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日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

4年ぶりの花園、毎年の東京中高美術部展

2019-01-10 10:00:05 | (K)のブログ
 全世界が注目した1月1日の金正恩委員長の新年の辞。昨年の北南関係について、「昨年は、70余年の民族分断史上、類を見ない劇的な変化が起こった激動の年であった」とし、「内外の大きな期待と関心の中、1年に3度、北南首脳の対面と会談が行われたことは前例のないことで、これは北南関係が全く新たな段階に入ったことをはっきり示した」と振り返りました。そして、「今年を北南関係の発展と祖国統一偉業の遂行においてもう一つの画期的な転換をもたらす歴史的な年として輝かせるべきである」と強調しています。
 朝米関係についての言及も多く、朝米首脳会談についても、「私は、去る6月、米大統領に会い有益な会談を行って、建設的な意見を交換し、双方が抱えている憂慮と絡み合った問題の早い解決方途について認識を同じくしたと思っている」「私は今後、いつでも米大統領と対座する準備ができており、必ず国際社会が歓迎する結果をもたらすために努力するであろう」と言及されています。第2回の朝米首脳会談がいつどのように行われるのか、注目されます。
 金正恩委員長は7日から北京を訪問しました。新年の辞では、「停戦協定当事者との緊密な連係の下に、朝鮮半島の現在の停戦体制を平和体制に転換するための多者協商も積極的に推進」と言及されており、積極的な対外活動がすでに始まっています。
 今年も朝鮮半島を取り巻く情勢は大きな変化を見せることでしょう。

 2019年の私の初めての日刊イオです。今年もよろしくお願いいたします。
 年末の30日、私も花園まで大阪朝高ラグビー部を応援に行ってきました。私にとって花園は4年ぶりです。3年前に東京朝高ラグビー部が花園に出場しましたが、その時は入院中で現地に行けませんでした。(麗)さんも書いていましたが、第1競技場が大きく変わっていて私も驚きました。今年開催されるワールドカップのための改装です。
 いちばん大きく変わったのは、電光掲示板のところに観客席が設置されていたこと。下の写真で見比べてください。最初の写真が2015年1月1日の茗渓学園(茨城)との試合の時のもの。2枚目が今回の写真です。その他、観客席の一部が変わっていたり、記者室が貴賓室になっていたり。
 報徳学園との試合は残念な結果でしたが、今年の年末にまた期待しましょう。




 8日、東京・池袋で行われている東京朝鮮中高級学校美術部の部展に行ってきました。毎年、見に行っている展示で、今年のタイトルは「常識の囚人(とらわれびと)」。配られたパンフレットには次のように書いてあります。

 「社会的な価値観、知識、判断力のことを「常識」というなら今の私たちの状況はどうでしょう?「常識」が凝り固まっていませんか? そんな皆様に「絡みつく鎖」が解けるよう、お手伝いいたしましょう。この展示には囚われの身から私たちを解き放つ「鍵」があるかもしれません。それを見つけられるかどうかはあなた次第です。」



 会場には部員たちの意欲的な作品が20点以上展示されていて、良い意味で異様な空間が広がっていました。「常識」というものを常識的な範囲で捉えているなと思う作品がある一方、突飛な発想で楽しませてくれる作品もあって、作者の生徒たちそれぞれが考える「常識」とは何かがわかるようでした。残念ながら私には囚われの身から解き放つ「鍵」を見つけることはできなかったけれど…。


 部展「常識の囚人(とらわれびと)」は、8日から始まり14日まで開催されます。ぜひ足を運んで、生徒たちの作品を堪能してください。(k)

第13回東京朝鮮中高級学校美術部展「常識の囚人」/日時:1月8日~14日(月・祝)10:00~19:30(最終日は10:00~16:00)/場所:東京芸術劇場B1 アトリエウエスト/13日の日曜日13:30からパフォーマンス、アーティストトーク

激動の2018年が終わります

2018-12-25 10:00:00 | (K)のブログ
 20日の日刊イオで、(麗)さんが「続・「ボヘミアン・ラプソディ」を観た」という文章をアップしている。(麗)さんはそれほどクイーンのファンではなかったそうだが、それでも何度も観にいくというのは、(麗)さんのオタク魂に作品の何かが火をつけたのであろう。
 「ボヘミアン・ラプソディ」、実は私も観た。なかなか面白い作品だったが、(麗)さんのように何度も映画館に行こうとは思わない。「ボヘミアン・ラプソディ」は今年、映画館で観た数少ない映画の一つだ(もう一つは韓国映画の「1987、ある闘いの真実」、これも感動した作品で、また観たいと思う)。

 今年もあとわずかで終わる。今年、私自身、仕事の上で大きな変化があった。日刊イオの私の更新も今日が最後だ。

 これほど朝鮮半島情勢が激動した1年は、これまでに経験がない。
 すべては1月1日、金正恩委員長の新年の辞から始まった。来年1月1日、委員長がどのような新年の辞を発表するのか、全世界が注目しており、今から楽しみで仕方がない。来年はどのような年になるのだろうか?

 朝鮮半島情勢の変化はイオ編集部にも直接影響を与え、日刊イオで報告しているように編集部の(瑛)さんと(理)さん二人が韓国に行き取材するという画期的な出来事が実現した。今年の初めには(相)さんが朝鮮民主主義人民共和国で取材活動を繰り広げている。1年に北と南の両方を取材したのはイオ編集部としては初めてではないか。(愛)さんも今年、個人的に素晴らしい出来事があった。
 大阪朝高ラグビー部が全国大会に出場する(28日が初戦)。いつも私が試合の結果をブログで報告してきたが、仕事の上での変化により、大阪朝高の試合のことは(全)さんに任せようと思っている。

 月刊イオは今年、激動した朝鮮半島情勢を誌面に反映させながら、無事に12号の雑誌を世に出すことができました。編集部のみなさん、ご苦労様でした。
 私の今年の日刊イオの更新は今日が最後ですが、来年も引き続き更新します。みなさん、よい年末年始をお迎えください。(k)

大阪朝高ラグビー部、初戦は28日、日川高校と

2018-12-14 09:55:46 | (K)のブログ


 12日のブログで(麗)さんが「今年はアツい年末年始!」と、大阪朝鮮高級学校ラグビー部の全国大会出場のことを書いている。大阪朝高が、大阪府予選第2地区の決勝戦で同志社香里高校を破り第98回全国高等学校ラグビーフットボール大会(花園)への出場を決めたことは、日刊イオでも報告した。
 全国大会の組み合わせが決まったので、大阪朝高の試合についてお知らせしたい。

 残念ながら大阪朝高はシード校には選ばれず、1回戦からの出場となった。大会は27日(木曜日)から始まるが、大阪朝高の初戦は28日の10時から(第3グラウンド)。対戦相手は山梨県代表の日川高校に決まった。日川高校はとても強豪で、花園には13年連続48回目の出場となる。初戦から激闘が予想される。
 初戦に勝った場合、次の対戦相手はBシードの報徳学園(兵庫県)。シード校だから強いのは当然で、花園には3年連続45回目の出場となる。昨年は準々決勝で、優勝した東海大大阪仰星に敗れたチーム。
 こうして見ると、大阪朝高は非常に厳しい戦いになると思われる。権監督は大会の目標をベスト8以上だとインタビューで語っていた。ベスト8になるには1月1日の試合に勝たなければならない。その前に報徳学園に勝たなければ、(麗)さんの言う「アツい年末」にはなっても「アツい年始」にはならない。なんとか勝ちぬいてほしいと願っている。

 1月18日の府予選決勝から大会まで40日。高校生は40日間でどんどん強くなれる。1ランクも2ランクもチーム力を高めて全国大会に臨んでほしい。私も花園に足を運び大阪朝高の試合を久しぶりに見たいと思っている。(k)

 朝鮮新報では大阪朝高ラグビー部の選手をHPで紹介している。
http://chosonsinbo.com/jp/2018/12/osaka-player2018/
 また、応援実行委員会では大阪朝高ラグビー部への「応援協力金」を募集し支援を呼びかけている。その詳細も朝鮮新報のHPで。
http://chosonsinbo.com/jp/2018/12/se_osaka-lugby2018/

ふたたび、映画「沈黙-立ち上がる慰安婦」の上映に応援を

2018-12-06 09:56:33 | (K)のブログ
 10月17日の日刊イオで、(相)さんが「映画『沈黙-立ち上がる慰安婦』の上映に応援を」という文章を書いている。https://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/6849b1f9d699119c53f7795a3949e596
 在日朝鮮人2世の朴壽南監督によるドキュメンタリー映画「沈黙-立ち上がる慰安婦」(2017年公開)の紹介と、この作品をヘイト集団が攻撃し上映を中止させようとしていることを報告した。
 そのブログから3週間ほどが経ったが、作品への攻撃は今も繰り返されている。そのことを神奈川新聞が11月29日にネットで伝えているので、ぜひ読んでほしい。「脅迫や右翼街宣で妨害行為 横浜で元慰安婦の映画上映」http://www.kanaloco.jp/article/374593?fbclid=IwAR2fn6iTMdlQy3qEubEmuLoc4ntFAWQU0m3UNyG63825yhHJGfrPRsa93SE

 記事の最後にも書かれているが、明後日の8日(土曜日)、横須賀市内で上映会が予定されていて、妨害行為に対抗すべく関係者らが行動し訴えを起こしている。
 朴監督の関係者らはSNSで「上映会への抗議、妨害が過熱してます」としながら、右翼団体の構成員が8日の上映会にも押しかけることを予告していること、それに対抗するために会場に来れる人を募っていると訴えている。
 またピースムーブ・ヨコスカという団体も、フェイスブックで次のように訴えている。
 「「NO!ヘイトスピーチ」アクションを呼びかけます。新聞報道にもあるように、茅ヶ崎、横浜での上映会について、右翼団体からの継続的な攻撃、脅迫があり、現在、緊迫した状況があります。これまで、各地の上映会実行委員や有志の方数人が、地域を超えて支えあいながら、上映会を実施してきました。12月8日(土)には、横須賀で上映会があります。私たちは、戦時中に日本が朝鮮半島の女性にした加害行為を繰り返さないためにも、正しく知る事が大切だという趣旨で、この映画を支持します。呼びかけ内容:右翼による上映会妨害に対して「私たちは傍観しない」と、会場の外でプラカード等を持つスタンディングで意思表示をします。ぜひ、一緒に行動をお願いします。」https://www.facebook.com/1693514237587637/posts/2275014412770947/

 日本軍性奴隷制度被害者たちが、日本政府に対し謝罪と国家補償を求めて闘うハルモニたちの姿を記録したこの作品。だからこそ攻撃対象となっている。攻撃に屈することは絶対にあってはならない。

 韓国の聯合ニュースは昨日、次のようなニュースを伝えた。
 「旧日本軍の慰安婦被害者が共同生活を送る韓国の施設「ナヌムの家」(京畿道広州市)は5日、被害者のキム・スンオクさんが体調悪化により同日午前に死去したと発表した。97歳だった。……キムさんが死去したことで、韓国政府が認定した慰安婦被害者240人のうち生存者は26人に減った」https://jp.yna.co.kr/view/AJP20181205001400882?section=japan-relationship%2Findex&fbclid=IwAR18p5UhJH64F7QLhBKAW1D22go-GzZdDq90Mhe87bf8-PjOuJcv8TDOfNE


 残されている時間はあまりない。(k)


醜悪な高校無償化問題の自民党決議

2018-11-28 09:57:42 | (K)のブログ
 日産自動車のゴーン前会長の問題や外国人労働者の受け入れ問題でかげが薄いが、何かと話題になり世間を騒がせていた片山さつき参議院議員。その片山議員の「片山さつき Official Blog」の2011年9月6日付に、「自民党は、朝鮮学校無償化手続き再開に強く抗議し、即時撤回を求める決議をしました!その全文をお載せしますので、ご覧下さい」として、当時、野党だった自民党(文部科学部会・外交部会・拉致問題対策特別委員会合同会議)が2011年8月31日に出した「朝鮮学校無償化手続き再開に強く抗議し即時撤回を求める決議」というものが全文、紹介されている。
http://satsuki-katayama.livedoor.biz/archives/5825498.html

 決議文自体はブログのページから読んでもらえればよいのだが、その内容のひどさは想像を絶するものがある。出だしの文章で、自民党が朝鮮学校をどのように見ているのかがよくわかる。読むと、自民党が朝鮮学校に無償化制度を適用することに反対している理由が、最初から最後まで政治的外交的なものであることもわかる。下についているコメントがまたひどい。醜悪きわまりない。

 2012年12月末に発足した安倍内閣は、決議文を実践するように、まっさきに朝鮮学校を高校無償化から排除するために動いた。2013年2月20日、文科省は省令を変えて、施行規則から規定ハを削除、朝高10校を「不指定」処分とした。

 10月30日の東京高裁をはじめ各地の判決は、政治的外交的理由で規定ハを削除し朝高を排除したことが明らかなのにも関わらず、それを見ることなく、朝高排除を支持するヘイト判決を繰り返している。自民党の決議文の醜悪さ、それを受けたかのような判決の醜悪さ。
 7年前の片山議員のブログにコメントを投稿したような人たちが今の日本でどのくらいを占めるのだろうか?

 11月14日、大阪での日本の小学校と朝鮮初級学校との交流会について、批判し糾弾する内容がツイッターに投稿され、ものすごい数が拡散されていた。そこについているコメントもまた、醜悪だった。過去形で書いたのは、ツイッターを投稿したその本人が、いつの間にかツイッター上から姿を消していたから。
 学校に確認したところ、22日の交流会は無事に行われたそうだ。

 最初に、「外国人労働者の受け入れ問題」と書いたが、それと関連する問題を最後に一つ。現在、日本にいる外国人の多くが各地の入国管理センターに不当に収容されている。そのうちの一つ、茨城県牛久市にある東日本入国管理センターの被収容者が、11月20日よりハンガーストライキを開始している。入国管理センターの被収容者の問題は、このブログでも何度か発信してきた。被収容者の人たちが何を求めているのか、ハンスト参加者が提出した「申入書」などを読んでもらいたい。この問題に取り組んでいる仮放免者の会(PRAJ)のホームページ(https://praj-praj.blogspot.com/)に掲載されている。(k)


復活!大阪朝高ラグビー部、全国大会出場へ

2018-11-19 09:59:12 | (K)のブログ
 第98回全国高等学校ラグビーフットボール大会の大阪府予選、第2地区の決勝戦、大阪朝鮮高級学校と同志社香里高校との試合が昨日18日に花園ラグビー場で行われた。
 試合は見事、大阪朝高が38-12で勝利。4年ぶり10度目の花園での全国大会出場を決めた。権晶秀監督が3年前から指揮を執るようになって初めての花園出場となった。それが何よりうれしい(昨年春の選抜大会には出場している)。

 私は試合のライブ中継をスマホの画面で見ていた(便利な時代になった)。午後12時半に試合がスタート。開始早々の2分、朝高がトライ。ゴールも決まって7-0とリードする。これは楽勝かと思ったが、そこから朝高が攻め込まれる苦しい時間が長く続いた。振り返ってみると、この苦しい時間帯を0点に抑えたのが勝因ではなかったかと、素人ながら考えている。朝高伝統の魂のディフェンスで守り切り前半終了間際の27分にトライを決める。これも大きかった。12-0でリードし前半を終了。
 後半も開始早々2分、朝高がトライ(これも大きかった)。朝高は後半、4つのトライを挙げるが、すべてドライビングモールからそのままなだれ込んでトライしたものだ。モールからの攻撃が今のチームの最も得意な攻撃パターンなのかもしれない。

 試合終了後、権晶秀監督がインタビューに答える。
 「本当に生徒たちが頑張ってくれた」と、真っ先に生徒たちを称え、「復活」をスローガンに掲げてやったきたことを語っていた。全国大会の目標はベスト8以上だと言う。

 毎年、花園の全国大会には、大阪から3チームが出場する。他の地域より多いのは、地元だということもあるが、強豪校がひしめいているからだ。全国大会に出ても優勝や上位進出する実力のある高校が、常に4~5チーム存在する。大阪朝高以外にも常翔学園、大阪桐蔭、東海大大阪仰星などが有名だ。12年以降の6回の大会で大阪代表が優勝したのがなんと4回、昨年の決勝は東海大大阪仰星対大阪桐蔭という、大阪同士の対戦で東海大大阪仰星が優勝した。ところが、全国大会優勝校の東海大大阪仰星でさえも、今年の府予選決勝では常翔学園に敗れて花園に出場できない。それほどレベルが高いのが大阪の高校ラグビーだ。

 それだけに大阪朝高の全国大会出場は意義がある。本当にすごいことで、「復活」がうれしい。
 昨日の試合は(全)さんが現地で取材した。最初の写真も(全)さんが送ってくれたもの。試合の詳細や権監督就任以後のチーム作りなどについては、イオ1月号の誌面で(全)さんが報告してくれる。

 大阪朝高は過去の花園の大会では、ベスト4が最高。09年、10年と2年連続でベスト4になっている。4年前の大会ではベスト8だった。その時は広島の尾道高校と対戦し引き分けたが、抽選で大会を去らなければならなかった。
 「大阪朝高ラグビー部、抽選に散る!」https://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/683058c5bae0c7f53a4f92e285f22d2e

 その時以来の花園での試合となる。復活した大阪朝高がどんな試合を見せてくれるのか、年末年始の大会が今から楽しみで仕方がない。全国大会は12月27日から始まります。(k)

学美(在日朝鮮学生美術展)の巡回展と朝鮮新報連載がスタート

2018-11-09 10:00:00 | (K)のブログ


 2018年度の在日朝鮮学生美術展(学美)の巡回展が始まっています。9月12日の神戸展から始まり、福岡展(10月11日~14日)、大阪展(10月31日~11月4日)と終了しました。これから以下の巡回展が開かれる予定です。

広島展(11月10~17日)広島朝鮮初中高級学校体育館
京都展(11月22~25日)京都朝鮮中高級学校
東京展(11月28~12月2日)埼玉会館第1、2展示室
千葉展(12月4~9日)千葉市美術館市民ギャラリー
神奈川展(1月11~16日)川崎市教育文化会館
東海展(1月29~2月3日)名古屋市博物館
北海道展(2月15~17日)札幌市民ギャラリー第1、2展示室
鳥取展(3月15~17日)米子市美術館

 終了した3回の巡回展には、大勢の人たちが訪れ非常に好評だったようです。SNSなどで多くの人たちが、朝鮮学校の子どもたちの作品を見た感想を発信していました。
 大阪展は、朝日新聞にも紹介されて、多くの入場者が訪れたようですね。フェイスブックの、「学美大阪実行委員会」のページをアップすると、多くの作品やコメント、朝日新聞の記事も見ることができます。

 朝鮮新報の文化欄で、10月29日号から「学美の世界」という連載が始まりました(トップ写真)。月に1度のペースで掲載される連載で、各地の学美に携わる朝鮮学校の美術の先生たちが、これまでの学美に応募された作品の中から心に残るものを取り上げて、紹介・解説する記事です。
 連載第1回目は、学美の中央審査委員会委員長で神戸朝高の美術を担当しておられる朴一南先生に執筆していただきました。
 連載をスタートするに当たり、次のように書いています。

「学美(在日朝鮮学生美術展)の作品は他とは違う大きな特徴を持つ。大人の作品であれ子どもの作品であれ、一般的に上手さや描写力は絶対的評価基準に入る。それをあえて一旦横に置き、改めて子どもの作品と向き合い表現の名においていろいろな垣根を越え全ての作品を何の前提条件を付けずフラットに評価するよう見直したのが学美である。それはどうやら今までになかった画期的なことのようだ。
 ウリ民族教育が育み生みだした学美、この独特な世界を月に一度この紙面にて学美中央審査員先生方のリレー方式で紹介したいと思う。」

 朝鮮新報の紙面ではモノクロで掲載されていますが、ネット版ではカラーで作品が楽しめるので、ぜひ見てください。http://chosonsinbo.com/jp/2018/10/sinbo-j_181029/

 これから、みなさんの身近な児童・生徒や学校の作品が紹介されるかもしれません。期待してください。朝鮮学校の素晴らしさはいろんな方面、分野で語ることができますが、学美もその一つ。近くで開催される学美の巡回展にもぜひ足を運んでください。(k)


無償化と強制徴用、二つの判決

2018-11-01 10:00:00 | (K)のブログ


 10月30日、東京高裁で無償化裁判控訴審判決が出た。原告の訴えを退けた1審の判断をそのまま継承した不当な判決で、原告が敗訴した。昨日の日刊イオで(瑛)さんが詳細を報告しているので読んでもらいたい。
 私は3時半ごろに高裁前に到着。4時に裁判が始まったが、すぐに旗を持った弁護士二人が歩いてきた。その表情を見た瞬間に不当判決が出たことがわかった。

 7時から王子で行われた「朝鮮学校の子どもたちに笑顔を!! 10/30東京朝鮮高校生「無償化」裁判高裁判決集会」では、弁護団の8人の弁護士が発言した。それが非常に心に突き刺さった。判決に対する憤りや無念さなどをストレートに語る。法律に携わる人間として、朝鮮学校を卒業した者として、これまでの人生をそのまま背負ったように絞り出した言葉たち。涙で声を詰まらせ、時に天を仰ぐ。



 集会では、東京朝高生たちが歌を披露しアピールした。その姿を見ていた参加者たちから、「こんなに立派な生徒たちを差別するのは許せない」などという声が聞こえてきた。
 朝高生たちの国籍がどこであろうが、朝鮮学校がどういう教育をしていようが、オープンであろうがなかろうが、卒業生が朝・日の架け橋になろうがなるまいが、朝高生が立派であろうがなかろうが、無償化制度から排除するのは差別であり、法に反している。日本当局が在日朝鮮人の民族教育をつぶすために行っていること。絶対に許されることではない。
 九州は来年3月に1審の判決が出る。広島、愛知は控訴審を闘っている。大阪と東京は控訴審で敗訴となり、舞台は最高裁に移される。裁判は続くが、これからの裁判、非常に厳しいと言わざるを得ない。しかし、闘うしかない。

 同じ30日、韓国でも注目の判決が出た。聯合ニュースは次のように伝えている。
 「日本による植民地時代に強制徴用された韓国人被害者4人が新日本製鉄(現新日鉄住金)に損害賠償を求めた訴訟で、韓国の大法院(最高裁)は30日、原告を逆転勝訴させた差し戻し控訴審判決を支持し、新日鉄に原告1人当たり1億ウォン(約1000万円)の支払いを命じた。日本政府は強制徴用被害者の個人請求権問題は1965年の韓日間請求権協定で解決済みとの立場を取っており、両国間の外交やビジネスへの影響は必至だ。」
 これに対する日本政府の反応、日本のマスコミの報道は、過去の国家犯罪に対する反省のかけらもまったくないもので、非常に憤りを覚えた。

 日本製鉄元徴用工裁判を支援する会や韓国の団体などが連名で発表した共同声明では、次のように指摘している。
 「今回の裁判は、植民地支配下において日本企業が行った強制労働(奴隷労働)に対する法的責任を認めるかどうか、また元徴用工被害者の人権回復を法的救済によって図るかどうか、つまり植民地支配によって奪われた個人の尊厳を回復するかどうかを問う裁判でした。それは1965年に締結された日韓条約などの二国間条約によって被害者の人権が奪われても良いのかという国際人権法に基づく個人の権利の問題をも問う重要な裁判でした。
 私たちは、今回の判決を全面的に歓迎します。新日鐵住金は、ただちに判決に従い原告らに賠償金を支払い、訴外の被害者たちに対しても救済策を実施しなければなりません。同時にこれまで日韓条約で全て解決済みを主張してきた日本政府に対しては判決を真摯に受け止め強制労働問題の全面的解決に向けた施策を行うことを強く求めます。」
 個人の請求権の問題に関しては、LITERAのネット記事「徴用工問題、文在寅大統領の発言はおかしくない! 日本の外務省も「個人の請求権は消滅していない」と答弁していた」が参考になる。
https://lite-ra.com/2017/08/post-3400.html?fbclid=IwAR1VbVMp1RMix8kBy2kN31g70DsdBRdhcQy4a2ZGXrjzN1X7CLv45ukrpVs
 これは、高校無償化からの朝鮮高校排除と根っこを同じくする問題。日本が過去の侵略、植民地支配などの国家犯罪を心から反省しきっちりと清算しなければならない。(k)

タバコは「百害あって一利なし」

2018-10-24 09:58:05 | (K)のブログ


 いろいろと気になる出来事はあるが、特に書くこともできないので、今日は喫煙・禁煙について少し書いてみたい。このブログで(相)さんが喫煙や禁煙について、何度か書いているので、私もそれにならってみた。

 1カ月以上前になると思うが、ネットで次のような朝日新聞の記事を見つけた。「たばこが社会に及ぼす2015年度の総損失額が、約2兆500億円に上るとの推計を、厚生労働省研究班がまとめた。がんの治療費など喫煙者の医療費が最も多く、全体の半分以上を占めた」というもの。さらに続けて「病気がもとで必要になった介護費用や、たばこが原因で起きる住宅や山林の火災による損失も加えた。最も多かったのは喫煙者の医療費で約1兆3594億円。内訳は、がんが5477億円、歯の治療費が1016億円を占めた。受動喫煙による医療費は、3295億円に上った」と指摘している。
 昔に読んだ「現代たばこ戦争」(伊佐山芳郎著、岩波新書)という本にはタバコ製造の過程でタバコの葉を乾燥させるため、多くの森林が毎年消滅していると書かれていて驚いたことがある。1キロの葉を乾かすのに薪が10キロ必要だと言われている。
 無造作に捨てられるタバコの吸殻により、環境破壊も起こる。
 タバコは「百害あって一利なし」だ。


 私も過去に喫煙習慣があった。25歳の時から吸い始め(朝鮮に長期間滞在した時に喫煙の習慣ができたので朝鮮産のけっこうキツいタバコから吸い始めた)、結婚を機に禁煙をはじめた。正直に告白すると、禁煙後も何度かタバコを口にし自己嫌悪に陥ることがあった。それでも紆余曲折を経て、1本もタバコを吸わなくなって十数年が経つ。
 喫煙者に対する社会的な圧力が強くなっていく中で思っていたのは、「タバコは庶民のささやかな楽しみの一つなのだから、それほど目くじらを立てないで、他人に迷惑をかけない喫煙、分煙をきちんとすればよいのではないか」ということ。
 タバコを完全にやめた後、やはり考え方も変わってきて、社会的な啓蒙活動をすすめて新しい喫煙者を作らないようにし、将来的にタバコを根絶できればいいと今は思っている。

 これを書くために今のタバコの値段を調べると、10月1日から値上げをしていて、ひと箱500円ほどする。いつの間にこんなに高くなっていたのかと驚いた。(相)さんにならって、タバコを吸わなくなったことで、どれくらいのお金が浮いたのか計算してみると、105万円ほどになる。
 個々人の金銭、健康の損失ももちろんだが、最初にあげたように、社会的な損失が莫大だ。最近では街中にタバコの自動販売機をほとんど見なくなった。コンビニなどでもタバコを購入する時には年齢確認を行っているという。東京都では6月に、従業員を雇っている飲食店を原則禁煙とする受動喫煙防止条例案が可決された。愛煙家には住みにくい世の中になっているが、喫煙を制限していこうという取り組みは良いことだと、完全に禁煙した者の立場では思っている。
 いま喫煙している人たちは、いまから禁煙をはじめたらどうだろう。経験を言うと、禁煙はそれほど難しくない。禁煙して浮いたお金を有意義に使えばどうだろう。
 タバコは「百害あって一利なし」だ(k)。

驚異的な朝鮮のマスゲーム、その作られ方

2018-10-16 09:46:33 | (K)のブログ


 9月7日の私のブログ(https://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/f384c9b7cd681c4c54a53d650daa7824)で、朝鮮民主主義人民共和国創建50周年の際に現地で取材した時の思い出を綴った。1998年9月3日にマスゲームのリハーサルを取材したということも書いた。朝鮮のマスゲームは世界的に有名で、緻密さや一糸乱れぬ動きのすごさなど、その質の高さは驚愕そのもの。マスゲームはどのように作られているのか。今回は朝鮮のマスゲームについて当時の取材の内容を簡単に紹介したい。
 いま行われている「輝く祖国」は、大マスゲームと芸術公演ということで、マスゲームと芸術公演を合体させたより総合的で豪華な公演となっていて、単純なマスゲームとは違う。なので、以下、紹介するマスゲームとは内容が違う部分があるだろう。また、20年前の取材なので、今はどうなっているかもわからない。さらに、20年前のマスゲームは金日成競技場で行われたが、今回はメーデースタジアムで行われている。金日成競技場は一般のスタジアムだが、メーデースタジアムは背景台がマスゲームをしやすいように、席が平面に近く配置されている。そういうことを頭に入れて読んでもらいたい。

 1998年9月3日、金日成競技場に取材に行き、マスゲームについていろいろと話を聞くことができた。
 マスゲームの出演者は大きく、いろんな場面を描き出す背景台(背景隊)とフィールドで演技する部隊の2つに分けられる。20年前の背景隊は全員で1万2000人、フィールドで体操をするのが3万8000人、合計5万人の子どもたち(日本でいう小中高校生)が出演していた。今回の「輝く祖国」では、背景隊の人数が1万7490人だと朝鮮新報は伝えている。
 20年前、背景隊を構成している巨大な長方形の、縦が何人で横が何人かと質問すると、それは秘密だと言って教えてくれなかった。金日成競技場は普通のスタジアムなので客席は当然のことながら湾曲しており下段と上段では座席数も異なる。単純に縦何列、横何列というふうになっているのではない。湾曲や座席数の違いなどを計算にいれて、なおかつ中央正面からみると平面な長方形の絵に見えるようにするための誰にも言えない秘訣があるのだという。下段、中段、上段、そして横と中央で、子どもが持っている一枚一枚の本(絵のひとかけら)の大きさも微妙に違っているらしい。それらをコンピュータですべて計算して作っていると言っていた。
 背景隊への指示は正面上の電光掲示板で数字を表示し(その数字のページを開く)、赤いランプを点滅させることによって準備をさせる。同時にマイクで「準備、1、2、3」と言うことにより「3」のときに一斉に本を広げるのである。そのときにマイクで「右から広げろ」「左から広げろ」と合図すると右から順次広げて行ったりする。マイクは背景隊の座席のあちこちに70ほど設置されており、子どもたちはマイクの声と電光掲示板の指示で統一した行動をおこすのだ。
 ケソン高等中学校の女の子に手に持っている本を見せてもらった。拡げると縦80センチ、横100センチほど、分厚さは10センチ以上あったと記憶する。本のページごとに付箋のようなものが付いていて、数字が書いてある。それを見て広げるのである。フィールドで演技する子どもたちは音楽に合わせて動作を起こす。
 本番では、始まる前に背景隊の子どもたちが学校ごとにデモンストレーションをするのだが、そのデモだけで観客は圧倒される。サッカーの場面、選手がシュートするとボールが飛んでいきキーパーの手をかいくぐってゴール。そんな場面を背景隊は描くのだ。それほど緻密で水準が高い。次の動画で実物の一部を見てもらいたい。
 時事通信社の大マスゲームと芸術公演「輝く祖国」の映像https://www.youtube.com/watch?v=DhurHN_znoo

 99年9月号の月刊イオに掲載した記事には次のように書いている。(トップ写真)
 「一人ひとりが背景版という大型の本のようなものを持っている。各ページに色が塗られていて、前方の電光掲示板の数字に合わせて開けることにより、図柄を浮き上がらせる。描き出す図柄は260カットにもなる。本番が近づくと緊張するのかと思いきや、そこは子どもたち、笑顔を見せて隣同士でふざけ合うなど結構リラックスしている。マスゲームは大きな国家行事の度におこなわれるが、出演するのは1回きりとのこと。子どもたちにとっても一生の思い出だ。本番はミスのない完璧なできで、祖国の建国50周年をみんなが祝った。」

 9月に平壌で行われた北南首脳会談はサプライズの連続だった。その際、文在寅大統領をはじめ韓国の代表団のメンバーがマスゲームを観覧した。どのような感想をもったのだろうか、気になる。そして私も久しぶりにマスゲームを観覧したい。(k)


祖国が統一したらビール掛けをしたい

2018-10-05 09:42:02 | (K)のブログ
 日本のプロ野球、セパの優勝が決まりましたね。何年も前にプロ野球への興味が完全になくなったので、どこが優勝しようがどうでもいいのですが、優勝した時に行うビール掛(か)けのことが気になります。
 両チームが優勝した夜もビール掛けをやっていました。パリーグの優勝チームの場合、準備されたビールは3000本で約20分でなくなったと報道されていました。私が年間に消費する何倍もの量のビールが20分で流され消えてしまう。ビール掛けの姿を見るたびに、何という無駄なこと、いい加減にバカなことは止めればいいのにと思ってしまいます。

 今から6年前の秋のことです。プロ野球の優勝チームが決まり、ビール掛けをやっている姿をテレビのニュースで放送していて、ぼんやりと見ていました。朝鮮半島の北と南の関係が冷え切っていた時代です。ビールを掛け合うバカな姿に何か感じたのでしょう。
 ツイッターとフェイスブックに、「祖国が統一して、ビール掛けがしたい」と投稿したのでした。ついでに「とりあえず、高校無償化適用実現でもビール掛けしようかな」とも投稿しました。
 すると、何人かから反響がありました。「私もやりたい」「ぜひやりましょう」といった感じです。ちょっと、盛り上がりました。

 そのときから6年、今年に入っての北と南の動き、朝鮮半島情勢を見ていると、ちょっと心配になっています。
 本当にビール掛けをやらなければいけないんじゃないか、やらなかったら嘘つきになってしまう、と。そんなことを投稿したことなんか誰も覚えていないのでしょうが。

 一方、高校無償化の方ですが、9月27日の大阪の無償化裁判控訴審では1審の判決を覆し、朝鮮学園側の敗訴という不当判決が出ました。(相)さんが9月28日の日刊イオで裁判の詳細を報告しているのでごらんください。国を相手にした裁判で、最初から難しい闘いになることはわかっていました。しかし、誰がどう見ても明らかな差別、法に反している朝鮮学校排除なので、普通に考えれば勝てるはずだと希望をもっていたのですが(昨年の大阪の1審判決は素晴らしいものでした)、現状は厳しいものがあります。
 大阪高裁の今回の判決をはじめ朝鮮学校側を敗訴にした判決は結局、「朝鮮学校は朝鮮総聯(北朝鮮)に不当な支配を受けているから無償化を適応しない」と言っています。朝鮮学校を在日同胞組織と引き離し、在日朝鮮人を祖国と引き離そうというもので、不当極まりない、めちゃくちゃなもの、絶対に受け入れるわけにはいきません。今月30日には東京高裁の判決が出ます。こらからも闘いは続きます。

 6年前は冗談で、「ビール掛けがしたい」と投稿したのですが、祖国が統一したら、無償化裁判で勝利が確定したら、本当にビール掛けをしたいと考えています。
 ビール掛け、一緒にやりたいという方がいたら、ご連絡ください。(k)

 トップの写真は2005年8月、祖国解放60周年を記念する北と南、海外同胞が集まったソウルでの「自主、平和、統一のための8.15民族大祝典」の時のもの

映画「1987、ある闘いの真実」―奪われた若者たちの命

2018-09-27 09:59:44 | (K)のブログ


 最近、韓国映画「1987、ある闘いの真実」を観た。
 1987年、韓国での6月民主抗争の発端となったソウル大生の朴鍾哲さんの拷問死と、その事実を明らかにした人々と、その事実を抹殺しようとする者たちとの、闘いが描かれる。李韓烈さんが催涙弾を後頭部に受け倒れる(1ヵ月後に死亡)ところが映画の最後の場面だ。
 若い二人の死が韓国社会を大きく動かした。

 1987年、私はすでに東京に出てきて編集の仕事をしていた。二人の青年の死はリアルタイムで見ていた。その後の、大統領選挙、盧泰愚政権の登場、88オリンピック…と続く韓国社会の動きも。南の地での人々の闘いを、海を隔てた日本で眺める自分。このブログで何度か書いてきたが、南の闘いの本当のことを自分はわかっていないのだという焦りのような思いを抱いてきた。
 「1987、ある闘いの真実」のような事実をもとに作られた映画を観ると、その思いは強くなる。

 映画の後半は、涙が流れて仕方がなかった。そして、ある言葉が思い出され、頭の中をめぐるのだった。

 「奪われる理由のない若い命が奪われ、隣人との間に見えない壁が生まれた…」
 18日から20日にかけて行われた平壌での北南首脳会談。19日、9月平壌共同宣言が発表された時の共同会見で文在寅大統領が語った言葉だ。日本は今年、「明治維新150年」と騒いでいるが、朝鮮民族から見れば苦難の150年だった。朝鮮が日本の植民地へと転げ落ち支配された期間、解放後の分断への過程、朝鮮戦争、4.19、光州…と、どれだけの若い命が奪われただろうか。映画で描かれた二人の青年も。

 この映画に対する評は書けない。映画を見ていて、統一を早く実現させ、これ以上、若い命が奪われないようにしなければいけないと強く思った。今年に入っての統一へと向かう北と南の動きが本当にうれしいと思った。
 映画「1987、ある闘いの真実」、多くの人に見てもらいたい。



 今日の午後、大阪高裁で高校無償化控訴審裁判の判決が出る。5か所で行われている高校無償化裁判で、大阪だけが地裁で勝利した(九州は来年3月に判決)。初めての控訴審判決となる。控訴審でも勝利できるのか、今日の判決が今後の無償化裁判に大きな影響を与える。裁判だけでなくこれからの在日朝鮮人社会を大きく左右すると言っても過言ではない。
 朝鮮学校の子どもたちだけが不当な差別を受けているのも、分断のせいだとも言える。判決の結果は、このブログで報告する予定だ。(k)


平壌で北南首脳会談、統一へと向かう北と南

2018-09-19 09:52:32 | (K)のブログ
 昨日の18日から5回目となる北南首脳会談が始まった。午前9時すぎから生中継される映像を見ていた。平壌の飛行場で両首脳が抱擁を交わす姿、オープンカーで市内を回る両首脳を歓迎する平壌市民の姿に心が躍った。今日も継続し会談が行われる。どのようなことが話し合われ決められるのか、午後には会見を開くということなので、明らかにされるだろう。

 注目したいのは、先週の14日に、開城工業団地内に北南連絡事務所が開所したこと。韓国のハンギョレ新聞は「南北、開城連絡事務所開所で南北連合制度化へ第一歩」(http://japan.hani.co.kr/arti/politics/31615.html)という記事を掲載し、「統一部は「連絡事務所が、交渉・連絡業務▽当局間会談・協議業務▽民間交流支援▽往来人員便宜保障などの機能を遂行することになる」と明らかにした」と伝えている。
 タイトルが「南北連合制度化へ第一歩」となっており、記事には「南と北は4・27板門店宣言に明記された両側の当局者が常駐する連絡事務所の開所式を14日に行い、すぐに業務に入ると統一部が明らかにした。米国側の牽制を貫き、南北当局の常設協議窓口を開いて「平壌首脳会談」の成功へ進む踏み石をさらに一つ置いた格好だ。“対話の窓口の常設化”により、初歩的な水準でも南北連合の制度化への一歩を踏み出したと評価される。連絡事務所の初代所長は、統一部次官と祖国平和統一委員会(祖平統)副委員長が兼職する」と書かれている。「初歩的な水準でも南北連合の制度化への一歩を踏み出したと評価される」の部分に注目したい。

 今年に入り3度目の北南の首脳会談。2007年10月の第2回首脳会談から10年半の間、行われてこなかったが、半年の間に3回も開かれた。
 私は、北南関係が冷え切っていた2011年6月22日の日刊イオ「統一旗」という文章の中で6.15時代の北と南の交流の様子を紹介しながら、「このときは取材をしていて、すでに統一のプロセスに入ったのだという話をいろいろな場で聞きました。たった6年前はこうだったんですね。逆に言えば、6年後にはどのような状況になっているのか想像できません」と書いた。この文章から7年、今の北と南の関係を見ると感慨深いものがある。

 2000年6月の6.15共同宣言では第2項で、「北と南は、国の統一のための北側の低い段階の連邦制案と、南側の連合制案が互いに共通性があると認定し、今後、この方向で統一を志向することにした」と明記している。その時から18年。ハンギョレが伝える「南北連合の制度化への第一歩」がどのような意味で使われているのか、よくわからないのが正直なところだが、統一に向けた前進であることに間違いない。
 昨日の1日目だけでも、様々な映像や晩餐会の両首脳のあいさつなどを見ると、北と南が統一へと共に歩んでいることが確認できる。(k)


共和国創建50年→70年、人工衛星の打ち上げと今日の朝鮮半島

2018-09-07 09:36:03 | (K)のブログ
 9日の日曜日は、朝鮮民主主義人民共和国の創建70周年に当たる日だ。その日、朝鮮ではマスゲームなど様々な行事が行われることだろう。1948年の建国から70年、常に米国をはじめとする帝国主義国からの圧力を受け続けた。その中で創建70周年を迎えることが、私自身、本当に誇らしい。
 今回の70周年は特に、朝鮮半島情勢が好転する中で迎えるだけに、祖国の人々はもちろん在日朝鮮人の喜びも大きい。

 20年まえの創建50周年の時に、私は朝鮮にいた。当時はマンギョンボン92号がまだ就航していた時で、7月22日に元山に到着、9月12日に元山を出航。2ヵ月弱に渡って朝鮮を取材することができた。1998年の9月9日の当日には、午前の軍事パレード、午後のマスゲームと100万平壌市民のパレード、夜の松明行進を現場で写真撮影した。

 取材期間、最も大きな出来事だったのは、創建50周年を前にした8月31日、朝鮮初の人工衛星「光明星1号」の打ち上げだった。日本では「ミサイル発射」と大騒ぎで朝鮮に対するバッシングがすごかったようだが、平壌にいたので実感がない。平壌でも発射したのが人工衛星だったと伝えられたのは9月4日だったと記憶する。報道されてからの平壌市内の盛り上がりはすごかった。マスゲームのリハーサルの様子を9月3日に取材したのだが、その時になかった人工衛星発射の場面が9日の本番ではちゃんと入っていたのには驚かされた。

 振り返ってみると、その時の人工衛星の発射が今の朝鮮半島の現実につながっていることがよくわかる。光明星1号の発射はとてつもなく大きな出来事だったと思っている。

 1998年11月号の月刊イオに創建50周年の特集を組み、その中で「この国に生まれ、育ち、支えてきた人々」という原稿を書いた(写真)。その中に次のような一節がある。
 「共和国滞在中、製鉄所や工場、協同農場、牧場などさまざまなところを訪ね、働く人々の姿を見た。その姿は皆、『われわれはこの国で生まれ、この国で育ち、そしてこの国を支えてきたんだ』と語っているようであった。その姿もまた自然で気負いのないものであった。」

 訪問した当初はまだ「苦難の行軍」の時期で、工場を訪ねても稼働率が高くなく、人々は苦しい生活を強いられていた。しかし、創建50周年、人工衛星発射を境に、朝鮮は上昇気流に乗り「苦難の行軍」を克服したと言える。
 50周年の様々な行事を目の前で見て取材できたことも良かったが、記事に書いたように、朝鮮の人々の自分たちの国に対する愛情、そこで生まれ生きて支えてきたことに対する誇りを身近に感じることができたことが、本当にうれしかった。70周年を迎える今日の朝鮮の人々も同じであろう。

 9月には、文在寅大統領の平壌訪問(18~20日に決まった模様)、国連総会(18~30日)がある。同じ二人による3回目の北南首脳会談でなにが話し合われるのか。国連総会に、北と南、米中からどのような人物が参加し、どのような協議が繰り広げられるのか。本当に楽しみだ。(k)

国別メダル数獲得表にコリアの名が

2018-08-30 09:40:36 | (K)のブログ
 インドネシアのジャカルタで行われている第18回アジア大会で26日、北と南の単一チーム・コリアが金メダルを獲得した。カヌー・スプリントの女子トラディショナルボート500メートル競技だ。コリアは、25日には女子トラディショナルボート200メートルで銅メダルを、27日には男子トラディショナルボート1000メートルで銅メダルを、獲得している。
優勝の動画、https://www.youtube.com/watch?v=G9Y1USVoOTo&feature=youtu.be
朝鮮新報の記事、http://chosonsinbo.com/jp/2018/08/il-1445/

 コリアチームの優勝と言えば、1991年の世界卓球選手権千葉大会での女子団体優勝が有名だが、五輪やアジア大会などのスポーツの国際総合大会で単一チーム・コリアが優勝するのは今回が初めてだという。

 五輪での初の単一チームとなったのが今年2月、韓国で行われた平昌冬季五輪での女子アイスホッケーだ。記憶に新しい。結果は5戦5敗と残念だったが、91年の卓球女子団体の優勝、今回のアジア大会の優勝と比べて、女子アイスホッケーコリアチームの活躍が劣っているとは思わない。スポーツだから、勝つこともあれば負けることもある。今後、コリアチームは五輪でも金メダルを獲得することだろう。でも成績はもちろん大事だが、何よりも「一つ」になること自体が重要だ。
 競技の種目によっては、北と南で競技人口や実力に差があるものもある。その競技の実状に合わせて単一チームを作ればいいと思う。単一チームを作る中で、人々がふれあい理解が深まっていく。国際社会にも統一をアピールできる。
 最初にあげた写真は、韓国の聯合ニュースのHPに上がっていたアジア大会の国別メダル獲得数の画面を写真に撮ったものだ。ちょっと見にくいけれど、29番目に統一旗とKoreaという文字が見える。五輪などの大会の際には国別メダル数が発表されるが、これまであまり関心がなかった。しかし今回、表の中に「Korea」を見つけた時は、感慨深かった。これからも活躍を期待したい。

 今回のアジア大会に北と南は、バスケットボール女子、カヌー、ボートの3競技で単一チームを結成している。2020年の東京五輪では、一部の競技ではなく、北と南が統一コリアとして出場してほしい。(k)