
4月29日、2016年に劇場公開された「なぜ生きる~蓮如上人と吉崎炎上」というアニメ映画が家の近くにある健康センターの会議室において無料で上映されるということで、2度目となるが見に行ってきました。前回は、2019年にアンコール映画会として見たもので、100万部を突破した高森顕徹さんのベストセラー「なぜ生きる」の映画版である。800年前に親鸞聖人による浄土真宗が500年前の蓮如上人の時代に爆発的に広まったが、その時代背景において蓮如上人が布教の拠点として築き上げた福井県にある吉崎御坊が1474年に放火され、炎上するという事件を通して、「なぜ生きる」の意味と考えていくものである。
蓮如上人とは、1415年に浄土真宗本願寺第8世として生まれ、親鸞聖人の教えを正確に最も多くの人々に伝えた方で、葬儀でもよく読まれる「白骨の御文章」が有名である。仏教書として有名な「歎異抄」が、誤解を招く「カミソリ聖教」であるとして、封印したことでも有名である。蓮如の声は、里見浩太朗さんが演じていたが、迫力があった。
映画の中では、恩徳讃の歌とか大悲の願船とか平生業成とか親鸞聖人の基本的教えが散りばめられていた。映画の簡単なあらすじは、当時信者が増えた浄土真宗は、他宗派からの恨みを買い、蓮如上人と弟子たちは京都を追われ、新たな布教の地を求め、福井県の吉崎に吉崎御坊という布教の中心拠点を構える。御坊が繁栄すると、他宗派からの妬み、嫉みが激しくなり、ついに、1474年に放火され、御坊は火の車になる。蓮如上人は難を逃れたが、大切にしていた親鸞聖人の教行信証の1巻を置き忘れた。弟子の了顕が取りに行ったが、火の手がすごく、引き返すことができず、意を決して、小刀を取り出し、切腹し、腹の中に巻物を入れて身を挺して守ったと言われている。そこには真っ黒に焦げた了顕の姿があったが、経典は焼かれることなく守られたのである。
こんなエピソードのある吉崎御坊の跡地は現在「蓮如の里」として、整備されているが、興味のあるスポットであったので、2023年8月に富山県の砺波に墓じまいに行く途中、小松空港からレンタカーを借りてわざわざ蓮如の里まで足を運んだ。吉崎炎上のエピソードは事前によく知っていたので、大変感慨深い想いで現地を訪れた。経典を守った了顕の像も展示されていた。蓮如上人とは、なにか縁があって、今の自分の部屋には義父の実家に保管されたていた蓮如上人の掛け軸が飾られている。映画を通じて「なぜ生きる」という人生の大命題にわずかでも理解を深めることができればと思う。
映画「なぜ生きる」の予告編: https://youtu.be/UAJ8-dZoL1g
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