透明な気圏の中から

日々の生活の中で感じたこと、好きな作家についての思いなどを書いてみたいと思います。

『茨木のり子集 言の葉2』より

2015-02-08 21:12:37 | 日記

曇り時々晴れ。最低気温-0.5℃、最高気温3.9。

久しぶりに『茨木のり子集 言の葉2』を手に取る。一月も終わり二月を迎え、立春を過ぎても手放しで素直に春を待つ気持ちになれないような気分。この心境に少し似ている気がする一編の詩を見つけた。この詩が書かれたのは今から32年前なのだけれど・・・・・。

問い

ゆっくり考えてみなければ

  いったい何をしているのだろう わたくしは

ゆっくり考えてみなければ

  働かざるもの食うべからず いぶかしいわ鳥みれば

ゆっくり考えてみなければ

  いつのまにかすりかえられる責任といのちの燦

ゆっくり考えてみなければ

  みんなもひとしなみ何かに化かされているようで

いちどゆっくり考えてみなければ

 思い思いし半世紀は過ぎ去り行き

青春の問いは昔日のまま

 更に研ぎだされて 青く光る

 

『茨木のり子集 言の葉2』(ちくま文庫)より      初出は詩集『寸志』(一九八二年十二月、花神社より刊行)

 

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