日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

「崔順実ゲート」に揺れる韓国

2016-10-31 09:58:36 | (相)のブログ
 韓国で今、朴槿恵大統領をめぐるスキャンダルが国中を揺るがせている。
 大統領の演説文や閣議の資料などの機密文書を知人の民間人女性・崔順実氏(60)に流出させていた疑惑がそれだ。崔氏は大統領の40年来の友人とされている人物で、大統領にさまざまな助言をしていたほか、青瓦台(大統領府)の高官らと接触して人事、外交など国政全般に介入していた疑いがかけられている。また、大統領府や財界の後押しで設立した財団の資金を私的流用していた疑惑も浮上しており、朴大統領は就任以来、最大と言ってもいいような窮地に立たされている。
 メディアには連日、崔氏を指す「비선실세」(陰の実力者)というワードが踊っている。
 これらの疑惑が大がかりなスキャンダルに発展した直接のきっかけは、ケーブルテレビ局「JTBC」が10月24日、崔氏のパソコン内のファイルを入手し、その内容を報じたことだった。そこには、上記の疑惑のさまざまな形跡が残っていたという。
 朴大統領は10月25日に談話を発表。「就任後、一定期間、一部の資料について意見を聞いたことはあるが、補佐体系が完備されてからはやめた」としたうえで、「国民の皆様にご心配をかけた」と謝罪した。しかし、火消しの努力も実らず、「崔順実ゲート」と呼ばれる疑惑の炎は次々に燃え広がる。韓国のある調査機関の発表によると、大統領の支持率は26日時点で17・5%に急落した。これは2013年2月の就任以降、最低の数字だ。
 「果たして大統領の資格があるのか」、そんな声も噴出している。29日にはソウル市内で大規模な抗議集会が開かれ、主催側推定で2万人あまりが参加した。
 一方、朴大統領は30日、大統領秘書室長と首席秘書官4人の辞表を受理するなど大統領府の人事刷新に踏み切った。
 渦中の崔氏は昨日、英国から帰国。検察は今日午後に崔氏を聴取する方針だが、疑惑の全容解明が進むかどうかは不透明だ。
 国内では、徹底的な真相究明に加えて、大統領の辞任や弾劾を求める声が各所から上がっている。今回のスキャンダルが朴政権の足元を根本から揺るがせ、大統領自身の政治生命に致命打を与える可能性も指摘されている。(相)




機動隊の「土人」発言と在日朝鮮人

2016-10-28 09:37:35 | (K)のブログ
 住民らの反対運動が続いている沖縄・高江の米軍ヘリパッド建設現場で、機動隊員が、抗議する人たちに「土人」「シナ人」と差別発言を投げつけたことが問題となっている。
 圧倒的な権力を持っている機動隊や警察が、一般市民を見下し弾圧する姿を在日朝鮮人として生きる中でみてきたし、体験してきた。どれだけ不当な強制捜索が、繰り返されてきただろうか。
 2009年12月4日に在特会が京都の朝鮮学校を襲撃した時、警官がずっと横にいたにも関わらず、在特会の蛮行をただただ黙って、見過ごしていた。繰り返されてきたヘイトデモでも警察は何もせず、逆にヘイトを撒き散らす側を「守る」様な行動をとってきた。

 10月25日の共同通信が伝えているが、在特会の前会長の桜井誠氏をインターネット上で脅したとして、警視庁が男子高校生ら5人を書類送検したとのこと。送検容疑は、都知事選のときに、桜井氏に対して「当選させたくありません」などとツイッターに投稿した疑いだという。
 桜井誠氏はこれまでヘイトデモや街頭で、「朝鮮人を殺す」という内容のことを繰り返してきた。朝鮮大学校の前でも「われわれは朝鮮人を殺しにきた」と発言している。いつも警察は真横にいるが、何もアクションを起していない。ネットに投稿した高校生は書類送検したのに。

 沖縄で「土人」「シナ人」と差別発言をした事件は、けっして発言した機動隊員の個人の問題ではない。自衛隊員を擁護する発言をした大阪府知事も醜い。民意を無視して沖縄に負担を押し付ける、そのために動員される機動隊や警察。日本の国家権力の思惑通りにことを進めるために、差別構造を作り差別意識を隊員たちに植え付ける。抗議する住民たちは不当に逮捕する。

 軍事施設建設に反対する人たちは、戦争に加担したくないということ、平穏な生活を送ることだけを願っている。在日朝鮮人もそうだ。(k)


ペンだこが出来た

2016-10-27 10:00:00 | (麗)のブログ
最近、新しく新調したペンタブレットと、クリスタ(CLIP STUDIO PAINT)というイラスト・漫画制作ソフトを購入した。
趣味でそれとなく絵を描いているが、仕事でも時々イラストを描く機会があるので、デジタル絵の向上という目的にただいま練習だ。

ペンタブはワコムの「Intuos5」。
最近、この専用ペンで絵を描いていると、気付けば薬指と親指の付け根にペンだこが出来ていた。
こういう事はいままでなかったので、ちょっと感動した。「その道のプロ」みたいで。

私は間違ったペンの握り方をしている。
箸の持ち方も、大学生の頃までおかしな持ち方をしていたが、いい加減恥ずかしくなって正しい持ち方に直した。
ペンの持ち方まで直そうとしなかったのは、持ち方を変えてしまうと、いままでの絵が思い通りに描けなくなるため―。

それで、今日までちょっと変なペンの握り方を数十年続けている。
正しい握り方は、親指と人差し指で握るが、自分は親指と人差し指と中指で握り、ぐぅっと拳を握るようにペンを握るので、手に余計な力が加わる。
そのため、薬指と親指の付け根にペンだこが出来る。

このペンだこを眺める度に直さなきゃな…と思うのだが、絵のことを考えるとそれも出来そうにない。
ある意味「勲章」とでも思っておこう、と思うことにした。(麗)

ウリハッキョ卒業生として

2016-10-26 10:00:00 | (理)のブログ
 北海道朝鮮初中高級学校で創立55周年記念行事が催された。午前から午後にかけて学芸会と記念式典があり、夜は連合同窓会があった。

 嬉しい再会と久しぶりの母校の雰囲気にも元気をもらったが、今回は特に学芸会が印象的だった。





 幼児らによるお遊戯で始まった学芸会。演目も多彩で一つひとつが丁寧に作られており、見ていてとても楽しかった。



 子どもたちがいきいきと頑張る姿は無条件に素敵だ。また、私が高級部だった頃に赤ん坊だった子が立派に司会をしていたのには驚いた。





 私が特に感動したのは、高級部生徒たちによる舞踊と決意詩だ(写真上)。朝鮮学校の日常を踏みにじる弾圧。挫けそうになりながらも、一つになって立ち向かっていく高級部生徒たちの演技を見ながら涙が止まらなかった。

 北海道初中高の現在の児童・生徒数は55人である。学芸会を見ながらも、その数字を意識してしまう。今の生徒たちも、きっと母校の現状について色々感じているのだろう。表情や目の力がとても強く、それが舞踊にも出ていたと思う。

 私が在学していた頃は確か全校生徒が120人ほどいた。5年前は104人だったという。道内に対象となる子どもの絶対数が少ないなど様々な理由はあると聞く。
 いまある状態をしっかり守ることも大切。それに加えて、なにか状況を大逆転できるような解決策はないだろうか。
 卒業生として、私ができることはなんだろう。(理)


カボチャお化けづくり

2016-10-25 10:00:00 | (愛)のブログ
最近日本中、特に渋谷界隈を騒がしている10月のイベント、ハロウィン。
大人まで仮装する熱狂ぶりをテレビ越しにみながら、自分とは程遠いイベントだな、と思っていました。

ところが今年は園の同じクラスのパパママさんとともにハロウィンパーティーと称した交流会をすることに。
程遠いと思っていたイベントが一気に身近なものになってしまいました。
仮装の道具など一切持っていないので、急きょ甥っ子の仮装グッズを借りて参加。
ハロウィンの仮装グッズを買わずに済んでホッとしました。

交流会では、皆で、ビニール袋で簡単にできるカボチャのお化け「ジャック オウ ランタン」を作りました。
まずビニール袋の底をゴムなどで縛ります。
そして、縛った部分が中にくるように裏返し、その中に新聞紙などを詰め、カボチャの形になるようにビニール袋の口を、紐などで結びます。
そして紐をくるくるとカボチャの形になるようにきつく縛ります。
要らない部分ははさみで切り、
仕上げは黒いビニールテープで顔をつくってできあがり!

工作が苦手な私でも結構簡単にできますが、顔の口の部分が集中しないと作れず、
つい面倒がってしまい、3個目は簡単な口の形になってしまいました。

一緒に作ったカボチャお化けを手に子どもたちはとても嬉しそうでした。
仮装はせずとも、工作をしながら、イベントを楽しむというのもありだな、と思いました。(愛)


100回目の「金曜行動」に思う

2016-10-24 10:00:00 | (S)のブログ

 朝鮮学校への高校無償化制度適用を求め、毎週金曜日夕方に文部科学省前で行われている「金曜行動」が、10月21日で100回目を迎えました。文科省前には1000人の人びとが集まり、日本政府の差別に強く反対しました。
 
 この抗議活動は2013年5月、朝鮮大学校学生の呼びかけで始まり、たくさんの人が携わってきました。
 先代たちが勝ち取ってきた民族教育の権利を奪われてはいけないと胸を張って声をあげる大学生。後輩たちに同じ思いをさせたくないと勇気を振り絞ってマイクを持つ高校生。子どもたちが闘う姿に胸をえぐられながら共に声をあげるオモニ(母親)たち。「日本人の問題」だとこの場に駆けつけ、大学生が参加できない時は「勝手に金曜行動」で運動をつないできた日本の支援者たち。そして、同じ思いで闘う日本全国の朝鮮学校生徒、学校関係者、支援者たち。

 3年の間に、朝鮮高校生や朝大生の多くが卒業し、ここに立つ人たちの顔ぶれも変わりました。そして、高校生から大学生になり、大学生から教員となり、変わらずこの場に立ち続ける姿があります。闘いの3年間は、成長の3年間でもあったように感じます。

 長い闘いは、自分との闘いでもあります。通り過ぎていく通行人を見て悲しくなったり、どうして声が届かないのだろうと虚しさだけが残ったり、そんな金曜日もあったと思います。それでも、一緒に声をあげる仲間の姿に力が沸いた日もあったはず。「頑張ろう」と何度も決心した日々だったはず。
 一人ひとりの顔を浮かべると、この3年間、この場でどれだけの思いが共有されてきたかを考えさせられます。
 
 文科省前「金曜行動」は100回目という節目を迎えましたが、この先、この何倍も回を重ねることになるかもしれません。たとえそうなっても、「絶対に諦めない」という、参加者たちの「覚悟」が見えた金曜行動でした。(S)






子育て雑誌の編集長たち!

2016-10-21 10:00:00 | (瑛)のブログ


 11月号のイオでは、子育て雑誌の編集長たちに登場いただき、子育てのヒントをいただきました。

ご協力いただいたのは、「月刊クーヨン」「kodomoe」「おそい・はやい・ひくい・たかい」「お母さん業界新聞」の4つのメディアの編集長です。

 100人の母親がいたら、その子育ては100通りある。子どもを育てる日々の営みに、喜び、やりがいを感じることもありますが、つまづくこともあります。

 とくに学校に送りだすと、学校社会や地域社会のなかで身につけるべき、「社会性」というものに直面するし、他人を傷つけたり、その逆もある。そんな時に親がどう子どもに声をかけるか。導くか。あるいは突き放すか―。今回の特集で登場いただいた編集長たちは、家庭では子育てをしながら、編集の仕事をしている方々で、共感することが多かった。

 愛知でお会いした、「おそい・はやい・ひくい・たかい」編集長の岡崎勝さんには、とくに刺激を受けました。

 小学校の先生をしながら、隔月の雑誌の編集をしているというから驚き。いや、むしろ、現場感覚があるからこそ、あのような雑誌を作れるのだと感じました。

 子どもが学校に行きたくない、といった時の「親の心構え」や、「10歳からの『性』のこと」など、人にはなかなか言えない、聞けないこともタブー視せずに特集にして、読者たちの声を集めている。もちろん、指針となるようなお話も一緒に。聞くと、編集部は、ママ記者で回しているそうで、そうすることで、読者たちとの距離も縮めているとのお話でした。

お会いした編集部の多くが、読者モニターを定期的に募集し、読者が集う勉強会を開き、読者たちと顔の見える関係を築いていました。その点も、見習いたいと思いました。

とにかく、子どもを産んで育てることは、かけがえのない「宝」をえるようなものですが、実際は大変なことです。この「大変」を一人で抱えないように、お母さんたちの気晴らしから、応援団作りまで、「イオ」が何かできないだろうかと思い、企画したのが、今回の特集です。

 イオのターゲット世代である30代のオンマ、ママたちは、スマホが身近な情報収集手段だと思いますが、「月刊クーヨン」さんは毎月、電子版も出しています。

ご紹介した雑誌をパラパラめくれば、 差し迫る今晩の献立、そして、親子時間にゆとりをもたらすヒントが何か転がっているはず! ぜひ、4誌をご覧いただければ嬉しいです。編集長の皆さま、このたびは本当にありがとうございました。(瑛)

大阪無償化裁判 第15回口頭弁論、裁判は来年2月15日に結審

2016-10-20 10:00:00 | (相)のブログ
 

 大阪朝鮮高級学校(以下、大阪朝高)を高校無償化制度の対象としないのは違法だとして、大阪朝鮮学園が国を相手に無償化申請に対する不作為の違法確認と無償化の義務づけを求めた訴訟の第15回口頭弁論が10月14日、大阪地方裁判所で開かれた。裁判がいよいよ最終局面を迎える中、この日は原告側の4人が証人尋問に臨んだ。地裁には大阪府内の朝鮮学校関係者と児童・生徒たちの保護者、地域同胞、日本人支援者ら100人以上が傍聴に駆けつけた。東京、愛知、広島、福岡の各地で高校無償化裁判をたたかう弁護団の弁護士らも傍聴に訪れるなど、関心度の高さをうかがわせた。
 裁判ではまず、大阪朝高の歴史と同校で学ぶ生徒たちの日常を撮影した約15分間の動画が上映された。
 映像視聴後、証人尋問が行われた。証言台に立ったのは玄英昭・大阪朝鮮学園理事長と大阪朝高の元教員、卒業生、田中宏・一橋大学名誉教授の4人。
 大阪朝鮮学園理事長は原告側代理人の主尋問に答えながら、大阪朝高の教育理念や教育内容などについて説明。朝鮮学校が朝鮮半島にルーツを持つ生徒たちの民族的アイデンティティの涵養に不可欠な存在であることを訴えた。さらには、同校が「日本社会や国際社会で活躍できる人材の育成」という目標を掲げながら、学業やクラブ活動で多くの成果を収め、卒業生もさまざまな分野で活躍しているとのべた。
 玄理事長は、高校無償化制度によって国が初めて外国人学校の生徒たちの授業料を補助してくれる、やっと外国人学校も受け入れてくれるようになったと喜ばしく思ったが、政治や外交問題と絡めて朝鮮学校を就学支援金の支給対象から除外した日本政府の決定はまったく理解できないとのべた。そして、「すべての意志ある高校生が安心して学べる社会をつくる」という高校無償化制度の目的に照らして、朝高にも差別なく制度が適用されることを求めると訴えた。
 続いて証言台に立った大阪朝高の元教員は、朝高の教育内容が日本の公教育と比べても何ら遜色なく、生徒たちの民族的アイデンティティ確立の面からも優れたものであることを自身の経験を基に語った。無償化制度については、「期待が大きかった分、失望も大きかった。生徒たちはなぜ自分たちが対象から除外されたのか、納得できる答えを得られず、それはかれらの中でいまだに疑問として残っている。生徒たちの問いに私自身も答えることができなかった。本来ならば受験勉強やクラブ活動など自分のために時間を使っていいはずの朝高生たちがなぜ何度も街頭に立たなければならないのか。まったく同じことが日本学校の生徒たちに降りかかってきたらどう思うのか」などとのべた。「無償化除外は生徒たちの心に生涯消えることのない大きな傷を負わせた」―踏みにじられた生徒たちの思いを、涙をこらえ声を震わせながら話す証人の姿が胸に迫ってきた。
 3番目に証言した大阪朝高の元生徒(卒業生)は現在、朝鮮大学校の2年生。「無償化制度からの除外によって自分が受けた心の傷を後輩たちには味わってほしくない」という思いから証言台に立つことを決意したという証人は、朝大へ進学後も毎週金曜日に文科省の前で行われている高校無償化適用を求めるアクションに参加している。最後に、裁判官に向けて、「なぜ朝鮮学校が無償化制度から除外されて存在を否定されなければいけないのか納得がいかない。実際に朝鮮高校を見たうえで公正に判断してほしい」と訴えた。
 最後に証言台に立った田中宏名誉教授は専門家の立場から、高校無償化制度からの朝鮮学校除外が場当たり的で、政治的意図に基づく差別政策だったとのべた。田中名誉教授は、外国人学校の教育内容はそれぞれの学校のバックグラウンドによって異なることから、制度適用の審査基準を授業時間数などの「外形的要素」に主眼を置いて定めるなど高校無償化制度は画期的なものだったが、朝鮮半島の政治情勢や日朝関係の停滞など政治的、外交的理由から朝鮮学校のみを制度から除外するためにさまざまな理由が後づけされたと批判。朝鮮学校のみが制度から除外された矛盾や不当性、手続き上の瑕疵などについて指摘した。そして、朝鮮学校に対する無償化適用問題は単なる定住外国人の人権問題ではなく、「過去の植民地支配」という歴史的責任にも関わる問題だとのべ、裁判所の公正な判断を望むと発言を締めくくった。
 次回の口頭弁論期日は来年2月15日に決まった。その場で最終意見陳述が行われ、結審する。2013年1月の提訴から約3年半が過ぎ、裁判は判決に向けていよいよ大詰めを迎える。(相)

食欲の秋

2016-10-19 09:43:05 | (K)のブログ
 世間は食欲の秋だが…。病気で倒れた後、体調も含め生活全般でいろいろと変化があるが、一番困るのは、食欲がなくなったことだ。
 倒れて以来、空腹を感じない。倒れて2ヵ月間、意識を失っていた間、食事はチューブで胃に送っていたようだ。その影響なのか。毎日、3食を欠かさずに食べているが、ただ胃の中に食べ物を入れているだけという感じ。そして、何を食べても美味しいという感覚もない。ものを美味しく食べるためには空腹感が必要だが、それがないから美味しくないし、味覚そのものも鈍感になっていると思う。
 好きだった焼肉も、寿司も、ラーメンも、何もかも美味しくない。食べることは人生の中で多くの部分を占め、生きる楽しみの一つとしてあげられるのだろうが、それがなくなってしまったようでショックが大きい。

 お酒もあまり飲めなくなった。量を飲めなくなった以上に、酔っ払うことに恐怖心がある(でも、毎日、ビールは少し飲んでいるけど)。だから、ほとんど外で飲むことがなくなった。お酒をあまり飲まなくなって、これまでどれだけのお金をお酒に消費してきたのかがわかって愕然となった。
 煙草はずいぶん前からやめているが、この際、お酒もやめてしまおうかと、ふと考える。毎日、嫌なニュースが流れ、朝鮮人が置かれている立場は厳しさを増すが、もともと、お酒で嫌なことを忘れる、やけ酒を飲む、ということがないのでかまわない。

 こんなことを書いているけれど、昨日は久しぶりの飲み会だった。話も楽しかったし、不思議なことに出てくる料理がみんな美味しかった。本当に楽しかった。ちょっと、生き方が消極的になっていたと思う。これまで、私の身体を心配していただいていたのか、ほとんど飲み会の誘いがなかったが、これからは飲み会にも参加したいと思う。誘っていただきたい。(k)

イオ11月号、完成!

2016-10-18 10:00:00 | (麗)のブログ
本日、イオ11月号が完成しました!

表紙は、東京都在住のご家族にご協力いただきました。
明るい空と緑の下で、さわやかなご夫婦と可愛らしい赤ちゃんの笑顔が映える仕上がりに。

今月の特集は「子育てアンテナ!~人気雑誌編集長に聞く~」。
ひと世帯の家族の数が減り、ご近所づきあいも減るなかで、せっかく授かった「子育ての時間」が「孤独で辛い」という話をたまに聞きます。
そこで、「いやいや、そんなことはない」と、ユニークな雑誌作りをしている子育て雑誌の編集長たちに、「子育てを、楽しみ、乗りきる」ヒントを聞きました。
地域の子育てサークルの楽しい雰囲気もお伝えします。

そのほかの記事は、9月11日に行われた「ウリ民族フォーラム2016 in大阪」、
学術会議出席のためドイツ・ベルリンを訪れた朝大教員の康明逸さんによる現場ルポ(下)、
金剛山歌劇団のチャンセナプ奏者・崔栄徳さんと、フリーで活躍するヴァイオリニスト・崔誠一さんによる 「オータムコンサート『Soli 소리』」、
70周年迎えるハッキョで環境整備「トイレが、校舎がきれいに」などなど、今月も盛沢山な内容となっております。

11月号も是非、ご愛読ください!(麗)

好評につき…

2016-10-17 10:00:00 | (理)のブログ
 東海地方に暮らす一般の同胞女性たちが中心となりボランティアで運営している「コリアン縁結びの会」。これまでに2回、出会いのパーティを主催しており、日刊イオでも告知してきました(過去ブログは以下)。

●「コリアン縁結びの会」(2015.5.7)http://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/3ba326ed6ff56a4379de21051d6dc7a6
●「コリアン縁結びの会ふたたび」(2016.10.6)http://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/38b5183c7c618bfeed304d56bef6cb9a

 好評につき、今年も10月30日(日)に秋の婚活パーティが催されます。詳細は以下。





 運営者に過去のパーティの雰囲気などを聞いてみると、参加者は愛知以外に三重、岐阜、少し遠くは大阪からも来たそうです。また、連絡先を交換して後日あらためて食事に行くなど、次につながっている方々も何人かいるみたいだと嬉しそうに話していました。

 運営者がスタッフとしてサポートしてくれるので敷居が高くなくアットホームな雰囲気なのが特徴。今回はBBQパーティとのことで、さらに盛り上がりそうですね。

 上記のチラシでは申込締切が9月30日までとなっていますが、参加者はまだまだ大歓迎とのこと。興味のある方は、チラシに記載されている電話番号に「BBQパーティのことで…」とぜひ問い合わせてみて下さい。
 
 10月最後の休日、素敵な秋晴れになるといいですね!(理)

新江ノ島水族館で亀をつくる

2016-10-14 10:00:00 | (愛)のブログ
先月、新江ノ島水族館へ家族と行ってきました。
新江ノ島水族館は初めて行ったのですが、イルカショーもダイナミック、展示も色々あって大人も充分楽しめる内容でした。

プラプラと色々楽しんでいると、ふとガラス越しに工作を楽しんでいる親子の姿が目に入りました。
なぎさの体験学習館 1Fの発見創造ラボというところで、「なぎさクラフト~海の生き物づくり」というワークショップがやっており、無料で参加できるということで子どもと早速体験してみることに!

ワークショップといっても、特に教わることはなく、その場に揃えられている新聞紙や折り紙、ちりめん、ヒモ、ガチャガチャのカプセル、貝殻などを使って好きに海の生き物を作ってみようというものでした。
一応見本が飾ってあり、それを参考に工夫をしながら作るという感じです。

私は一番可愛くて簡単にできそうな「亀」を子どもと一緒に作ってみることに。
ガチャガチャのカプセルを亀の甲羅に、顔は新聞紙を丸めて色ちりめんを被せ、手足は貝殻を使って、作りました。

甲羅の部分はさまざまな色のちりめんをちぎっては貼って、子どもと一緒に、亀さんづくりを楽しみました。
工作なんて、もう何十年ぶりかの体験にわたし自身が楽しくて夢中になってました。

できあがった亀さんは、世界にふたつとないお土産として家へともって帰ることがきました。


子どもと一緒に楽しむ時間は大人にとっても癒しとなるんだな~と実感した体験でした。
と同時に、昔自分が持っていた感覚、ものづくりって楽しい!という気持ちをもう一度呼び起こしてくれました。

普段は忙しなく日々を送っているけれど、こうしたゆったりとした時間を持つことは大切だな~としみじみ思います。(愛)

記者が記録した桜本の闘い「ヘイトデモをとめた街」

2016-10-13 10:00:00 | (S)のブログ

 神奈川新聞の連載「時代の正体 ヘイトスピーチ考」を再構成した、「ヘイトデモをとめた街―川崎・桜本の人びと」が出版されました。
 
 社会福祉法人青丘社を中心に40年以上、民族差別のない多文化共生の街づくりに取り組んできた桜本に、ヘイトデモが襲ってきたのは2015年11月8日。川崎市ではそれまで10回のヘイトデモが行われていましたが、桜本地区が標的になったのは初めてのことでした。
 本書は、ヘイトデモに立ち向かう桜本の闘いの記録です。
 
 共生の街づくりを担ってきた青丘社の職員や地元住民、カウンターたちなどヘイトデモに抗う人びとの訴えや、現場の緊迫感が詳細に伝えられています。
 日常の生活圏に「殺せ!」を叫ぶヘイトが押し寄せてくる衝撃、この街にレイシストは絶対に通さないという必死の覚悟、共生に対する人びとの切実な願いがひしひしと迫ってきます。
 
 今年5月23日にヘイトスピーチ解消法が成立し、流れは変わります。川崎市はヘイトデモに対して公園の使用を不許可。デモは大勢の市民に阻まれ中止に追い込まれました。印象的なのは、カウンターの排除を求めるデモ側に「できない」「これが国民世論の力」と答えた県警の変化。不十分ながらも「法」の力を実感させる場面です。
 多文化共生の対極にあるのがヘイトデモ。桜本が築いてきた共生の歴史は、ヘイトデモが桜本を標的にしたのも、桜本の人びとが初めてヘイトデモを阻止できたのも、偶然ではないということを改めて考えさせてくれます。
 
 本書にはまた、差別と偏見に対して妥協しないという記者の強い意志が貫かれています。
 「ヘイトスピーチに中立はない。被害にさらされている人たちに肩入れする。それは偏っていることでも、不公平なことでもない」と、「記者の視点」で臆することなく主張しています。

 この闘いの記録を、是非一度読んでみて下さい。(S)

ハルモニは心の中に生きているー在日バイタルチェック川崎公演

2016-10-12 10:00:00 | (瑛)のブログ


 10月10、11日、川崎桜本で劇団トル(石)・きむぎがんさんの一人芝居「在日バイタルチェック」を見てきた。まだ余韻覚めやらぬ状態でこのブログを書きます。

物語の主人公は、デイサービスセンター「たんぽぽ」に通う在日1世のウルセンハルモニ、90歳。15歳で済州道から日本へ渡り、日本で知り合った同胞男性と結婚。対馬で海女をしながら子どもを育ててきた。「あんた…ビルの掃除でもやって孫にこずかいでも、やりたいやないの…」「孫が赤んぼう生みますねん。朝鮮の名前つけたい言うとります…」とうれしそうに話す。穏やかな晩年に見えるも、誕生祝いで明かされた日本での暮らしは壮絶なものだった…。

 海女の仕事で家を空けているさなか、日本の学校に通っていた娘がいじめに遭ったことを知った時のこと。近所の日本の人たちの家々を訪ね、聞くにたえない罵声を浴びながらも「なかようしてください」と頭を下げた。「妹を守る」と川に飛び込んだお兄ちゃんを抱きしめる姿も切ない。

両親や幼い妹が暮らす故郷への思いはいかばかりだったろう…。分断された一方の朝鮮に息子たちを帰国させたため、済州道へは行けなかったハルモニ。オモニや幼い妹に思いを募らせる場面には胸が引き裂かれそうだった。



「笑い転がせたる」を信条とする、きがんさんの舞台に、腹を抱えて笑い、泣いた。

そう、ハンメたちは、みんな貧しかった。時代に苦しめられながらも歯を食いしばって家族を守ってきた。舞台を見て、自分がそれを忘れていたことに気づく。すまなかった、という思いが押し寄せた後は、「ハンメたちは心の中に生きている」という確かな実感が宿る。ハンメたちが、この日本で逞しく生きた証を、私たちが心に留めなければ、誰が―という思いにさせてくれる。ありし日のその姿を胸に生きていこうという勇気をくれた、きがんさん、本当にありがとう。




 川崎在住の李賢淑さん(49)は、字を学べなかったハルモニを思い出し涙が止まらなかったと話していた。「ハンメは、国語講習所で自分の名前を習い、書けるようになったことが嬉しくて、色んなところに黒いマジックで書いていた」という。

 今回の公演を企画したのは、川崎朝鮮初級学校保護者の朴錦花さんをはじめとする桜本の人たちだ。ヘイトスピーチの被害を13回も受けたこの街で、もっとたくさんの人と確かにつながりたいと企画した。公演が終わった後、「私、ありのままでいいんだ」と話す朴さんの清々しい表情が忘れられない。



2日目には、川崎市の同胞高齢者の集まり「トラジの会」のハルモニたちも30人ほど見にきていた。芝居が終わった後、きがんさんを抱きしめ、語り続ける1世のハルモニたち。「韓国人というのを隠さないで、堂々としているのがよかった」とは、アン・メンスさん(88)の言葉だ。



芝居には、朝鮮名を名乗れなかった若い在日、民族教育の機会に恵まれなかった在日も出てくる。きがんさんは、いつも「ここに来ることすらできない在日の姿を見ている」という。

今回の川崎公演で「在日バイタルチェック」は76回目。「私たちの歴史を『なかった』ことにはさせたくない」という思いに裏打ちされた芝居は、これからも日本中を駆け巡っていくだろう。(瑛)

朝鮮学校への補助金支給に関して各都道府県弁護士会から声明

2016-10-11 10:00:00 | (相)のブログ
 さる3月29日に文部科学大臣が出した地方公共団体の朝鮮学校補助金に関する通知(3.29通知)が地方公共団体による補助金停止を促す方向に強く働くことに対しての懸念が広がる中、各都道府県の弁護士会から通知の撤回と補助金の適正な交付を求める会長名義の声明が相次いで発表されている。
 9月28日には茨城県弁護士会(山形学会長)が声明を発表した。声明は、文部科学省に対して「3.29通知」の撤回を、都道府県および市町村を含む各地方公共団体に対しては、憲法および各種人権条約の趣旨を踏まえ、朝鮮学校に対する適正な補助金交付がなされるよう求めている。
 各都道府県弁護士会の声明は、ここ最近のものだけでも、神奈川県(8月17日)千葉県(8月23日)、和歌山県(9月9日)の弁護士会から出ている。朝鮮学校を取り巻く状況は依然として厳しいが、法律の専門家たる弁護士たちが「おかいしいことはおかしい」と声を上げてくれることは本当に心強い。
 また全国青年司法書士協議会も同日付で「朝鮮高級学校就学支援金及び朝鮮学校補助金についての意見書」を発表した。
 今回出された茨城県弁護士会の会長声明の全文を以下に貼り付ける。(相)


 朝鮮学校に対する補助金交付に関して、政府通知の撤回及び適正な補助金交付を求める会長声明

 声明の趣旨
 当会は、文部科学省に対し、2016(平成28)年3月29日に同省が発出した「朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点について(通知)」の速やかな撤回を求めると共に、各地方公共団体に対し、朝鮮学校に対する適正な補助金交付がなされるよう求める。

 声明の理由

 1. 文部科学省は、本年3月29日、朝鮮学校を各種学校として認可している28都道府県に対し、「朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点について(通知)」を発出した(以下「本件通知」という。)。 本件通知は、「北朝鮮と密接な関係を有する団体である朝鮮総聯が、その教育を重要視し、教育内容、人事及び財政に影響を及ぼしている」という政府の認識を明確に示した上で、朝鮮学校を各種学校として認可している28都道府県に対し、補助金交付に関し、「朝鮮学校の運営に係る上記のような特性も考慮」することを求めているものである。 本来、補助金交付は、各地方公共団体の判断と責任において行われるものである にもかかわらず、政府がこのような通知を発出することは、政府が外交上の理由から朝鮮学校に対する補助金交付の中止を促している趣旨であると受け止めざるを得ないものである。 現に、報道によれば、茨城県知事は本年4月8日の定例記者会見において、「文部科学省に、通知の主旨をしっかり確認しながら対応をしていきたいと思っております。」と述べつつも、「相手方(学校法人茨城朝鮮学園)には、今のような状況が続くようであれば、今年度の補助金については、交付することは大変困難なのではないかということをお伝えしてあります。」と述べ、「今のような状況」とは、「弾道ミサ イルを発射したりとか、そういった活発な活動が行われておりますので、そういった状況が続いているようであればということです。」と述べている。 このように、一部地方公共団体では、本件通知を受けて、外交上の理由から朝鮮学校に対する補助金の交付について停止の方向で検討を余儀なくされているものである。

 2. そもそも、朝鮮学校に対する補助金交付は、子どもの教育を受ける権利や民族教育を受ける権利を実質的に保障するために行われている措置であって、補助金交付にあたっては、教育上の観点から客観的に判断されなければならない。 それにも関わらず、北朝鮮のミサイル発射等の外交上の理由で、朝鮮学校に対して補助金交付を停止することは、子どもの教育を受ける権利や民族教育を受ける権利を侵害するものであって、憲法26条、子どもの権利に関する条約第30条、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(社会権規約)第13条、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する条約(人種差別撤廃条約)に違反するものである。 また、朝鮮学校に在籍する生徒とは無関係な外交問題を理由として朝鮮学校へ の補助金を停止することは、憲法第14条、市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(社会権規約)、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する条約(人種差別撤廃条約)及び子どもの権利条約が禁止する不当な差別に該当するものである。

 3. とりわけ、朝鮮学校に対しては、昨今、ヘイトスピーチをはじめとする人種差別的攻撃が多数加えられており、深刻な事態が生じている。 かかる状況において、政府が本件通知を発出することは、朝鮮学校に対する人種差別を助長することにもなりかねない。本年6月3日に公布・施行された「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」では、不当な差別的言動が許されないものであることを明らかにし、国が差別的言動の解消のための取組に関する施策を実施する責務が規定されているのであって(同法第4条1項)、政府が本件通知を発出することは、同条1項にも明確に矛盾するものである。

 4. 当会は、以上の理由から、文部科学省に対しては、本件通知の速やかな撤回を求めるとともに、都道府県及び市町村を含む各地方公共団体に対しては、朝鮮学校に対する補助金の支出について、上記の憲法及び各種人権条約の趣旨を踏まえ、適正な交付がなされるよう求めるものである。

 2016(平成28)年9月28日
 茨城県弁護士会
 会長  山形学