神楽坂モノガタリという神楽坂駅前の本屋さんで、
小林康夫×國分功一郎
というトークイベントがあったので行ってきた。
そのトークも面白かったのだが、今日はその話ではなく、イベント会場だった本屋さんの話。
そこでふと手に取った『STONER(ストーナー)』ジョン・ウィリアムズ 作品社刊
がとてもとても素敵な本でびっくりした、という話がしたいのだ。
アメリカの地方大学の助教授として人生を終えた平凡な大学教師の一生を淡々と描いた作品なのだが、キャンパスの風の匂いを感じるというか、大学で学問みたいなものとどんな形であれ向き合ったことがある人にとっては、懐かしいというか、 「ああそんな先生がいたかもしれない」というか、そんな大学の生活があったかもしれないというか、何とも生きる寂しさと少しの苦さと、しかし幾分かは瑞々しい青春の残映と、ソウイッタモノニたいする哀愁とが重なって、しみじみする小説だった。
一代記、なんだけれど一種の 「青春小説」として読める。
読み終えた後で、ちょっと上手く読まされちゃったな、という感も抱くのだが、その読後の感触も決して嫌みではない。その時代の 「風」を掬い取っている、と思えば、難しいことは言わなくても済む。
書かれ方はとても1960年代の小説とは思えない。たしかに時代背景は確かにその頃の社会のものだが、ある種の 「青春小説」(教養小説あるいは成長小説というべき?)的な側面を持っていて、それは時代に関わらないような気がする。
何だろう、かつて自分が 「田舎の大学」で初めて学問の雰囲気に触れたから、だろうか。この描かれたキャンパスの中に自分がいるような錯覚を覚えた。
同世代の人に読んでもらって感想を聞きたい一冊。
小林康夫×國分功一郎
というトークイベントがあったので行ってきた。
そのトークも面白かったのだが、今日はその話ではなく、イベント会場だった本屋さんの話。
そこでふと手に取った『STONER(ストーナー)』ジョン・ウィリアムズ 作品社刊
がとてもとても素敵な本でびっくりした、という話がしたいのだ。
アメリカの地方大学の助教授として人生を終えた平凡な大学教師の一生を淡々と描いた作品なのだが、キャンパスの風の匂いを感じるというか、大学で学問みたいなものとどんな形であれ向き合ったことがある人にとっては、懐かしいというか、 「ああそんな先生がいたかもしれない」というか、そんな大学の生活があったかもしれないというか、何とも生きる寂しさと少しの苦さと、しかし幾分かは瑞々しい青春の残映と、ソウイッタモノニたいする哀愁とが重なって、しみじみする小説だった。
一代記、なんだけれど一種の 「青春小説」として読める。
読み終えた後で、ちょっと上手く読まされちゃったな、という感も抱くのだが、その読後の感触も決して嫌みではない。その時代の 「風」を掬い取っている、と思えば、難しいことは言わなくても済む。
書かれ方はとても1960年代の小説とは思えない。たしかに時代背景は確かにその頃の社会のものだが、ある種の 「青春小説」(教養小説あるいは成長小説というべき?)的な側面を持っていて、それは時代に関わらないような気がする。
何だろう、かつて自分が 「田舎の大学」で初めて学問の雰囲気に触れたから、だろうか。この描かれたキャンパスの中に自分がいるような錯覚を覚えた。
同世代の人に読んでもらって感想を聞きたい一冊。