龍の尾亭<survivalではなくlive>版

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4月25日(月)のこと(その3)<枝野官房長官といわき市長>

2011年04月25日 21時24分34秒 | 大震災の中で
25日の枝野官房長官の会見に、「いわき市」への言及があった。
詳しくは後述のリンクを参照してほしいが、

簡単にいうと、

1,4月22日の官房長官記者会見で、いわき市は全ての制限区域から外れて「普通の地域」になった。

2,官房長官は、そのとき「いわき市の強い要望があって」と説明した。

3,その直後、いわき市長は、「強い要望なんてしてない!」と抗議。

4,25日、官房長官が謝罪して訂正した……

という話。

国=枝野さんが責任逃れをしようとした的指摘もあるけれど、この場合は(枝野さん的立場から考えると)「地方の意向を汲んで」というアピールだったと見るのが妥当では?

そのアピールは、
「いわき市」=「普通の地域」なんだけど「普通」の中では最前線基地だもんね=臨界面=中途半端な難しい場所なんだよ的側面を、「いろいろ配慮し」た結果だ、というための言及だったのではないか。

いわき市長はそりゃ
「おまえが言ったから安全宣言したんだぜ」
みたいに言われたら立場がないから、当然訂正要求するよねえ。

22日、いわき市長はいわき市HPに市長コメントを発表

http://www.city.iwaki.fukushima.jp/10327/10395/011228.html
(引用開始)
本日、国より「福島第一原子力発電所から半径20キロメートルから30キロメートル圏内に指示していた屋内への退避を解除する。」通知がありましたが、私は本日発表された内容について、4月11日の時点で国から説明を受けておりましたので、いつ屋内退避が解除されるのか気をもんでいたところであります。正直申し上げ、国の対応は遅いと受け止めております。
市民の皆様には、いわき市の「屋内退避地区」指定が解除となり、国が正式に本市の安全性を認めたものであり、あらためて「いわきは安全だ」ということで、御安心していただきたいと思います。
(引用終了)

と書いてる。
「国の対応は遅い」→「早く解除してほしい、と思っていた」
と普通は読める。

正確に読むと、11日には国から聞いていたのにそれが10日以上も遅れて発表になったから「遅い」という文脈なんですけどね。

当たり前のことを当たり前に言っているだけ。タイミングの問題もそりゃあるけれど、どういう「意向」を持っていたのかといえば、「安全宣言」したかった、のは明らかでしょう。

「国の対応は遅い」とは言うが、国に「強い要望」はしていない、というレトリックは正直分かりにくいです、いわき市長さん。


とはいえ、このブログでも繰り返し書いているとおり、正直いわき市が本当に難しいところに立たされているのは間違いない。


ただ、いわき市は、官房長官会見の次の部分は真剣に受け止めて対応してほしいと切に願う。
「安全宣言」だけでは、賭け金を半分にしか張ったことにならない。


>市自らの組織的な避難準備等もしっかりと整えるということなどを前提に

この内容をしっかりと素早く市民に提示してください。

官房長の記者会見では、「いわき市は安全だ」なんて話には全然なっていない。
いつでも逃げられるように準備することを前提に、ってところは25日でも訂正されていないのです。

本当は、国の避難準備区域の指定になるかならないかより、きちんと危険に対する準備がなされることの方が大事。

「安全宣言」でこと足れりとして、「よしあとは復興だ」、なんてなりませんように。

第一原発は、いつまた冷却が不安定になって爆発しないとも限らないのですから。

「よしあとは復興だ」ってのは「市外・県外」の外向きのメッセージでしょう。
もちろん景気づけも必要です。

でも、同時に、きめ細かくいざというときに備えての避難準備計画も進めていくってのが前提になってるはず。

市民はけして安心なんてしていない。
仕事があるから、子どもの友達がいるから、家があるから、年寄りが避難しないっていうから、親戚がいるから、あるいは、ずっと今まで家がここにあったから、肉親とここに住んでいたから、やっとの思いで踏みとどまってるんじゃないのか?

その装われた冷静さ、の心意気に通じる言葉を持って、発言してほしい。

心に通じることばは、けっして「いわき市は安全だ」じゃないと思うよ。



------------------枝野官房長官22日&25日の記者会見---------------------

asahi.comからのリンクを参照のこと。

25日記者会見の当該部分
http://www.asahi.com/politics/update/0425/TKY201104250218.html

 「私の22日の記者会見で、計画的避難区域等の説明を行った際、質問に答えて、いわき市からの強い要望により結論を出したと受け取られかねない答えをした。これについて、いわき市長からそのような認識はない旨の申し出をちょうだいした。この点については、いわき市のご意向を忖度(そんたく)したものであったというふうに認識しているし、避難地域等から外れることが期待されるというご意向を踏まえたものであったとは認識しているが、若干それについて十分な認識が共有されずに誤解を招くような発言になった。このことについては、いわき市長におわびを申しあげるとともに、訂正をしたい。先ほど、市長と直接電話で話をし、このような趣旨を説明し、ご理解を賜った。重ねて文章で申し出を頂いているので、文書にて、今のような趣旨をしっかりとお伝えしたい。いずれにしても今回の地域設定は、地元といろいろと意見交換したが、国の責任において設定しているものであることを改めて申しあげたい」



22日会見の当該部分
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201104220315.html

 ――20~30キロの間で計画的避難区域、緊急時避難準備区域で両方に該当しない地域と、該当しないとした判断理由は。

 「もちろん、それぞれの地域の線量であるとかリスクというかというものを安全性の観点からしっかりと踏まえた上で、それぞれの自治体の皆さんとこの間、協議をしてきた。具体的に言うと、20キロ~30キロ圏内にいわき市の一部が含まれていたが、ここはどちらの指定もなくなって、そして屋内待避の指示も解除される形になる。いわき市については線量が高いという状況ではない中で、30キロ圏内ではあるが、大規模な放射性物質の放出、つまり、原子炉の悪化というような緊急時に備えて住民の皆さんがしっかりとした万が一の場合に自力で避難ができるという態勢がしっかりと確立されるということがこのエリアの指定の目的だ。いわき市については、市自らの組織的な避難準備等もしっかりと整えるということなどを前提に、いわき市からも強い要望があって、それから安全委員会等の意見も踏まえた上で、その一部について従来の20キロ~30キロ圏内については、そうしたことを踏まえてどの指定もしないということが安全の観点からも可能であろうということの前提に基づいて、市の強い要望に基づいた結論を出した」



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