60歳からの眼差し

人生の最終章へ、見る物聞くもの、今何を感じるのか綴って見ようと思う。

特定健診

2009年07月17日 09時22分02秒 | Weblog
先週、地元の病院へ特定健診を受けに行き、今週はその健診の結果を病院へ聞きにいった。
特定健診とは昨年から始まった国保に加入する40歳から75歳未満の人のメタボ診断である。
問診、身体検査、血液検査等が基本で、オプションで肺や胃のレントゲン、眼底検査等が出来る。
今回は特別に問題になるような指摘はなかった。体脂肪率24.6%(男平均20%未満)、
腹囲88㎝(男85㎝以下)体重72Kg(身長からの標準64Kg)、悪玉コレステロール134mg/dl
(基準値60-119mg/dl)が基準からはみ出し、総合判定としてはB評価であった。
受診した医師からは、取りあえず体重を70Kg以下にした方が良い。そして後は低塩、低脂肪の
バランスのよい食事を意識するように、との指摘があっただけである。

メタボの診断基準が出来たのが2005年から、そして厚生労働省により規定され特定健診が
昨年4月からスタートした。メタボ基準は腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上の場合で、
この条件に下の3つの症状のうち2つ以上該当した場合にメタボリックと診断されるらしい。
1.中性脂肪150mg/dl以上、HDLコレステロール119mg/dl以上のいずれかまたは両方。
2.血圧が上で130mmHg以上、下で85mmHg以上のいずれかまたは両方。
3.空腹時血糖が110mg/dl以上。

今回の検査ではHDLコレステロールの値が若干高い程度で、メタボ認定からは免れたようである。
歳をとると、健康を害する可能性は高くなるから、毎年の健康診断は欠かさないようにしている。
そして今までの診断の中で、特に大きなトラブルはなく、どちらかと言えば恵まれているように思える。
周りの人達を見ていると、その人自身やその人の家族にいろんな形での病気や障害を抱えている
ことがわかる。そんなことは私の兄弟や家族では今まで無かった。それは親が私を健康な体に産み、
そして健全な形に育ててくれた賜物であろうと思って今は感謝している。
一つは偏った食事などをさせずバランスを考えていただろうということ、二つ目はきちっとした生活習慣
をつけさせてくれたこと、三つ目は我慢することなど自制心を持たせてくれたことで、社会に適応でき、
結果として過度なストレスを感じずに過ごすことができたからなのだろうと思っている。
「メタボリック症候群」と言われる病気、高脂血症、高血糖症(糖尿病)、高血圧など、結局は
生活習慣から派生する病気なのである。健全な生活習慣(食生活と運動)を維持できるか、
そのための自制心を持ち続けられるか否かが、すべての基本のように思うのである。

どうしてもタバコがやめられない。どうしても酒が自制できない。どうしても楽をして体を動かさない。
自制心が働かなければ結局生活習慣は改まらない。多くの病(やまい)は自分が引き起こして
いるのかもしれない。父は長年吸っていたタバコを健康を思って70歳の頃に止めた。しかし母が
死んでから、再び吸うようになった。そしてタバコを再開して6年後に肺がんで死んでしまった。
気持ちの中で「疲れたよ、もうどうでもいいんだ」と自制心をなくしてしまったかもしれないと思う。
その時から癌は進行したのだろうと思う。
母は万年の便秘症であった。民間療法でだましだましの日常を送り、病院へは行かなかった。
その便秘症が間接的な原因なのか大腸癌から腎臓に転移し、気がついた時は手遅れであった。
病院に担ぎ込まれた時、医者に「なぜ、ここまで放っておいたのだ!」と言われた。

女房の父は大酒飲みで、酒を切らしたことはない。毎日毎日大量のアルコールが喉を洗って行く。
そのためだろうと思うのだが、60歳を少し越して食道癌で入院した。その時にはすでにあちこちに
転移していて手術も不可能な状況であった。最後はタンが気管に詰まっての窒息死である。
義母は80を過ぎ脳こうそくで倒れた。半身不随で言語障害も起きて、今は施設に入っている。
トイレも人の手を借りなければいけないほどである。こうなると本人も家族も辛くなる。
時々ヒステリーを起こして「早く殺してくれ!」と泣き叫んでいることがある。義母は何十年も健診を
受けたことがなかった。子供達がどんなに行くように言っても「私はいつ死んでもいいんだ」と言って
受け付けなかったらしい。健診で血圧を計っていれば、事前の対策は出来ていたのかもしれない。
しかし今は後の祭りである。

私も先週、65歳の誕生日を迎えた。そして介護保険の被保険者通知というものが届いた。
もうこんな年なのか、自分に実感が持てないままにどんどん年齢だけが加算して行くように思う。
今日の新聞で日本人の平均寿命は女性は86.05歳、男性は79.29歳という記事があった。
私が平均寿命に達するまでに後15年である。自分としてはあまり長く生きていたいとは思わない。
しかし出来れば障害なく、家族に迷惑をかけることなく、人生を全うしたいと思うのである。
そのためには寿命が尽きる寸前までは健康で在り続けなければいけない。それも結局、自分の
自立心や自制心を何時まで切らさず持ち続けることができるかにかかっているように思っている。


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