60歳からの眼差し

人生の最終章へ、見る物聞くもの、今何を感じるのか綴って見ようと思う。

成人式

2009年01月13日 10時37分59秒 | Weblog
今年成人式を迎えた人は133万人、過去最少で総人口に占める割合も1.04%とか、
希少価値のある若者たちである。(過去最多は246万人1970年)
それでも街を歩いているとこんなにも20歳の人がいるのか、と思うほど目立って見える。
女性達の鮮やかな着物姿が陰鬱な世相に少しばかりの華やかさを演出してくれているようである。
ニュースのインタビューで若者たちはそれぞれに、大人になる自覚などを答えていたが、
果たして20歳の分岐点で気持ちなど切り替わるものだろうかと自分の時代を思い出した。

私の20歳はもう遠い過去の話、大学に通っている時である。
当時父が仕事の関係で転勤になり家族は下関から熊本に移り住んでいた。
住民票も熊本に移していたため、成人式の案内はたぶん熊本に来ていたのであろう。
友達もいない成人式に一人参加してもみじめなだけ、結局一人下宿で過ごしていたたように思う。
当時からたばこやお酒は飲んでいたし、政治にも全く関心はなかった。
したがって成人式には何の感慨も自覚もなく、ただただ日常の中で通過していったように思う。
今振り返ってみると大人になるのだという自覚はやはり就職してからだろうと思う。
地方から出てきて東京に就職し、会社の寮に寄宿する。研修を受け職場に配属される。
自分の職分が決り責任が掛かってくる。給料をもらいその中から生活費を出しこずかいを決める。
そんなことからはじめて社会人になったのだという自覚出来たように思う。

それぞれの地区での式が終わり、街に繰り出してきた20歳の若者たち、
手に手に携帯を持って連絡を取り合い、何人かずつの塊が出来上がる。
中学や高校時代の仲間なのであろう、「やぁ~久しぶり~」と歓声を上げながら笑顔がはじける。
成人式、それは女の子の晴れ舞台であり、大規模な同窓会の様相である。