jp/wp-content/uploads/2018/10/ff84091fb1cd117b41ec2a7a261dcc8c.pdf

 日本にはアジアの国々から多くの労働者が入ってきているが、遡ると日本の植民地支配を受けた朝鮮半島からも多くの労働力を搾取してきた。歴史的に見ると、この時代への反省がないからこそ、在日朝鮮人への差別がいまだ続いているのだ。外国人といえば、その労働力として安価に利用しようという視点しか出てこない政策の乏しさ…。問題山積みの法案、施行された後の大混乱が予想される。(瑛)


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「今こそ、包括的な移民政策を!」11.21院内集会アピール
〜外国人労働者が「人間」として暮らすために〜

「『単純労働者』は受け入れない」「移民政策ではない」。もう建前は十分だ。その建前の陰で、外国人労働者・移民、外国にルーツをもつ人びとの権利や尊厳がないがしろにされてきた。
「外国人が増えると治安が悪化する」「日本人の雇用条件が悪化する」「外国人が日本の保険制度にただ乗りをしている」。もうデマは十分だ。そうして日本人と外国人の対立が煽られ、多様な人びとがともに暮らすこの社会の現実は見えなくさせられてきた。

 外国人技能実習生の過酷な労働実態に再び注目が集まっている。周知のように、技能等の移転を通じた国際貢献を目的とする外国人技能実習制度は、実際には、安価な労働力を受け入れる経路として利用されてきた。
この制度は、技能実習生に家族の帯同や転職の自由を認めないことによって、「労働力」が「人間」として暮らす局面を最大限制限している。それは「『単純労働者』は受け入れない」「移民政策ではない」という建前を維持するために作り出され、維持されてきた制約ともいえる。

 しかし、今明るみになっている技能実習生の数々の人権侵害は、結局、この制度が、彼・彼女らの労働者としての権利を制限し、生活のあらゆる部分を管理下に置くことによってしか維持され得ないことを示している。つまり「人間」を「労働力」としてしかみない制度は、「人間」としての暮らしを制限することによってしか成り立ち得ないのだ。そうして、「人間」としての移民を「労働力」としてしか扱ってこなかったのが、日本の過去30年間の、いわば「移民政策なき移民政策」である。

 今、ようやく、政府から外国人労働者を正面から迎え入れる案が出されたことを私たちは歓迎する。しかしその中身はまたもや、移民を「労働力」としてしかみないものである。

 今、私たちは岐路に立っている。過去30年の「過ち」を再び繰り返すのか。それとも現実を直視し、「人間」が「人間」として暮らすことのできる社会をともにつくる方向に踏み出すのか。

 私たちは、「人間」が「人間」として暮らすことのできる社会を求める。なぜなら外国人労働者・移民、外国にルーツをもつ人びとは、すでに「ここにいる」からだ。彼・彼女らは「人間」としてここにいる。国家がいかにコントロールしようとしても、社会がいかに「労働力」として扱おうとしても、この厳然たる事実は変わらない。
とするならば、彼・彼女らが、「人間」として暮らせるための権利と尊厳が保障されなければならない。この原則に立ち、現在の政府案に関し、以下のことを求める。

1. 多くの人権侵害を生み出して来た外国人技能実習制度を新たな受け入れ制度への入り口とはしないこと。技能実習制度は直ちに廃止すること。

2. 「特定技能1号」「特定技能2号」の区別をやめ、就労可能な他の在留資格と同じように、はじめから家族帯同が認められ、永住につながり得る在留資格を設けること。また新しい在留資格による受け入れは直接雇用によるものとし、技能実習制度の構造に酷似する受入れ機関や登録支援機関などの仕組みは排除すること。さらに外国人労働者に、日本人と同一の賃金を実質的に保障するための体制を整備すること。

3. 「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」の検討にあたっては、管理強化の体制を全面的に改めること。そのためには、出入国管理を司る法務省には司令塔的役割を与えないこと。内閣府もしくは専門的省庁がその役割を担うこと。

4. 外国人労働者が社会の一員として暮らすための体制を整備すること。すなわち家族帯同、日本人と平等の社会保障(健康保険、年金等)、日本語教育、子どもの教育など、生活者としての権利を実質的に保障すること。非正規滞在者については、彼・彼女らの日本社会とのつながりを考慮し、正規(合法)化を認めること。

5. 国籍差別や人種差別の実態を踏まえ、移民基本法、差別禁止法を制定し、移民の権利保障の体制を整えること。
以上

2018年11月21日
特定非営利活動法人
移住者と連帯する全国ネットワーク
院内集会参加者一同
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朝鮮と出会う旅・石川編④

2018-11-29 10:00:00 | (相)のブログ
 イオ2018年12月号特集に掲載された『朝鮮と出会う旅』の拡大版をブログで3回にわたって続けてきたが、4回目の今回が最後になる。

 金沢から羽咋→福浦港→能登金剛→七尾→能登島ときて3日目の晩に金沢へ戻ってきた。

 

 金沢は紅葉の直前の時期だった。

 4日目は、金沢市内の野田山墓地へ朝鮮の独立運動家・尹奉吉(1908-32)の暗葬跡地を訪ねた。

 

 尹は、日本の植民地支配に抵抗し、1932年4月29日、中国・上海での日本陸軍の式典で爆弾を投げ、日本軍将校らを死傷させた人物。上海新公園(虹口公園)で爆弾を投げた尹奉吉は直ぐに逮捕され、上海派遣軍軍法会議で死刑の判決を受け、日本に移送されると大阪陸軍衛戍刑務所に収監された。その後、金沢に移送され、12月19日に第九師団三小牛作業所で銃殺された。遺体は野田山陸軍墓地と一般墓地との間にある、一般人が往来する通路に「暗葬」された。金沢に連れてこられたのは、上海派遣軍の主力部隊だった第9師団が金沢に駐屯していたからだ。
 1945年8月15日、朝鮮が解放されると、尹の遺体は在日本朝鮮人連盟(朝連)所属の同胞らの手によって翌46年3月、処刑後13年ぶりに発掘され、祖国へ帰った。
 その後、1992年に故・朴仁祚さんら有志によって暗葬の跡地が整備され、尹奉吉義士殉国祈念碑も建てられた。
 現在は尹奉吉義士暗葬地保存会の朴賢沢さん(74)が跡地の保存・管理を行っている。朴賢沢さんは故・朴仁祚さんの親族だ。この日、雨の降りしきる中、貴重な史料を駆使した詳細な解説つきで跡地と祈念碑一帯を案内してくれた。

 

 恥ずかしながら、尹奉吉が金沢の地に眠っていることを今回初めて知った次第だ。

 そして、石川への旅の締めくくりとして玉泉園を訪れた。
 玉泉園は、日本三大庭園(日本三名園)にも挙げられるかの有名な兼六園のすぐ隣にある。なぜここを旅の最後の目的地として選んだのかというと、玉泉園を造った脇田直賢(1586-1660)という人物が、今から420年前に朝鮮半島から連れてこられ、加賀藩で金沢町奉行にまで上り詰めた数奇な運命の持ち主だということを地元新聞の記事で知ったからだった。

 

 脇田直賢の幼名は金如鉄という。現在の韓国・ソウル市に生まれた。7歳のころ、「壬辰倭乱」(豊臣秀吉の朝鮮侵略)で父親が戦死。如鉄は秀吉の家臣・宇喜多秀家によって岡山に連れてこられ、その後、金沢の前田利家のもとへ移ってきた。前田家に育てられた如鉄はやがて前田家の二代目藩主・利長の家来に。それから家臣の脇田家に婿入りし、直賢を名乗るようになったという。
 当時、秀吉の朝鮮侵略の際に捕虜として日本へ連れてこられた朝鮮半島の人々は少なくなかった。陶工の話は聞いたことがあったが、脇田直賢については今回初めて知った。
 玉泉園には立派でひときわ目を引く朝鮮五葉松がある。これは、故郷をしのぶため、直賢父子が朝鮮半島から苗木を取り寄せて植えたものだと伝えられている。
 直賢は晩年、名前を如鉄に戻したという。海を越えた異郷・金沢での暮らし。直賢の胸にはどのような感情が去来したのだろうか―。直賢が植えた朝鮮五葉松を見上げながら400年前に思いをはせてみた。

 

 ちなみに、玉泉園は現在、脇田家の手を離れて売却され、西田家の手に渡っている。

 今回をもって、「朝鮮と出会う旅・石川編」のブログ連載を終えたい。お付き合いいただきありがとうございました。(相)
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醜悪な高校無償化問題の自民党決議

2018-11-28 09:57:42 | (K)のブログ
 日産自動車のゴーン前会長の問題や外国人労働者の受け入れ問題でかげが薄いが、何かと話題になり世間を騒がせていた片山さつき参議院議員。その片山議員の「片山さつき Official Blog」の2011年9月6日付に、「自民党は、朝鮮学校無償化手続き再開に強く抗議し、即時撤回を求める決議をしました!その全文をお載せしますので、ご覧下さい」として、当時、野党だった自民党(文部科学部会・外交部会・拉致問題対策特別委員会合同会議)が2011年8月31日に出した「朝鮮学校無償化手続き再開に強く抗議し即時撤回を求める決議」というものが全文、紹介されている。
http://satsuki-katayama.livedoor.biz/archives/5825498.html

 決議文自体はブログのページから読んでもらえればよいのだが、その内容のひどさは想像を絶するものがある。出だしの文章で、自民党が朝鮮学校をどのように見ているのかがよくわかる。読むと、自民党が朝鮮学校に無償化制度を適用することに反対している理由が、最初から最後まで政治的外交的なものであることもわかる。下についているコメントがまたひどい。醜悪きわまりない。

 2012年12月末に発足した安倍内閣は、決議文を実践するように、まっさきに朝鮮学校を高校無償化から排除するために動いた。2013年2月20日、文科省は省令を変えて、施行規則から規定ハを削除、朝高10校を「不指定」処分とした。

 10月30日の東京高裁をはじめ各地の判決は、政治的外交的理由で規定ハを削除し朝高を排除したことが明らかなのにも関わらず、それを見ることなく、朝高排除を支持するヘイト判決を繰り返している。自民党の決議文の醜悪さ、それを受けたかのような判決の醜悪さ。
 7年前の片山議員のブログにコメントを投稿したような人たちが今の日本でどのくらいを占めるのだろうか?

 11月14日、大阪での日本の小学校と朝鮮初級学校との交流会について、批判し糾弾する内容がツイッターに投稿され、ものすごい数が拡散されていた。そこについているコメントもまた、醜悪だった。過去形で書いたのは、ツイッターを投稿したその本人が、いつの間にかツイッター上から姿を消していたから。
 学校に確認したところ、22日の交流会は無事に行われたそうだ。

 最初に、「外国人労働者の受け入れ問題」と書いたが、それと関連する問題を最後に一つ。現在、日本にいる外国人の多くが各地の入国管理センターに不当に収容されている。そのうちの一つ、茨城県牛久市にある東日本入国管理センターの被収容者が、11月20日よりハンガーストライキを開始している。入国管理センターの被収容者の問題は、このブログでも何度か発信してきた。被収容者の人たちが何を求めているのか、ハンスト参加者が提出した「申入書」などを読んでもらいたい。この問題に取り組んでいる仮放免者の会(PRAJ)のホームページ(https://praj-praj.blogspot.com/)に掲載されている。(k)

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朝鮮と出会う旅・石川編③

2018-11-27 10:00:00 | (相)のブログ
 「朝鮮と出会う旅」をテーマにした石川・能登半島紀行の報告も今回で3回目。
 福浦港・能登金剛、神社巡りに続く3日目は、七尾湾内に浮かぶ能登島に朝鮮半島式の古墳を訪ねた。
 石川県内では朝鮮半島と関係のある古墳がいくつか発見されているが、能登島の南に位置する須曽蝦夷穴(すそえぞあな)古墳もそのうちの一つ。
 前日、神社巡りをした後(前回のエントリを参照)、和倉温泉駅近くの古びたビジネスホテルで一泊(温泉街の中の高級旅館ではない)し、翌日は古墳へ向けて午前中の早い時間から動くことにした。
 古墳のある能登島へは能登島大橋を渡ってから行く。能登島大橋は全長1050m、石川県でもっとも長い橋だという。
 移動手段としてはレンタカーがもっとも適しているのだろうが、ペーパードライバーになって久しい筆者は車を断念。かわりに、地元の観光協会のレンタルサイクルを利用することに。たいした道のりではないだろうと勝手に想像し、前方に荷物かごがあるギア付き自転車(いわゆる、ママチャリ)をチョイス、職員にその旨を告げた。目的地を聞かれたので「能登島まで」と答えると職員の表情が一変、「アップダウンきついですよ」と言外に電動アシスト自転車を勧めてきたが、なぜかそのままママチャリを選択し、いざ出発。
 
 

 しかし出発して10数分、橋の入り口に立った瞬間、自らの決断を後悔することになった。橋上からの景色はすばらしかったが、橋の傾斜は自転車で進むにはかなりきつい。

 

 能登島に入ってからもアップダウンはさらに続いた。仮に電動アシスト自転車であっても結構きつかっただろう。全身の筋肉をプルプルと震わせながら周囲長およそ72kmの島中を進む。

 
 自転車で橋を爆走し、山道を登ること約1時間。標高80メートル、七尾湾を見下ろす丘陵に国史跡・須曽蝦夷穴古墳はあった。

 

 

 古墳の前にたてられた解説板には次のような説明が書かれていた。

 須曽蝦夷穴古墳は古墳時代の終わり頃(7世紀中頃)に築かれた有力者の墳墓である。
 墳丘は、東西約18.7m、南北約17.1mの方墳で、正面の墳裾に低い石積みを巡らした典型的な終末期古墳の様式をもつ。
 一方、墳丘内部には付近の海岸から運んだ安山岩板石で一対の墓室(横穴式石室)が造られ、横幅の広い奥室(玄室)やドーム形に持ち送る天井など、朝鮮半島の墳墓に通じる特色を備えている。
 このような石室をもつ終末期古墳は他に例を見ず、日本の対外交流史を考えるうえでもきわめて重要な古墳である。


 説明板にある「朝鮮半島の墳墓に通じる特色」というのは、日本の古墳には例が少ない高句麗式の構造を備えているということらしい。墓の内部からは銀象嵌装飾の刀装具をもつ大刀や、朝鮮半島で例の多い特殊な鉄斧(ほぞ孔鉄斧)などの副葬品が出土したという。

 

 古墳のある丘から七尾湾を見渡す。眺望の説明板にはこう記されていた。

 古墳の前方には、石室に使われた安山岩の露頭がある一本木鼻岬が見え、正面には波静かな七尾南湾、その向こうには七尾市街や背後に横たわる石動山系の山々が臨まれる。
 蝦夷穴古墳が造られた頃、湾岸で暮らす人々は稲作とともに漁や塩つくりを生業とし、七尾湾を活発に往来していた。また、当時七尾付近には鹿嶋津と呼ばれる港が営まれ、北方へ向かう海上交通の拠点でもあった。東北支配をねらう大和政権の意図により、湾岸の人々は時として水軍の一員に加えられ、北の海に向かったものと思われる。こうした能登の海人たちを統括していたのが、須曽蝦夷穴古墳に葬られた人物であろう。


 ちなみに、墓が構築されたのは古墳がほとんど作られなくなった7世紀中頃とされ、被葬者はわかっていない。
 一体どんな人がここに埋葬されたのだろうか。そして、昔の人々はこの丘からの風景をどのような思いでながめたのだろうか―。
 周囲に観光客は誰もいない。時おり吹く風の音しか聞こえない静寂の中、しばし時がたつのを忘れてそのようなことをつらつらと考えた。
 これまで3回にわたって続けてきた石川紀行も次回のエントリでラストになる。(相)
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