満月と黒猫日記

わたくし黒猫ブランカのデカダン酔いしれた暮らしぶりのレポートです。白い壁に「墜天使」って書いたり書かなかったり。

『くらやみの速さはどれくらい』

2006-01-29 15:31:50 | 

小説の感想です。

『くらやみの速さはどれくらい』(エリザベス・ムーン著、小尾美佐訳、早川書房)

ネビュラ賞受賞作品。

胎児・新生児期の早期治療により、自閉症を完治させる技術が発達した近未来。主人公ルウはその技術の確立時に既に幼児期を過ぎていたため、自閉症を抱えたまま生きる最後の世代。しかしそれでも自閉症治療は現在より進んでおり、幼児期より適切な指導を受けることにより、ルウは職を持ち、健常者とほぼ変わらない生活を営んでいた。
ルウはその数学的能力を生かしてコンピュータを使ってパターン解析をする仕事に従事していた。ルウの会社には同じような自閉症者だけのセクションがあるのだ。彼らは問題なくやっていたが、ある日、新しく赴任してきた上司クレイショウは、彼らに与えられた些細な特権を見て経費の無駄だと断定する。
折りしもその頃、成人の自閉症者にも有効とされる治療法が医学誌に発表される。動物実験では効果が出たものの、臨床試験を経ていないその研究の権利を買い取ったクレイショウは、自閉症の社員たちに「この治療を受けなければお前たちを解雇する」と暗に脅しをかける。ルウは、自閉症であってもそれなりにうまくやってきたという自負と、もし「ノーマル」になれれば密かに想いを寄せている女性マージョリを自信を持って誘うことができるのでは、元から諦めていた夢を実現することができるのでは、という迷いの間で揺れ動くが・・・?

というようなお話です。

物語の多くは自閉症である主人公ルウの視点で語られ、ものの見方、感じ方が特異であることがわかります。人の表情をうまく読めなかったり、早口だと言葉が聞き取れなかったり、苦労も多いけれどルウは楽しく生活しているのです。それなのにクレイショウ・・・ホントムカつく奴です(笑)。しかしルウには味方も多く、水面下で色々立ち回ってくれる友達もいるのですが、ルウにはそうした裏を読むことができません。ルウの人間関係は、主に学んで学習したものの中におさまっており、それは性善説に立った内容でした。だから表面では友達面をしていた人間が裏切っても、「彼は友達だからそんなことをするはずはない」と、理解に苦しみ混乱します。その辺はかなりせつない感じもしました。
そんなルウが、色々考え、悩みぬいた結果下した判断から繋がるラストは感慨深いものでした。
幸せはひとつじゃないんだなと。

一風変わった作品で面白かったです。


まるでジョジョの擬音のような。

2006-01-29 01:57:39 | 雑記

皆様ごきげんよう。
昨日は久々に電気をつけたまま寝入ってしまい、気がついたら朝(というかまあぶっちゃけ昼)でした黒猫でございますよ。

実は昨日、朝起きた時から何故か左足首と右大腿部に筋肉痛的な痛みがありました。しかしその前日は飲みに行って運動もしていないし、そのさらに前日だってその部位を酷使するような運動をした覚えはないんですが・・・何なんだろう、寝ているうちにアブダクションされてその辺を調べられたんだろうか(ないない)。

そんな体調だったのですが敢えてピラテスに出たのです。それがいけなかったかな~。
昨日ようやく気づいたのですが、わたし、今のインストさんよりも前のインストさんのほうが好きだったな・・・。今の人が悪いというわけではないんですが、わたしにとっては要求されることがちょっと高度な気が・・・できないことが多すぎるのです。まあ、皆さんけっこう出来ているので、わたしが落ち零れているだけなんでしょうけど。もうピラテス出るのやめようかな~・・・と思いつつ今日起きたら、インナーマッスルに覿面な筋肉痛が。やはり効いている。それは否めない。しかし・・・。う~ん、どうしようかな~来週。

ところでこのところ、わたしのマジシャンズ・レッド号(チャリの名前)のブレーキが、前輪・後輪のどちらをかけてもまるでジョジョの擬音のような奇怪な音を発するようになってしまったので、99円ショップにて多目的潤滑スプレーなるものを買いました。その帰り、自転車と歩行者のみが通行できる歩道で、前を歩いていたカップルがお互いにもたれかかりながら右にふらついたかと思いきや左にぶれるという、非常にトリッキーな動きをしていたので、ぶつかりそうになりブレーキをかけたところ、キギャアァァンとでも表現するしかないような激しい音が。カップルの女性が振り返り、「びっくりしたぁ」と言うので思わず謝りましたが、よくよく考えてみるとわたしばかりが悪いわけでもないような・・・ま、わたしもブレーキ音は潤滑スプレーで直しておきますので、あなた方もあんまりふらふら歩かないで下さいな。次は容赦なくベルを鳴らしますぜ。