島国ニッポンの山国から

地球温暖化、クルマ社会の諸問題、時評、街作り提言などを島国の中の四方を山で囲まれた山形盆地からのつぶやき

バスと乗用車との大きな違いとは?

2010-02-06 11:23:48 | クルマ社会の問題
 ここに2つのクルマの写真がある。
 申すまでもなく大型バスと一般乗用車であるが、この両者の「大きな違い」とはいったい何なのか。
 むろん、大きさにおいては拡大の差異があり、その他にも様々な差異はある。
 でも、まったく別の角度から差異を探せば、「マイカー甘やかし」を象徴する差異を指摘できる。
 その「差異」とは、ドライバー席のすぐ脇に「別の座席」が有るか無いかの違いである。
 一般乗用車のドライバー席のそばには当然のように座席がある。
 同乗者がたったの1名の場合はたいていその前列の運転者席の脇の座席に座る。
 だから、同乗者と運転者は走行中も会話する場合が多い。
 運転者自体も会話をしながらの運転の方が楽しく運転できるし、退屈な運転により「居眠り運転」に陥る危険を避けられるから、かえって安全運転に役立つと言う人までいる。
 だが、路線バスであれ観光バスであれ、乗客が運転士にバスの走行中に話しかけることは禁止されている。むろん、安全運転のためである。
 また、運転士がカーステレオの音楽やラジオを大きな音量で聴きながら走行させるようなバスに乗りたがる乗客は居るだろうか。ましてや携帯電話しながら運転する運転士のバスにも多くの乗客は不安を感じるであろう。むろん携帯電話しながらの運転は乗用車でも禁じられているのだが、警察の取り締まりもさほど厳しくなく、そのような光景は街角ではいくらでも目にすることができる。
 このように「動く公共空間」としてのバスと「動くプライバシー空間」の如き乗用車との間には大きな差異がある。
 しかし、行政が本気で国民・市民の「安全安心」の社会作りを目指すなら、この差異の撤廃、つまり、乗用車の前部の同乗者席の撤廃(ちょい無理があるかな)やカーステレオやラジオの設備などの撤廃をメーカーに求めるべきであろう。