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光合成細菌

2011年12月02日 | 科学
 広島国際学院大の佐々木健教授(バイオ環境化学)らの研究グループは、微生物を使って泥の中の放射性セシウムを回収する方法を開発した。9月に福島市内で採取したヘドロでの実験では、セシウムを約90%除染することに成功した。実験に用いた光合成細菌が、カリウムとよく似た性質のセシウムを取り込んだ可能性があるという。佐々木教授は「汚染された土壌にも使える技術ではないか」と話している。
 バイオ技術を活用した放射性物質の除去を研究している佐々木教授と、広島市の水道関連資材販売会社「大田鋼管」が9月、福島市内の公立学校のプールからヘドロを採取し現地で実験した。細菌90グラムをアルギン酸などに混ぜた粒状物質をビー玉大にし、濃縮したヘドロ50リットルに投入。3日間の放射線量を計測した。その結果、実験開始前に毎時12・04~14・54マイクロシーベルトだった放射線量は同2・6~4・1マイクロシーベルトまで減少した。実験中、プール周辺では福島第1原発事故の影響で同1・2マイクロシーベルトの放射線量が測定されていたが、差し引くと最大89・4%除去できていた。
 実験に使った細菌は、表面にあるマイナス電気で物質を引き寄せる性質があり、プラス電気のセシウムを吸着した。また、細菌はカリウムを取り込んで生きるが、取り込まれる際に似たような動きをするセシウムも吸収したとみられる。
 細菌を混ぜた粒状物質は、乾燥して焼却すると容量は75分の1、重さは100分の1に減る。セシウムは温度640度でガス化し拡散するが、500度以下なら拡散しない。
 佐々木教授らは土壌での実証実験も予定しており、「常温常圧で、現地で除去作業ができるのが利点。コストも安く、福島の再生のためにぜひ普及させたい」と話している。【加藤小夜】毎日新聞 11月11日 東京朝刊

 ちょうど1年前、NASAがリンと化学的性質が似ているヒ素を取り込み、DNAとタンパク質を作り出す新種の細菌を発見したと発表しました。他にも金属を取り込むバクテリアはもちろんミミズまでいることが世界各地で報告されています。
 今年8月3日には飯館村で、セシウムを取り込んでバリウムに変える糸状菌の可能性が実験されていました。光合成細菌は、セシウムがカリウムとよく似た性質であること、放射線もエネルギーにしている可能性があることから、かなり有望と思われます。