國分功一郎『ドゥルーズの哲学原理』1~4(岩波書店「思想」に不定期で連載中)
が凄いよっていうことを、
メディア日記「龍の尾亭」
http://blog.foxydog.pepper.jp/?eid=980413
に書きました。
ヒュームの経験論と、デカルトの合理論を踏まえて超越論的な哲学を打ち立てたカントを、最大の向き合うべき対象(敵?)としていたドゥルーズが指し示す超越論的経験論への道筋。
発生論、内在平面についても恐ろしいほど明晰に語られていきます。
引用と注の切れ味が違う。
これは読み書きしたことのある人なら納得してもらえると思なあ。
そして、論理の息継ぎの後に、グイグイその先へのドライブが更にかかって行く快感。
ライプニッツ、ベルグソン、ハイデッガーにも言及しつつ、さながら17世紀以降の哲学史を通見するような趣きさえあります。
前著『暇と退屈の倫理学』の結論部分に言及されていた『本来性なき疎外』というのはこのドゥルーズと響き合ってるのか、とかいう思い当たる節も満載です。
國分さんはなぜこんなにクリアに書けるのかしらん。
現代人必読の論文、といいたいところですが、まあ私は弟子、というかファンなので3割引ぐらいで受け取ってもらえばけっこうです。
でも、面白いですよお。