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ギャラリーと図書室の一隅で

読んで、観て、聴いて、書く。游文舎企画委員の日々の雑感や読書ノート。

後藤充展「色見本ー表面性」3月18日から

2023年03月16日 | 游文舎企画









長岡市在住の写真家・アーティスト後藤充さんの作品展が始まります。
後藤さんは田中一光デザイン室などに在籍した後、カメラマンとして国内各地の様々な仕事に携わっています。その一方で1984年には来日したヨーゼフ・ボイスと対話する会を主催したり、中西夏之氏と親交を結ぶなどしてアートシーンに関わってきました。
今展では写真を重ねた上に油絵の具で着彩し、透明のレイヤーを作りだした幻想的な奥行きのある作品や、油彩・アクリル・顔料などを自在に塗り重ね、画材と自由に遊ぶようにして作られた作品が並びます。展示にもランダムな空間を作り出し、偶然性を取り込みながら、観る人の想像力も駆り立てます。集中的に制作された作品の数々は、無作為のように見えながら、色彩やマチエールの探求へとつながっているのです。
26日まで。20日休館。作家在廊日 18、19、21、25、26日
ぜひご高覧下さい。

よいお年をお迎え下さい。

2022年12月30日 | 游文舎企画


この一年も、皆様には様々な形でのご支援を賜り感謝申し上げます。
ロシアのウクライナ侵攻は終息の気配が見えず、新型コロナ感染者も増加の一途で、先行き不安ではありますが、皆様におかれましてはどうぞお健やかに、よいお年をお迎え下さい。
来年上半期のカレンダーができました。今後ともよろしくお願いいたします。

溝江碧美展「TAMAMI MIZOE PASTEL DRAWING EXHIBITION」 11月12日より

2022年11月06日 | 游文舎企画


          「ポケット」 1091×788mm


男のポケットから手が出る瞬間を描いたものです。
世界中の人の、寒さでふと人恋しくなった気持ちが合わさり具現化したのがこの男です。ポケットから金色の甘い雨がこぼれ落ち、誰かの心に届く前に消えて無くなるでしょう。会期の頃の柏崎はもう寒いだろうな。寒い港町を思い浮かべながら描きました。

オイルパステル、ソフトパステル、パンパステルを使った作品ばかりです。お越しいただけたらうれしいです。(溝江碧美)





11月12日(土)より、溝江碧美さんの個展が始まります。新潟県では初めての個展となります。
溝江さんは埼玉県在住、1989年生れという若い作家さんですが、すでに20018,2019年の游文舎「毒素の秋Ⅱ」「毒素の秋Ⅲ」に参加されています。その時は「溝江元締」という作家名を使っていられて、その若さと名前のギャップが面白かったのですが、伸びやかで大胆、ちょっと違う角度から世界を眺めたような独特の作品に、その名前がしっくりときたものでした。今展では各種パステルを使った、繊細で静謐な作品を展示しています。ぜひ時間を掛けてゆっくりと御覧いただきたい作品です。

野中光正展 その2

2022年10月21日 | 游文舎企画




いよいよ明日から始まる「野中光正」展。参考出品で画集から選んだ複製品ではありますが、野中さんの昭和四五,四六年のスケッチです。失われたかつての下町の風景が蘇るだけでなく、喪失の予見のようなものさえ感じられます。簡潔な線が、やがて最小限の、エッセンスだけを取り出したとき、却って溢れんばかりの情感が込められているようにも思います。そして抽象的な作品は、もうすぐその先です。