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3・1独立運動100周年を記念し、関東地方の在日本朝鮮留学生同盟も、展示、シンポジウム、デモ行進など意欲的な企画で100周年の意義を見つめていた。
3月1~2日には、3.1人民蜂起100周年記念展示会「日本と朝鮮の150年史―日本の植民地支配と分断に抗して―」が東京・荒川のムーブ町屋で行われた。
主催は東京、西東京、埼玉、神奈川県の留学同地方本部の4団体。各本部から学生代表が一人ずつ実行委員を務め、まず自身らが歴史を学習することで問題意識を深めてきた。
「現在の日朝関係を克服する上で、日本による朝鮮植民地支配の歴史を見つめ直すことは避けて通れない課題だ」という観点で企画を立て、メンバーらに広く呼びかけて準備を進めてきたという。
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会場には、3.1人民蜂起、1930年以降の抗日武装闘争、南における民主化闘争や在日朝鮮人の権利運動など朝鮮の近現代史を時期やテーマごとに説明するパネルが展示されていた。来場者たちは会場のあちこちに置かれた参考書籍も手に取りながら理解を深めている。
また、展示の終わりでは在日朝鮮人に対する昨今の差別・弾圧事件を取り上げ、未だ解決されない日本の歴史認識や過去清算をめぐる問題について知らせた。実行委員の一人、琴向芽さん(首都大学東京3年)は展示会の趣旨文を執筆。琴さんは朝鮮と日本、在日朝鮮人の過去と現在、そしてこれからを見つめ直す場を作り市民たちと共有することができた」と手ごたえを話していた。
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3日には、4団体が主催する、3・1人民蜂起100周年記念シンポジウム「三・一が問いかけるもの」が東京北区の北とぴあペガサスホールで行われ約140人が参加した。
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康成銀・朝鮮大学校朝鮮問題研究センター長が「朝鮮三・一独立運動の記憶―朝鮮と日本における国際法の需要と実践の異なる位相」、康宗憲・韓国問題研究所所長が、「在日朝鮮人にとっての『三・一』100年―日本の過去清算と朝鮮半島の平和統一に向けて」のテーマで中身の濃い講演をし、今日における「3・1運動」の意義を見つめることができた。
康成銀センター長は、「3・1運動は、朝鮮近代史上未曾有の全民族的な反日独立運動で、現在の祖国統一運動の精神的な寄りどころだ」と指摘。「アリランの歌」著者のキム・サンらの体験記を紹介しながら、「歴史的なこの体験は、血肉と化した民族的記憶として解放後も語り継がれている。解放前の独立の課題と解放後の統一の課題は、現在を生きる私たちすべての同時代史であり、絶え間ない観察を要する生きた歴史だ」と語った。「100周年を機に今後は北南、海外同胞が共通の歴史認識を獲得するために、歴史対話が本格化することを期待する」―。康センター長は最後、長年の夢を観衆に伝えてくれたが、必ず実現しなくてはならない課題だ。
康宗憲・韓国問題研究所所長はスライドを用いながら朝鮮の近代、現代を振り返りつつ、最後はベトナムハノイでの首脳会談について言及した。会場の強い関心を集めていたので、ここで発言の要旨を紹介したい。
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2018年6月12日、米国と朝鮮の両首脳はシンガポール共同声明を発表し、朝鮮半島で「恒久的で強固な平和体制を構築するために共に努力する」ことを約束した。トランプ大統領がハノイ会談前、「朝鮮戦争を終わらせる準備ができている」と話していたことからも、今会談で互いの不可侵と朝鮮戦争の終結を表明する「平和宣言」の発表が準備されていたのは間違いないだろう。しかし、米側は大統領弾劾に向けた議会聴聞会という国内事情もあって、合意よりも「決裂の勇姿」を選択した。
朝鮮戦争の「休戦協定」を「平和協定」に換えることで朝鮮半島の戦争は終結する。
「平和協定」の入口ともいえる「終戦宣言」は、両国関係改善のステップとして大きな意味がある。1953年の「休戦協定」に署名したのは、米国(国連軍)、中国、朝鮮の3国だが、「平和協定」には実質的な当事国である韓国を加えて南北と米中の4者が署名すべきだろう。ただ現在は多国間協議までは進めていない。
今会談に際して文在寅大統領は、韓国の参加が無理なら朝米2国による朝鮮戦争の終戦宣言を容認するとトランプ政権に伝えていた。すでに南北は昨年、板門店と平壌で相互不可侵を宣言しているからだ。それ以降、板門店の軍事境界線では韓国軍、朝鮮軍、米軍の3者が会議する機会が増えている。朝鮮戦争の終わりは目の前に来ている。法制度的な文書の作成が残されているだけだ。
2年前には朝米が互いを罵倒し、米韓の大規模な軍事演習と朝鮮の核・ミサイル実験がなされていた。
しかし、朝鮮半島があの頃に「後戻りする」と見る人は少ない。今の流れを押し戻すには、私たちはあまりに多くの前進を勝ちとっているからだ。
米側もシンガポール合意を完全に無視して敵対関係に戻ることを国益とみなさないだろう。
米国との交渉は時間がかかる至難の技だが、わが民族の歴史、ベトナム戦争など第三世界の歴史から見て悲観する必要はない。誰が相手であっても、朝鮮民族は南北が協力体制を築きスクラムを組んで対処することだ。(了)
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シンポ開催前、留学同の学生たち日本市民ら約50人が、雨が降りしきるなか、王子駅前公園周辺をデモ行進したことも、ぜひ紹介したい。
「高校無償化から朝鮮学校だけを排除し続ける今の状況は、朝鮮人に対して民族教育を禁止し、同化を強要した植民地時代と変わっていない。朝鮮人として生きる道を妨害する行為に強い怒りを感じる」―――、雨に打たれながらの力強いアピールが街中に響く。
コリアン学生たちが「3・1独立運動」100周年を意欲的な企画で盛りあげてくれたことに感動しつつ、学生たちのデモが100人以上の警官に囲まれながらやっと実現したことに愕然とした。デモを妨害しようと、差別主義者らが数十人も押し寄せ、100人以上の警官が動員されていたのだ。
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差別主義者たちは警察に押さえつけられながらも、「日本が嫌なら出ていけ」「日本人はお前らみたいな民族が大嫌いなんだ」という暴言を吐いていた。
「事実を知って」「差別をやめて」という大学生たちの素朴な思い、歴史の事実を否定しようという圧力…。
このせめぎあいの中で、「3・1独立運動」は100周年を迎えた。歴史から目を背けるこの社会の「闇」は深い。しっかりと目を開き、この闇を見続けなくてはと痛感した取材だった。(瑛)