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奈良の名所・古跡

行ってみたい所があるといいのですが・・・古墳とか建物とか巨樹とかいろいろ・・・

海住山寺五重塔

2013年11月05日 | 文化財
海住山寺五重塔
 初層の屋根の下に裳階が設けているのが特徴です

 鎌倉時代、貞慶の一周忌の建保2年(1214)に完成しました
 高さ(基壇上面~相輪上端)17.7m、初重一辺2.74m

 貞慶の弟子で海住山寺を継いだ慈心上人覚真(藤原長房)が仏舎利七粒を塔に安置したとの記録があり、これが塔の完成を意味するものと解釈されています

 屋外にある木造五重塔で国宝・重要文化財に指定されているものとしては、室生寺の五重塔に次いで日本で二番目に小さいそうです

 初重内部には四天柱(仏壇周囲の4本の柱)はあるが、心柱は有りません
 心柱は初層天井の上から立っています
 初重内部の四天柱の間には東西南北の4面とも両開扉を設け、厨子状の構えとするが、仏塔の内部をこのような構成にするのは珍しいそうです
 日本の仏塔では、軒の出を支える組物は、肘木を3段に持ち出す三手先とするのが通例ですが、この塔は各重とも二手先組物としており異例です

 昭和38年の解体修理で、初重の軒下に裳階が復元されました 

★所在地;木津川市加茂町例幣海住山20
★交通;JR加茂駅より バスで「岡崎」下車 徒歩40分
★駐車場;有ります
★入山料;100円
★問合せ;0774-76-2256(海住山寺


奈良女子大学の奉安殿と守衛室

2013年10月16日 | 文化財
奈良女子大学の奉安殿
 ギリシャ神殿風の屋根が特徴です 撮影日;2013.09.29

 国の重要文化財でもある"正門"を入ってすぐ左手にある建造物です
 今でも残っている奉安殿は数少ないそうです
 戦後は、全国の各学校に有りましたが、ことごとく解体されています

 この奉安殿は、戦後、生物学教員が日本を占領していたGHQに交渉し、遺伝子の研究のためショウジョウバエの飼育室として使うことを交渉し、解体を逃れたそうです

 戦前、明治天皇・皇后の写真(御真影)が収められていました 
 戦前は、儀式の時に校長が、ここから御真影を恭しく戴いて式場まで運んだそうです

 昭和9年の建設で、創立25周年を機に同窓会(佐保会)が寄附しました
 RC造に白色タイル張りで、三角屋根の形がギリシャ神殿のようにも見えます

守衛室
 正門を入ってすぐ右手にある"守衛室"は、屋根の棟飾りや窓廻りを本館と類似した意匠でまとめています

 明治42年12月に竣工されました
 平成6年に改修工事が行われ、旧奈良女子高等師範学校の本館と正門と供に国の重要文化財に指定されています
 設計は山本治兵衛氏で、木造平屋建て・十字形平面の鉄板葺です
 
★所在地;奈良市北魚屋西町
★交通;近鉄奈良駅下車 徒歩7分
★駐車場;なし
★見学料;タダです(日・祝日)守衛室に声かけすれば見学できます
★問合せ;0742-20-3214

 構内には佐保会館も有ります


室生寺の五重塔

2013年09月28日 | 文化財
室生寺五重塔
 
法隆寺
五重塔に次ぐ古塔です 撮影日;2013.09.21

 平安時代初期(800年)頃の建立で、「弘法大師一夜造りの塔」と呼ばれています
 現存している屋外に建つ五重塔の中では最小の塔です
 高さは16m強、初重は1辺の長さ2.5mの小型の塔
 興福寺五重塔の3分の1ほどの高さです

 日本の他の仏塔では、最上部の九輪の上に「水煙(すいえん)」という飾りが付いています
 室生寺の五重塔では水煙の代わりに宝瓶(ほうびょう)と称する壺状のものがあり、その上に八角形の宝蓋(ほうがい)という傘状のものが乗っている珍しい形式です
 寺伝では、創建にかかわった僧侶修円がこの宝瓶に室生の竜神を封じ込めたとされます

 明治32年に半解体修理が行われ、昭和27年・53年には屋根の葺替え工事が行われました
 平成10年に台風で巨杉が倒壊し、四~五層が破損しました
 塔脇に切株が残されています
 塔は平成12年に修復されています≪国宝≫

室生寺五重塔九輪 杉切株

 初夏には塔前の石段脇に、石楠花が見事に咲きます 

★所在地;宇陀市室生78(室生寺の境内)
★交通;近鉄室生口大野駅より バスで室生寺終点下車 徒歩5分
★駐車場;有料
★入山料;大人600円
★問合せ;0745-93-2003(室生寺


石段から見上げる室生寺の五重塔

平井医院(五條市)

2013年07月19日 | 文化財
平井医院
 国の登録有形文化財(建造物)です 撮影日;2013.07.14 

 市内を走る国道24号線沿いに屋敷が有ります
 主屋は敷地中央にほぼ南面して建っています
 上棟幣束より安政2年(1855)の建立とわかっています

 主屋の後方の屋敷の北辺沿いに建つ土蔵の安政2年建立です
 表門は長屋門形式の門です

平井医院の主屋 平井医院の門
 文化財指定は2002年8月です

★所在地;五條市今井4-1-16
★交通;JR五条駅下車 徒歩15分
★駐車場;なし
★見学;許可を得た方がよいでしょう
★問合せ;0747-22-4001(五條市役所)


吉川家住宅(山之坊町)

2013年06月02日 | 文化財
吉川家住宅
 年代の明らかな農家住宅として貴重です 撮影日;2013.05.18 

 主屋は大和棟で、カマヤを落棟とし周囲に庇を廻しています
 広い屋敷の南側に主屋を建て、表門・内蔵・納屋棟の付属屋を土塀で敷地周囲を囲み、屋敷の構えもよくまとまっています

 元禄16年(1703)の建築とされています
 吉川家は代々庄屋を勤めていたようです
 全国的にみても、元禄を溯る農家は少ないそうです

 昭和55年に、主屋・内蔵・表門が県指定の文化財となっています

★所在地;橿原市山之坊町388
★交通;近鉄耳成駅下車 徒歩7分
★駐車場;なし
★入場料;公開されていません
★問合せ;0744-29-5902(橿原市生涯学習部文化財課)

 すぐ西に耳成山耳成山公園が有ります



 すぐ南に(浄土真宗本願寺派) 耳無山 「 阿弥陀寺 」が有ります
 寛政6年(1794)の寺略縁起に、暦応2年(1339)に耳成山の北麓に一宇を建立し、阿弥陀如来坐像を安置し、耳無山山之坊阿弥陀寺と号したと記されています
 当時は真言律宗だったようです

 天正16年(1588)に伽藍が焼失し、本尊も行方不明となっていましたが、その後見つかった本尊を別堂を建てて安置して真宗の道場としたようです
 門の鬼瓦に寛政8年(1796)銘あり

本尊;阿弥陀如来立像
 寛文11年(1671)ごろ、本山より下付けされ、寺号を許されています
 他に厨子入りの阿弥陀如来坐像が有ります
 鎌倉時代初期をくだらない作で、元禄12年(1699)の修理銘があるそうです

龍門寺の下乗石

2013年06月01日 | 文化財
龍門寺の下乗石
 笠石を載せています 撮影日;2013.05.18

 元弘3年(1333)在銘の「下乗石」です
 高さ204cm (重要美術品)
 頂部の宝珠は後世に載せられた物のようです
 塔身上部には月輪内に梵字を刻んでいます
 通りに面した塔身西面に下乗の文字を刻み、南面に龍門寺・北面に「元弘三年 癸酉 卯月八日」の刻銘が有ります
 保護のため鉄柵で囲まれています

 龍門岳への登山道入口には、祠が祀られています
 神様の名前は?

祠

★所在地;吉野郡吉野町山口
★交通;近鉄大和上市駅より バスで山口下車 徒歩20分
★駐車場;スペース有り
★入場料;見学自由
★問合せ;


 参考;龍門寺跡 下乗笠塔婆

青田家住宅

2013年05月07日 | 文化財
青田家住宅
 安政3年(1856)建築だそうです 撮影日;2013.04.14

 青田家は、水質に恵まれた地の利を生かし代々醤油製造販売をしていた豪商です
 現在、主屋・落棟座敷・土蔵三棟及び穀物を洗った井戸と井戸屋敷があります

 奈良町の東部地区清水通りの中程にあって市の伝統的家屋に指定されています
 平成2年4月に市の指定文化財となっています

道具屋 河瀬

 道沿いの土蔵は「道具屋 河瀬」として改装され、営業しています
 茶道具などの骨董品を扱っています

 ならまちセンターに模型が有ります
 模型は奈良市主催の世界建博トリエンナーレの展示物として企画されました
 京都環境計画研究所の実測調査による図面仕様書を基に縮尺十分の一で施工されています 

青田家住宅模型 青田家蔵模型

★所在地;奈良市高畑町939-1
★交通;市内循環バスで「破石」下車 徒歩3分
★駐車場;有りません
★休業日;火曜日
★営業時間;10:30~17:00
★問合せ;0742-22-5445(道具屋 河瀬)

 少し東に史跡頭塔が有ります


十三峠の十三塚

2013年04月04日 | 文化財
十三塚親塚
 生駒山地の稜線上に十三基の塚が並んでいます 撮影日;2013.03.24 

 最高所中央に親塚(径6m、高さ1m)が有ります
 これを中心に西に156度に開いて南北に各六基の小塚(径4~5m、高さ0.4~0.8m)が真っ直ぐに並んでいます
 
 親塚の西側(正面)には祭壇状の石組みが残っています
 江戸後期の嘉永3年(1850)に立てられた十三塚標柱も有ります

十三塚南塚 十三塚北塚

 神武天皇の皇后墓などの伝承があるそうです
 河内方面からの参拝者が多く、小旗を立てる等の信仰もみられました
 平群側では雨乞の松明行列の道筋になっていたそうです
 昭和8年に南側七基が発掘調査されましたが、表土層から古銭や土器小片が出土したのみで、埋葬施設や埋蔵遺物は確認されませんでした
 これ以後、信仰は途絶えたそうです

 十三塚は、かって全国に数百ヶ所分布しました
 開発行為で激減する中で、完存する十三塚として、兵庫県氷上郡山南町の岩屋十三塚とともに重要有形民俗文化財の指定を受けました(昭和61年 3月31日)

十三塚 十三峠

 築造時期は定かでは有りません
 延宝7年(1679)編の『河内鑑名所記』に記載があり、中世後半まで遡る可能性があります
 塚に触れると崇りがあり、塚に雨乞いをし塚に祈ると災難や疾病が平癒すると伝えられていました

★所在地;生駒郡平群町福貴畑2310・2691
★交通;近鉄平群駅より バスで「福貴畑集落センター」下車 徒歩25分
★駐車場;有ります
★入場料;見学自由
★問合せ;


十三峠の十三塚図 十三峠の地蔵

春日小学校旧講堂

2013年03月17日 | 文化財
春日小学校旧講堂
 現在は山添村歴史民俗資料館となっています 撮影日;2013.03.11

 明治36年に村民の協力により竣工されました
 平成3年に保存修理を行い、校舎東側に移築しています

 移築前は、講堂を中心に囲むように「コ」の字型の教室棟が特徴的でした
 入り母屋造りの深い屋根、高い床など当時から「お寺のよう」とも言われていました

 大棟両端には瓦製鯱(シャチ)を飾っています
 玄関は正面に張り出して土間吹き放しとし、周囲に長押、欄間を廻らすなど、学校建築としては得意な手法を残している
 柱や梁などの部材は村民所有の山林から最良の材を持ち寄ったそうです
 労力も村民があたるなど、村民の願いを込めて完成した建物でした

山添村歴史民俗資料館 春日小学校旧講堂の説明板

★所在地;山辺郡山添村大字春日1770
★交通;JR・近鉄奈良駅より 山添方面行きバスで春日学園前下車 徒歩すぐ
★駐車場;有ります
★入館料;無料ですが、見学は事前予約が必要です
★休館日;毎週月曜日
★開館時間;9:00~16:00
★問合せ;0743-85-0250


山岡家住宅(大宇陀)

2013年02月23日 | 文化財
山岡家住宅
 山岡家は代々大庄屋を勤めた旧家です 撮影日;2013.02.11

 主屋・座敷・内蔵の3棟が県の文化財指定を受けています

 主屋の平面構造などは片岡家住宅と似ているそうです
 17世紀の建築です

 西側の座敷は、元あった位置に19世紀に建設したようです
 若干の改造もあるそうですが、大型民家の変遷を考える上で重要な遺構です 

山岡家住宅遠望 山岡家住宅主屋

★所在地;宇陀市大宇陀下竹1番地
★交通;近鉄榛原駅より バスで「五十軒」下車 徒歩すぐ
★駐車場;なし
★入場料;見学不可
★問合せ;0745-83-2251(宇陀市観光協会)