透明な気圏の中から

日々の生活の中で感じたこと、好きな作家についての思いなどを書いてみたいと思います。

「母と暮せば」

2016-01-07 20:35:06 | 日記
晴れ。最低気温-7.0℃、最高気温-1.3℃。
 
昨日、『母と暮せば』を見てきました。
原子爆弾を積んだB29の機内と、長崎の街が雲間からちらりと見えるシーンが最初に映し出されました。原爆を投下する側の者は任務遂行に当たり、第一の目的地小倉が曇っていたので、次の目的地長崎に何のためらいもないかのように落下させようとしています。
 
次の場面では二宮和也君ふんする医大生の浩二が学友と楽しそうに講義を受けています。教授が黒板に心臓は拳の大きさだと説明し、浩二は机に置いたインク瓶から、万年筆でノートに何かを書こうとしています。直後に爆音があり、歪んで溶けていくインク瓶。多くは示されないながら、何もかもが一瞬にして崩れ、壊されていったことが想像できました。
 
3年後、時代を遡らせるセピア色のトーンの中、亡霊となって現れた息子の浩二、その母伸子を中心に、浩二の恋人町子を交えて物語は静かに進行していくのです・・・・。
 
お互いに苦しい胸の内を秘め、相手を思いやる姿に、目頭が熱くなるシーンがたくさんありました。また、息子の浩二が自分の死は運命だと言ったことに対し、吉永小百合さん演じる浩二の母が運命ではなく、人の手によってなされた”悲劇”ときっぱり言うセリフが強く印象に残りました。
 
我家に戻ると、北海道新聞夕刊のコラムに「母と暮せば」が取り上げられていました。「原爆は、映画と同じような何万ものささやかな幸せを一瞬にして奪ったに違いない。」とあり、その通りだと思いました。
 
「母と暮せば」について書かれたウキペディアから一部を。 
『母と暮せば』は2015年12月12日に公開された日本映画。主演は吉永小百合と二宮和也。監督は山田洋次。 井上ひさしが晩年に構想していた、「ヒロシマ」・「ナガサキ」・「沖縄」をテーマにした「戦後命の三部作」の意思を山田が引き継ぎ、「ナガサキ」をテーマに制作された。
 
長崎市への原爆投下について、同じくウキペディアによると。
これは、実戦で使われた人類史上二発目の核兵器である。この一発の兵器により当時の長崎市の人口24万人(推定)のうち約7万4千人が死没、建物は約36%が全焼または全半壊した。
 
            
              
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