ひょんなことで、英国の小説「1984」に関する記事が目に留まった。イギリスの作家、ジョージ・オーウェルの小説「1984」が刊行されたのは、1949年のことだが、全体主義社会の監視と抑圧を描いた所謂ディストピア小説である。「監視社会」と「ナショナリズムの拡大」を懸念して書いた小説で、現在の中国、ロシア、北朝鮮等の政治体制を見ているとピタリ符号する。この小説については、大学時代、英語のリーディング授業のテキストとして使用していたので、かなり読み込み大変印象深く残っているが、当時はそんな監視社会が来るなんて想像だにしていなかった。
この小説のあらすじは、
「1950年代に勃発した核戦争後、世界はオセアニア、ユーラシア、イースタシアという3つの大国に分割され、三国は常に戦争状態にあった。作品の舞台であるオセアニアはビッグ・ブラザーと呼ばれる独裁者」に支配された全体主義国家で、市民の思想や言動には厳しい規制が加えられ、その暮らしは巨大なテレスクリーンなどで常に監視されている。1984年、オセアニア真理省の記録局に勤務し、「過去の歴史の改ざん」を担当する小役人ウィンストン・スミスは、偶然、過去のある新聞記事を見つけたことで、絶対であるはずの党に対する疑問が芽生える。やがて、スミスはテレスクリーンから見えない場所で密かに日記を付けるという「重大な犯罪行為」に手を染めていく。。。。。。」
まさに、70年前に現代の監視社会、思想や言論が統制され自由が弾圧された世界が予言されていたといえる。「1984」は現代と類似する恐怖の監視社会が描かれている。今の中国共産党支配・香港への監視、言論弾圧、プーチンによる独裁政治・ウクライナ侵攻、北朝鮮の独裁政治など皆現実のものである。ビッグ・ブラザーは、プーチン、習近平、金正恩といえる。日本でも安倍政権の得意技であった公文書の改ざん、歴史の改ざんなどもまさに現実の出来事であり、オーウェルの予言通りの世界にまっしぐらの感がある。とにかく示唆的で好奇心がくすぐられること間違いない。
今年は、1984年からちょうど60年が経つが、今の世界情勢を見ていると60年後ろにずれているだけのような気がして恐ろしい限りである。今の監視社会はオーウェルによってずばり予言されていたともいえる。この小説は何度か映画化もされているようである。小説の内容については、4年前であるが、中田敦彦のYouTubeチャンネルでも2回に分けて詳しく解説してくれているので、興味ある人は覗いてみてください。
中田敦彦のYouTube大学「1984」の解説:
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます